吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

読書

何をしてもうまくいく人のシンプルな習慣 ジム・ドノヴァン著

著者は、成功のためのセミナー講師をつとめつつ、著作活動を行っている方です。「夢とゴールを定め、自分の人生は自分でつくろう」という趣旨の著書は世界各国で翻訳され、ベストセラーになっているそうです。

本書は、81のテクニックと10のエクササイズが紹介されています。ただ、自分にとって正しくないと感じたら、その部分を無視してもOK。本書に書かれていることは、シンプルだからこそ、すぐにも実践可能なことばかりでした。

2018-05-17 16.52.38

<81のテクニック>
1 幸福であることを喜ぶ
2 自分のいる環境と自分自身を受け入れる
3 自分の人生の全責任をとる
4 変えられないものは、受け入れる
5 自分からすすんで行動する
6 人生の目的を持つ
7 あきらめない
8 目的に対してコミットメントをもつ
9 うまくいくと信じる
10 自分の能力に確信をもつ
11 失敗を恐れない
12 自分を肯定する
13 感謝する
14 自分が手に入れたいものを知る
15 自分が手に入れたいものに常に意識を向ける
16 年齢を気にしない
17 思い切ってやってみる
18 人生の目標と計画をもつ
19 目標の理由をはっきりさせる
20 目標が具体的になっている
21 目標を紙に書く
22 短期目標を設定する
23 目標を実現した自分の姿を想像する
24 目標を達成する期限を決める
25 目標に意識を集中する
26 視点を変えて気分を変える
27 自分の勝利を祝う
28 「宝の地図」を使う
29 いますぐ行動を起こす
30 先延ばしをしない
31 いつかしたいと思っていることをいま始める
32 すばやく決断をくだす
33 小さな目標を達成して成功体験をもつ
34 うまくいっている人をお手本にする
35 力を与える質問を自分にする
36 朝、目が覚めたら自分に質問する
37 ポジティブな気分を高める言葉を使う
38 「~しようと思う」ではなく「~する」と言う
39 「できない」と言うのをやめる
40 優先して実行することを決める
41 自分の業績を書き出す
42 約束を守る
43 感謝の手紙を送る
44 時間を守る
45 真の友人を手に入れる
46 人をほめる
47 自分の成功を社会に還元する
48 好奇心をもつ
49 すすんで人に与える
50 体を動かす
51 深い呼吸をする
52 自分の健康は自分で管理する
53 絶えずプラス思考を心がける
54 変化を受け入れる
55 ストレスへの対策をとる
56 上を向く
57 心の痛みを感じる自分を許す
58 立ち直る力を身につける
59 好きなことを仕事にする
60 自分の仕事を楽しむ
61 遊ぶ時間をつくる
62 人生を祝う
63 創造性を発揮する
64 流れに身を任せる
65 前向きな質問を自分に投げかける
66 問題解決に取り組む
67 問題を前向きにとらえる
68 見返りを求めずに与える
69 自分の恐怖心と向き合う
70 心変わりを自分に許す
71 絶えず努力する
72 ほしいものに意識を集中する
73 大きな夢を持つ
74 手に入れたいものを鮮明にイメージする
75 理想を実現した自分として行動する
76 経済的成功を楽しむ
77 お金ととモノをコントロールする
78 アドバイスを求める相手は慎重に選ぶ
79 成功者をまねる
80 自分の創造性に気づく
81 能力を高めるために読書に投資する

<習慣を身につける10のエクササイズ>
1 自分の棚卸し
2 変化を起こす
3 目的を見つける
4 行動する理由を見つける
5 何を手に入れたいかをはっきりさせる
6 自分が恐れているものをはっきりさせる
7 目標を設定する
8 理想の日を創り出す
9 ほしいものを手に入れる三つのステップ
10 思いやりのある行為をする

誰も教えてくれない 大人の性の作法

とても刺激的なタイトル。本書の趣旨は、私たち大人は性全般について教えてもらっていない、つまり大人を性教育することが急務ということ。これまでの性教育は、①生殖のための性、②セックスに伴うリスク予防の観点でのみ教えられてきました。欠落しているのは、③快楽のための性、です。どうもこれまでの性教育は、生殖器の勉強や性に対する罪悪感ばかりを植え付けるようなものだったのではないか。

そもそも、現代社会は、高齢童貞と高齢処女がたくさんいて一生独身、結婚するとしてもその時期は晩婚化しています。さらには、夫婦でもセックスレス。個人の嗜好が三次元より二次元に偏向している層も多い。すなわち数十年前の、皆結婚、夫婦+こども複数という標準モデルが完全に変化しているのです。

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この分野に対する議論は、どうしても「限りなく空論に近い正論(政治的には正しいけれども、現実には通用しない抽象論)」か、もしくは「限りなくデマに近い通説(政治的には正しくないけれども、同意してしまいがちなダメ情報)」のいずれか、2極化してしまいがちです。そうではなく著者は、まず男性のキャラクターを、未婚か既婚か、正規採用か非正規採用かの、4象限に分類。それぞれにの現状と課題、それに対する処方箋を、独自に考えたその視点と、独創的な分析は、示唆に富んでいました。
A:未婚×非正規 …… 「貧困世代」の問題
世帯収入が限界まで少ないと、恋愛・セックスという選択肢がなくなるという現実がある。女性に出会う機会があっても、生活費確保が優先されてしまう。この層にいくら恋愛・結婚の素晴らしさ・楽しさを説いても、全く響かないし、そもそも無理。
この層に対する処方は、(経済的余裕がないとしても何らかの形で)本人に自己肯定感を身につけてもらうということ。まずは社会の中で「自分なりの居場所(=一人でいても寂しくない場所)」を見つけること。そしてそこから生まれる安心感や余裕が、もういちど恋愛やセックスへ向かう勇気になるかもしれません。

B:未婚×正規 …… 「嫌婚男子」の問題
女性とのコミュニケーション・スキルを持たない男子。またそもそも女性とつきあう意味がよくわからない男子。結婚はコスト・パフォーマンスが悪いと考えている男子。
この層に対する処方は、単なる結婚賛美や「男子たるもの結婚すべし」といった古めかしい道徳観の押しつけは意味がありません。パートナーを作ることの意義を合理的に納得し、バーチャル・観念の世界で充足しがちなライフスタイルから、リアル・現実の世界の女性とのコミュニケーションへ動機づけが必要。すなわち将来が不透明で、そもそも生物として不完全な自分が生きていくための生存戦略としては、自分を成長させるような信頼できるパートナーを持つ方が合理的です。「嫌婚化」した男性を「親婚化」させるためには、そのメリットを腹落ちさせなければなりません。

C:既婚×非正規 …… 「男は稼いで当然」の呪い
現在、非正規雇用が増加している中、非正規同士での結婚も増えていきます。また妻の収入より男性の収入が少ない場合もあるでしょう。こういったとき「男性は稼いで当然」という昔ながらの考えの下では、ストレスが蓄積されていき、男性の自信喪失からともなうセックスレス、さらには散在や浮気アル中、DV等が起きやすくなってしまいます。
この層に対する処方は、思うように稼げない現実を受け入れて、決して卑屈にならず、自分に「男は稼いで当然」の呪いをかけるのをやめること。そして家庭内で「働く」ことにより、今の自分にできることを確実にこなしていくことです。

D:既婚×正規 …… 「安定の不安定」
この層は経済的も家庭生活も安定していて、一見、問題がなさそうです。しかし現実社会は、不倫が多数発生しています。この層が一見、勝ち組にみえますが、必ずしもゴールでもなければ幸せでもない。マスコミ報道でも「ゲス不倫」や「障害者の不倫」が話題になり、二度と再起できないような社会的制裁を受けています。
この層に対する処方は、、、正直なさそうです。不倫自体を完全に防ぐことができないならば、不倫をした人が過度の社会的制裁を受けない社会にしていくことくらいでしょうか。

著者は、性教育について無理に白黒付けず、グラデーションをグラデーションのまま受け入れるだけの寛容さが必要と主張しています。皆が傷つきあいながら、悩みながら、それでも性愛に対する希望と期待を捨てずに、つながりを厭わず前に進んでいけること。

昨今の教育現場の性教育は、性的なことはオブラートに包み隠して、「命の大切さ」のみに焦点をあてて教えることが多いようです。この発送の根本は、性にまつわる知識はごく自然に覚えるべきものだし、逆に具体的な知識やスキルを含む性教育は子どもがセックスに余計な関心を持つようになってしまい、やぶ蛇だというもの。こうした道徳感情よりも、科学的事実を踏まえ、「どうすれば命を大切にできるか」という視点に立ち、具体的な知識や方法、選択肢を伝え、こどもたちに考えさせるものであるべきではないでしょうか。

一流に見える服装術 たかぎこういち著

著者は、若いうちから服飾業界で働き、外資系ファションブランドの立ち上げに、経営側から参画してる66才。日本の洋装文化の流行廃りを、自ら体験されてきた方です。一方、スーツは日本のサラリーマンの戦闘服なのに、なぜか女性ファッションほど取り上げられないという事実。そこで、著者は、
男性のスーツ、「6ポインツ・メソッド」を用いて、美しく、感じのよく見える方法を理論的に教えてくれます。6ポインツ・メソッドとは!

まず、服装のTPOで、そのはフォーマル度知り、合わせること。
①T(Time)、②P(place)、③O(occasion)

次に、服選びの際に、下記3点を合わせること。
④S(サイズ・シルエット)、⑤F(ファブリック)、⑥C(カラー)

非常にシンプルで、かつ基本ではありますが、スーツから普段着まで、衣類等を購入する際に改めて振り返るのが良い。これに従えば、美しく、かっこよくみえるかどうかはは、必ずしも価格が高いものかや、自分が好きかどうかではありません。

2018-05-10 10.08.03

「服装を変えると、まず女性社員の対応が変わった。以前より協力的になり根回しがしやすくなった。その結果、業務の効率が上がった」と、著者からアドバイスを受け、服装を変えたビジネスマンのエピソードが紹介されていました。ケネディ(アイビーリーグルックの肌つやが良い青年)とニクソン(疲れ果てよれよれのスーツを着た中年)の大統領選挙の逸話、白州次郎(英国貴族の着こなしを完璧に身につけた知識人)とGHQ占領軍のスタッフ(長い伝統がない国アメリカで育ち、リベラルアーツを身につける機会がなかった軍人)が交渉で渡り合った逸話が紹介されていました。まず外見を素敵に見せることこそが、ビジネスであれプライベートであれ、大事な一歩(もちろんその後の中身もですが)なのだと感じました。

プライベートバンカー 驚異の資産運用砲 杉山智一著

「プライベートバンカー(清武英利著)」の、実在モデルである杉山智一氏による初著作です。「元手5000万円で毎年500万円のリターン」との刺激的なサブタイトルです。利回り10%という高い利回りですが、ある意味実現できそうなレベルが、ウソやはったりでない感じを受けました。

著者の経歴は、野村證券の営業を皮切りに、三井住友銀行、日本の外資系金融機関、シンガポールのプライベートバンクを経て、現在は、独立のプライベートバンカーとして活動しているとのこと。具体的には、日本人富裕層と、外国のプライベートバンクをつなぐ役割をしているそうです。プライベートバンカーの仕事は、顧客が自己の資産を防衛し、運用するためのソリューションをその顧客ごとに提供すること、「富裕層のためのマネーの執事」のような役割だそうです。

実際のレバレッジを効かせた資産運用を説明したパートだけでも、読む価値があります。簡単にいうと、
①まず、海外で海外生命保険に入る(これは、自己資金)
②この生命保険を担保として、自己資金相当額に近い額を外国銀行から融資を受ける
③この融資金額を、リスク・リターンが高い海外ファンドで運用する
④このファンドの運用益で、銀行借入利息を賄う、
⑤将来の生命保険の解約益(もしくは多額の満期保険金収入)を得る、というもの

ここで肝になるのが、海外で生命保険に入し、担保として融資を受け、ファンド運用するという3点。これは、いずれも日本及び日本の金融機関では実現できません。なぜなら日本の金融行政システムは、外国に比べて複雑で、かつ規制が厳しすぎるため。

著者の職業上のポジショントークもあるのですが、基本的には、これは現実の日本の金融行政を表していると思います。これを放置していては、日本の富裕層が保有する資産は、着実に海外に流れていくでしょう(あえて日本を出ていかない日本を愛する層、能力的に日本を出て行けない層を除く)。「角を矯めて牛を殺す」ということわざがあります。日本の金融行政も無知な投資家を保護すべく、金融規制を強めてきましたが、それがかえって投資家の無知を助長し、プロの投資家が敬遠する要因になっています。結果、グローバルな資金にとってすでに、東京は運用の目的地として選ばれていません。東京が世界の金融センターの一角を担う気概があるのなら、不可解な金融規制は即刻撤廃すべきです。

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本書を読めば、さまざまな疑問の答えが書いてあります。

Q. なぜ、日本の金持ちは、こぞってシンガポールで暮らすのか?
A. 法人税、住民税の税率が低いというだけでなく、相続税なし、キャピタルゲイン課税なしという、富裕層を呼び込みやすい税制をとっているから。

Q なぜ、日本の富裕層は海外で資産運用したがるのか?
A. ファンドの運用規制が緩いため、さまざまな金融手法を組み込んだ、さまざまなリスクリターンの運用商品が選べるから。というよりも、日本の(規制により)資産運用商品の選択肢が、あまりに貧弱なんです。

Q. なぜ、日本の金融機関では資産運用がしづらいのか?
A. 日本では、運用ファンドの売買手数料が(海外に比べて)高すぎるため、プライベートバンカーと顧客との間で利益相反が起きてしまう。海外では、運用ファンドは売買時手数用よりも、資産残高に対する手数料を重視しているため、顧客に短期的に資産売買をさせて手数料を稼ぐ(そして顧客はその分だけ損をする)のでなく、長期的に顧客の資産を増大させる投資スタンスをとるため、顧客はいたずららに手数料を支払うことなく、じっくりと資産増大を任せることができるから。
 
ちなみに著者によれば、富裕層の定義とは、純金融資産が1億円以上、通常は、年収2000万円~3000万円以上の人達のことを指すのだそうです。クレディ・スイスの発表によれば、2016年における日本の富裕層は282万人以上存在するそうです。日本人の上位2%ですね。この人達は、間違いなく、こういった情報を着実に入手し、資産を海外に着実に移動させていくことでしょう。

会計士は見た! 前川修満著

著者は、大手監査法人勤務を経験されたベテラン会計士。公認会計士は、自らの監査業務に関して得た情報については、職業的専門家としての守秘義務があるため、会計士が著者の中で具体的な会社の決算情報を分析・公表することは珍しいです。この本はそれを打ち破り、(著者の前川氏が業務で関わっていないであろう)会社の、公開情報を元に、財務分析を行い、独自の論評をするという形式を取っています。

すなわち、誰でもインターネットで入手できる上場会社の決算情報を、一般的な財務分析の切り口で、公認会計士の知識を動員してやっています。ソニー・大塚家具・日産・キーエンス・スカイマーク・東芝、いずれも新聞紙上を賑わしたことのある著名どころの会社ですが、ソニー・スカイマーク・東芝については、辛辣なコメントが。しかし財務情報はウソをつきません。

