先日、英国RICS評価基準(Red Book)の勉強会に参加しました。RICS(The Royal Institution of Chartered Surveyors)は、邦訳で英国王立公認資産専門家協会で、会員数は、世界146ヵ国で約15万人。現在、日本でのメンバーは100名程度とのこと。 

先日私もそのメンバーとして認められました。これは前職(PwC)で、国際不動産関連投資の評価・レビュー業務を担当していた関係で申請していたものが、たまたま通ってしまったものです。運営本部はロンドンにあり、世界各地に7ヶ所地域事務所があります(アジアでは香港が、地域事務所)。

欧米の多くの国が、IFRS国際財務報告基準を採用してきている趨勢において、日本においても会計基準を国際会計基準に近づけるべく、いわゆる会計コンバージェンスにより2010年3月期決算から時価を注記することになっています。さらには、国際財務報告基準の強制適用の議論も始まっています。同基準においては、幅広い分野において「時価評価」が求められており、その基準がIFRS内に直接規定されているものもありますが、一般に認められている評価基準(欧州においては、間違いなくこの英国RICS評価基準(Red Book)が該当)で行なうことになります。実際、RICSのRed Bookには、たとえば英国実務規程第1号「財務諸表作成のための評価」など、国際会計基準等に対応する不動産の評価基準が数多く含まれており、評価の世界スタンダードとなる可能性が高いです。
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RICSは、下記Red Bookと呼ばれる評価基準書を遵守して行動するものとされ、そこには行動規定だけでなく、倫理基準、評価手法等が詳細に記載されています。またRed Bookは毎年のように順次改訂されることも特徴のひとつです。この度、この長い歴史ある評価基準書を、JAREC日本不動産カウンセラー協会が、我が国で初めて翻訳出版しました。値段は約一万円とお安くないですが、国際不動産投資の専門家としての能力を維持すべく勉強を続けたいと思います。
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