吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

読書

スノーデン 日本への警告

著者は、2013年にアメリカ政府が無差別監視をしている実態等を暴露した「スノーデン・リーク」で有名な、エドワード スノーデン氏。元CIA、NSA及びDIAの情報局員で、インターネットの電子通信や電話盗聴活動に従事していました。個人の通信や、家宅捜索や物品の捜索・差押えは法律で禁じられ許されないのに、プライバシーの権利を国民が奪われているということ。大きな権限を持つ中で、国のインテリジェンス活動に疑念を持ち、国民に政府活動の事実を知らせるために、上記のリークをすることにしたそうです。現在、このリークに関してアメリカで刑事訴追中なので、ロシアモスクワに政治亡命中とのこと。

内容は、アメリカをはじめ日本でも行われている、「超監視社会の脅威」です。2001.9.11のアメリカ同時多発テロ事件以降、テロ防止の名の下に、アメリカ政府は、大規模な監視体制を開始。技術発展と相まって、低コストで膨大なデータをインターネットを通じて集めています。対象はテロリストだけではなく、一般市民すべてです。通話記録データから携帯の移動位置情報まで、自動的に一般人の行動が収集されていること。これらの諜報活動の事実を、2013年に動かざる証拠をもってマスコミに持ち込んだのが、スノーデン氏。

さらに、氏は日本警察機構での、イスラムへの上記のような無制限な諜報活動の事実も明らかにしています。いわく「権力が際限のない監視を行い、それが秘密にされるとき、権力の濫用と腐敗が始まる」。これを止めるには、健全なマスコミと市民の声しかないとのこと。一市民として、単に政府に要望するだけでなく、選挙等を通じて政府内部に「公」の心を持つ人間を送り込まなくてはならないと思います。また健全でないマスコミ会社を、視聴しない購読しないという形で積極的に応援しないことも大事。一方、地道な探査報道をしているマスコミ会社を、購読するという形で積極的に応援していきたい。

著作の内容は、2016年にスノーデン氏をゲストに迎えた東京大学本郷キャンパスでの、公益社団法人自由人権協会での講演会の内容をもとに、文字起しを行い、加筆修正したものだそうです。実際には、氏はインターネット中継で出演だったそうですが、その生の声の迫力は文字になってからでも感じられました。2017年に発刊された書籍ですが、2020年の今、読み返しても背筋に汗が流れる感覚です。

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ぜんぶ毛包のせい。花房火月著

私の髪は(まだ)禿げてませんが、AGAについては興味がありました。そんな中、ある書店の一角が「毛包(もうほう)本」にジャックされていました。その大胆なキャッチコピーは、「男性の外見の悩みは、ほぼ全て、毛包のシワザだった」というもの。そもそも毛包って何?というところから読破してみました。

著者の花房火月氏は、東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科で助教を務められているそうです。皮膚疾患の保険治療だけでなく、美容皮膚・エイジングケア等で、個人病院を経営されている方です。いわく、男は「毛包(もうほう)」に握られている!すなわち、薄毛・AGA・ニキビ・ヒゲ・体毛・ニオイ・汗など、男性であれば何かしら悩みを持っている症状に全て関連しているのが、毛包ユニットのしわざというわけです。

はじめて知った!こと。
・ヒゲエリアの毛の本数は、生まれてから変わらない
・ヒゲエリアの毛の本数は、男女で変わらない
・違うのは、男性の毛が太くて剛毛ということ

なるほど、、、毛包を攻略すれば、悩みの大半はなくなるってことですね。外見に関するコンプレックスを少しでも減らすことで、対人関係(特に異性への)を改善していこうという提案です。さすが皮膚科専門医の視点だと、膝を打ちました。

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毛包本が、書店の一角をずらりと、平積みされていました。それだけ書店が売り出したい!ということでしょうし、ニーズがあるに違いない!!!という確信でしょう。

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古代ローマ人、カエサルも薄毛に悩んでいたとか。すべての男性に一読をお勧めします。

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誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一・染原睦美著

著者の杉原淳一氏と染原睦美氏は、日経ビジネスの記者。その現場取材力はすごく、アパレル業界の過去と現在の商流・サプライチェーンが詳しく書かれています。また当事者として高島屋や大丸松坂屋等の百貨店の経営者やユニクロの矢内会長にも直接インタビューする等、アパレル現役プレーヤーの率直な声も収録されていて興味深い。「誰がアパレルを殺すのか」という衝撃的なタイトルと、どピンクの表紙は、書店でもかなり目立っています。私が好きな著名ブロガーのちきりんさんの推薦の書とのこと。

現状認識として、経営的に深刻な苦境にあえぐ大手アパレル業界各社があります。その例が、ワールド・三陽商会・オンワード樫山・レナウンです。それら国内大手の売上高や純利益は激減しています。同時にアパレル業界と、一緒にビジネスを拡大してきた百貨店も業績不振店が多く、地方だけでなく都内でも閉店店舗が出てきています。

その原因は、アパレル・百貨店いずれもかつての成功体験・ビジネスモデルから抜け出せないから。そして、消費者のニーズを考えずに、服を作りすぎるからです。高度成長期以降、服は作れば作った分だけ言い値売れて、余っても在庫処分しても十分な利益が取れていた。海外ブランドの取扱い数を増やせば、その分だけ、売上げが伸びた。さらに規制緩和で全国各地に大型ショッピングセンターができたときには、そのテナントとして、アパレル企業がこぞって出店。これをさして、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、これを数打ちゃあたるの、散弾銃商法と呼んでいました。

しかし消費者の目が超えてきて、ブランド名だけでは購入しなくなるようになると、デフレの影響もあり次第に販売単価が下がってきます。そのためアパレル各社はコストカットに注力し、商品はOEMメーカーや商社に発注して中国で生産するようになりました。同じ商社やOEMメーカーがデザイン提案や生産をするので、ブランドは違うのに似たような流行のファッションとなり、ますます消費者がはなれていく。一方、アパレル社内にはデザイナーが育たず、国内の縫製工場は減っていくという悪循環。

これまでの、小売は百貨店、企画はアパレル、製造は工場という水平分業が時代にそぐわなくなってきていると思います。キーは、消費者のニーズ把握。百貨店が軒先貸ビジネスをやっているかぎり、企画のアパレル会社に、ダイレクトに消費者ニーズが届きにくい。その点、昨今ビジネスを急拡大している、SPA企業(ユニクロ、ZARA、H&M等)は、自ら店舗を持ち、企画し、製造指示し、そのサイクルが短いため、顧客のニーズを把握し、企画生産にすばやく反応することができる点が大きい。