特に驚いたのが、東芝の粉飾決算は、まだ明らかではなかった、2015年時点で第一作が書かれていることです。粉飾決算を予言していたともいえ、一次情報たる財務情報の重要性と、しっかり分析すれば企業体質が見えてくるということの証左でもあります。会計士冥利につきるでしょうね。

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続編の「会計士はやっぱり見た!」も出版されました。会計の専門家が、(職業上知り得た秘密を除いた上で)公開情報を分析するだけでここまでの企業内容を知ることができる、ということを証明した良本です。自分のやれることを最大限発揮して、社会に貢献するという姿勢を見習いたい。

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老眼のウソ 眼内レンズ手術という選択肢

人間、年をとれば必ずなるといわれている「老眼」。しかし、老眼ってそもそも何なのか。単に年をとって手もとのモノが見えなくなることをいうか。否。
また、「近視の人は老眼にならない」いわれますが、これも否。

正しくは、老眼はピントを合わせる能力が落ちて発生する症状。一般的には、老化がその引き金といわれますが、必ずしも加齢=老化というわけではありません。
その老化の部位としては、①レンズ、②筋肉、③脳。特に①レンズ(目の中にある水晶体)が固くなり、ピント調節機能の幅が狭くなってしまうこと、そして②水晶体を潰してピント合わせる目の周りの筋肉が衰えることが大きい。

それを補うためのトレーニングや栄養等もあって、それなりに効果はあるのだけれど、本質的な改善のためには、外科的手術が、現時点での医療の最適選択肢です。

では、老眼矯正にはどんな外科的手術が一番有効かというと、ずばり結論は「眼内レンズ手術」だそうです。これは自分の水晶体を砕いて吸い取り、その代わりに人工のレンズを入れるというもの。細かい修正はできないものの、人工レンズの替えもできるし、現時点での最適選択らしい。

ただし、健康保険診療の範囲でできるのは、「モノビジョン手術」というもの。これだと白内障手術と同時に老眼も治すことができます。ただし、入れるのは単焦点レンズなので、近くに合わせると遠くが見えない、多くに合わせると近くが見えないということになり、一般的には、右と左でそれぞれ近くと遠くにピントが合うものを入れるそうです。脳が慣れてくれば左右の目を無意識に使い分けられるようになるそうです。これなら両眼でも、手術費用は10万円以内で対応できるようです。

自由診療になりますが、「多焦点眼内レンズ(短い焦点と長い焦点があり、それぞれでピントが合う)」を眼内レンズ手術に入れるのが、現時点の医療での理想とのこと。先進医療の認定を受けるかどうかにもよりますが、両眼で70-100万円程度のコストがかかるそうです。さて視力の回復にどれだけコストをかけられるかどうか、選択肢があるということは良いこと、それぞれの家計の考え方によるのだと思います。

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親の介護は9割逃げよ 「親の老後」の悩みを解決する50代からのお金のはなし

読者の対象は、高齢期の親のことが気になりだした人。自分のその一人です。現代は超高齢社会、人生100年時代です。健康寿命が延びるのは大変喜ばしいことですが、健康寿命の後、いわゆる要介護者となってからが課題です。一般的には、医療の充実に伴い介護期間も長期化しつつあるといわれており、介護需要・ニーズはますます増大していて、公的サービスだけに頼れるのか不透明です。

<ライフシフト 100年時代の人生戦略は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50430104.html

公的サービスに頼らず、自助、すなわち家族だけでそれを支えようとすると、最終的には介護離職という不幸なスパイラルに陥る危険性もあります。仕事・家庭を持った子が、離れて暮らす親を放っておいて、自分ばかりが幸福でよいのだろうかと、後ろめたくなり、親の面倒を見るために会社を退職する。これは、自らの収入源が絶たれるとともに、先の見えない介護に肉体的にも精神的にも、介護者は追い詰められてしまいます。

親子が共倒れにならないために、バランスをとる必要があります。介護が大変になるのがわかっているからこそ、親世代も子ども世代も、きちんと厳しい現実を知り、それに対してきちんと備えをしていくしかない。具体的に不安に感じているものの正体さえつかめれば、それに対する対処法も見えてきます。これからは、子が親を支えると同時に、親自身も自分を支える準備をすることが大切と、本書は結論づけています。具体的には、認知症や介護に対する心構え、住まいや資産、家計の管理、相続や葬儀、お墓についての備え等、それぞれの立場は違うので完全な正答ではないものの、ヒントを与えてくれます。 

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タイトルは、まるで親の介護はなるたけやらずに、ほっぽりだす!的なニュアンスですが、実は、真面目に、現実的な思考・行動を事前に、考えることができる良書でした。離れて住む親を持つ人には、必ずや有用な情報となるはずです。

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喰う寝るふたり 住むふたり 日暮キノコ著

主人公は、交際10年、同棲8年目のアラサー・カップル、町田りつ子(りっちゃん)と野々山修一(のんちゃん)。ほのぼのと、互いにひかれ合っていつつも、それぞれの思いが一致しない様子が、同じ場面を男女両方の視点から2回、描いた恋愛マンガです。

同じシーンでも、女性の側の思考・受け止め方と、男性のそれとは、やはり違うんですね。現実にありそうなことで、我が身を振り返ってしまう。結構、カップルや夫婦の実生活の振り返りに役立つかも。

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1巻が面白かったので、全5巻まで、あっという間に読んでしまいました。今は何でもlシェア世代ですから、こういうマンガこそ、(買わずに)マンガ喫茶等で読破するのが、時代の流行なのかもしれませんね。

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続・明治維新という過ち 列強の侵略を防いだ幕臣たち

「歴史は勝者が作っている」という前提で、明治維新の背景を独自の視点で解説した、原田伊織氏の「明治維新という過ち」の続編です。前著は、吉田松陰をテロリストと決めつけ、明治維新に影響を与えた水戸学をけちょんけちょんに断罪している本でしたが、今度の続編は、幕臣側からの視点です。国体を維持しつつ漸進的な開国を目指し、港湾整備や軍事力の増強を計画的に進めてきた、良識ある幕臣たちの活動。これらは、「明治維新=正、幕府=悪」という単純な歴史観の下では、歴史的に完全に葬りさられてきました。

当時は、隣国の中国では、イギリスによってしかけられたアヘン戦争(1839年)での5港の開港そして、香港を割譲させられました。その後のアロー号事件(1856年)により、英仏に対する賠償金の支払や、円明園(清代に築かれた離宮)で略奪や焼払いを受けました。最終的には、天津の開港、イギリスに対し九竜半島を割譲させられました。そんなイギリス・フランスが強大な軍事力を背景に日本に出兵する可能性をもほのめかして、江戸幕府に圧力をかけていた上での外交交渉には、危機せまるものがあったと思います。

そんな中、老中阿部正弘の決断により、江戸幕府は歴史的な対外政策の転換を行い、対外強調路線に踏み切った。その後の大老井伊直弼は、「開国vs攘夷や尊皇vs幕府」の理念的・教条的な対立からの「会議は踊る、されど進まず」でなく、江戸幕府に委ねられていた「大政委任」の政治システムを踏襲し、「決められる政治」にした。その間に、阿部正弘が登用した岩瀬忠震・水野忠徳・小栗忠順やの幕府の若手官僚が、軍事力を背景にした英・仏・露・米と激しくやり合って、近代日本の基礎を構築しつつあった。
それをストップさせたのが、勤王・尊皇攘夷・倒幕・王政復古のスローガンを掲げた薩摩・長州勢力。機運に乗じて、政権を奪取したけれど、現実の政策としては、幕末の幕臣たちが築きつつあった富国強兵・殖産工業政策の踏襲でした。

<明治維新という過ちは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44171957.html 
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・岩瀬忠震(外国奉行) 日米修好通商条約に署名。講武所・蕃書調所・長崎海軍伝習所の開設や軍艦、品川の砲台の築造に尽力。ロシアと日露和親条約締結。

・水野忠徳(外国奉行) 日英修好通商条約、日仏修好通商条約に署名。アメリカのハリスと英国の初代駐日外交代表オールコックが組んだ米英連合を相手にし、壮絶な通貨の交換比率交渉(内外価格差を利用して、日本から大量の金小判の流出を招いた、ハリスとオールコックは多額の差益をフトコロに得た)を展開し、鋭い知性でハリス、オールコックとやりあった俊英。小笠原諸島に赴き検分し、日本領であることを確認させる。

・小栗忠順(外国奉行) 横浜に幕府の製鉄所(現在の米軍横須賀基地)を作り、明治期の国力を支えた。その功績が逆に恐れられたのか、戊辰の役では東征軍に真っ先に殺害される。明治期になって、大隈重信が言った言葉は、それを表しています。「我々が今行っていることは、小栗の単なる模倣に過ぎない」と。

・阿部正弘(老中)
日米和親条約の締結により対外協調路線を敷いただけでなく、列強と外交関係を持つことにより技術導入を図り、それを通じて列強に対応しうる国家体制を造りあげるビジョンを持っていた。軍事力を付けるための講武所や長崎海軍伝習所の創設、西洋砲術の導入・推進、造船技術向上のための大船建造の禁の緩和、洋学研究教育機関としての蕃書調所の開設等を実施。これらの富国強兵政策は、明治の日本の手本といっていいでしょう。そして最大の功績は、小栗忠順らの若手幕臣を育成・東洋したこと。
(唯一の失策は、日米和親条約の締結の前に、朝廷の意向を伺い、大政委任の原則を破ったことと、諸大名にも意見を諮問してしまったことで外様大名の幕政参画の道を開いてしまったこと)

・川路聖(勘定奉行・海防係)
不凍港を求めるロシアの代表プチャーチンと外交交渉し、軍事力をバックにしたロシア、それがない我が日本というハンデがありつつも、粘り強く交渉し、日露和親条約締結にこぎ着ける。

<ヴェルニー公園と小栗上野介忠順は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38926432.html

モスバーガー 電話注文

モスバーガーは、ファストフードのカテゴリに分類されるかどうかは、議論が分かれるところです。それはともかく、ハンバーガー単体しては、独自の路線行っているし、味はかなり高レベルだと個人的には思っています。特に「モスバーガー」のはみ出すぐらい大量に入っているオリジナルソースは、トマトの甘みと肉汁が合わさっていて、これに肉とバンズがからまると、なんとも美味しい。

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そんなモスバーガーですが、問題は、注文してから調理を始めるので、注文から提供まで、時間がかかるところ。早くて数分、混んでいれば10分以上待つ必要があります。一生懸命、調理してくれている姿を見れば、美味しいハンバーガーのために待つのは当然。とはいえ、ファストフードとはいえず、急ぎのときには、ちょっと使いづらいのも事実。

それを解決するのが、電話での事前注文です。電話で料理と数、受け取りの時間さえ伝えておけば、その時間にちょうどできあがるように、調理の時間を調整してくれるのです。あとは指定の時間に来店し、商品を受け取るだけ。その場で食べても良いし、テイクアウトもOK。

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一度、電話注文を経験すると、待たなくて良いこのサービスはやめられそうにありません。マクドナルドでも電話で注文し、自宅に届けてくれるデリバリーサービスが始まりましたが、注文の最低金額等があり、使い勝手が良いとはいえない。

<マックデリバリーは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/19243902.html
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テイクアウトだと自宅でゆっくり食べられるし、ドリンクも自宅で好きなものを飲めるのも良い。

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モスで、必ず注文するのは「モスバーガー」ですが、サイドメニューも結構好きです。マックのチキンナゲットは、中国産で異物混入事件がありました。一方、モスバーガーは、トレーサビリティがしっかりしているという信頼感があるので、このチキンナゲットも信頼できそう(な気がする)。これが顧客ロイヤリティということなのでしょう。

<マックカフェは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/20414367.html
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価格は、マックに比べ明らかに高いですが、食物の安全に対する信頼性を重要視する方々は、多い。お昼時には、例え、待つとしてもモスを選ぶ方々(女性が多い?)は多いですね。

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ちょっと割安な、朝モス。利用したい。

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大家も住人も幸せになる賃貸住宅のつくり方 青木純著

入居者が壁紙などを自由に選ぶことができる「カスタマイズ賃貸」を実践し、築25年の賃貸マンションで入居者待ちの行列を生んだオーナーの著書です。著者の青木純氏は、東京・池袋にある賃貸マンション「ロイヤルアネックス」などの不動産賃貸を行う「メゾン青樹」の4代目オーナーです。大学卒業後、中古不動産の仲介実務や不動産ポータルサイトの運営を経て、2011年1月に大家業を継ぎました。しかし直後にリーマンショックが発生し、築25年超、13階建て63戸のマンションの空室率は、30%近くに達したそうです。それが、このカスタマイズ賃貸をきっかけに今や120人!が入居待ちになる部屋もあるそうです。もう、ロイヤルアネックスは、リノベーション業界で知らない人はいないくらい、有名物件です。

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かつて(そしていまでも?)大家としての住宅系不動産管理の基本は、入居者の窓口を管理委託会社に一本化することといわれていました。なぜなら、入退去の管理やクレーム処理を直接、入居者からオーナーにさせると、(一人しかいない)オーナーは対応しきれず、関係が破綻してしまいがちからです。破綻までいかなくとも、入居者から解約予告や修繕要望が立て続けに相次ぐと、オーナーの精神衛生上もよくないからです。しかし、著者はその真逆を行き、入居前もそして入居した後も積極的に入居者とのコミュニケーションを続けたところに、これまでの常識から離れた第一歩がありました。

これまでの不動産管理は、入居者層のターゲティングせず、万人受けしそうな白い壁、汎用品のキッチンや建具を、大家側が選定・発注。退去後も、原状回復のみを繰り返して、次の(顔の見えない)入居者からの申し込みを待つ、というサイクルでした。

その結果が、何が起きたかというと、自分ならこの部屋に住みたいかという問いに答えられないということ。そういうときに「愛ある賃貸」という言葉に出会ったそうです。「愛ある賃貸住宅を求めて NYC, London, Paris & TOKYO 賃貸住宅生活実態調査」という書籍の中に、「賃貸住宅ビジネスは、『きずな』という目に見えないものを維持し続ける、いわば愛のビジネスである」との記載があり、「住み手にとって愛着が生まれる賃貸」を考えるようになりました。

そして、入居前から入居者と複数の打ち合わせをしたうえで、壁紙を自分で選んでもらうということにしました。すなわち個別マーケティングですね。この壁紙選び自体がコミュニケーションのきっかけになり、(入居審査もかねて)この人と一緒に暮らしたいかという視点で、考えるようになる。入居者を一緒に理想の空間をつくるパートナーとして巻き込んでいく。こういったことをやりたい入居者は、間違いなく「暮らしに前向きな人」。この層がマンションの雰囲気を変えていき、まちの雰囲気が変わっていく。

