週刊ダイヤモンドは、何でもランキングが好きですね。病院、大学、企業となんでも勝手に順位付けするのは、個人的にどうかと思うのですが、一定の指標、データ、事実に基づく分析であるということを前提に読めば、非常に意味があると思っています。
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さて、いわき市も自治体病院として、いわき市立共立病院を経営してます。755ベッドの一般病床を持ち、毎年一般会計から約20億円の繰入を受けて地域医療を担って運営されています。「繰入」というのは、病院経営の赤字の補填を、いわき市のお財布から毎年行っているということです。
下記の「大都市における自治体病院の1床あたり繰入金ランキング」では、15位の静岡病院が304万円ですから、共立病院の264万円(20億円÷755床=264万円)は、ランキング外ということがわかります。それにしても、ひとつのベッドを維持するのに、毎年264万円が投入されているという事実は変わりません。将来にわたって持続可能な経営かどうかについて、疑問を持たざるを得ません。

ダイヤモンドは、自治体病院の赤字経営の原因について、触れています。その言葉を借りれば、「ポイントは運営責任者と職員の身分だ。いまだ多くの病院で行政が運営の主導権を握り、職員は給料の高い公務員である。」とのこと。
共立病院が目指すところは、いわき市民が受けられる医療サービスの最大化です。医療サービスには、医療の質的レベル、緊急医療の迅速対応、難度医療への対応等が含まれます。一方、その実現のために持続可能でない税金が投入されることは、許されません。少し難しいですが、一般的な市民サービスと同様、「(投入量1円あたりの)サービス価値の最大化」を目指すことが、市民病院の目指すべき道と考えます。
そのためにネックになっている項目があるならば、項目を特定しすみやかに改善すべきでしょう。ステークホルダーに十分配慮することは必要ですが、本当にいわき市民のためになる医療とは何か、を第一に考えるべきと考えます。
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ダイヤモンドは、自治体病院の経営改善の処方箋についても、触れています。その言葉を借りれば、「柔軟な経営を可能にする地方独立行政法人化がベスト」とのこと。
独法化した日本海総合病院のように、産科、小児科を含めた診療科目を持ちながら、非常に効率的な経営をするようになった病院もある、とのこと。これもひとつの選択肢だと思います。

日本海総合病院について、なぜ経営の舵取りがうまくいくようになったのか、深く調べたいところです。どなたかお知恵がありましたら、お貸し願えないでしょうか。
http://www.nihonkai-hos.jp/hospital/
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