<ちきりん 未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられるは、コチラ>
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一方、消費者のファションに対する思考・行動も変わりつつあります。もはやブランドというモノを買うことや所有することに対するこだわりは薄れ、流行もしくは好みのファッションがあればよい。古着への抵抗感もないので、エアークロゼットやメチャカリ等、ファッションのレンタルやシェアの企業も
出てきています。また中古売買も、メルカリやZOZOユーズド等が手がけています。これからは他人からの見栄で服を着るのではなく、価格やデザインに自分が納得して着る時代になってきているのでしょう。

その他にも持続可能なモノ作りを目指す、ミナペルホネンやパタゴニアの企業理念、行動が紹介されていてこれも興味深かった。

アパレル・サバイバル 齊藤孝浩著

著者は、ファッション流通コンサルタントというニッチなお仕事の方です。まずアパレルの現状と日米比較しながら、SPA、ファストファッション、オムニチャネル等の事象を説明、そして既存のアパレルプレイヤーを脅かす、メルカリ、アマゾン、ZOZOなどの登場。なぜ、それらが成功したのかを分析。最後に、10年後のファッション消費の未来を大胆に予想しています。

その予想が、とてもインパクトが強かった。そしてそのイメージを冒頭の「Her Story 10年後のファッション消費の未来」という短編小説で、具体的に見せてくれたのが衝撃。
・自分のスマホの中に、自分の持っている服・アクセサリ等すべての情報が入ったクローゼット管理アプリで一元管理
・アプリは、ウェブ上にある膨大な画像データをもとにAIが流行を分析し、持っている服でシーンに応じた違ったコーディネートを毎日提案
・第2候補、第3候補も提示し、
・複数の角度から撮影された画像データは、自分撮影だけでなく、クリーニングサービスの一貫として提供される
・毎シーズンごとに、今持っているアイテムと相性の良い新作の提案が、アプリに送られてくる
・良さそうな提案を選び、リアルタイムの店舗在庫をチェックし、試着を予約
・予約されたフィッティングルームで試着
・店舗スタッフから、リアルな提案
・値札のバーコードを読み込み、商品情報や口コミ評価をチェック
・登録クレジット情報から、スマート決済
・購入した商品は、クローゼットアプリに自動で追加され、コーディネイトされる
・しばらく着ていない服リストは、アプリからオークションサイトもしくはリユースサイトへ数タップで出品可能
・衣替えの時期には、クリーニングとトランクルーム預託をオンライン予約
・結論:上記のようにクローゼットなどのプライバシーを、ファッションストアやサイトと共有できるほどの信頼関係が築けるかどうがが、未来のファッション流通企業の生き残りのカギ=アパレル・サバイバル

ファッション=百貨店で購入するハイファッションだけだった時代はすでに過ぎていて、今日ではファストファッションを中心として安くて、オシャレ、しかし質の悪くないアイテムが日本全国どこでも手に入ります。それを支えるのが、SPAであり、IT技術です。そのファストファストブームでさえも、さらなる進化しつつあります。その例のひとつが、買わずに借りる「サブスクビジネス」や、売ることを前提に買うもの選ぶ「メルカリ」です。ファッションの主体がメーカー主導から、消費者個人の意思や行動に変わりつつあります。星の数ほどある無限なコーデネート画像データからAIが最適な選択をし、個人ごとの好みにパーソナライゼーションされた提案をしてくるといった、著者の大胆な予測が、実現するときは、すぐそこまで来いる確信しました。

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論語と算盤 漫画版

2024年からの一万円札に描かれる渋沢栄一のコミック。合本主義を唱え、道徳経済合一を実行しました。それは儒教・武士道の東洋思想をベースに、道徳的なビジネスを発展させようというもの。生き馬を目を射貫くビジネスの世界に、道徳を持ち込んだのは、極めて先駆的です。日本が目指すべき道義国家とも、軌を一にする考え方・行動様式だと思います。氏が実際に設立し発展した会社は、みずほ銀行・澁澤倉庫・王子製紙・IHI・いすゞ自動車・太平洋セメント・清水建設等と、業種を問わず、幅広い。

「富を成す根源は仁義道徳、正しい道理の富でなければ永続できない」
「人生では善人が悪人に負けたと見えることもあるが、長期では善悪の差が歴然とする」
「正しい人生の道を歩み、その結果手にした地位でなければ、完全な成功とはいえない」
「現実に立脚しない道徳は人々から活力を奪い、最後には国を滅ばす」
「金持ちになりたい欲望は時に暴走するが、金は卑しいといった極端な思想では活力を失う」
どれも論語と算盤を表した名言だと思います。

<理化学研究所 一般公開は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47405808.html
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印象深いのが、当時海運業界を独占して高額な運賃を取っていた岩崎弥太郎の郵便汽船三菱会社に対し、渋沢栄一が自由競争を目論んで設立した共同運輸会社です。両者の激しい運賃競争の結果、1885年に両者が合併し、日本郵船が誕生しました。2社の顔を立てた対等合併の証として、2社を白地に紅色2線で表した社旗、通称二引(にびき)からとっているんだそうです。先人の歩みと歴史を感じる。

 <日本郵船大井ふ頭コンテナターミナルは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50173534.html

渋沢栄一は、群馬県深谷市出身。深谷には、渋沢栄一が作った、日本で最初の機械式レンガ工場、日本煉瓦製造株式会社がありました。ここで、赤坂迎賓館や帝国ホテルなどのレンガもここで作られたそうです。今の深谷駅は、東京駅か?と見まがうほどの立派なレンガ造の駅舎が建っていて、渋沢栄一を忍んでいました。

<レンガ作りの深谷駅は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50201485.html

神山進化論 人口減少を可能性に変えるまちづくり

著者の神田誠司氏は、朝日新聞の記者。これまで「今、地方に何が起こっているのか」等の著作があり、地方再生やまちづくりに造詣が深い方です。インタビュー主体の記事構成は、神山町で活動する方々の思いや背景が描かれていて、その取材力に驚かされました。

さて、神山町とは、今、地方再生で注目されている山村です。かつては、消滅可能性都市で20位にランクされたさびれた町。1950年代には2万人を超えた自治体ですが、現在5千人あまりにまで減少。それが、いま、都会から若者が流入し、サテライトオフィス等の新設が相次いでいるという現象。2011年以降、町に本社を置く会社が16社増えました。移住者も相次いでいます。その秘密を知ろうといま、全国から視察が相次いでいます。その秘密が書かれています。

結論からいうと、秘策はなく、20年前から取り組んでいる地道が、外からの人財との交流活動が、ここ数年で実を結んでいるということ。もうちょっといえば、そういった交流活動を通じて、住民や自治体職員の意識が、まちに関わる問題を、自分事として考えるようになったということです。