改装代はオーナー負担ですから、月額1万円の家賃アップで(中長期的に)回収していくことになりますが、自分で選んだ壁紙に愛着を感じ、退去は少ないようです。ちなみに、壁紙職人さんも自分の仕事を認められ、さらにやる気になるそうです。

著者の結論は、「大家業はエンターテイメント業」ということ。自分の賃貸を愛し、そこに住む人と一緒に楽しめるか。そういった入居者を喜ばせる活動である大家業を子供たちのあこがれの職業にすることが目標だそうです。

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スープで、いきます。 秋野つゆのペルソナマーケティング

「Soup Stock Tokyo」(スープストックトウキョー)は、首都圏の駅を中心に約60店舗を展開する飲食店です。この企業、マーケティングの世界ではかなり有名事例なんです。実際に自社の商品やサービスを使ってくれるであろうモデルユーザー(ペルソナ)を作り出し、そのユーザーのニーズを満たすような形で商品やサービスを設計するというマーケティング手法(ペルソナマーケティング)です。

Soup Stock Tokyo の成功は、ペルソナマーケティングにあるといわれています。想定されたペルソナの名前は「秋野つゆ」さん。37歳の女性で、都心で働くキャリアウーマン、装飾性よりも機能性を重視していて、フォアグラよりもレバーが好き、プールでは平泳ぎではなくクロールで泳ぐ、というような属性を、設定。そしてこの秋野つゆが満足するであろう、メニュー、店舗の場所や雰囲気を考えていきました。その結果、わずか10年で店舗数50店を超え、売上高40億円も超える、という成功。その秘密は、顧客像(ペルソナ)のみが満足するように商品やサービスの設計を行うペルソナ・マーケティングでは、自然と商品・サービスが特徴ある魅力的なものになってくるというものです。

<スープストックトーキョー オマール海老のビスクスープは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45113489.html
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ここの創業者・著者の遠山正道氏は、創業当時は三菱商事の社員でした。出資も三菱商事やケンタッキーフライドチキンからあおぐ、いわゆる社内ベンチャーです。しかし創業当時は、飲食の素人がてがける商品開発や運営にうまくいかず、長時間労働と過酷な経営で、かなりのブラック企業だったらしい。しかし、それを乗り越えてからの経営拡大もスゴイ。

著書の中には、創業当時に作成した、企画書全文が掲載されています。「スープのある一日」「スープのある風景」という全体のコンセプトから、具体的な詳細の店舗のイメージまで記さ、それが物語的になっている。これだけでも、企画書の書き方のお手本として読むべき。

実際のところ、創業時には「スープで腹一杯になるのか」、「夏はどうなんだ」、「価格が高すぎる」等、周囲から猛烈な反対にあったそうです。実際のところ、ファストフードというカテゴリで考えれば、ランチでも1000円近い客単価の想定は高すぎるでしょう。しかし、秋野つゆという女性が気軽に入れるお店、自宅では実現できないクオリティのスープがいただけるお店としては、独自のカテゴリを作ったといえるでしょう。敵と異なる土俵を作って勝つ、ゲームチェンジをする、機能(メニュー)を絞ることで、強み(味・価格)を出すという戦略は、まさにブルーオーシャン戦略といえると思います。

お金2.0 読書会

お金2.0は、これまでの資本経済から、価値経済へシフトしていくだろうことを予言した本です。著者の佐藤航陽氏は、福島県出身で、貧しい母子家庭に育ったそうです。早稲田大学で弁護士を目指すも、弁護士になるまで最低6年間かかることに絶望。1年で退学し、自ら起業。マザーズ上場までこぎ着け、世の中の仕組み、特にお金の流れに詳しくなりました。

これまでの貨幣が交換のツールである実体経済は、すでに過去。増殖・肥大化を続ける金融経済が、すでに実体経済の規模を凌駕し、その割合は1:9だそうです。世の中のお金の流れの9割が、実体経済でなく、デイトレード等の金融経済になっている。

これからは「価値」が重視される経済になるだろう。その「価値」の内容としては①有用性②内面的価値(愛情や共感、信頼等)③社会的価値(社会全体の持続性等)。これまでの実体経済・金融経済は、①にのみ着目。なぜなら②③は測れないからです。しかし①のみでは世の中は動かなくなってきています。②③こそ重要と考える層が増えているから。実際に、家族や友人との関係性は大事だし、有用な社会貢献活動をするNPO団体等は、世の中からリスペクトされています。

近いうち(もうすでに?)、②③が重要視される、バーチャルなゲーム経済圏や、時間経済圏等、リアルの実体経済圏と平行して複数の経済が存在するようになる。そして個人は、自分がどの経済圏(複数)に所属するか、自らの選択で選ぶようになる。

<結論>これからはお金のためでなく、価値のために働く。

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今回、この読書会を企画してくれたのは、鳥藤本店の梅村武之さん。事前に読破してこなくても参加できる、おもしろい進め方でした。特筆すべきは、本を物理的にバラバラにしてしまうこと。
1. 自己紹介(5分)
2. 本の簡単な全体説明(5分)
3. 本を参加人数分で切り分ける
4. 担当のパートを読んで、7枚の紙のまとめる(40分)
5. ホワイトボードに、まとめたものを貼り出す
6. それぞれが担当パートを発表
7. 対話
8. まとめ
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自分のパートを、まとめたものを口頭で説明。

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人により大事な言葉が違うのが面白い。

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私も楽しく積極的に参加させていただきました。

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コチラが私がまとめたもの。

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医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方

医者が教える食事術 最強の教科書の著者は、牧田善二氏。糖尿病を専門とする医療現場で活躍する現役の医師です。これまでの(なんとなく)健康に良い本とは、一線を画し、(なるたけ)医療データと統計データというエビデンスをベースに、あるべき食事法を紹介しています。

・不調の原因の九割は「血糖値」
・食べる順序で太り方が違う
・オリーブオイルと白ワインはやせる
・果物をジュースにしてはいけない
・炭水化物は「脂質」と一緒に食べる
・卵のコレステロールは気にしない
・プロテインの過剰摂取は腎臓を壊す
・シワ・シミ・ニキビも糖質が原因
・コラーゲンは食べても効かない

等、いわゆる「糖質制限」を勧める本です。ダイエット本には流行廃りがつきものですが、今の流行は糖質制限といって良いでしょう。趣旨としては、太るのは、カロリーの過剰摂取ではなく、糖質の過剰摂取によるものだというもの。さらには、糖質摂取過多は、肥満だけでなく、血糖値の上昇を通じて、糖尿病他、様々な病気の元となるというもの。ここから「病気や不調の原因の9割は血糖値」という仮説ができるわけです。この仮説自体は、万人単位での検証はされていないけれども、著者はそれを医療現場感覚で、確かであろうと(批判を恐れず大胆に)書いています。

現在は、でんぷんや糖質を摂ることが、トウモロコシやじゃがいもの栽培拡大により、1000年前に比べて圧倒的に容易になりました。カロリーベースだけ見れば、飽食の時代と断言できます。逆に、価格の安いファストフードほど、カロリーが高いともいえ(マッ○や、牛ど○等)、食にお金をかけなければかけないほど、糖質やカロリー過剰摂取になりがちともいえます。そういう時代に生きているからこそ、知識をもって食を選択しないと、知らない間に身体が蝕まれてしまう。これが健康格差社会ということか。

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私も、ここに紹介されている糖質制限を数ヶ月試してみました。当初は、食欲を抑えるのに辛いこともありましたが、糖質の代わりにタンパク質(肉・魚・卵)や野菜の摂取は、逆に奨励されており、満腹感はOKでした。ご飯・パン・麺をはじめとする主食(糖質)がなければ、パワーが出ないといわれていましたが、そもそも事務職はパワーを使うような仕事でもありません。

感じたのは、食後感じていた体温の上昇や、血糖値の上昇を感じなくなったことです。これが、いわゆる「グルコースインパクト」だったということは、後から知りました。グルコースインパクトは、血糖値の上昇をだけでなく、その後の急降下、インスリンの出し過ぎ等、あまり良い影響がないといわれています。

この本で、唯一、あれ?と思ったことは、タンパク質のかたまりであるプロテインの過剰摂取を禁じていること。そもそもプロテインパウダーとして使われてる原材料はその殆どが牛乳若しくは大豆なので、そちらは良いの?と思いました。どうもプロテインの原材料が問題ではなく、プロテインはそもそも食品工場での加工生産物であり、その加工プロセスで加えられている各種添加物が問題だろうということのようです。著者は、狩猟採集の時代と人間のDNAはほとんど変わっておらず、その当時の生活をすることがどれだけ健康にいいかということを主張されています。確かに食糧と現代の生活とミスマッチが、成人病を引き起こしているということに賛同します。確かにプロテインは縄文時代にはなかったものですが、全世界で(おそらく数十万人?)のボディビルダーや、アスリートがプロテインをずっと愛用していて(過剰に?)、大きな問題が発生していないので、ここはどうかなあと思いました。これについては、後世の研究者が調査・発表することでしょう。

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週刊ダイヤモンドも、最強の食事術について特集を書いています。長生きする統計データから導かれる10のルールは、コチラ。まあ、結論からすると、極めて真っ当な常識でした・・・(笑)
1. 死ぬまで働く
2. 生きがいを持つ
3. 徹底的な健康チェックをする
4. 医者を選ぶ
5. 坂道を歩く
6. 豆類をたくさん食べる
7. 多種類の野菜をたっぷり食べる
8. チョコレートを食べる
9. 食べすぎない
10. アルコールをたしなむ(ビール、日本酒はNG)

天孫降臨 こうの史代著

著者のこうの 史代さんは、広島県広島市西区出身のイラストレーターです。映画化され、第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞も受賞した、「この世界の片隅に」の著者といったほうが通りが良いかも。

そんな著者が、古事記のシナリオを忠実にをイラスト化したのが、「ぼおるぺん古事記」の三つの巻です。古典はどうしても字面だけを読み解くことに注力せざるを得ないので、一般人がなかなか楽しむところまでたどり着かない。からこそ漫画の根本である「どんな人にもよりわかりやすく伝える」という難しい仕事を実現してくれていることは、本当にありがたい。神話のマンガ化はいくつもあるけれど、なんといってもこの本の特徴は、セリフ(ふきだし)がなく、原文をそのまま載せていること(注釈を付けてある)。文字自体はわからなくても、絵の雰囲気から、文字が示すところがなんとなくわかってくる。

日本人なら、こどもだけでなく、ぜひ大人も読んでおきたい一冊です。

<この世界の片隅には、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/49938911.html 
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本気になって何が悪い 新鉄客商売

著者は、2000年代にJR九州の社長として、万年赤字の会社を収益の出る会社に変えた立役者です。JR九州は、国鉄のが分割民営されたときから、JR.北海道・JR四国とともに「三島会社(さんとうかいしゃ)」と呼ばれ、東海道新幹線や山手線のようなドル箱路線を持たず、経費ばかりかかり運行収入がみこめない地方ローカル線ばかり抱える会社でした。そのため、分割民営時に、数千億円の基金を持たされ、その運用益で営業赤字を埋めるよう要請されていました。しかし、当初7%を見込んでいた運用益は、低金利化で1-2%となり、とてもその運用益の額では、鉄道の営業赤字を補てんしきれなくなっていました。

そこで、JR九州は鉄道の営業赤字を補てんすべく、日韓国際航路「ビートル」の開設から、外食事業の黒字化そして東京進出、JR博多シティ、農業参入、ななつ星など新規事業を次々と立ち上げてきました。その結果、2017年には株式上場を果たし、一流企業入りしました。そんなJR九州の分割民営化から株式上場に至るまでの社内のストーリーが、著者一流のユーモアたっぷりに紹介されています。

2000年当初は、上場準備のため会計監査をやっており、当時私は監査スタッフとして、毎月JR九州に通っていた時期がありました。鉄道会社が、国際船を運行していたり、居酒屋やホテルを直接経営していることに、非常に驚いたことを覚えています。そしてなんといっても、JR九州の若手スタッフが、非常に優秀で、かつ底抜けに明るい(これはベテランも同じ)。非常に風通しの良い風土だと感じていたのも、この本で実感しました。 

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ゆふいんの森・ソニック等、カラフルで先進的なデザインの電車が有名ですが、当時は、批判的な意見も多かった。それもななつ星の大成功で、過去の話ですね。そのななつ星設計の水戸岡鋭治さんとの対談が興味深い。改めて、唐池さんと水戸岡さんの二人三脚で、時には激論を交わしながら、車両のデザインや設計をやってきたのですね。他の運輸会社が、ななつ星の成功を見て、水戸岡さんをワンポイントで起用し、成功を目論むのとでは、背景やストーリーの重さがまるで違う。

JR九州の鉄道経営は、赤字であることがある意味宿命づけられていて、株式上場など夢のまた夢、とあきらめる向きは多かった(当時、私もうすうす感じていました)。それを著者は「本気になって何が悪い。夢をみて何が悪い。そう思いながらここまでやってきた」から株式上場までこぎつけることができたと説きます。「JR三島会社」の一社として、本州のJR三社とは区別されたことにより感じた「逆境と屈辱」と、なんとなしないと会社がつぶれるという気持ちが、鉄道事業の改革と新規事業への挑戦に本気で取り組ませたのだそうです。

また、著者は「氣」の大切さについても、複数回言及しています。氣を充実させることで、人が職場が元気になり、業績がよくなる。そのためには、
①スピードのあるきびきびした動き
②明るく元気な声
③スキを見せない緊張感
④よくなろう、よくしようとする貪欲さ
⑤夢見る力
という5つの法則を哲学として持ち、実践。

意外だったのは、まちづくりの大切さについて言及されていた点。①安全安心、②歩く楽しさ、③食と買い物の3つに加え④地域の共同体意識だといいます。
①の安全安心は当然として、②人と人、人と自然、人と歴史が感じされること、そして③美味しい地元の料理が五感で味わえ、お土産を選ぶ楽しさを体験できることの望ましい、そして④おらがまちは、おらたちの手でと、魅力あるまちにしようという気持ちを本気で抱く人がどれだけいるか。まちづくりは決して観光客のためだけのものではありません。住んで良し訪れてよしのまちづくりを目指す。その本気のまちづくりは、住人にも生きる自信と誇り、そして笑顔をもたらすことができる。

成功の要諦は、次の3つだといいます。夢見る力、「氣」を満ちあふれさせる力、伝える力だと言います。前の2つは前記とかぶりますが、「人に情報を伝える」大切さについては、なるほどと思いました。声が通ること、その大きさもそのひとつ。何度も繰り返すことや近づいて話すこと、氣を込めて話すこと等、自らの体験から語る言葉は、伝わってきます。

