いわき市の若葉台地区は約200世帯、草木台地区は551世帯が暮らす、いわき市でも比較的大きなニュータウンです。その若葉台と草木台が市街化調整区域(市街化を抑制すべき地域、以下「調整区域」といいます)に分類されていることをご存知でしょうか。

<草木台の鳥瞰図>
kusakidai_main
市街化を抑制すべき地域ですから、建物の新築・改築等において、すべて市町村の建築主事の許可が必要になります。なぜ、すでに地区のほとんどが宅地化されているニュータウンが、新築や建替え等に不便な調整区域なのでしょうか。

いずれの団地も開発前は山林だったわけで、当時は当然、調整区域 でした。その後、民間業者の開発(若葉台は東急建設、草木台は四倉自工)によって、宅地化され、良好な住宅団地となりました。通常であれば、この開発過程において、開発許可の許可を取り、漸次、都市計画審議会において区域の見直し(調整区域から市街化区域への線引き)がなされるはずでした。

しかしながら、国交省の運用指針(省内のルール)に、一定の規模がないと市街化区域への変更を認めないという目安があり、それに基づけばいずれの団地も若干、それを下回ったため(草木台は47ha)、今でも市街化区域になっていないのです。現実として宅地化済みなのに、転用を認めないルール。まったくナンセンスです。なぜなら、市街化区域への編入は3者両得だからです。
1. 建築業者: 新築や建て替えの手続きが簡素化され、工期が短縮できる
2. 宅地所有者:売買がしやすくなり、土地の価値が上がる
3. いわき市:都市計画税の課税対象になり、税収があがる。土地の価値上昇にともない、固定資産税の上昇も見込める
ぜひ、運用を改め、上記2ニュータウンの市街化区域編入を働きかけていきたいと思います。

<国土交通省 都市計画運用指針>
 既成市街地と連続しない新市街地は、1つの独立した市街地を形成するに十分な規模の区域とし、その規模はおおむね50ha以上であり、周辺における農業等の土地利用に支障のない区域とするべきである。