これまで町がやってきた事業は、以下のとおり。突飛なものもありますが、多くは他の自治体でも手がけられています。これらを継続して、自分事として面白がってワクワクしながらやってきたことが実を結んでいるのだということがわかりました。

・神山塾:6ヶ月間の滞在型職業訓練
・NPOグリーンバレー:ヨソモノ受け入れ
・アート・イン・レジデンス:芸術家に滞在してもらって制作
・イン神山:豊かなコンテンツが表現されるウェブサイト
・奇跡のショット:川の水に浸かりながらウェブ会議に参加
・ヒトノミクス:手に職を持つ人を誘致
・地方創生まちづくり:自分事として参加
・神山つなぐ公社:まちづくりの実働部隊
・フード・ハブ・プロジェクト:地産地食、産食率アップ
・孫の手プロジェクト:地元高校生の地域参加
・つなプロ発表会:まちづくりの進捗発表

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新日本人道 北野幸伯著

著者は、30年近くロシアに住み働いていた方。ロシアの外交官養成機関のモスクワ国際関係大学を日本人として初めて卒業したそうです。現在は、まぐまぐ大賞を受賞したメールマガジンRPE「ロシア政治経済ジャーナル」で意見を発信し続けています。サブタイトルは、「この世界の荒波を私たちはどう生きるか ロシア滞在28年で考えた日本復活への7つの指針」。まさに「日本の復活を願う人」への「指針」です。

実際に、著者の講演を聴講したことがあるのですが、執筆の動機と視点が興味深い。30年近く住んで、日本に帰国した著者が感じたことは、日本国民の心から「希望」が消えていることだそうです。例えば「日本の未来は明るいですか」「日本は、これから繁栄していきますか」の問いに対して、肯定的に答えられる人はほとんどいないでしょう。そうして国民の大多数が、日本の未来は暗いと思っていれば、実際にそうなる可能性が高いでしょう。

そんな流れを断ち切るためには、各個人の心の内を変えていき、ポジティブな考え、いいかえれば希望の火を持つこと。そうして国民の多くが日本の未来は明るい、自分の未来も明るいと希望を持っていれば、実際にそうなる可能性が高いでしょう。

では各個人の心に内をポジティブにするには、希望の火を持つためにはどうすればよいか。そのための行動指針として著者は七つの掟を上げています。

第1の掟 「和の世界」を創れ
 調和を大事にする日本人の特質を大事に
第2の掟 知性によって日本を自立国家へと導け
 エネルギー・食糧・軍事等を、可能な限り自立せよ
第3の掟 「理想を目指す」現実主義者であれ
 空想主義・理念主義でもなく、ただの現実主義でもなく、理想を持ったリアリストとなれ
第4の掟 日本の「真の国益」は何かを常に考え行動せよ
第5の掟 常に「大戦略」の視点から物事を見よ
 短期的な利益やメンツにとらわれず、長期的視点で行動せよ
第6の掟 日本を愛し、他国・他民族への尊敬の念を忘れるな
 愛国は良いことだし、他国も尊重する
第7の掟 言葉と行動によって日本の名声を高めよ
 日本は道義国家であることに自信を持ち行動する

このような指針を持った上で、日本人であることに誇りを持ち、他国とおつきあいしていけば、おのずと国は豊かになるし、他国からも尊重される国であり続けられると思います。

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漂流するトモダチ アメリカの被ばく裁判

著者のひとりエイミ・ツジモトさんは、米国ジャーナリストですが、自らも放射線障害を持っている広島出身の被ばく2世だそうです。2011年3月の東日本大震災時に、被災地に急行し、被災者支援をおこなってくれた空母レーガンらを主体とするトモダチ作戦Operation Tomodachiは、日米間の友情と信頼関係をあらためて実感させました。一方、その影には、活動にあたった兵士や艦船の放射線被ばくがあったことは、あまり知られていません。副題の、Soldiers Left Behindの意味は、取り残された兵士達ということでしょうか。その影に焦点を当て、切り捨てられた兵士らにインタビューし、実態に迫った本です。

まず「トモダチ作戦」を振り返りたい。
3/11の東日本大震災が発生し、日本政府は米国へ支援を要請。ちょうどインド洋に向けて西太平洋を航行中だったアメリカ海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが、急遽行き先を変更し、福島県沖に棟博したのは、3/13早朝でした。ちなにみ原子力空母レーガンの乗組員は5000人、他に25隻の艦船、航空機も駆けつけてくれて、約1万7千人の兵士らが、被災者救出・ヘリの往復で支援物資の運搬をしてくれました。なんとその支援物資は、艦内の兵士たちのための食料であり、衣類でありペットボトルの水だったそうです。

しかし、空母レーガンには福島第一原発が水素爆発を起こし、大量の放射性物質が飛散していることは知らされていませんでした。3/13-3/14にかけて、放射線プルームのまっただ中に空母レーガンが停泊してしまったのです。空母はその機構上、甲板は吹きさらしだし、艦載機エレベータの昇降により、外気が艦内を巡っています。結果として、甲板で作業していた兵士は勿論、乗組員約五千人が大量の放射線を浴びました。このトモダチ作戦終了直後から、従事した兵士たちは白血病など様々な病を発症しました。いまでも放射線障害に苦しんでいて、少なくともすでに9人が亡くなったとのこと。

放射線障害により体力がなくなった兵士らは、除隊を余儀なくされた者もいます。除隊になると、軍向けの医療施設も使えず、医療保険がない彼らは、高額な治療費が払えない。しかも体力がないので、まともな仕事に就けない。という二重三重苦に陥っています。

米軍兵士は、原則として従軍による危険について宣誓して入隊しているので、軍を提訴することはできません。したがって兵士らは東京電力などに対して救済基金設立を求める訴訟をし、その原告は400人を超えました。しかし今のところ、訴訟の行方はまだ見通せないとのこと。

映画 Fukushima50では、トモダチ作戦の場面が登場します。支援物資を空輸し被災地に送り届けるシーンには、空母レーガンの放射性被ばくの事実について、まったく触れられていませんでした。忘れてしまってはいけないと思います。

<小説 Fukushima50は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54392974.html
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世界一美味しい珈琲の淹れ方 茶こしで微粉を取り除く

世界一美味しい珈琲って、どんなものでしょう?結論からいうと、好みの味は、人によって違うので答えは無数。しかしそのレンジはこれまで先達が研究してきた、いわゆる美味しい珈琲のカテゴリ内のものであるはずです。この本は、そのレンジな中で、自分好みの味に合わせて豆選びから抽出までをコントロールし、「世界一美味しいコーヒー」を淹れる方法を伝授。教えます。