最後に「本気」の学びとして、著者のまとめ18個が掲載されていました。
1. 逆境と屈辱は、人と組織を強くすることがある
2. デザインと物語は、いい仕事・いい商品・いいまちづくりには不可欠
3. 武者修行は最高の鍛錬の場
4. 継続は力なり。継続するにも力が要る
5. 熱意と準備、そして密度で交渉の成否は決まる
6. 手間を惜しまずやりたくなる夢を、リーダーは描くこと
7. 夢の実現後、すぐに次の夢を描くことが人を育てる
8. 有言実行の誓いと言霊が夢をかなえる
9. 何事も最初が肝心、スピードも肝心
10. 激論を戦わせた後は真実が見える
11. 公平かつ誠実な商いはブランド価値を高める
12. 新規事業の成否は、ひとえに「ヒト」にあり
13. 農業はすべてのものづくりの源
14. 人はどうあがいても、大自然にはかなわない
15. いかなる場面でも、競争は力なり
16. おいしい食事一度にもビジネスのタネはある
17. まちづくりは成果以上に、成果にいたるプロセスが大事
18. 「夢」と「氣」と「伝える」、この3つの力が人をその気にさせる
19. 伝えても、伝わらなければ、伝えたとはいえない

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幕末薩摩英雄図鑑 人物相関図

幕末・明治維新時に活躍した薩摩藩士を中心に、50名の幕末の英雄をイケメンのイラストで紹介する本。一番の特徴は、史実やエピソードだけでなく、当時の英雄たちの人物相関図が、各人ごとに紹介されていること。これにより、盟友・敵対関係・親子親戚・上司部下の関係等が再確認でき、それが重畳的にわかることで、いろいろなことが想像できてきます。

ちょうどNHKの大河ドラマで「西郷どん(せごどん)」が始まりましたので、紹介される薩摩藩士の背景がわかって面白い。西郷隆盛/大久保利通/島津斉彬/島津斉興/島津久光らは、あまりに有名ですが、それらを支えた家老の調所広郷、島津家の存亡の危機となったお由羅騒動の主役、島津久光の側室お由羅、西郷隆盛や大久保利通を引き上げた小松帯刀、実業家へ転じなければならなかった五代友厚の理由等、かなり知的好奇心にかられる内容でした。

イケメンの画は、賛否あるでしょうが、先人の歩みを理解するためにとっつきやすくアプローチしているという点では、高く評価すべきものだと思います。

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孤独のすすめ ハローワーカー嫌老社会 五木寛之著

本のタイトルから、「老いていく過程で、それぞれの自由な孤独を楽しみましょう」という内容だと、勝手に思っていましたが、まったく違っていて驚いた。著者は過去に「嫌老社会を超えて」という本で、社会保障(年金受給額の世代間の格差を含む)の世代間闘争や暴走老人に警鐘を鳴らしてきました。実際、現実社会においても、老人による交通事故報道が後を絶たないのも事実です。

「嫌われる、迷惑をかける老人」にならないためには、どうすればよいか。老いに抗わず、等身大に受け止め、工夫して楽しむには、どうすればよいか。高齢になっても元気に前向きには(精神的にも経済的にも)誰もができることではないことも事実。

著者は「高齢者の場合、前を向いたら死しかない。それよりは、あの時はよかった、幸せだった、楽しかった、面白かったと、さまざまなことを回想し、なぞっていったほうがいい」と主張します。また、昨今の断捨離ブームに対し逆に、「何もないところで回想の抽斗を開けるのは簡単ではない。モノがあることで、そこから記憶が引き出されるのだから、どんなモノでも捨てずにとっておくことには大きな意味がある」と主張します。なるほど、実践できることを、84歳の著者自らの体験も交えて「賢老のすすめ」本といってよいと思います。

それにしても、「下の勤労者世代」との対立が先鋭化しつつある点が気になります。国民が国の未来に対して希望を持てない現実社会(という人が多いし、マスコミもあおっている)。そのような漠たる不安の中で、その不満を政治ネタや娯楽番組など一時の気晴らしで紛らしている一般大衆。そんな人々の鬱積したマグマが、何らかのタイミングで爆発するのではないか。

著者は、「ハローワーカー」というネット公開マンガを引き合いに出しています。これは、架空の話ですが、究極の嫌老社会、世代間の熾烈な階級闘争、極端な排外主義を表すマンガです。
<ハローワーカーのあらすじ>少子高齢化に悩む日本で、20XX年に老人駆除法が施行。厚生労働省は、失業中の若者を雇って増えすぎた高齢者対策として、老人駆除部隊を編成し、老人狩りを実施。隊員の報酬は歩合制で、老人ひとりを駆除するごとに1万円が支払われる仕組み。こうして高齢者を間引いていくことで、老人の年金や医療費を削減でき、その分を出産や育児、教育費などに振り向けます。老人駆除は順調に進み、出産祝い金は500万円まで引き上げられた日本の出生率は急回復し、戦後最高の第3次ベビーブームが到来します。しかし追い詰められた老人たちが立ち上がり、剣豪を中心として国宝姫路城に立てこもり反撃を開始するというもの。

著者は、こういうマンガのような事態は起こって欲しくないと強く願っている一方、社会のムードが危険が方向にいっているのではと継承をならしつつ、それぞれ個人が行動できる現実的な解決案のいくつかを提案していると思います。

<ハローワーカーは、コチラ>
http://seiga.nicovideo.jp/watch/mg109927
http://seiga.nicovideo.jp/watch/mg112269
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炎の牛肉教室! 山本謙治著

炎の牛肉教室! は、牛の繁殖・肥育・精肉業界の外にいるジャーナリストによるものです。しかし、自ら子牛のオーナーとなり、肥育に係る預託料を継続して支払い、自らの牛を精肉し、販売し、自ら食し、その上で収益を得たという希有な経験を持つ方が語る自らの経験は、貴重です。まさに副タイトルのとおり、NO BEEF NO LIFE!を地で行っている方が、一般消費者がおいしい肉と出会うための方策を本気で考えていると感じました。

ちなみ生育するまで、牧草地で放牧中(120円/日)、牛舎内で肥育中(600円/日)、と畜精肉(9万円)を支払い、かりに一頭が85万円で売れたとしても、そんなに儲かる商売ではないとのこと。そんな中、知らなかった事実が、いくつも出てきます。

・肉用牛の「和牛」
黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の四種がある。流通されているものの、ほとんどが黒毛和種。なぜなら、日本の牛の価格はほぼ等級制度で値段のランクが決まっていて、サシが入りやすい(霜降り度合いが高い)黒毛和種が、コスパが良いため。

・「国産牛」は乳用種がメイン
ホルスタインは乳用種だが、オスは乳を出さないので、ほとんどが去勢された上で、肥育・と畜される。結果として、日本の国産牛の4割以上が、乳用種ホルスタインが占めているという事実。黒毛和種よりも多い。

・「A5」格付けは、美味しさの評価ではない。
「A」の意味は精肉の歩留まりが高いということ、そして「5」は肉質です。一般的な肉用牛ならA格付け、乳用種ならB・C格付けとなります。問題は1-5の肉質等級です。脂肪交雑・肉の色沢・肉の締まりおよびきめ、脂肪の色沢と質等で、決まってきます。そこで一番重要視されるのが、サシ、すなわち霜降り度合いなのです。よって、A5とは、「肉がたくさんとれて、かつ霜降り度合いが最高レベルに高い」牛を指すわけです。これの基準を決めたのが、日本食肉格付け協会。そこではA5が、肉が美味しいかどうかは言っていない。

ただこのランク付けによって、日本では事実上、A5の肉が最上級ということになってしまい、高価格になったことが、肥育農家の行動に影響を与えてしまった。すなわち歩留まりが悪く霜降り度合いが低い品種は、結果的に価格が下がることになり、生産者としては、在来種である褐毛和種・日本短角種・無角和種が味わいが深い肉であっても、経営を考えると、黒毛和種に転換してしまうことが合理的なわけです。

そもそも美味しい肉って何だろう?と考えてしまう。ちなみにA5の肉には、粗脂肪量が50%を超える肉も多いそうです。ここまで来ると、「赤身肉の中にサシがある」のではなく、「サシの中に赤身肉がある」状態ではないか。そんなにサシが欲しければ、赤身肉の中に人工的に牛脂を加えるインジェクション加工肉で良いではないでしょうか。

<インジェクション加工肉は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46849651.html
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そもそも肉の美味しさって、油ではなく、タンパク質ですよね。そう考えるとサシ信仰は、かなり妖しくなってきます。ちなみに著者が提唱する牛の味を決定する方程式は、以下のとおり。
牛の肉の味=(牛の品種 * 餌 * 育て方)* 熟成
すなわち、和牛かどうかという品種のみならず、どういう餌を与えたか(輸入コーン主体か、それとも牧草か)、どう育てたか(牛舎内のみか、それとも放牧か)、何ヶ月肥育したか(22ヶ月以内で出荷するか、それ以上育てるか)、肉を低温熟成させるか否か。

低温熟成期間として、著者が提案しているのは、と畜後20日以上。これだとかなり「見た目の鮮やかさ」がなくなり、肉の色が暗褐色になるそうです。このような変色が、スーパー店頭で購入する一般消費者に敬遠されがちなことは、明らかですね。では、われわれはどうすればよいか。著者の提案は、スーパーの小売店舗での商品にも、必ず個体識別番号10ケタが表示されており、これが日本独自に進化を遂げた牛の個体識別番号でえす。これは牛の戸籍謄本のようなもので、品種や性別、生年月日、出生地、出荷日、と畜日等がわかります。特に、生年日とと畜日との差が肥育期間を表し、これが長いほうが、一般的に味わい深いものになるらしい。スマホからでも確認できるので、ぜひスーパー店頭ではこれを活用しよう。

<おまけ>海外産の牛肉についても、著者は感想を述べています。
・アメリカ
米国の肉牛は99%、肥育ホルモンを投与して生産している。基準内であれば人体に影響はないと言われているが、22ヶ月以内で出荷できるくらい大きくなるので、USビーフは味わいが薄い。

・オーストラリア
日本の牛のほとんどが、輸入コーン飼料を食べさせて肥育するが、こちらの牛はほとんどが牧草地で草を食べて大きくなる(グラスフェッド)。いろいろな味わいがある。

・フランス
赤身肉を好む。サシ・霜降り肉など捨てられてしまう。日本と全く価値観が違う。
 

武士道 The soul of Japan

「武士道」新渡戸稲造が書いた名著です。世界を魅了する日本人魂の秘密、すなわちThe soul of Japanを、西洋人に理解できるように明快にしたこと。それはとりも直さず、現代の日本人にとっても、先達の思想行動様式を改めて頭で理解する伝手となります。私たちの祖先が蓄えてきた人生の宝のエッセンスをマンガで表現したコレは、とても意義がある。

そもそも新渡戸稲造が、武士道を英語で出版するきっかけは、ベルギーの法学者ラブレーと教育・思想について議論したこと。そのときラブレーは、宗教教育こそがこどもに道徳を身につけることだと主張。新渡戸は、日本に宗教教育がないのに、なぜ道徳心を持つことができるのかに、疑問を持ち、独自の調査・分析をして、それが「武士道」、いわゆる西洋のノブレス・オブリージュ(高い身分の人は、それだけの義務を負わねばならない)もしくはフェアプレイであることに気づきました。その日本人の精神を欧米の人に知ってもらうために、英語で出版したわけです。

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 いろんな本で紹介されていますが、私の理解では、武士道の根っこに流れているのは、次の3つ。
①仏教(運命を受け入れる・宇宙の摂理と人との調和)、②神道(自然崇拝・祖先崇拝・愛国心・忠誠心)・③儒教(仁・義・礼・智・信)。

これをベースに、サムライは「名誉」と「忠義」のために行動した。名誉は人間としての尊厳。恥をかきたくないという気持ちから正当な価値観が生まれ、人間として正しい行いへと導く。そして忠義。武士道を育んだ封建制の日本では、主君と家臣との間の上下関係こそが、あらゆる人間関係の中心だった。その関係性を支えたのが「忠義」。この点は現代社会とちょっと違和感があるかもしれません。

新渡戸が日本と欧米の結婚に対する価値観の違いについて言及していることも興味深いです。すなわちアングロサクソン・キリスト教では、たとえ結婚しても夫婦は別人でそれぞれのひとりの人間として考える個人主義。それに対して日本人は、結婚すると夫婦は和合して一心同体のものとなる。互いを自分の半身と考える、というものです。新渡戸は、だからこそ日本の夫は、自分の妻を、他人に対する礼儀上、謙遜しおとしめるように呼ぶという慣習につながったと分析しています。なんと明快でしょう!

こんな武士道が、江戸時代に町人にも昇華し、「大和魂」へつながっていきました。これを本居宣長は、「桜」にたとえました。すなわち純真であり、とげや毒がなく、華美を誇らず、生死を自然に任せる覚悟を持つこと。その気品と優雅さを持つことこそが、武士道と大和魂の神髄、すなわち理想の日本人像だということ。

あらためて、日本人とは?につい考えさせられました。先達の残したものは、あまりに偉大です。



14歳からのお金の話 池上彰著

「世の中の不思議を、お金から考える」。おかねって、そもそも何?原点は物々交換にありました。日本経済を広く知る池上氏ならではの本です。14才のみならず大学生にも読んで欲しい(さすがに、社会人にとっての常識であってほしい・・・)。

考えてみると、日本の学校教育は、お金を真正面から教える教科がない。そもそも学校の教諭が知らない(教育カリキュラムに存在しない)し、民間企業の就業経験がないのだから、子どもたちに教えられるはずがない。その意味でも、お金にまつわる基本を丁寧に解説することに、大きな意味があると思います。

1. お金とは何か?:お金の成り立ち・役割、お金の貸し借り・金融機関
2. 分業で人間は豊かになった:分業、値段、需要と供給、外国との分業、円安/円高
3. 株式会社で人類は発展した:リスクを限定して投資する仕組みの誕生、株式市場、現代の会社の役割
4. 景気はよくなったり悪くなったり:景気とは、インフレ/デフレ、バブルの誕生
5. 豊かになるためには国が必要だ:国の役割・税金、年金、財政、規制の善悪
6. みんなが豊かになるためには?:資本主義/社会主義、グローバル化、格差をなくすには

大人がまじめに読んで、なるほど!という部分は少ないだろうけれど、小中高(大学生も?)には、非常にオススメの本でした!

