西町インターナショナルスクールで、いわき市四倉の方がボランティアバザーに出店されるとのことだったので、顔を出しに行ってきました。この学校は、東京・麻布にあるインターナショナルスクールです。麻布十番から暗闇坂を上っていくと看板があります。六本木からも東洋英和学園の先、徒歩圏にあります。ここは、大蔵大臣の松方正義び娘、松方種子によって設立された由緒正しきインターナショナルスクールで、5歳から15歳の男女共学です。 
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多くのインターナショナルスクールは、学校教育法上のいわゆる無認可校ですが、ここはWASC(Western Association of Schools and Colleges、米国・西部学校大学協会)、CISという教育認定団体認定校のため、課程を修了した18歳以上の者には、大学入学資格が認められます。ここを卒業すれば、日本の高校に進学することでもできますが(約10%)、卒業生の多くが、日本国内のインタナショナルスクール(ASIJ (アメリカンスクール)、ISSH (聖心インターナショナルスクール)、YIS (横浜インターナショナルスクール))等に進学します。そのまま海外の高校に進学する卒業生は、約3割です。
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都心のど真ん中にありながら、それなりの敷地規模を持ち、外国人エクスパット御用達の学校です。六本木という立地から、各大使館勤務の師弟、外資系企業の外国人役員の師弟がたくさん通学するところです。私の勤務していたPwCもその例に漏れず、私の上司はこの近くに住んでいて、お子さんを西町インターに通わせています。当日の朝、偶然に1年ぶりに出会ったときには何か、縁を感じてしまいました。敷地内には日本の学校のような真四角の校舎、校庭はなく、一風変わった校舎、バスケットコートが中庭にありました。
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さてバザー自体は、施設内の体育館で行なわれ、個人単位で数十店が出店していました。出店者、来客者のかなりの割合が、English Speakerです。日本語はちらほら聞かれるぐらい、非常にインターナショナルなバザーです。出品物も、ちょっと日本では見かけない洋物が多かったような気がします。
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我がいわき市からも四倉の方が出店。普段は四倉道の駅に飾ってある大漁旗を持ち込んで、気合いが入った店です。私もいわき市の「震災の記憶」という冊子100冊(英語版)と、いわき市観光案内(英語版)を、市役所の協力を得て、持ち込んで配布させていただきました。
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元女優(歌手?)の早見優さんも、個人として子ども向けの品物をバザーで出店されていました。40歳代後半のはずですが、流石というか、キレイな方でした。せっかくですので、長女向けに、質の良い魔法の杖とティアラを100円で購入させて頂きました。
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フルブライト・ジャパンの役員の方(けっこう偉い方です)も、ボランティアでバザーをお手伝いされていました。こちらの方は、先日の高校生の米国訪問プログラムでも、お力を協力にお貸し頂いた方です。大感謝です。絆ジャパンのTシャツの背中越しにVサインで応えて頂きました。
<高校生の米国訪問プログラムは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/25506909.html
http://www.mikito.biz/archives/26214494.html
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インターナショナルスクールらしい出し物も多数。在校生ちびっ子達の歌唱ショー&ダンス(もちろん、全て英語)!普段から自己アピールに慣れている環境からから、どの子も全く照れもなく歌い上げ、ダンスする姿は格好良かったです。
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なお、西町インターナショナルスクールの学費(年額)は210万円、その他に10万円(年額)の施設費がかかります。入学の際には、80万円(初年度のみ)の入学金・施設維持費がかかります。仮に幼稚部から高校卒業まで10年間通学させると、学費等だけで最低2,280万円かかることになります。日本の学校制度に乗らない以上、文科省からの補助金が全くありません。全て自前で教育をするとなると、この程度の金額が必要になってくるということを改めて感じます。日本の学校(小中高)の運営のほとんどが、公費・税金でまかなわれていることを思うと、彼我の差を感じざるをえません。

在校生のほとんどは両親が外国からの転勤者ですが、保護者が両親とも日本人、かつ日本の会社にお勤めの方もちらほら見られます。聞くところによると、東京に居ながらにして、ネイティブイングリッシュを身につけることができ、日本の全体主義的な教育から解放され、個々を伸ばす教育を求めて、このようなインターを選択するそうです。なお、教育熱心な親は、インターの放課後に進学塾通塾やチューターを付けて、日本の大学受験に備える(その方が、大学受験にとっては無駄の多い中高の全体授業の時間を節約できる)そうです。日本の公的教育制度の趣旨から外れているので、大きな批判はあろうかと思いますが、確かに各家庭の事情によっては、合理的な選択かもしれません(そういえば、宇多田ヒカルさんや木村拓哉さんのご子息も都内のインターナショナルスクール出身)。極論すれば、日本の教育制度に満足していない家庭の無言の反抗だと思います。

そういえば、私が通っていたGABAという英会話学校では、ネイティブイングリッシュスピーカーによるマンツーマン会話をウリにしていたのですが、数10人が登録している教師のうちの一人が、調布のアメリカンスクール出身だったのを思い出しました。パーフェクトなイントネーションの英語かつ、日本語もネイティブなので、英会話初心者には人気だったと記憶しています。でも私は何か違和感を感じていました。個人を批判するわけではないのですが、アメスク出身者は文法や語彙の誤り指摘等で会話は弾むものの、何か底が浅い感じがしていました。他のGABAの教師のほとんどは、米国もしくは英国の大学で専門学位を持っている方が多く、会話の幅が広いのです。例えば経済学の話だったり、日本の新聞記事の内容や、日米の政治の相違等について議論できる人が多かったです。
 
考えてみれば当たり前なのですが、英語はしょせん会話のツール。会話が面白いかどうかは、会話の内容がもっとも重要なファクターだったのです。 そんなことをつらつら考えながら、西町インターナショナルスクールを後にしました。