「自分好みの味」をどう探り当て、どう1杯のコーヒーで実現するかのために、豆選びのメソッドから味わいの判定法、抽出時の「流量」「流速」「時間」「温度」「高さ」「注湯回数」など、ワールド・バリスタ・チャンピオンの著者がこれまでの科学的研究+個人的な感覚をベースに解説。

素材である豆が重要、感覚的には美味しさの決め手の過半は豆を占める。それに加えて焙煎、挽き方、保存、淹れ方等が続きました。焙煎は個人ではできないので、ドリッパーやミル等淹れる道具にこだわる人は多い。目からウロコだったのが、「微粉」の処理です。ミルで挽くときに発生してしまうコーヒー豆の微粉が、過抽出を起し、苦みが出る等の均一的な抽出ができなくなってしまう。その微粉を取り除くという作業を加えるだけで、味のクオリティが数段上がるそうです。そしてその道具として、「茶こし」を通すだけで良いそうです。茶こしを通すと、微粉が取り除かれるので、実質的な量が1割くらい減ってしまいます。もったいない。しかしそれであっても美味しい珈琲ができるのならば、実践していきたいと思います。

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科学的に正しい筋トレ 最強の教科書

著者は、医学系の大学院卒で理学療養士の庵野拓将氏。たくさんの論文・文献を読み込んで、筋トレ実務に役立つエッセンスを紹介しています。筋トレのアプローチには、いわゆるトレーニング法、タンパク質摂取法、睡眠法等たくさんのメソッドが世の中には流布されています。それを、これまでのスポーツ科学、医学、心理学、公衆衛生学、進化心理学などの科学の知見に基づく研究で、「無駄なく」「超効率的に」「正しく」、そして自分に合った正しい鍛え方でやりましょう!という提案。

筋トレ方程式として、科学的に正しい「トレーニング」、科学的に正しい「タンパク質摂取法」、科学的に正しい「筋トレの続け方」が紹介されています。筋トレ直後には25-30gのプロテイン+糖質摂取で筋肥大というのが定説であることは、間違いありません。それだけに、「筋トレ後の糖質摂取が筋肥大に影響がない」という新研究が紹介されていたのは、ちょっと珍しい。筋肥大には、クレアチン+適度は糖質摂取という説もあり、もうちょっと研究が必要でしょうね。

筋トレを行う上で大切なことは、膨大な情報の中から見極め、自分に合った方法を考えて選択していくこと。もちろん体には、個人差があるので、絶対に正しい方法はないけれど、理論的なところを踏まえた上で、自分にあった筋トレを探していくというアプローチは、とても参考になりました。

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石原莞爾 マッカーサーが一番恐れた日本人

著者の早瀬利之氏は、マスコミ出身の石原莞爾研究家です。石原莞爾信者、フリーク、マニアといってよいかもしれません。石原莞爾といえば、関東軍作戦参謀。満州での満州国建国の立役者であり、1万人の関東軍だけで、20万の兵を持つ張学良軍を破った柳条湖事件・満州事変は、当時、全世界を驚かせたらしいです。

陸軍中将まで上り詰めますが、東条英機との確執で陸軍を追われ、立命館大学の教授や、中国と講話すべしという東亜連盟の活動をしました。東城嫌いは有名で、「私には些細ながら思想がある。東條という人間には思想はまったくない。だから対立のしようがない」といって、東條の無能さをこきおろしたそうです。晩年は病になり、故郷の酒田で療養するのですが、GHQはその石原に証言させるべく、酒田にまで出向き、東京裁判酒田法廷を開催します。そこでも、明らかに戦争犯罪と認識されている大都市空爆や原爆投下をもって「トルーマンが戦争犯罪人だ」と主張しました。また、法廷で、判事に歴史をどこまでさかのぼって戦争責任を問うかを尋ね、「およそ日清・日露戦争までさかのぼる」との回答に対し、「それなら、ペリーをあの世から連れてきて、この法廷で裁けばよい。もともと日本は鎖国していて、朝鮮も満州も不要であった。日本に略奪的な帝国主義を教えたのはアメリカ等の国だ」と持論を披露しました。スゴイ切り返しですね。

石原寄りの本ではありますが、当時の史料や関係者へのインタビューを基に書かれており、天才・石原莞爾は、事実なのでしょう。実際、ナポレオンやフリードリヒ大王らを研究し、天皇陛下へご進講することもあったほどの、読書家。その才能をやっかむ東条英機等により、失脚させられたわけです。男の嫉妬は、女の嫉妬の数倍あるといいます。しかしそんなことで、日本の行く末が方向付けられたとすれば、残念で仕方ないし、これを教訓にこれから繰り返してはならないと思います。
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小説 Fukushima50

【映画Fukushima 50 公開初日】見てきました。吉田昌郎所長に渡辺謙、菅直人首相に佐野史郎という配役はハマっていました。一号機の手動ベントのために決死隊が浴びた放射線は、たった20分で90mSv、一般人の90年分です。原作を読んだときも涙が止まりませんでしたが、改めて映画でも。映画の原作は、死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日 門田隆将著です。2013年に読んだのですが、改めて読み返して、心が熱くなりました。

さて、映画のシナリオをおさらいをしたいと思い、小説Fukushima50を読みました。こちらは、映画のあらすじと、セリフがそのままの小説版。ただ気になったのは、小説には登場しない、米軍のトモダチ作戦が、映画では登場していることです。映画監督の何かの思いがあるのでしょうか・・・米軍のトモダチ作戦は、日本政府の要請により、3/11東日本大震災からたった2日で空母レーガンらが、宮城県沖に急行し、被災者救出や支援物資運搬をしたもので、とても良い話なんですが、、、、一方、3/13早朝に福島県沖に到着した空母レーガンらは、1号機の水素爆発や放射線拡散の情報が与えられないまま、活動をしてしまった。その結果、レーガンはちょうど放射線プルームのまっただ中に停泊し、活動してしまい、知らぬ間に兵士らは莫大な放射線を浴びてしまいました。航海終了直後から、放射線障害と思われる症状がでて、いまでも放射線による影響に苦しんでいる兵士も多いそうです。

原子力が持つ巨大な力は、人間の手でコントロールできないといわれています。一方、逆の見方に立てば、そんな巨大な力が暴走したとき、Fukushima50らの尊い活動によってねじ伏せることができたともいえます。小説の終わりのほうで、主人公らが会話しています。
「俺たちは自然の力を舐めていた」
「確かな根拠もなく、自然を支配していたつもりになっていた。つまり慢心していたんだ」
「俺たちは確かに、原子炉をねじふせた。執念で抑え込んだといってもいい」
「でも、格納容器がなぜ爆発しなかったのか、その理由は今になってもわからない」
「だからこそ、大事なことは1Fで何があったのかを教訓として語り継ぐことだ」