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ユニクロ潜入一年 横田増生著

私、ファストファッション「ユニクロ」ヘビーユーザーです。暖パン、アンクルパンツ、そして定番フリースは、ほとんどユニクロ製品です。その品質と価格のバランスと、日本人の体型に合った飽きのこないベーシックなデザインは、秀逸といって良い。日本ファッション界の金字塔といっても良いと個人的には思っています。そして、産業界でもユニクロ経営をもてはやす傾向が高い。SPAや店舗展開等、良い話題に事欠きません。

さて、そんな「勝ち組」のユニクロですが、批判的に見ている方もいらっしゃるのですね。ユニクロの
柳井社長のワンマン経営と、疲弊する店舗現場を、指摘しているのが著者。なんといってもその特徴は、自らユニクロ店舗で1年以上にわたってスタッフとして働き、その見たこと経験したことを、そのまま書く「潜入ルポルタージュ」です。著書のタイトルも「潜入」という、あまりにダイレクトな表現が使われています。ユニクロに関するルポルタージュ本としては、「私たち「ユニクロ154番店」で働いていました」を読んだことがありますが、それよりもかなり批判的な書きぶりです。

<私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/25612167.html
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著者が、手厳しくしてしているのが、店舗でのサービス残業、人手不足、パワハラ、無理なシフト、出勤調整で人件費抑制、さらには海外協力工場での搾取・・・今まで消費者目線で、ユニクロ万歳、ユニクロ着てオトクにハッピーだけでは済まされない、経営の現実の側面を見せていただきました。モノを見るには、複眼思考が必要だと改めて、肝に銘じました。

長友佑都の食事革命 長友佑都著

(自称)世界一のサイドバック、長友佑都。セリエA・インテルレ・ミラノ所属の超一流のサッカー選手であることは、間違いありません。その長友は、ストレッチと体幹トレーニング、そして食事の改善で、選手としてのパフォーマンス向上を主張しています。その自らの体験を基に語るので、めちゃくちゃ信用力がありますね。

実は、30歳を目前でサッカー人生の岐路に立ち、あまりに乱れた食生活(パスタやドルチェの食べ放題)の改善だったそうです。結果、朝はスムージー、アマニ油を積極的に摂り、食材の数を増やす。その結果、疲労回復が早まり、試合中の集中力、ポジティブ思考もアップしたそうです。

この「食事革命」は、アスリートのためだけでなく、私を含め、一般人にも非常に有用です。ダイエットにもつながるし、仕事の能率も向上し、筋肉も付く。この食事法は、「炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】」で主張されている、炭水化物を極力減らしタンパク質を主に摂取する、いわゆる「ケトン体質」を進化させ、さらにスポーツ選手ならではのパワーも備えた糖質を加えることで「準ケトン体質」を目指すと、長友選手は断言しています。なるほど、これが世界一のサイドバックの食事か!!!

<炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 夏井睦著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50972988.html
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炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 夏井睦著

前著「炭水化物が人類を滅ぼす」。著者は、自分の身体で糖質制限を実際に試し、医学的にその効果を記してたことが、ベストセラーとなりました。糖質制限治療の第一人者は江部康二氏ですが、ふとしたきっかけで、志を同じくすることから師弟関係となったそうです。考えてみれば、これまで太ること=カロリー摂取過多といわれてきた定説を完全に覆したことは、中世の時代に天動説を唱えるようなものに等しい。科学的。・医学的見地から、栄養素としての糖質の性質を調べ上げ、さらには、大胆な人類の糖質摂取の歴史や生命の進化の仮説等、ユニークな研究の成果の本でした。

さて、そのベストセラーから4年経過し、さらに独自の仮説と持論を展開しているのが、この本です。20万年前の石器時代は「採集」により移動しながら生き延びてきた人類が、新石器時代に入り「狩猟」により定住化。狩猟方法の工夫により、武器や衣類等の道具が進化し、おんぶしながら移動する手間が省けた人類は増加を始めます。さらには1万年くらい前から食糧の自給として穀物の「栽培」を始めます。安定的に保存できる穀物を得たことで、人口の爆発的増加が開始した、というのが著者の仮説。
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著者の主張の肝は、20万年前から人類のDNAは、(当時あった)肉や魚、原資野菜に対応して作られてきたものであり、(突然できた)穀物を対応にしていないということ。20万年vs1万年の歴史の違いということです。具体的には、人類が穀物や糖分を摂取すると、(肉や魚にはない)グルコース・スパイクといわれる、血糖値の急上昇が見られます。それを抑えるのがインシュリン。血糖値の上下変動は人体にあまり良いものではないので、それをコントロールするために、血糖値upのためには人体の器官がさまざまな物質を出すのですが、血糖値downのためには、インシュリンという物質しか人体は持っていない。そのため、穀物摂取過多・糖分摂取過多になったとき、インシュリンの能力を超え、糖分が脂肪として蓄積されていくということ。残念なことに、たまたま人類は「果糖ブドウ糖液糖」という人工的な糖分を、安価で大量生産可能なトウモロコシから、安価で大量生産可能する技術を身につけてしまった。この糖分が、全世界の安価な飲料水に使われていて、人類が糖分過多となっている主要因となっています(どんなスポーツドリンクにも含まれている)。

そのベストセラーの刊行から4年。この間、糖質制限という言葉が、世間に定着してきました。具体的には、ビール市場には糖質オフ商品がずらりと並んでいます。これからは、健康重視の消費者をターゲットに、外食産業(牛丼にも登場!)・スーパー等にも浸透してくるでしょう。

本書の最終結論は、穀物栽培によって繁栄への道を得た人類が、穀物により危機への道をたどりつつあること。人類の多くが、糖質制限することが健康キープにつながることを、知ってしまい、行動に移すと、安価に大量生産可能な穀物の需要が減ってしまい、穀物農家が困ること。そしてその莫大な食糧需要が、肉・魚に向かってしまうと、全世界的に食糧枯渇に向かってしまうことです。なぜなら、肉・魚は、化学肥料・遺伝子組み換え等の技術を駆使して安価かつ大量生産可能となっている小麦粉やトウモロコシと異なり、大量生産ができないからです。ではどうすれば、よいか。著者の提案は、人類の栄養摂取方法のひとつとして、昆虫等からのタンパク質摂取を上げています。日本でも長野地方で芋虫を食べる習慣がありますね。それはそれでひとつの解決方法なのだと思いますが、はたしてそれだけで、世界人類を救うことができるのかどうか。


 

ライフシフト 100年時代の人生戦略

LIFE SHIFT(ライフ・シフト) リンダ グラットン 著を、ある方の勧めで読みました。寿命100年時代、あなたはどう生きますか? という問いかけと、それに対して新しい人生戦略を『LIFE SHIFT』は提示してくれています。自分事として、生き方・働き方を再考する本として、とても良かった。

これまでは、80歳程度の平均寿命を前提に①教育、②仕事、③引退という3段階のステージで人生を区分けしてきました。しかし寿命が100才を超えるという現実の下、①②をこれまで通りとすると、③は金銭的にも精神的にも、あまりに長いという事実があります。それをどうするか。

結論からすると、上記①②③の3ステージからの単一のレールではなく、複数のステージを転々とするマルチステージの人生が提案されています。具体的には、
・エクスプローラー(世界を旅しながら、自分探ししつつ、生きていくスキルを持つ)
・ポートフォリオワーカー(異なる種類の職を同時に持つ)
・インディペントプロデューサー(組織に雇われず、独立して生産活動)。

その実現のためには、以下の3つの無形資産を自分の中に積み上げていくことが必須。
・変身資産(多様性のある人的ネットワーク)
・活力資産(肉体的・精神的健康、バランスのとれた家族との生活)
・生産性資産(スキル・知識・仲間からの評判)

これらが実践できる、強者の理論だという見方もありますが、問題の現状分析と具体的なライフスタイルの提案に、納得するところが大きい。

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「こんな生き方をしてはいけない!」卒業後すぐに就職し、ずっと同じ会社で働こうとする。永続する企業を目標に起業し、すべてを仕事に捧げる。休日をレクリエーション(娯楽)にあてる。

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この「ライフシフト」、世間的にも注目されていて、週刊東洋経済でも特集が組まれています。ライフシフトは外国人を想定して書かれていますが、こちらは日本人が、日本で、ライフシフトをどうやって実戦するかという実践編。日本版のマルチ人生の課題の第一は、日本型雇用です。具体的には公的年金の制度設計(長期同一会社での勤務を想定)、雇用慣行(大卒定期一括採用、社畜ゼネラリスト養成を想定)、高等教育(仕事に役立つ特定のスキル・知識養成機関になっていない)。

個人で超えるには非常に高いハードルです。大変ですがそれだけに、超えた先には、莫大な少数者先行利益がとれるかもしれません。

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生涯投資家 村上世彰著

「村上ファンド」といえば、ニッポン放送、阪神鉄道、東京スタイルなどへの一連の投資に対するマスコミ等による報道で「ハゲタカファンド」として著しく評判が悪く、その運営者であった村上世彰氏に対する、世間のバッシングの風はいまでも強いと思います。インサイダー取引で有罪判決を受けた後、株式市場の表舞台から姿を消し、シンガポールへ家族で移住、最近では自己資金で株式・不動産取引を始めたそうで、その動向が注目されています。そんな村上氏の初の自伝(いわく最初で最後の著書とのこと)。彼から見た日本の証券市場はどのようなものだったか、異なる視点から振り返るあの事件は、やはり異常だった。

2006年6月、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引を行った容疑で逮捕され、のちに執行猶予つき有罪判決を受けた村上ファンドの村上世彰氏。灘高―東大法―通産省ー証券ファンドの運営という道筋を選んだ氏のスタンス・投資理念は、徹底した「バリュー投資家」。すなわち市場で割安で放置されている上場銘柄を徹底的に分析し探しだし、短中期で保有する。そして経営陣に経営改革を迫り、ダメなら(高値で)売却する。これを「ハゲタカ」「グリーンメーラー」と呼ぶかどうかは、立場によって異なるでしょう。氏の「投資家が、証券売買でお金儲けすることは悪いことですか」という反論に対し、裁判所はこの投資行動を批判、有罪判決となりました。世界的に著名な投資家ウォーレン・バフェット氏も、自身がバリュー投資家であることを認めています。その意味では村上氏と全く同じ。異なる点は前者が超長期投資であるのに対し、後者が短中期的に資金回収を目指す手法の違いか。

こうして村上氏側からの投資哲学、日本企業は誰のものか、日本の経営者たちの経営責任への見方を見てくると、単なる有罪判決を受けたから「悪者」という単純な見方はできません。この信念が2000年代のインサイダー事件の根っこだったとは、新聞記事からは見えてこない内容でした。

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幸福の「資本」論 橘玲著

橘玲氏の著作は、『マネーロンダリング』『永遠の旅行者』をはじめ、ほとんどに目を通しています。徹底したリアリスト、資本主義論者でありつつも、その中で個人がどう行動するのがベストかを常に考えていた方でもあります。そんな方が、幸福論を真正面から考えた傑作!

最初の結論。幸福であることを条件づけるものは、「自由」「自己表現」「共同体=絆」の3つであるとし、「ひとは幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない」。ここから始まります。ではどうすれば幸福になるのか。幸福は、しっかりとした土台の上に築かれるべき。そのためには、①金融資産、②人的資本、③社会資本という3つの資本を蓄積し、「幸福に生きるための土台(インフラストラクチャー)」を、各個人が設計すること提案を提案しています。

リア充、旦那、金持ち、退職者、ソロ充、プア充、貧困等の、人生パターンが、どのような資本から積み上がったものかの分析が、秀逸!

プア充:田舎のマイドルヤンキーは、オカネ(金融資本)がなく、稼ぐ力も弱い(人的資本)。しかしいつも一緒にいる仲良しメンバー(社会資本)と充実した田舎ライフを送れるかもしれない。一方、その友だちネットワークから外れると、3つの資本すべてを持たないこととなり、そのまま即「貧困」である。
リア充:若くして高収入を得られる職業につき(人的資本)、友だちや恋人がいれば(社会資本)、預金ゼロでも(金融資産)、充実できる。
金持ち:稼げる能力を持ち(人的資本)、一財産稼いだ(金融資産)が、その過程で友人や家族を犠牲にしている。

著者のいわんとしていることは、3つの資本をすべてそろえた「超充」を達成することは難しいが、せめて2つをそろえれば「幸福」といえる状態になるのではないか、ということ。自分はその資本が充実しているのか、どのカテゴリーに当てはまるのか、そう考えると、ちょっとは気楽に生きられるかもしれない、という元気ができてきました。

<タックスヘイヴンは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/37563411.html

<日本の国家破産に備える資産防衛マニュアルは、コチラ>
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一億総貧困時代 雨宮処凛著

著者は、かつて「ミニスカ右翼」、「ゴスロリ作家」と呼ばれた1975年生まれの作家、政治活動家です。今では、革新系、左派・左翼系メディアへ寄稿し、左派系論者として活動し、プレカリアートの問題の論客らしい。それはともかく、この本は日本社会全体の経済状況を範囲にしているわけではなく、あくまで著者が地道に足で稼いだ貧困ルポが11本掲載されています。

精神を病む母親に生後6か月で捨てられ、父親にレイプされて子供を産む女性。長年の介護生活の果て、両親とともに死のうと川に車で突っ込み、娘だけが生き残った一家心中事件」。デパートの課長だった男性は、親の介護のため退職したことが路上生活者そして支援者となった男性。衷心から、気の毒に絶えません。競争社会・実力社会・自己責任という資本主義・自由主義が日本のスタンスだけれど、その前提では人生のスタートラインにつくことさえできない人たちが、たくさんいる現実に目を背けてはなりません。 

あらゆる「貧困」の原因の多くは、経済の問題です(例外もありますが)。「結局、高齢者問題は、ほとんどお金で解決できるのです」と断じたのは、「老後破産」NHKスペシャル取材班です。乱暴にいえば、少子化の原因は雇用崩壊で低所得者層が増えたからともいえるわけです。それぞれ個人ベースでは単に「金がない、定職がない、結婚どころじゃない」という行動の積み重ねが、平均像としての結婚年齢の遅れ、未婚率の高さ、少子化につながっているともいえます。

<老後破産は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45603610.html
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著者のルポは、おそらく現実で、課題認識も正しいのだと思います。ただこの現実社会で、どんな処方箋がありうるのでしょうか。頭打ちの経済成長下では、福祉に振り向ける財源に限りがあります。著者は(というか多くの左派系論者は)その財源を、法人や高所得者への所得課税、資産への課税を挙げます。しかしこのグローバル社会の下で、企業がどれほどの高税率の国で活動するか(逃避するか)、また企業努力すればするほど累進的に課税されることが、どれほどの脱税の魅力を増大させ、同時に勤労インセンティブを劣化させるかを同時に考える必要があります。

総じていえば、漸増していく福祉財源を増やしていくためにも国民経済、GDPの成長は必要でしょう。そして日本の労働人口の減少は所与ですから、一人当たりのGDP、すなわち生産性の向上は必須条件です。そのために、ホワイトカラーの生産性の向上、ロボットによる人手代替、AIの爆発的普及による人件費の削減等を同時にすすめていく。その代わりに、人はよりクリエイティブ、創造的な仕事や、仕事の仕組みづくりに注力し、付加価値を出していく社会が求められるのだと思います。その中でも当然、社会的弱者は存在するでしょう。だからこそ弱者を救う「ため」を持つこと。そういった活動全体として物質的な繁栄だけではなく、十分な時間と心の豊かさを取り戻し、それぞれが自己実現に努めることができる日本になっていくのはないか。

地方は活性化するか否か こばやしたけし著

どこの地方都市でも抱えている問題を、(女子高生の立場から)現状分析し、解りやすく解説する、前代未聞の「地域活性化WEBマンガ」です。地方まちづくりにありがちなあるある事例を挙げながら、地域活性化入門書です。「作って放置のハコモノサイト」「やりっぱなしで検証無しの企画」「誰がやっても変わらない職場の空気」、どれも地方のあるある事例ではないか。少子化の要因のひとつは、地方が車社会であるが故の出会いが無いこと等、統計に表れないけれど、実際そうだよな!とうなずくこと多数。

