国際教育到達度評価学会(IEA:The International Association for the Evaluation of Educational Achievement)が、2011年の小・中学生を対象とした国際数学・理科教育調査(TIMSS:Trends in International Mathematics and Science Study)を発表しています。
詳しく見て興味を引かれたのは、日本にはメチャクチャできる、ズバ抜けた秀才、エースが少ないことです。特に理科においてそれが顕著です。習熟度分布を見ると、最高得点圏にいる層(下図の625点以上を取れる層)が薄いことがわかります。科学やビジネスのイノベーションは、中の上の平均から生まれにくい。トップ層をもっと厚くすることが、日本の進むべき道のひとつと考えます。
○上位5カ国の習熟度の分布(理科)
<調査の概要>
50カ国・地域の小学生と、42カ国・地域の中学生が参加。国際平均が500点になるよう調整。調査は4年毎に行われ、学校教育で得た知識や技能がどの程度習得されているか(教育到達度(educational achievement))が評価されます。
昨日PISAの調査結果についてブログで書きました。今回のTIMSSは調査対象・内容・結果に相違があります。ある学者によれば、両者の違いはTIMSSは学校で習う内容をどの程度習得しているかを見るアチーブメント・テストであるのに対し、PISAは学校で習った知識や技能の活用能力を見るテスト、とのこと。詰め込み教育をして、好結果が得られるのは、TIMSSの方と考えます。
日本は算数と数学がともに5位で、理科は小中とも4位。トップは小学算数と中学理科がシンガポール、小学理科と中学算数が韓国で、アジア勢が上位を占めました。
出典:TIMSSサイト
http://timss.bc.edu/timss2011/downloads/T11_IR_M_Chapter1.pdf
教育は私の専門外ですが、私はこの結果をもってして、日本の平均教育レベルは高いと断じてよいか懐疑的です。理由は、日本の調査サンプル小学校149校4,400人、中学校138校4,400人が、日本の生徒の母集団全体の代表を示すサンプル抽出されたかどうかが不明だからです。少なくともいわき市において、そのような調査が行われたことは聞いたことがありません。
http://timss.bc.edu/timss2011/downloads/T11_IR_M_Chapter1.pdf
教育は私の専門外ですが、私はこの結果をもってして、日本の平均教育レベルは高いと断じてよいか懐疑的です。理由は、日本の調査サンプル小学校149校4,400人、中学校138校4,400人が、日本の生徒の母集団全体の代表を示すサンプル抽出されたかどうかが不明だからです。少なくともいわき市において、そのような調査が行われたことは聞いたことがありません。
詳しく見て興味を引かれたのは、日本にはメチャクチャできる、ズバ抜けた秀才、エースが少ないことです。特に理科においてそれが顕著です。習熟度分布を見ると、最高得点圏にいる層(下図の625点以上を取れる層)が薄いことがわかります。科学やビジネスのイノベーションは、中の上の平均から生まれにくい。トップ層をもっと厚くすることが、日本の進むべき道のひとつと考えます。
○上位5カ国の習熟度の分布(理科)
小学校4年生 | 単位:% | |||||
400点未満 | 400点以上 | 475点以上 | 550点以上 | 625点以上 | ||
1 | 韓国 | 1 | 4 | 22 | 44 | 29 |
2 | シンガポール | 3 | 8 | 21 | 35 | 33 |
3 | フィンランド | 1 | 7 | 27 | 45 | 20 |
4 | 日本 | 1 | 9 | 32 | 44 | 14 |
5 | ロシア | 2 | 12 | 34 | 36 | 16 |
中学校2年生 | 単位:% | |||||
400点未満 | 400点以上 | 475点以上 | 550点以上 | 625点以上 | ||
1 | シンガポール | 4 | 9 | 18 | 29 | 40 |
2 | 台湾 | 4 | 11 | 25 | 36 | 24 |
3 | 韓国 | 3 | 11 | 29 | 37 | 20 |
4 | 日本 | 3 | 11 | 29 | 39 | 18 |
5 | フィンランド | 1 | 11 | 35 | 40 | 13 |
<調査の概要>
50カ国・地域の小学生と、42カ国・地域の中学生が参加。国際平均が500点になるよう調整。調査は4年毎に行われ、学校教育で得た知識や技能がどの程度習得されているか(教育到達度(educational achievement))が評価されます。
昨日PISAの調査結果についてブログで書きました。今回のTIMSSは調査対象・内容・結果に相違があります。ある学者によれば、両者の違いはTIMSSは学校で習う内容をどの程度習得しているかを見るアチーブメント・テストであるのに対し、PISAは学校で習った知識や技能の活用能力を見るテスト、とのこと。詰め込み教育をして、好結果が得られるのは、TIMSSの方と考えます。
PISA2003 生徒の学習到達度調査 | TIMSS2003 国際数学・理科教育動向調査 | |||||
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実施主体 | 経済協力開発機構(OECD) (1960年設立の政府間機関、30カ国より構成) | 国際教育到達度評価学会(IEA) (1960年設立の国際学術研究団体、 60カ国/地域の教育研究機関より構成) | ||||
参加国 | 41カ国/地域(OECD加盟30カ国、非加盟11カ国/地域) |
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調査実施時期 | 2003年7月(前回は2000年) | 2003年2月 (前回は小学校:1995年、中学校:1999年) | ||||
調査対象 | 高校1年生 | 小学校4年生 中学校2年生 | ||||
調査項目 | 読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー、 問題解決能力 | 算数・数学、理科 | ||||
調査内容 | 知識や技能等を実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを評価(記述式が中心) | 学校のカリキュラムで学んだ知識や技能等がどの程度習得されているかを評価(選択肢が中心) |
出典:文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/sonota/07032813/001/001.htm
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/sonota/07032813/001/001.htm