原発推進派、反対派いずれの側からも、この映画は教訓となると思います。

<死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日 門田隆将著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/22190200.html
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初等科国史 日本史でなく国史の教科書 文部省著

「初等科国史」は、文部省が作った国定歴史教科書として、昭和18年4月から上巻が国民学校第5学年用、下巻が第6学年用として、週2時間の国史授業で使用されていました。しかし終戦後、国史の授業そのものがなくなり、教科書も回収されてしまいました。いわゆるGHQのプレスコードに完全にひっかかってしまったので、この世から存在がなくなっていたものを、令和の時代に完全復刻版として登場したようです。

普通の国であれば、National Historyという科目が学生に教えられます。National Historyはそれぞれの国の歴史として、祖国が幾多の危機にさらされ、その度に幾多の忠義の人々が命を捨てて守り抜いたということが底流となった、それぞれの国の歴史観に立った教科です。しかし戦後の日本では「国史」はGHQにより廃止され、世界史と対応する「日本史」という、単なる受験科目になり下がってしまいました。

あらためてこの初等科国史を読むと、歴史の場面が天皇を中心とした物語として、文章も格調高く、文学的に描かれています。登場する物語には、仁徳天皇のかまどの煙・楠木正成正行の桜井の別れ・天主教の当初布教の目的など、現代人が忘れかけている逸話がふんだんに盛り込まれています。当時の小学5年生は、この教養に溢れる物語をまるで講談を聞くかのように、授業を受けていたのでしょう。愛国心を徹底的に忌避して到達した現在の教科書は、敗戦前の歴史教科書と、まったく対極的な内容、記載ぶりです。

GHQがなぜ、この教科書を回収し、世の中から完全に抹殺したのでしょうか。そしてほとんど逆の歴史観を創作し強要したのでしょうか。それは、大戦時の日本が一億玉砕を謳い、国民全員が火の玉のような武士道精神に燃えたぎっていて、それが恐ろしかったから。なぜ日本人が、爆発的な精神力、情熱を持つようになったか研究し、このような教科書で教えられて育ったからという結論に達したからです。日本人のこの精神を根底的に消滅させ、アメリカに従わせるためには、これまでの歴史を否定することが第一。よって天皇の成立と我が国の建国の統一の経緯は、これまでGHQの「プレスコード」によって教科書から徹底的に排除されることになりました。日本人の洗脳工作の一環として、国史と全く異なり、彼らに都合良く味付け創作された日本史が強要されました。当時の歴史上の人物たちの思いが、現代に伝わらなくなっています。確かにこの初等科国史は、大戦中に制作されている時代的背景もあり、歴代天皇に関する記述が多く、武人・軍人の登場回数も多いです。しかし何故、今教えられている日本史がこうなっているのかを戦後の経過を踏まえながら、本書をじっくりと読むことは、非常に意味があると思います。

<GHQ検閲指針・プレスコードの呪縛は、コチラ>
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巻末の三浦小太郎氏の解説が内容をよくまとめています。曰く、本書は、まさに「神国日本」を貫く皇国史観に基づいている。そして、皇国史観とは一部の左派知識人が批判してきたような、蒙昧で狂信的な自国中心史観でもなければ大東亜戦争のイデオロギーでもない。その本質は、明治維新以降の「歴史を忘れ血を忘れた低俗なる功利主義」に果敢に戦おうとした思想的営為であった。とのこと。

それは歴史上の人物を、人間くさく物語として登場させることで、昔の人の思考・行動様式を、当時のこどもたちに紡いでいこうという試みだと思います。それは、修身の時間で教科書として使用された「国民の修身」にも、同じ事がいえると思います。先人たちに感謝し、それに応えていこうと、自ら努力し、次の世代につないでいきたい。

<国民の修身 高学年用は、コチラ>
<国民の修身 低学年用は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/42874649.html  

医者の本音 中川祐次郎著

著者の中川祐次郎氏は、外科医でありながら、複数の一般書籍の著作を持ち、日経ビジネスオンラインやYahooニュースに、積極的に記事を投稿している方です。2011年の福島第一原子力発電所の事故で、福島県双葉郡広野町の高野病院で、院長不在のピンチヒッターとして、数ヶ月間院長を引き受けたこともある現役の40才若手医師。いわゆる保守本流ではなく、独自のキャリアを歩まれています。

サブタイトルは、医師が「患者の前で何を考えているか」です。
・「風邪ですね」なぜあしらうように言うのか?
→風邪(ウィルス)は薬で治らない。対症療法か、抗生物質(菌に対する)の組み合わせ。
・医者の「大丈夫です! 」はどこまであてになるか?
→あてにならないが、患者に安心感を与えることもある。
・なぜ医者の態度はいつも冷たいのか
→圧倒的に時間が足りない。先の予定が詰まっている。
・「様子を見ましょう」の裏で医者は何を考えているか
→病名を断言するのは難しい。
・患者の「薬を減らしたい」を医者はどう思うか?
→それぞれの診療科の医師が別々に処方するので、削減は難しい。
・がんを「告知」されたときにすべき3つの質問
→①担当医ががん治療になれているか、②どういう予定で検査や治療するか、③本人・家族ができることは何か
・「余命3ヶ月から奇跡の生還」を医者はどう見るか?
→全くの偶然のチャンピオンケースか、そもそもの誤診
・病院はなぜこんなに待たされるのか
→検査結果が出るまで時間がかかるのと、病院側が待ち時間を減らす努力をしていない
・受診は「平日の昼」をおすすめする意外な理由
→夜は医師数も少ないし、時間外なので、疲れている。検査スタッフがいないので、十分な検査ができない。さらには、時間外・休日加算料金がかかる。

その他、医師の年収や恋愛、医局の実話、製薬会社と医師との癒着実態等が、ご自分の経験や友人・知人からの伝聞も含めての、所感が綴られています。決して、統計・論文・第三者チェックが入ったような類いの文章ではないけれど、だからこそ書ける内容だと思います。

2020-02-23 08.01.19-1

 

さらば厚労省 それでもあなたは役人に生命を預けますか? 村重 直子著

著者の村重直子氏は、東京大学医学部卒の内科医。卒後、7年の日米での臨床現場を経て、2005年~2010年の5年間を厚労省で医系技官として勤務された方です。そして退官直後に出版したのがこの本。一見すると厚生労働省の暴露本のようにも見えますが、現在の医療制度に対するしっかりとした問題点の指摘、それに対する改善の提案がされていて、よくぞ批判をおそれず、書いたなあという印象です。