駅前活性化の大義名分の下で多大な公金を使う失敗事例が取り上げられています。なぜか?行政が発起人になり事業計画を作成し実行すると、予算だけが執行・消化されがちだからです。行政は、予算の執行。委託業者は、器を作ること。民間は、「行政が何かをやっている、予算があるなら乗ろう」という場当たり的思考。このように官民連携がないと、良い結果は残せない。さらには、作ること自体や予算消化が目的化し、その結果や効果が問われないと、公共事業の墓標だけが残ってしまいます。
その結果、
・やりっぱなしの行政
・頼りっぱなしの民業
・全然関心なしの市民

そもそも限られたエリアの中で利害が複雑に絡み合う事業主たちが協力し合ってひとつの事業を運営するのは簡単なことではありません。当初から、各当事者がどのように思考し、行動するかまで考えた上で、事業スキームを作り、行政は(メインプレーヤーではなく)その潤滑油の役割を担うべき。

難解になりがちな地方行政の問題点やまちづくりについて、(学者や有識者とは違う)一般市民の見解で描かれるストーリーはフィクションではあるものの、現実社会そのものであり、前地方創生担当大臣の石破茂氏も絶賛中とか。

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単発のイベントや催事は、「賑わい」ではなく、単なる「にぎやかし」!
地域活性化のヒントとなる、格言は以下の通り。
・活性化に必要なのは「よそもの」「わかもの」「ばかもの」、プラス「きれもの」
・「カネでにぎわいを作る」ではなく「にぎわいでカネを作る」
・「カネ」「コネ」「タネ」がなくても「元気」「やる気」「その気」で乗り切れ!
・活性化の救世主は「ピエロ」

確かに時代の流れもあり、便利さや快適さを追求する面もあるが、そこだけを優先してしまうと街は画一的になってしまい、魅力も愛着も薄れてしまう・・・街の本当の姿って、そこに住む人々の暮らしや文化・歴史といった「街の記憶」を大切にし、つながりながら、創られていくもの、なんじゃないかな。

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健康的で文化的な最低限度の生活4【扶養照会編】

前作1-3巻に引き続き、福祉事務所に配属された新人公務員・義経えみるの、生活保護ケースワーカーの「あるある」のマンガ紹介。

今回のケースは、現在、住所不定でうつ病の26歳の男性・島岡光さん。生活保護の受給調査で、親(親族)に援助可能かを確認する「扶養照会」がトラブルに。扶養紹介の結果、父親が高収入とわかり、父親に連絡をとったことが、島岡さんを電車飛び込み自殺(未遂)にしてしまう、大問題に。

その原因は、幼少時の父親の制定希望力DVを遠因としたPTSD。世の中には、潜在的にどれだけの当事者・被害者がいるのか想像もつきません。

通り一遍の解釈なら、こうした方々は公的に救うべきである、という結論になりそうです。すなわち、それぞれの事情があってそれをすべて汲んでいたら、社会保障制度自体が崩壊してしまう。制度維持しつつ、救うべき方の優先順位をつけるその判断は、個々別々に現場の苦悩に委ねられています。ケースワーカーの仕事の、心理的なハードさが、あらためて感じられる本でした。

<前作 健康で文化的な最低限度の生活 3は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47159144.html
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家系図カッター 増田セバスチャン著

著者の増田 セバスチャンといえば、きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」のイメージビデオをつくった、アートディレクターです。きゃりーぱみゅぱみゅのブレイクは、2011年ころですが、実は、1990年代から原宿を基点として、芸術活動をしていて、インディペンデントのアート作品を、裏原宿のリアル店舗「6%DOKIDOKI」で販売して、注目されていた方です。その凄まじい、生い立ちや経歴をあますところなく、暴露。

タイトルが「家系図カッター」、すなわち血縁の根絶やし。これからも、そしてこれからも自分の血を次の世代に引き継がない!という決意です。それには、壮絶な半生がありました。料理もせず子育てに無関心、いわゆるネグレクトの母。秘密裏に離婚届を出し愛人と出て行った父。自殺未遂を図り、情緒不安定な妹。渋谷・原宿に入り浸り、その後演劇に目覚めた著者は、自分の表現のために、原宿に小さな店「6%DOKIDOKI」を開く。それがきっかけに、突き抜けた感性の店員や顧客(きゃりーぱみゅぱみゅもお客のひとりだった)ができ、いまや原宿、いや日本のカワイイ文化の発信者となるのだから、世の中わからない!

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 自らの名前「セバスチャン」の由来は、新宿のゲームセンターで「幸運を呼ぶニックネーム占い」から付けたこと、店舗名「6%DOKIDOKI」は、なんとなくドキドキして、扱っている商品が丸っこいものが多かったから文字に「O」が多かったから。6%も、3%ではなんとなく少ないし8%ではなんとなく多いという、きわめて曖昧なネーミングで付けられたものだそうです。1970年生まれと、ほぼ同世代。一度、ぜひお会いしてみたいものです。

国民所得を80万円増やす 藤井聡著

はじめて、内閣官房参与 藤井聡氏の生講演を聞く機会がありました。歯に衣を着せないダイレクトな物言いの中に、しっかりとした根拠と論理的背景、そしてさまざまな経済学者(ノーベル賞のJ.スティグリッツ、P.クルーグマンら世)とのディスカッションを通じて得られた強い信念を感じました。

氏の提言の結論は、積極財政によるデフレ脱却戦略。規律ある財政政策、デフレ完全脱却で「GDP 600兆円=国民所得80万円増」を達成すれば、日本経済は必ず復活する、というもの。具体的には、増税は延期して同時に、年間10~20兆円規模の徹底的な財政政策を展開し、まずはデフレから完全脱却させる。その過程で「600兆円経済=国民所得80万円増」を実現し、同時に「財政健全化」、その後の「持続的成長」を目指す、というもの。安倍晋三首相も、「日本経済再生に必要な、具体的かつ実践的な提案だ」とコメントを寄せています。

序章 「600兆円経済」は難しくない
第1章 スティグリッツとクルーグマンが主張した「積極財政」
第2章 「デフレ」は社会心理現象でもある
第3章 「日本破綻論」という完全なる虚構
第4章 「プライマリー・バランス目標」が財政を悪化させている
第5章 「出口戦略」と「ワイズ・スペンディング」
第6章 「公共事業不要論」というデフレの鬼っ子
終章 アベノミクスを成功させる「5つの提案」

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そもそも何故「失われた20年」になってしまったかというと、行き過ぎた資本主義・自由主義が根本にあります。
①投資や消費が冷え込んでしまい、モノが売れない
②全体的な価格が下がる
③消費財の価格下落は消費者にとって一瞬助かるが、消費者を雇用する企業の収益も下がるので給料も下がる
④給料が下がるので買い物を控える
⑤ますますモノが売れなくなる
⑥ますます価格が下がる
⑦上記の悪いスパイラルから抜け出せない・・・
⑧供給側の論理で、過当競争が続き、中小企業は廃業していく・・・
 
なぜ、神の見えざる手により全体最適が図られるはずの、自由主義・資本主義がうまく機能しないのか。この流れを変える主体は、「政府」です。しかし、自由主義・資本主義が良しとする小さい政府だと、政府が積極的に支出することが許されず、以下の主張がなされてきました。
  
1. 日本破綻論
「日本の借金は増え続けており、今やGDPの2倍の水準に達している。国民一人当たりの借金は、数百万円の水準にも達している。そのうち日本も、ギリシャのように、あるいは夕張のように破綻してしまう恐れもある。それを避けるためにも、積極財政がどれだけ必要でも、やらないほうが国のためなのだ」
 
2. プライマリー・バランス論
「日本の借金はGDPの2倍近く、先進国の中でも最悪の状態である。だからこれ以上、野放図に借金が増えることを避けるためにも、財政運営の規律はとても大切だ。だから、政府の歳入と歳出の差である「プライマリー・バランス」の赤字をできるだけ小さくしていき、最終的に、黒字に持っていかないと、とんでもないことになる」
 
3. 公共事業不要論
「そもそも日本の借金が増えたのは、無駄な箱物を作り続けた「公共事業」が大きな原因だ。そもそも成熟社会となった日本にそんな箱物なんてほとんど要らないし、借金だらけの日本にそんな余裕はない。だから公共事業はできるだけ減らしていくのが大切だ」「コンクリートから人へ」。
 
著者によれば、上記3つの主張は、真っ赤なウソ。日本が取るべきは、以下の施策だ。
 
・消費税増税の延期
・財政政策を基本とした「所得ターゲット政策」
・デフレ安全脱却が、最大の「財政健全化策」
・3年以内の「デフレ完全脱却」を目指し、「規律ある財政拡大」を目指す(初年度は15~20兆円規模)
・デフレ脱却後は「中立的な財政運営」を図る

きわめて真っ当な施策と思います、流動的な政局の中で、どれだけ実効性がある経済政策を実行できるでしょうか。少なくとも「政局」での足引っ張り合いは、日本のため、将来のためになりません。

奨学金が日本を滅ぼす 大内裕和著

近年、大学生の間で奨学金利用者は急増しているそうです。背景には、学費の高騰とともに、親世代の収入低下によるこどもの学費負担があります。仮にこどもが奨学金を月12万円ずつ借り入れた場合、学部卒業時の返済額は、なんと600万円近くに(ぜひ、一度電卓を入れてみてください)。本の中には、大学時代に借りた奨学金がネックとなり、大学院進学を断念した学生、結婚時に相手方の両親に難色を示された学生の事例が紹介されています。奨学金という「借金」がその後の人生に大きな負の影響を及ぼしている事実。著者の提案のひとつが、給付型奨学金制度を充実させること。(高等教育を膨大な公費を投入して何でも無償化すればよいという暴論でなく)、高等教育を受けたいという熱意と持ち、学習実績を上げている学生に対する給付型奨学金制度は、十分実効性のある施策だと思います。

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私も大学生のときには4年間、日本育英会から毎月4万円の奨学金を借りて、卒業後、たしか10年間かけて毎月の給料から返済していました。たしか毎月2万円くらいの返済額だったと思います(完済済み)。当時の初任給は額面18万円で、社員寮費1万円や社会保険等を差し引かれて、14万円くらいの手取りだったので、2万円/月の返済は、(嬉しくはありませんが)なんとか支払える水準でした。この経験からすると、タイトルの「奨学金が日本を滅ぼす」は大げさかなと思っていました。

ところが!!!今の奨学金の制度や、大学の学費の水準は、私のいた20数年前とは、まったく異なる水準なのです。まず、奨学金の額。当時は1種(無利子)と2種(有利子)があり、自宅2万円、自宅外4万円と、定額かつ低額でした。なので最大借りても累計で200万円でしたが、今では、1種2種は同じですが、最大12万円/月、4年間累計で600万円にも及ぶのです!!!単純に将来の返済額は、私が借りていた3倍の水準、6万円/月にもなり、これは大学出たての初任給から支払うにはあまりに過酷すぎる、と思います。これは奨学金という名の、教育ローンといえるでしょう。

また学費の水準も、私のいた20数年前とは、まったく異なる水準なのです。当時、国立で30万円/年、私立で60万円/年(いずれも文系)が相場でした。今では、国立で約60万円/年、私立で90万円/年が平均です。学費を親が負担しきれず、奨学金を学費支払いに充てている、すなわち生活費まで十分な仕送りができていないということが推測できます。これは日本社会のGDPの停滞、労働生産性が低いこと、賃金の低水準等が要因であり、奨学金制度そのものの問題ではありませんが、学生にとっては、大学生を続けるために、バイトに明け暮れなくてはならないという切実な問題です。

そもそも当時は、日本育英会が運営主体でしたが、いまでは日本学生支援機構と組織変更されていて、取り立ても厳しいそうで、一定期間経過するとサービサーに債権譲渡され、さらに滞納が続くと、金融機関のブラックリストに載るとのこと。こうなるとクレジットカードが作れなくなり、社会生活に支障が来すことになる。そもそも、学生が将来を切り開くために学ぶための奨学金なのにもかかわらず、その返済のために、将来が拘束されてしまうというのは、本末転倒です。

著者の以下の提言は、まったくその通りだと思います。
・延滞金(ペナルティ5%)の廃止
・返済猶予期限の撤廃(払えない人は、時間が経っても払えない人)
・日本学生支援機構による運営面での改革(救済制度の運用面での拡充)
・所得連動型返還奨学金制度の導入(払えない所得水準の方は、一定期間後に返済免除する)
・人的保証の撤廃(親や兄弟に他人債務を負わせず、連鎖破産を防ぐ)
・無利子貸与奨学金の抜本的拡充(やはり奨学金に利子はふさわしくない)

著者は、学費についても定額化を提唱しており、上記の提言の財源も含めて、富裕税に課すとしています。しかし国立大学86校、私立大学600校、入学定員が全国で60万人近いと言われています。1学年60万人×4年間をすべて、無償化・定額化するのは現実的ではないでしょう。

失敗に学ぶ中心市街地活性化

2008年著、約10年前に上梓された本です。「青森市」「長野市」「日向市」「宮崎市」「柏市」のコンパクトなまちづくりの成功例を紹介しています。

興味深いのは、当時、成功例と位置づけられた、青森市の再開発ビル運営会社が、2016年に経営破綻し、再開発ビルアウガの民間商業施設部分が、4フロア全部が撤退・閉鎖になったことです。10年の年月が経営環境を変えたのか、それとも、もともとの事業スキームに無理があったのかは、予断できません。

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いずれにせよ、ここから読み取れることは、表層的な成功事例に飛びつくのではなく、事例の背景や、目的、関係者の行動様式等の本質をきちんと明らかにした上で、まちづくりをしなければ、手法をまねただけの猿まね再開発を繰り返すことになってしまいます。役所主導の再開発は、先例・成功事例の進め方を踏襲することで、(まちづくりの背景・目的や、資金の流れ、各当事者の行動様式を明確にしなくても)当事者の説明責任を果たし、また責任を回避しながら、公的資金を投入して再開発をすすめがちです。

いわきにも再開発の先例として、一町目再開発ビル(ティーワンビル)や、いわき駅前再開発ビル(ラトブ)があり、それぞれ公的資金が投入されています。今の評価では、再開発の成功例となっていますが、これだって時代の激変で、将来の評価がどう変わるか予断はできません。

多動力 堀江貴文著

オンザエッジ起業時から、同時に多数のプロジェクトを平行して進める、堀江貴文氏。それは、フジテレビ買収や、衆議院議員選挙立候補、東京拘置所への収監時も、一貫して変わらない。現在は、ロケット開発、メルマガ配信、和牛消費促進、食のキュレーション、私設の学び舎の運営等を、同時に進めています。「多動力」とは、「自分の人生」を一秒残らず使い切ることだ!

