吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

Competitiveness

国際競争力ランキングWCY by IMD ②

(前回からの続きです)IMDは基本的に、経済状況、政府の効率性、企業の効率性の順位付けを行い、全体順位を決定します※。
つまり上記4項目ごとに、順位を見ていけば、日本の強み・弱みがわかってきます(下図参照)。日本は全体では27位ですが、経済状況24位、政府の効率性48位、企業の効率性33位、インフラ整備状況17位となっています。
無題2
IMDから独自作成。縦軸が順位、横軸が全体、経済状況、政府の効率性、企業の効率性、インフラ整備状況です。

問題点は、政府の効率性と企業の効率性であることが、一目瞭然です。政府の効率性は、国家財政、財政政策、制度的枠組み、ビジネスの関連法、社会の枠組みで評価されます。企業の効率性は、生産性、労働市場、資金調達の実務、ビジネスに対する考え方や価値観で評価されます。

私見ですが、日本の現状が正鵠にデータに表れていると思います。 
<政府の効率性>
国家財政:ざっくり1,000兆円、GDPの2倍にも及ぶ公的債務
財政政策:支出効果を測定しない財政政策、、「流動性の罠」にはまっている金融政策
制度的枠組み:新規企業を阻む慣習や制度
ビジネスの関連法:コンプライアンスを過度に求める法の枠組み
社会
の枠組み:挑戦することに対する社会的応援が少ない
<企業の効率性>
生産性:日本のホワイトカラーの生産性は、実は低い
労働市場:硬直した年功序列制度、ゆとり教育世代が社会人になって優秀な人材が相対的に減少、正社員制度の制度的疲弊
資金調達の実務:ビジネスに立脚した合理的なロジックで資金調達が行われていないことが多い、リスクマネー市場がない
ビジネスに対する考え方や価値観:ビジネスを大成功させることより、リスクを避ける傾向

私は、海外へ数年間駐在し外から日本を見ることにより、複眼的な思考を得ることができました。確かに上記のような問題点は、日本では空気のようにあたりまえのように存在しますが。一方、例えばシンガポールでは、上記の問題点はいずれも全く当てはまりません。当然、
政府の効率性及び企業の効率性が上位であることに、非常に納得感があります。

課題が明らかになったわけですから、それに対する対処を練ればいいだけともいえるわけです。また日本全体の課題は、ブレイクダウンすれば各地域の課題でもあります。ハードルはありますが、知恵を絞り、きちんと事実を捉え、正しい決断をすれば必ず道は開けると信じています。

''Think globally, act locally" - すなわち、
世界の視点でものを考え、それを身近な地域での活動に生かしましょう!

※IMDの調査の方法は、かなり詳細に決められています。まずは4つのファクターについて、それぞれ5つずつのサブファクターがあります。さらにこの下に 数百の評価項目が設定され、それぞれの評点を合計してランキングが決まるわけです
FactorsSub-factors
Economic performance
  • Domestic economy
  • International trade
  • International investment
  • Employment
  • Prices
Government efficiency
  • Public finance
  • Fiscal policy
  • Institutional framework
  • Business legislation
  • Societal framework
Business efficiency
  • Productivity
  • Labor market
  • Finance
  • Management practices
  • Attitudes and values
Infrastructure
  • Basic infrastructure
  • Technological infrastructure
  • Scientific infrastructure
  • Health and environment
  • Education

国際競争力ランキングWCY by IMD ①

日本の国際競争力WCY※1が、IMD※2という機関から発表されています。日本の国際競争力は第27位で、昨年からひとつ順位を下げました。1989-1996年の間が世界1位-4位であったことを思うと、隔世の感があります。当時は日本ではバブル崩壊時点を経験済みだったものの、国際競争力は維持していました。転機となったのは1997年からです。

なお、今年の上位は以下のとおりです。
1位  香港
2位  アメリカ
3位  スイス
4位  シンガポール
5位  スウェーデン

このランキングは、主に政府の効率性、企業の効率性、経済状況、インフラの主要4項目を、世界の主要国家の政府統計で2/3、実業界に対するアンケート調査で1/3の割合で、評価を組み合わせて決めているそうです。単なる統計だけの集計でなく、経済界の経営者の声が反映されているという点で、一定の信頼度があると思います。この指標では「企業はどの国でビジネス活動すれば、競争力が発揮できるのか」という視点が重視されているわけで、この結果からは、多国籍企業にとって、日本がアジア拠点を置くには向いていない、というメッセージを読み取ることができます。では、日本企業にとっては、アジア市場を見据えてビジネス展開する拠点を、どこにおくべきでしょうか(続く)。

Let's ''Think globally, act locally"!
 無題

縦軸が国際順位、横軸が西暦
赤:日本、紫:香港、茶:シンガポール、緑:中国

※1:下記IMDが毎年一回、5月中旬前後に発表している世界競争力年報(WCY: World Competitiveness Yearbook)の国際競争力順位
※2:IMD (International Institute for Management Development:国際経営開発研究所)という、スイス・ローザンヌのビジネススクール。 

2012cover_VIS5

記事検索
最新記事(画像付)
   吉田みきと Official Website

吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。

ギャラリー
  • 任期満了に伴い、市議会議員の職を卒業
  • 令和2年7月議会 一般質問⑤(医師不足解消)
  • 令和2年7月議会 一般質問④(骨髄バンクドナー)
  • 令和2年7月議会 一般質問③(いわきの先人たちの顕彰)
  • 令和2年7月議会 一般質問②(仮称)磐城平城・城跡公園
  • 令和2年7月議会 一般質問①(いわき七浜海道)
  • 医者が教えるサウナの教科書
  • QVBとは
  • QVBとは
  • QVBとは
  • QVBとは
  • 人生が楽になる達人サウナ術
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 成城学園前駅 空中庭園
  • 人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?
  • いわき平競輪 場外食堂
  • いわき平競輪 場外食堂
  • いわき平競輪 場外食堂
  • 社長が入社式で鉋をかける理由 アキュラホーム宮沢俊哉氏
  • 言ってはいけない中国の真実 橘玲著
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • エクササイズコーチ パーソナルトレーニングジム
  • ジム・ロジャーズ 大予測 激変する世界の見方
  • 女帝 小池百合子
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • 小名浜駅跡 福島臨海鉄道
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • French Pound House 日本一のショートケーキ
  • IKEAのスウェーデンミートボール
楽天市場
  • ライブドアブログ