いろいろな現場での生の実体験が紹介されていますが、特筆すべきは、新型インフルエンザ(SARS)の対応で、行政の中で見聞したこと。そこで感じたことは、医系技官(技術官僚)は、国民の健康よりも自分たちの都合を優先しがちこと。それは悪気なく、単に医療現場を知らない、医系技官の独断で進められている。

新型インフルエンザ(SARS)の対応では、過去の事例や通達を参考に、厚労省から医療現場へ通達を乱発し、医療現場を混乱させ、手足を縛ってしまう。本来、未知のものに対し、できるだけ情報を集め、柔軟に対応しなくてはならないのに、逆をやってしまった。水際対策は初期のもので、市中に蔓延が認められれば、すぐに対策を変更しなければならないのに、後手にまわった結果、医療現場を疲弊させてしまった等。これは、まさに2019年末からの新型コロナウイルスの対応と、まったく同じ。約10年前の教訓がまったく活かされていないことに、愕然としました。

筆者の改革案は、まずは厚労省内の組織から始めるべきだというもの。一方、これは人事が絡むだけでに、最もハードルが高いでしょう。しかし「それでもあなたは役人に生命を預けますか?」という問いに対し、やるしかないという答えしか浮かばない。

2020-01-31 11.12.30-1

本質的な原因は、医系技官とはいっても医師免許を持っているだけで、実際に臨床を経験したことがない、「ペーパードクター」だから。実際に彼らは、医師免許を持っているというだけで、国家1種試験も受験免除(無試験)で厚労省に入省している。その厚労省は、民間のドクターに対する許可権者であり、行政通達を自由に出せる立場(免許取り上げもできるし、医療費のレセプトの支払いも止められる)。そして省内での医療行政を取り仕切っているのが、医系技官。

立ち止まって考えてみると、これは厚労省に限った話ではなく、例えば、原子力行政を担当する原子力規制委員会や原子力安全・保安院の技官は、原子力に関係ない行政官が規制を行う事務方をやっている。農水省でも、農作業をやったことのない行政官が、国際会議で日本の主張を行っている。文科省だって、教育現場に出たことがない行政官が、教育政策を立案し、全国に指導している。さらにいえば、これらの行政官は人事ローテーションで、数年でまったく違う部署に転属になってしまい、いちから勉強している。これらを考えると、日本の行政組織、特に霞が関に置いては、実務に就かず、数年の経験しかないペーパードライバー(しかし、先例や文献の調査能力に優れ、穴のない文書作成能力に秀でた、勤勉に長時間勤務に耐えるエリート)が、全国に通達を出しまくっているという実態の、氷山の一角が見えてきた。
 

Lonely Planet's Best of TOKYO

ロンリープラネットは、英語による旅行ガイドブックで、その分野でのシェアは25 %で、世界一だそうです。その東京版が空港で売っていたので、機内での時間つぶしに精読してみました。

これは、スゴイよ。東京の観光スポットが外国人目線で書かれていて、そこに行って体験するための、必要最小限度の情報が厳選されています。実際、日本のガイドブックとは、紹介されているお店が全くといっていいほど、違います。やはり、ポイントは外国人にとって面白いかどうかという視点。そして特筆すべきは、その風習の由来や、伝統の由来が、(もちろん英語で)書かれていること。日本の歴史をたった4ページで紹介するあたりは、外国人目線で重要性を判断した取捨選択が面白い。世界で一番歴史が古い皇室と、江戸幕府との関連性もかなり関心が高い。

あらためて、日本の風土や習慣、歴史を見直すきっかけになりました!

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医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方

著者は消化器の専門医で内視鏡の使い手。消化器内視鏡を専門とする著者が、がんの種類別(肺がん、胃がん、前立腺がん、肝臓がん、食道がん、大腸がん、小腸がん、膵がん、子宮頸がん)に、がんの解説とその検診法について漫画で解説。現役医師として医療情報に詳しいのはもちろん、自ら筆をとってマンガの作画までするとは、素晴らしいの一言。そして、がん検診のリスク・ベネフィットを正直に書いていて、腹落ちします。例えば、診断は画像で見える範囲しかわからない・がん検診の有効性を統計的に検証することは容易ではない・健診を受ける人はより健康に、そうでない人とは、大きく差が開いてしまう・PETの放射線被ばくはオススメできない等は、そんな気がしていたけれど、やっぱりそうだったんですね。まさにタイトルとおりの、まっとうな「健康問題の入門書」でした。

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1章 肺がん:がんの中でも死亡数は第1位!  喫煙者は要注意
2章 胃がん:罹患数は減少傾向。だがピロリ菌の除菌は"万能"ではない
3章 前立腺がん:男性なら誰もが気になるがん、前立腺肥大やEDとの関係は?
4章 肝臓がん:お酒好きは要注意。肝臓だけではない、アルコールの破壊力
5章 食道がん:急増中の逆流性食道炎と食道がんの悩ましい関係性
6章 大腸がん:死亡数はがんの中で2位! 大腸カメラは辛い? 辛くない?
7章 小腸がん:消化管の「暗黒大陸」、カプセル内視鏡が検査で活躍
8章 膵がん:進行が速く、悪性度も高い!  とにかく「避ける」しかない
9章 乳がん:若い女性は要注意、検査で見逃さないために
10章 子宮頸がん:「HPVワクチン」問題、結局受けるべきなのか
11章 PET検査、血液がん検診:最先端のがん検査技術、果たしてどう使えばいい?
12章 がん検診懐疑派への反論:制度は満点ではないけれど、受ける価値はある
 

漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則

この本は、「The Richest Man In Babylon」というベストセラーの、翻訳・脚色・漫画化したもの。まずはお金持ちとは、単にオカネを持っている人ではなく、「オカネの増やし方を知っている者」。お金と幸せを生み出す5つの黄金法則等を、ストーリー仕立てが紹介しています。

まずは、黄金に愛されるシンプルな7つのアプローチを紹介。
1. 収入の1/10を貯金せよ(生涯所得3億円×1/10=3千万円)
2. 欲望に優先順位を付けよ(衣?食?住?)
3. 貯えた金に働かせよ(投資)
4. 危険や天敵から金を堅守せよ(儲け話はつねに狙われている)
5. より良きところに住め(通勤・家族の幸せ・モチベーション)
6. 今日から未来の生活に備えよ(将来に対する不安)
7. 自分こそを最大の資本にせよ(動く者と動かざる者の差)

