薄磯・豊間地区で行われた、「ガレキに花を咲かせましょうプロジェクト」に参加しました。100人を超えるボランティア(地元だけでなく、東京からの参加者も)によって、被災し土台だけになった住宅地に、パンジーの花8000鉢植えました。今年の秋に咲いた後、来春に再度花をつけるそうです。
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地面にはたくさんの不純物(木の根っこ、ガラス破片、石等)があるので、まず大きなスコップで地面を掘り起こし、柔らかくしてから、1鉢ごと等間隔にパンジーの花を植えます。黄・赤・ピンクの色があるので、各人のセンスで配置していきます。2時間弱の作業でしたが、中腰が多いのでけっこうしんどいです。NHKのお昼のニュースにも流れました(1:05-1:07の2秒間に・・・黒ジャンの男)。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6053019161.html
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遠方に見えるのが、薄磯の市立豊間中学校です。、紅白歌合戦で人気グループ嵐の櫻井翔さんが弾いた、被災ピアノで有名な学校です。豊間中学校は被害の程度が大きく、取り壊しの可能性が高いです。しかしながら被災の経験を後生に伝えるため、そして被災地ツアーのひとつの核として、津波被災記念館に用途転用できないかと、個人的に思っています。広島に記念のモニュメントとして、被爆当時のままの原爆ドームが保存されているように、いわきにも、被災した様子を如実に伝える豊間中学校があってしかるべきと考えます。
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私も首都圏の友人を何人か、薄磯に連れてきて現状を見せましたが、多くの反応は以下のとおり。
1. 地区内に建物がほとんどなく、土台だけ残されている広大な光景に、呆然とする
2. 豊間中学校にうずたかく積まれたがれきに、愕然とする
3. この地区で130名もの方が亡くなっていることを知り、悲痛になる
4. 堤防や残された壁に、暖かいペインティングがされていることに、ちょっと微笑む

豊間中学校が、被災津波記念館として改装・転用できれば、被災ピアノのストーリーも含めて、これほどの適地はないと思います。実際、今日の作業中にも大型観光バスが、ばらばらに10台以上やってきて、身なりのよいシルバー世代の方が、薄磯の何もない風景と我々の作業を見学して帰って行きました。おそらく、塩屋崎灯台にも寄ってから(ナンバーから推測すると)首都圏に帰るものと思われます。異論もあろうかと思いますが、まずは市外の方に、実際に来てもらって自分の目で現状をみてもらうことが大切だと思います。いわき市内にいると冗談みたいに聞こえますが、福島第一原発から40km圏内というだけで、マスク着用やタイベックを着なくてはいけないと思っている日本人は、少なからずいます。風評や誤解を解いていくためにも、被災地観光ツアーを受入れていくべきです。

そしてその核となる施設、できれば、大人が満足できる体験学習をできる機能を備えた施設を複数(それらの施設が有機的につながっていることが望ましい)欲しいところです。そういうツアーに参加する層は、いわきにお金を使うことに前向きな方々ですから、そこで魅力的な産品・サービスがあれば、地元の生業のひとつとなりえます。住民のための災害公営住宅の建設が最優先ですが、その先を見越した施策も必要なんです。
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