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氏の主張はきわめてシンプル。他人ができることは依頼し、自分だけができることに、最大限注力すること。自分の時間、やりたいことを大切にし、それを邪魔することはスルーすることです。その一例が、同期通信である電話。電話は、受ける側の時間を奪う時間ドロボウだからです。氏は、ライブドア時代にも、同じフロアのスタッフとメール・チャットで連絡を取り合っていた。もちろん休憩時間には、休憩所で雑談をしコミュニケーションをとりますが、そのメール・チャットで連絡する目的は、ひたすら相手の時間を無駄にしないためです。メール・チャットは、相手の思考時間・作業時間を止めることなく、その合間時間に、それぞれ連絡を取り合うことができるからです。

そのためにも、的確な文章力・相手の思考を思いやる教養が必要です。章立ての紹介をするだけで、何をいわんとしているかが、明らかです。その行動エッセンス(の一部)を踏襲していきたい。
・一つの仕事をコツコツとやる時代は終わった
・バカ真面目の洗脳を解け
・サルのようにハマり、鳩のように飽きよ
・「自分の時間」を取り戻そう
・自分の分身に働かせる裏技
・世界最速仕事術
・最強メンタルの育て方
・人生に目的なんていらない

氏のこれまでの主張と全く方向性が同じ、1時間で読める本です。

<ゼロ 堀江貴文著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/33930327.html

「おバカ」大国オーストラリア 沢木サニー祐二著

なんと、他国を侮辱したタイトルでしょう!著者は、オーストラリアに20年以上住んでいる、生粋の日本人です。日経の記者もやっており、その鋭い視点は、ふざけたタイトルに似合わず、分析している内容は濃いです。

著者の乱暴な?見立てでは、オーストラリア国民オージーとは、車が暴走するデコボコ道路を裸足で闊歩し、暴飲し泥酔しては暴れ、ルーズでギャンブル・浪費好き、さらに粗野でマイペース。一方、OECDという客観的な調査の幸福度では4年連続「世界1位」だそうです。われわれ日本が、オーストラリアから学ぶ(他山の石とする?)ことは多いはず。

オージーの中では、「賢さ」よりも「パワフル」であることが、重要視される国民性だそうです。その結果、こんなエピソードが起きてしまうそうです。
 ・外交駆け引きにも根回しはしない、言いたいことを言う。
・選挙演説では、たとえ実現不可なことでも、言いたいことを言う行動力が国民に評価される。
・時間のルーズさが許容されている。
・明日のことは気にしない、今日が良ければいい、の精神。
・自分の得意なところを伸ばして、ネガティブにならない。
・タフさが評価されるので、やたらと酒を飲んでは、喧嘩し、強がる。

今でも鉱業と農業が産業の中心であり、これはこれから将来も変わらない。ざっぱくにいえば大地の恵みだけで生活できるわけで、将来に不安がなく、思想や行動が楽天的になるのもうなずけます。一方、技術力の蓄積にまったく無頓着で、自動車産業はノックダウン生産さえ放棄し、すべて輸入に切り替えたそうです。ここらへんは日本と、生まれも育ちも全く違う国だなあと認めざるを得ませんね。
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ここから、著者、オージーから学ぶ、幸福10か条を示してくれています。うーん、これって、現在の日本人が過剰にナイーブな精神病患者に見えてしまう?
1. 言いたいことは言う
2. 他人の言うことをあまり聞かない
3. 常に自分のタイミングで
4. 流行をあまり気にしない
5. 不必要なことは、しない
6. 自分が置かれた状況に感謝する
7. 嫌なことなら我慢しない
8. 頭にきたなら、その場でとことん怒って忘れる
9. 困ったら、ときには逃げよう
10. 心配するのは止めよう

オージーに倣って、起こったことはラッキーと捉え、いつもハッピーで行こう!

戦争にチャンスを与えよ エドワードルトワック著

かなり刺激的なタイトルのとおり、内容も過激です。その主張は「戦争には目的がある。その目的は平和をもたらすことだ。平和をもたらすには、戦争による喪失や疲弊が必要になる」というもの。仮に、ナイーブな外部介入で停戦になってしまうと、逆に戦争凍結状態になり、平和は決して訪れないという世界の実例が、複数紹介されています。その理由は外部からの介入によって決定的な勝利や戦争による疲弊という終戦要因がなくなると、終わることのない紛争状態となってしまうからです。コソボ・パレスチナやルワンダの難民キャンプが、それです。

著者は、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問を務める元軍属の方です。CSISといえば、米ワシントンD.C.に本部を置く民間のシンクタンクですが、安全保障の分野の研究では著名な団体で、自民党の小泉進次郎氏も、議員になる前に席を置いていたことがあります。

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戦争では、すべてのことが常識の逆向きに動く。これを、パラドキシカル・ロジック(逆説的論理)とというらしい。例えば、戦争が平和につながるということ。これは戦争が続くことで疲弊し。人財や資金が底をつき、勝利の希望や野望が失った段階で、終戦になり、平和が訪れるというサイクルだからです。

一方「平和が戦争につながる」ともいえる。すなわち、人々は平時には脅威を深刻なものとして捉えることができないから。他国からの脅威にさらされていても、目に見えるものではないため、日常生活が優先となり、脅威に対して何も対策をしないのです。「まあ、大丈夫だろう」と根拠もなく、考えてしまいがちなのです。そのため、誰も備えることに積極的にならず、むしろ戦争に備えること自体を問題視しがちになるのです。このスタンスが、より一層、他国をミスリードしてしまう恐れがある。「まあ、大丈夫だろう」という態度こそが、平和を戦争に変えてしまう恐れがあるのです。

「戦略の失敗は、戦術では補えない」という言葉があります。日本の名著「失敗の本質」にあるのですが、戦術に成功し個別の戦闘で勝利しても、全体の戦略が誤っていたら全体の勝利は見込めないというものです。著者は、その先を予見していて、「戦術レベル」や「戦域レベル」で相手国領土を占領できたとしても、「大戦略」のレベルですべてが覆ることがあるといいます。その例として、第二次世界大戦での最強のドイツ軍が、イギリスとの各個別の戦闘で連戦連勝を上げつづけたのに対し、イギリスの大戦略はアメリカ・ロシアと同盟を組むことで、個別戦闘では負け続けたけれども、全体として勝利しました。そういった例は、ナポレオンやイスラエルにも当てはまります。

日本の例も良く調べていて、最高の戦術家は武田信玄、最高の戦略家は徳川家康、戦術と戦略を併せ持っていたのが織田信長と評しています。

最後に興味深かったのは、日本が国連の安全保障理事会の常任理事国入りを本気で目指すなら、の日本政府の立ち回り方の提案です。今までのような、ドイツ・アフリカと一緒に常任理事国入りを目指すなど、全く現実的でないと切って捨てています。その答えは、インドとの共同戦線なのですが、その背景に中国・ロシア・アメリカが賛成に回りやすいような立ち回り・振り付けを考えてくれています。これが著者のいう、大戦略なのですね。



<失敗の本質 -戦略の失敗は戦術で補えない-は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/20737667.html


 

離島発生き残るための10の戦略

島根県海士町は、地方創生のさきがけ事例として有名。地方創生が叫ばれる10年前から、国の方針とは違う方向で、まちづくりをしています。足下を確認すれば、離島という交通アクセスに不利で、かつ異常なスピードでの高齢化と超少子化は、日本の過疎地域の課題の最先端を逝っています。

データで示される農業従事者の年齢分布も尋常ではない。ほとんどが65歳を越えていて、それ以下の世代はほとんどいない。これでどうやって農業を受け継いでいくのか。いや受け継いでいけない、と断定しても過言ではありません。

著者によれば、離島発生き残るための10個の施策は、以下の通り。
1、あえて単独での道を選ぶ(市町村合併しない)
2、民間の感覚と発想で危機に対する だいたい議会・選挙とか土着の文化などの現状の話 
3、意思は言葉ではなく行動で示す(職員の意識改革 管理職の会議は時間外に)
4、守りと攻めの両面作戦 (守り:給与カットや経費削減、攻め:首都圏へのアピール)
5、「島をまるごとブランド化」戦略 (商品を色々企画してブランド化していく話 さざえカレー、地元産いか、天然塩等)
6、誰もができないと思ったことをやる(隠岐牛)
7、人が変われば島は変わるU-Iターン (結婚、出産の助成金金)
8、活性化の源は「交流」(首都圏から研修生として若者を月15万で1年雇用、フリーハンドで魅力を発見し、発信してもらう)
9、答えは常に現場にある (職員が観光の現場に出る)
10、ハンディキャップをアドバンテージに (隠岐島高校を外に売り出すことで、逆に本土から学生を呼び込む)

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これまでの海士町の取り組んできた歩みを、町長の山内氏さんがまとめたのがこの本です。しばしば活性化のキーワードは、よそ者・バカもの・若者といわれますが、なんといっても、トップマネジメントの企画力、実行力、リスクをとる姿勢、そして「なんとしても生き残るんだ」という強い決意と行動力が、花開いたといえるでしょう。国からの補助金を中心にまちづくりを組み立てるやり方は、制度疲弊していますので、島根県海士町の取り組みは、これから他の地域でも、(アレンジされた上で)取り入れられていくはずです。

のん、呉へ。2泊3日の旅

「のん」さんの、広島呉市での写真集です。のんさんは、能年玲奈の名前でNHKの朝ドラ「あまちゃん」で鮮烈なブレイクをした女優さんです。2015年の事務所独立騒動で、レギュラー出演していたラジオ番組やテレビCMも次々に終了。事実上の休業状態となり、マスコミ業界から「干されて」いました。その後、芸名を「のん」に変え、少しずつ仕事を入れてもらえるようになったようです。

その始めが、女優としてでなく、声優としてアニメ映画「この世界の片隅に」に主演出演。こちらのできが、素晴らしかった。その舞台となった広島県呉市で、この世界の片隅にに出てくる場面を振り返りながら、のんの旅の表情を撮影するというもの。

<この世界の片隅には、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/49938911.html
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のんのファンでなければ、あえて購入するだけの価値がないかもしれません。一方、この世界の片隅にの場面が、現代でどうなっているか確認するだけでも十分に見る価値があると思います。

稼ぐまちが地方を変える 木下斉著

本の結論は、自立型のまちづくりを目指そう、そのためには、「稼ぐ」まちになろうということです。著者は、高校生時代から早稲田の商店街の活性化事業に携わってきた方。その体験をもとに、これまでの全国で行われてきた「まちづくり」がなぜうまくいかなかったのか、補助金をあてにせず民間が自立して事業を行うために必要なことは何か、これからの「公共」を民と官で担っていくためにはどうすればいいかについて、忌憚のない意見を開陳しています。

その、まちづくりを成功させる「10の鉄則」とは、、、
 鉄則① 小さく始めよ
 鉄則② 補助金を当てにするな
 鉄則③ 「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
 鉄則④ 「全員の合意」は必要ない
 鉄則⑤ 「先回り営業」で確実に回収
 鉄則⑥ 「利益率」にとことんこだわれ
 鉄則⑦ 「稼ぎ」を流出させるな
 鉄則⑧ 「撤退ライン」は最初に決めておけ
 鉄則⑨ 最初から専従者を雇うな
 鉄則⑩ 「お金」のルールは厳格に

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きわめてシンプルかつ、実践的なアドバイスだと思います。これまでのように税金を財源とした「公」(親方日の丸)がまちづくりをするのではなく、自立した「民」がまちを変えていく。具体的には、ハコモノを代表とする金食いインフラ(利用収益<ランニングコスト)を、稼ぐインフラ(利用収益>ランニングコスト)に変えていくことです。行政が関与することが(あるとしても)きわめて少なく、民間主導でまちを変えていくことこそが、少子高齢化社会という日本の生き抜くことだと断じています。

儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 ケント・ギルバート著

著者のケント・ギルバート氏は、日本で活動するタレントさんですが、本業の弁護士・法律コンサルタントの知識・ネットワークを活かして、日本人以上に、日本のことを調査分析しています。キーワードは「儒教の呪い」。特亜三国(中国・韓国・北朝鮮)での儒教は、雑駁にいえば「公」よりも「私」を重んじるもの。それは「私」「一族」「自国」のためなら、法律・約束を犯すこともよしとする風潮にもつながると指摘しています。その儒教の呪いが、国際社会からみて、身勝手ともいえる突飛な行動につながっているとのこと。

一方の、儒教の教えである仁義礼智信に、古来の和の精神を融合させ、その基礎から武士道を確立しているのが、日本人の精神的風土です。同じ「儒教」という言葉を使っていても、全く異なる行動様式となるわけです。

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すでに中国とは戦争状態と指摘していて、現在進行形で起こっている日本国内外での情報戦に関して日本が、国益を意識した毅然とした実のある行動をとるべきと提言しています。戦後、GHQにより日本人の精神的弱体化を図り、成功したとされる我が国。保守系の日本人ならともかく、それを指揮したアメリカ人である、ケント・ギルバート氏から、このような著作が出されていることに驚きです。

<GHQの日本人洗脳計画の真実は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45508784.html


 

愛しの富士そば 

名代(なだい)富士そばは、日本初!の24時間営業の立ち食いそば・うどんの全国チェーン店です。創業者 丹道夫氏の演歌好きが興じて、店舗内に演歌のポスターが貼ってあったり、CDが販売されていたりと異色ですが、全国に100店舗以上、海外進出も果たし、とにかく業界トップ。

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なんと「愛しの富士そば」という本まで出版されました!しばしばお店のPRのための提灯記事をまとめた本は多数見かけるけれど、こちらはホンモノのライターが自ら、海外の店舗や、醤油・麺の仕入れ先まで、利用客目線で取材したもの。愛に満ちあふれた文章は、かなり面白い。

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店舗によって、若干メニューが違うそうです。

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質を重視し、業界に先駆けてを手間と費用がかかる「生そば」に切り替えました。タレについては、小豆島のメーカーに専用のものを作ってもらっています。また高価な出汁サーバーや自動天ぷら機を導入し、業務の標準化を図っています。ただ詳細な調理方法・メニューは、店舗に任せているので店舗ごとに味が違うそうです。
 
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立ち食いそばとはいっていますが、実際にはほとんどの店舗で椅子が設置されています。

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スタッフ1名で、下準備・調理・接客等をこなせるシステムは、スゴイと思います。店内でかき揚げも調理して、この価格設定は、経営努力のたまものでしょう。一消費者としては、誠にありがたい。

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カッシーノ 浅田次郎著 遊べよ!日本人!