法則1 家族と自分の将来のために、収入の1/10以上を蓄える者の元には、黄金は自らを膨らませながら、喜んでやってくるだろう。
法則2 黄金に稼げる勤め先を見つけてやり、持ち主が群れを膨大に増やす羊飼いのように賢明ならば、黄金は賢明に働くだろう。
法則3 黄金の扱いに秀でた者の助言には、熱心に耳を傾ける持ち主からは、黄金が離れることはないだろう。
法則4 自分が理解していない商い、あるいは、黄金の防衛に秀でた者が否定する商いに投資してしまう持ち主からは黄金は離れていくだろう。
法則5 非現実的な利益を出そうとしたり、謀略家の甘い誘惑の言葉に乗ったり、己の未熟な経験を盲進したりする者からは、黄金は逃げることになるだろう。

守るべき者を持つ屈強な壁となれ。友人や親や師に、これまでその身体を育ててもらった親に、その知恵を授けてくれた師に、すべてに感謝し、恩を返さねばならない。それが人間に尊厳を与える。仕事を通じて、モノやサービスが生まれ、それがまた新しい仕事を作る。仕事は経済を回し、ヒトの営みを築いていく。そのサイクルがうまくまわっている限り、最高に人生が送れる。そうしたら、もはやその人の人生にとってオカネは、おまけ程度のもの。

2020-02-04 14.17.35-1


China 2049 秘密裏に遂行される世界覇権100年戦略

ちょっと前に話題になっていた「China 2049」秘密裏に遂行される世界覇権100年戦略(本題は、The Hundred-Year Marathon)を読みました。著者のマイケル・ピルズベリー氏は、中国専門家としてだけでなく、30年にわたって米国政府の対中政策に深く関わってきた人物です。

なんとその方が、反省を込めて、「米国は中国の国家戦略の根底にある意図を見抜くことができず、だまされ続けてきた」と告白しています。つまりこれまでの対中政策は、中国の欺きにより、完全に間違っていたといっているわけです。

実は、これまで中国に対する見方は、脆弱な中国を助けてやれば、中国はやがて民主的で平和な大国になる。さらには、大国となっても地域支配や世界支配などを目論んでいないというものでした。いわゆるパンダハガーの声が大勢だった。これに日本も含まれます。しかしこれは、中国の100年マラソンという策略で、その目的は「強中国夢」、すなわち中国が世界の真ん中に来る、中華思想です。その実現のために、野心を隠し力を蓄える戦術をとり、西洋諸国から資金援助、技術移転等をもらってきた。具体的には、100年計画として以下の9つの策を実行してきました。

1. 敵の自己満足を引き出して、警戒態勢をとらせない
2. 敵の助言者をうまく利用する
3. 勝利を手にするまで、数十年、あるいはそれ以上、忍耐する
4. 戦略的目的のために敵の考えや技術を盗む
5. 長期的な競争に勝つ上で、軍事力は決定的な要因ではない
6. 覇権国はその支配的な地位を維持するためなら、極端で無謀な行動さえとりかねない
7. 勢を見失わない
8. 自国とライバルの相対的な力を測る尺度を確立し、利用する
9. 常に警戒し、他国に包囲されたり、騙されないようにする

これらのほとんどは、中国の古典、特に春秋戦国時代等で用いられてきた兵法に原点があります。

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気づいたからには行動を変えなくてはなりません。一番やっていけないのが、中国を過大評価し、中国に自ら過大評価させること。プロイセンの将軍、軍事戦略家クラウゼヴィッツになったつもりで、兵法には兵法で対抗する。氏は、段階を踏んで対策をしていくべきだと言います。

1. 問題を認識する
2. 己の才能を知る
3. 競争力を測定する
4. 競争戦略を考え出す
5. 国内で共通性を見いだす
6. 国家の縦の協力体制を造りあげる
7. 政治的反体制派を守る
8.対米競争的行為に立ち向かう
9.汚染者を突き止め、恥じ入らせる
10. 汚職と検閲を暴露する
11. 民主化寄りの改革をサポートする
12. 中国のタカ派と改革派(修正主義者)の議論を監視し支配する

香港民主化運動での運動家への支援、ウイグル自治区への監視・弾圧の暴露等、これらの対策の一面です。その場のムードで行動するのではなく、しっかりとした戦略に基づいて戦術を遂行していくことが大事です。戦略の失敗は、戦術で取り戻せない。

 

ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集 小名木善行著

ねずさんといえば、日本国愛にあふれる方で、著作や講演、そしてYouYubeでもご活躍中。私も直接、講演会でお話をうかがったことがありますが、その知識量が尋常ではありませんでした。その方が、あらためて万葉集の唄を読み返したという内容です。

内容はともかく、皇統に関するコラムが興味深い。いわく皇統とは「身(み)」の血統ではなく、「霊(ひ)」の霊統をさす。すなわち男性が玉で魂たる霊を作り、女性の胎内に差し入れることで赤ちゃんが魂たる霊を授かる。すなわち身の血統でなく、霊の血統だということ。だから男系天皇が天照大神につながる。現在は、Y遺伝子継続のために男系天皇が必要と論が張られていますが、当時は遺伝子などわかるはずもないのに継続されてきたのは、この論の方が理解しやすいと思います。

何事にも霊(ひ)が上、身(み)が下というのは、いろいろな場面で遭遇。神社参拝の際の二礼二拍一礼の二拍の際も、両手を合わせた後、右手を左手の第一関節まで少し下げてから拍手します。これも霊=ひ=左を上にする。参拝のひとつの意味は、自分の魂であるひが神様と対話するのであって、身=み=右ではないので、右手を少し引くわけです。なんとなくやっている作法にも、きちんと意味があるんですね。

<誰も言わないねずさんの世界一誇れる国日本は、コチラ>
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恋の歌だとされてきた歌が実はそうではないという、一般に流布している解釈と本来の意味が極端に異なる例を挙げて、なぜこのような解釈が生まれたのか説明しています。一例として、万葉集のトップ(巻第一・一)に出てくる雄略天皇の歌を上げています。えろまん エロスでよみとく万葉集 大塚ひかり著者の超意訳によれば、雄略天皇が花摘みにきた娘の名前を聞いてナンパ(よくいえば求婚)している歌。雄略天皇は、気性の激しい暴君的なところもあったようですが、案外、人間くさい、かわいらしいところもあったようです。しかし、ねずさんによれば、日頃から菜を摘んで働く国民が、家でゆっくりくつろげるような、安全で安心な国作りをしようという解釈で、立派なリーダーと考えられるということ。

<えろまん エロスでよみとく万葉集 大塚ひかり著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53793079.html 

