仙台市の津波被災地域を訪れました。唯一、津波で残ったRC造4階建ての荒浜小学校にて、仙台市役所及び若林区の市議の方から説明を受けました。地域一帯が津波で流されたため、周辺は(いわき市における薄磯のように)建物の基礎部分だけ残された平野になっていました。
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500世帯が流出し、30人がなくなられた地区です。現在、災害危険区域と集団移転地区に指定され、建物の新築が禁止され、市による土地買取が提案されています。市としては防災公園として整備していく予定とのことですが、該当地区住民の方の中には、土地買取に反対のも含めていろいろな意見があるとのことです。
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RC造の小学校は3階まで津波浸水したものの、4階・屋上は周辺の避難民の拠点として活躍しました。幸い、躯体に損傷がなかったので、メモリアルパークにおける記念館という位置づけで後生に残すそうです(周辺地域は災害危険区域なので住民がいず、廃校)。一方、体育館は被災の状態が著しく、保存に多額の費用が必要なことから、今年度中の取り壊しが決定しています。これらの判断は、いわき市薄磯地区の豊間小学校にもそのまま当てはまるのではないでしょうか。
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仙台市のがれき発生量は135万トンで、現在70万トンを処理し、処理率は50%を超えています。一方、津波が運んできた土砂堆積物が、それとは別に122万トンあり、今後公共土木工事等に使用していくそうです。木くず、瓦、廃家電、廃タタミ、プラスチック等がそれぞれ分別された状態で積み上げられており、最大限リサイクルしていくという強い意志を感じました。
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仮設の焼却プラントが、がれき集積場に設置されていました。仮設といっても、川崎重工製でリース料は30億円を越え、通常のごみ焼却炉と能力はほとんど同じ、300トン/日の能力があります。いわきと違うのは、放射能の問題がないので、通常の可燃ごみとまったく同じく焼却し、焼却灰を産業廃棄物として、処分場埋め立てできることです。ちなみに焼却灰の放射能は、過去最大で1,380bq/kgなので、埋め立可能な基準値の8,000bq/kgを大きく下回っているとのこと。
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海岸線には津波で亡くなられた方の慰霊碑がありましたので、手を合わせて来ました。
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