たくさんの著作を持つ浅田次郎氏は、競馬等のギャンブルものも書いています。その究極が、海外のカジノ体験記。第1作では、ヨーロッパ屈指の最高級ホテルを泊まり歩きながら、由緒あるカジノで博打を打ちます。ニース・サンレモ・バーデンバーデン・・・。負けていくと、ブラックジャック→ルーレット→スロットマシンの順で移動していくのが、「転落」だそうです。ニースでは、おそらく浅田氏と同じカジノを体験しています。この「転落」という表現、言い得て妙です。

<ニースのカジノは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/40711022.html
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個人的に印象深かったのは、バーデンバーデンの章です。ここでドストエフスキーが滞在中に大負けして、「賭博者」という小説を残したことが紹介されています。「オース川の流れに沿って広がるこの街は、けっして自然を脅かさず、人間が森の精霊にまつろいつつ暮らしている」をいう表現は、さすが人気小説家だなあと思いました。

<バーデンバーデンのカジノは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/32997832.html 

著者の結論は、「遊べよ!日本人!」。日本の社会は働くことが美徳で、いまだに遊びを罪悪とみなしている。 森鴎外でさえ、八面六臂の生涯の末に「何だ、つまらない」の一言を残して逝った。八面六臂の大活躍だけが理想の人生ではないだろう。幸福を確認し、八面玲瓏たる人生を全うしようではないか。 

統計学が日本を救う 少子高齢化、貧困、経済成長 西内啓著

前著、「統計学が最強の学問である」の結論は、科学的根拠に基づく実践(Evidence based Practice)が重要であるということでした。その著者の最新作が、「統計学が日本を救う」です。いずれも傲慢なタイトルですが、内容はきわめて順当なものでした。今回の命題は、「すべての日本人を無制限に救えるほどの財政的余裕がない状況が確実にやってくるから、私たちは何に優先してお金と時間ををかけるべきか」です。著者によれば、統計学で答えはすでに出ている!とのこと。 

<統計学が最強の学問であるは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/24718707.html
20
 
まず前提として、日本にはまだまだオカネで解決できる諸課題が山積しているということ。そしてそのオカネは縮小傾向にあること。だからこそ、定量評価して判断しなくてはなりません。例えば、医療費の肥大化の問題の、最大の要因のひとつが、一人当たり医療費の増大、中でも高齢者医療の増大です。医療費全体40兆円のうち、高齢者医療費が23兆円です。また1年以内に失われる人命のための医療費は2兆円です。この金額は日本の未来を左右する少子化対策費を上回っています。オカネがふんだんにあれば、どの階層にも最大限区配分すれば良いのは自明です。ただし毎年漸減していく予算をどう振り当てていくか。ここにはまさに、医療にはコストがかかり、そのコストに対してどれだけの成果が生じるかを考える「医療技術評価」が必要。

これは終末期のケアを医療の現場が担うのか、介護の現場が担うのか、はたまた家庭・家族が担うのかの議論も同様で、一定の物差しで測る必要があります。

当然の帰結でもありますが、日本にはまだまだオカネで解決できる諸課題が山積しています。その解決の根本は、解決するオカネを増やすために、経済成長するというシンプルな話。ただがんばるというのでなく、国民一人当たりの付加価値を高めていくことが大事。そのための王道は、教育です。教育投資は、最もリターンが高いという研究結果も出ています。

<幼児教育の経済学は、コチラ>
にもかかわらず、日本はOECD諸国の中で、最も低い公的教育費水準です(イタリアを除く)。その意味では、ある意味、ここが大きなチャンスかもしれません。限られた予算を、費用と効果を検証した上で、子どもの教育に当てていく、そしてその人財の厚い層が、日本経済を牽引していく。そして医療をはじめとする、オカネで解決できる諸課題を解決していければと思います。
 

銀行はこれからどうなるのか 泉田良輔著

日本生命で外国株式のポートフォリオマネージャー、フィデリティ投信で証券アナリストを歴任され、独立後には個人投資家のための金融経済メディアを立ち上げている、1976年生まれの著者。世界的な低金利やフィンテックの波にさらされてい現在の銀行の現状を分析し、その未来を予測しています。

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第一の結論が、金融のテクノロジーが、既存の預金の大移動を促すであろうこと。著者の予測では、9割の地銀が再編の波に飲まれ、メガバンクも大きなビジネスモデルの変化が必要だとのこと。これまでは規制業種ということもあり、「どこに預けても同じ」だったが、他業種からの参入及び何もしない銀行の市場退出により、これからは銀行が提供するサービス内容に格差が生じるであろう。

これからの銀行は、いずれかの性格(複合もあり)になってくるであろう。1.2モデルはテクノロジーの進化を積極的に導入すること、3.4モデルは社内に有用な人材をかかえているかがキーとなる。
1. モバイル型:決済機能・個人貸出。
2. クラウド型:法人貸出。
3. プライベートバンク型:資産運用。
4. 投資銀行型:経営コンサルティング。
 
アマゾン・マイクロソフト・IBM・グーグル(頭文字をとって、AMIGOアミーゴと呼ぶらしい)らの業界外からの新規参入があるので、2のクラウド型で、すでに実績も出始めている。中国のアリババ系のAliPayというサービスは、全くの金融業界外からの参入にもかかわらず、1.のモバイル型を中心に成功しつつある。

仮にフィンテックの劇的な進化により、個人が世界中の投資機会にアクセスする機会を得るようになったら、また、安定した利回りを得られるような投資案件に直接アクセスできるようになったら、既存のファンドや投資信託の存在意義は希薄になる。

素読のすすめ 川島隆太・齋藤孝著

月刊「致知」2016年12月号に掲載された、川島隆太先生と齋藤孝先生の対談「素読のすすめ」の書籍化。東北大学教授の川島隆太先生は脳科学者の立場から読書離れとスマホ中毒の悪影響に警鐘を鳴らし、素読の必要性を訴えてきました。齋藤孝先生も同様に「声に出して読みたい日本語」等の著書で、素読の意義を伝えています。対談から見えてきたのは素読で人を育てた先人の優れた知恵と、それとは対照的なスマホやSNSの驚くべき弊害でした。

まずは、自分たちで素読をやってみよう。そんなきっかけで、いわきで子どもたちのための素読教室を開催してみました。

<いわき素読教室 初開催は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/49519019.html
28

特に驚いたのは、川島隆太先生が、仙台市で調査している「仙台市標準学力検査および仙台市生活・学習状況調査」をもとに7年間、毎年2万人以上の子どもたちを調べた結果です。まず、スマホやSNSを使えば使うほど学力は下がったという結果。そして特筆すべきは「スマホや携帯を長時間使用すると、いくら勉強していても成績が下がる」という衝撃の事実です。下記のグラフは、2時間以上勉強しても2時間以上スマホをやってしまえば、勉強時間が30分未満の生徒よりも学力が伸びないということを示しています。LINEなどの通信アプリやスマートフォンを1時間使用すると2~4点,点数が下がるという実証データもあります。

456809
出典:仙台市 学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト
http://bit.ly/2o5lpZk

これはどういうことか?川島教授の仮説は、SNSをやっていると脳に抑制が掛かることになり、勉強の効果が打ち消されてしまうということ。要は、SNSにより脳が眠った状態になるらしい。

その逆に川島教授のオススメは「素読」です。素読は脳の機能を高め、特にその実践のコツの一つはできるだけ速く読むトレーニングです。速く読むことで頭の回転速度が上がります。例えば、早口言葉のようなものを毎日やっていると、脳がつくり替えられるそうです。

一方の、齋藤孝先生は、中高生の読書離れとスマホ中毒により、「このまま脳の器のできない日本人が増え続けていくと、大変な国家的損失になりかねません」と警鐘を鳴らしています。私は、われわれ大人が自ら、素読の実践や読書の習慣化を行い、子どもたちにその背中を見せなければならない、と思います。

日本でいちばん大切にしたい会社がわかる100の指標 坂本光司著

著者は、7000社もの会社を実際に訪問してこの本を書いたそうです。そこで得た結論は、「企業経営とは、業績を高めたり、ライバル企業との勝ち負けを競うための活動ではない。組織にかかわるすべての人々の永遠の幸せを追求・実現するための行動である」ということ。業績の良し悪しや勝ち負けなどは、企業経営の目的や追求すべきものではなく、目的を正しく果したか否かの結果、あるいは、目的を実現するための手段に過ぎない、とのこと。

幸せを追求・実現しなければならない対象は、具体的に次の5つ。1従業員とその家族、2外注先・仕入先、3顧客、4地域社会、5株主の5者と、非常にシンプル。シンプルですが、言うは易く行うは難しです。

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坂本光司氏の講演を、法政士業の会という場で、直接拝聴する機会がありました。やはり40年間にわたって、累計7000社を自ら踏破し、経営者等からヒアリングした経験から裏打ちされた、あるべき企業の姿とその指標については、納得感がありました。

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著者の中には、社員と社会を幸せにする会社の目標値として、100の指標が提示されています。実際に、この指標を使って、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を選考しているそうです。ちなみにこの大賞への応募資格は、過去5年以上にわたって、以下の5つの条件に全て該当していること。非常にハードルが高いです。
・人員整理を目的とした解雇や退職勧奨をしていないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)
・外注企業・協力企業等、仕入先企業へのコストダウンを強制していないこと
・障がい者雇用率は法定雇用率以上であること(常勤雇用50人以下の企業で障がい者を雇用していない場合は、障がい者就労施設等からの物品やサービス購入等、雇用に準ずる取り組みがあること)
・黒字経営(経常利益)であること(一過性の赤字を除く)
・重大な労働災害がないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)

この栄えある賞に、われらがいわきの地元企業、スーパーマルトさんが、第5回経済産業大臣賞を受賞されました!東日本大震災時には、震災直後から店舗をオープンさせ、品物を供給しつづけ、市民に圧倒的に感謝されたことは記憶に新しい。まさに地域に貢献しており、受賞にふさわしいと思いました。

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うつヌケ 田中圭一著

「うつヌケ」とは、うつのトンネルを抜けた人たち、を指すらしい。初めて知りました。この本は、著者自らが体験した/している、「鬱」との付き合い方を紹介です。さらに著者以外の、うつ病からの脱出に成功した人たちをレポート。身近の鬱について、楽しく学べました。

鬱病・抑鬱症状がどんな形で現れるか、そしてそれに伴う社会活動における様々な障害がマンガで紹介されています。そして個人個人がどのように対処しているかを、実際に病気・症状を経験された様々な立場の人々の体験談を描写しています。

焦眉は、「鬱は心の風邪。」ではない。「鬱は心のガンだ!」です。鬱なんてちょっとした風邪だから治せるだろ的な考え方はかえって病状を悪化させる。ガンってことになれば、すぐに休養もするし入院もするだろう。ところで、大槻ケンジさんも鬱を経験されていたんですね。

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暗闘 山口敬之著

政治ノンフィクション小説なのですが、その圧倒的な現実感と、その場を見てきたような描写は、ぐいぐい引き込まれます。著者は、長年TBSで報道を経験されたベテランのジャーナリスト。最近退社しノンフィクション作家になられた方ですが、安倍晋三がどんな背景で、トランプ、オバマ、プーチン、朴槿恵と接しているのかの深い意図が見えています。首相を貫いているのは、信念と矜持。ただ日本のために、というのが伝わってきました。
 
大変細かく調査されていて、どんな取材をしているのか驚かされます。本の中には現役政治家や外交官が実名で登場し、著者から痛烈に批判されている方もいます。特に興味を引いたのが、外交の駆け引
きです。取材対象が限定されていて、想像の部分も多いですが、状況証拠からの推定でえあり、かえって緊張感が伝わってきました。外務省のほとんどは、クリントン勝利を前提として動いていました。一方、ごくごく一部の外交官が万が一に備えてトランプに繋がる人脈作りに尽力していたことが奏功。この会談に至る、遠大な予測、用意周到さ、戦略的なネゴ等、現実社会の複雑さをまざまざと感じます。また安倍・トランプ会談の設定の背景や、トランプ陣営の実態、官邸と外務省の暗闘等々、圧倒的な臨場感です。

オバマ大統領の広島訪問と安倍総理の真珠湾訪問はセットで語られることが多いですが、その背景の解説も、腹に落ちました。安倍首相は、真珠湾を日米双方の喉に刺さった棘と認識していた。日米の真の和解には日本のリーダーが犠牲者を慰霊し、区切りをつける必要があると考えていた。それは、政治的リスクが大きく保守政治家、すなわち自分でなければならないとも考えていた。オバマ大統領の広島訪問の後に、安倍首相の真珠湾訪問でのとても長いスピーチの中には、真珠湾でなくなった米軍兵士および家族に哀悼を込めるだけでなく、「数知れぬ無辜の民の魂」という言葉を入れ、広島・長崎の市民犠牲者も忘れていないんだよ、ということをさりげなく残しました。

あまりに深い読みと行動。「安倍首相」の次は「安倍首相」といわれる原因が、わかりました。 

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国民の修身 高学年用 渡部昇一著

かつての修身教科書を忠実に再現し、感動を呼んだ『国民の修身 低学年用』。その続編、我が国の国柄を学ぶ、4-6年生の高学年用の教科書のエッセンスです。読後の印象をひとことで表すと、戦前の教育はこんなにも輝いていたのか!ということ。

<国民の修身 低学年用は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/42874649.html 
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渡辺登、吉田松陰、高田善右衛門ら先人の生き様のほか、ジェンナーやコロンブスという海外の偉人の生き様を紹介しています。お話は一話2-3ページで、現代語解説付きです。

「尋常小学修身書 児童用 巻4」(文部省著作・大正9年発行・4年生用)
「尋常小学修身書 児童用 巻5」(文部省著作・昭和3年発行・5年生用)
「尋常小学修身書 児童用 巻6」(文部省著作・昭和2年発行・6年生用)
 を再編集して、まとめたこの本は、当時の文体・挿絵とともに、現代語訳と簡単な注釈がつけられています。この挿絵が秀逸で、当時の教科書の雰囲気がとても感じられます。

<我が國>我が国・皇大神宮・忠君愛国・国旗・祝日大祭日・靖国神社・憲法・挙国一致・国運の発展・国交・よい日本人
<公民の務>礼儀・良心・公民の務・公益・博愛・人の名誉を重んぜよ・国民の務・男子の務と女子の務・法令を重んぜよ
<祖先と家>孝行・祖先と家・兄弟・主婦の努・慈善・孝行
<勤勉・勤労>勉学・勇気・勤労・工夫・勤勉・師弟・朋友・教育
<自立自営>自立自営・克己・志を堅くせよ・忍耐・倹約・産業を興せ・沈勇・自信
 
戦前の修身教科書というと、短絡的に軍国主義教育ととらえる向きがあります。これについて著者の渡部昇一氏は「戦前の日本は暗黒の時代だったのか」という章をしたためています。曰く、太平洋戦争中も英語の科目はあったし、生活は自由だったとのこと。真に軍国主義的で禁欲的な生活を抑制されたのは終戦前の1年間くらいしかなく、日本古来の価値観を明治期にまとめた「修身」の考え方が、一律に軍国主義で括られることに、大きな違和感があるという実体験を書かれています。
 
特に「国旗」「よい日本人」「志を堅くせよ」の章では、外国と丁寧に接し、それぞれの国旗を敬い、仲良くすべきということが、高らかに謳われています。これ、当時の日本(今の日本もそうですが)は決して全く好戦的な国ではなく、むしろ平和的で相手をおもんぱかる奥ゆかしく、至誠をやろうとしている。これこそ(世界のどことも似ていない)日本人が体現し、また目指すところでしょう。この修身の教科書と比べると、今の道徳の教科書が、非常に表面的で薄っぺらいものに感じてしまいます。
 
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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動を開始しました! いわき市は、今、複層的な問題が山積しています。公認会計士としてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出します。



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