日本が消える日 ここまで進んだ中国の日本侵略 佐々木類著

著者の佐々木類氏は産経新聞記者。これまで、尖閣諸島・魚釣島への上陸したり、北朝鮮を2度にわたって取材訪問したり、多くの現場を自らの目で見てきた方です。政府よりの報道機関と見られている産経新聞という所属を割り引いて読んでみても、現在、静かに進行している日本侵略の現実は、背筋が凍る思いで読みました。チベット・ウイグル・香港・台湾に続き、中国の日本支配が進みつつあります。いまの日本が進める脳天気で無邪気な「多文化共生=ユートピア」は「他文化強制=中国支配の強制」になりかねない。

・北極海の「一帯一路」で、北海道が危ない!
北海道では東京ドーム1,000個分を超える土地が合法的に買収され、中国による人的・経済的進出の拠点化が進められているそうです。単なる民間同士の土地売買とは侮れない。釧路市や、新千歳空港に隣接した安全保障上の重要港湾を持つ苫小牧市にも広大な土地を購入し、その中で何が行われているか知るすべがありません。在留中国人は2020年以降、あっという間に100万人を突破すると見られている。北海道を1,000万人の中国人で満たすという驚愕の乗っ取り計画があるそうです。仮にひとつの自治体の住民の過半数が中国人になったら、選挙等を通じて合法的に中国傀儡自治体ができてしまいます。仮に武器弾薬の類いのような危険なものの製造・保有がされていたとしても、危機が起きてからからでは遅い。

・各地に蠢く不気味なチャイナタウン構想
大阪市西成区で中華街構想が浮上中。これは横浜中華街のような安全なものとは全く異なる。いまこのタイミングで巨額マネーを使って中国人が集中して住むような場所を作為的に作る意図は何か、容易に想像がつく。中国には、国民動員法という法律があり「万が一、居住している国が中国と紛争になった際には、海外在住の中国人は中国政府の命令に従い、その国を攻撃する工作活動を行わなければならない」という、中国人をリモートコントロールする法があります。ひとつのまちに中国人を大量に住まわせることには大きなリスクがあります。これをみすみす見過ごすことは危険すぎる。

・文化侵略の工作機関「孔子学院」の深い闇
日本の18の大学内に設置されている孔子学院は、日本では監督官庁の査察対象でなく、その運営方法や授業内容が、あまりに中国寄りといわれています(孔子学院内で、天安門事件は禁句らしい)。しかし、米国やカナダでは、中国共産党のプロパガンダ機関、文化スパイ機関として、ついに捜査対象となったそうです。中国には国家情報法があり、在日中国人は、中国政府の命令で日本の機密情報を収集して中国に送信する義務があります。日本ではスパイ防止法がなく、活動し放題。あまりに危険過ぎる。

・深刻さを増す首都圏「チャイナ団地」の現状
千葉県の稲毛海岸や、埼玉県の西川口や蕨では、住人の半数以上が中国人という市営・県営団地がある。このエリアに留まらず比較的、低額な家賃水準の首都圏で着実に増えているという。そして深夜早朝の騒音・違法駐車・ゴミの無分別等、日本の生活スタイルと異なる点が目に付く。自分たちの住んだ場所が自国とばかり、自治会のルールを無視するのは当たり前。注意しても開き直る。迷惑をかけていると思っていない。このような団地に、もはや日本人が住みづらくなっている。

・これまでの中国に対する大きな戦略ミスを反省しなければならない
後進国だった中国が、いずれ経済発展を遂げれば西側諸国のような穏健な民主国家になるから、やさしく見守り、経済支援をして積極的に関わっていく必要がある、と米国(とそれに追随する日本も)は考えていた。しかしそれは、「China-2049-マイケル・ピルズベリー著」等でまったくの間違いであった。これまで中国共産党の歴代幹部が、「覇権は目指さない」との詐称を無邪気に信じ、資金も技術も欲しがるだけ提供し続けた結果、とんでもない経済規模のモンスター独裁・監視国家が出来上がってしまった。今の国際社会の現状をしっかりとらえ、いまから行動を開始しなくてはならない。

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第一章 目に見えない中国の日本侵略
第二章 日本を滅ぼす移民政策
第三章 洗脳教育の拠点「孔子学院」の深い闇
第四章 外国人にタダ乗りされる日本の医療制度
第五章 日本を席巻する「バイオテロ」
第六章 強奪される日本の知的財産
第七章 世界地図から日本が消える日

13歳からの「くにまもり」 倉山満著

タイトルは、13歳からの~と、子ども向けのものかと推測していましたが、良い意味で予想が外れました。日本の置かれた現状を悲観しながらも、日本を守ために、個人ひとりひとりが、現実的に何を学び、行動していくべきかを、示してくれています。

あなたが総理大臣だったら何をしますか?
今、日本に必要なのは「志」と「学問」だ!

・志を持つ(稚心を去れ)
・自分事として捉える(松下村塾の教えは帝王学)
・世の中のことをしっかり知る(飛耳長目)
・過去の歴史から学ぶ。特に日本史(愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ)
・縦軸と横軸を持つ(歴史の流れと海外の動き)
・知識に終わらせず、行動する(知行合一、飯を食う字引になるな)
・現実主義(ユートピアを追い求める空想主義でもなく、現状を追認するだけの現状主義でもない)
・日本の国体は、皇室にある(天皇陛下は男系男子)
・自分の国は自分で守る(防衛費はGDPの2%へ増額)
・政治がやるべきは、軍事・外交・経済(ハードパワーとソフトパワー)
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現状の経済に冠する記述で、議員と官僚の関係性は、政治の内部にいる立場の私から見ても、正鵠を得ていると思います。描かれているような複数の要因が存在しているから、視野不足の議員が多数存在し、いまの実質的な官僚支配が起きてしまっています。ここのパートだけでも読む価値あり。
 
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「女性宮家創設」ここが問題の本質だ!

「女性宮家創設」ここが問題の本質だ!櫻井よしこ、百地章、竹田恒泰(共著)600円を読みました。たった80ページの小冊子ですが、きわめてわかりやすく、女性宮家、女系天皇の問題点が指摘されています。女性宮家・女性天皇なんて言葉が出てきたのは、平成17年の「皇室典範に関する有識者会議」。なんと現在ではありえない、女系天皇の容認と長子優先主義を提唱した報告書です。

<女系天皇の問題点>
・有史以来、男系天皇しか即位してこなかったのに、女系天皇の可能性がありうる(男系女性天皇が産んだ男子が天皇即位するケース)
・現在、唯一の男系男子である順位3番目の悠仁親王の即位の可能性がほとんどなくなってしまう(第1順位は、愛子内親王になる、仮に出産されればそちらに順位が優先される)。
<女性宮家の問題点>
・女性宮家に男性が嫁いだら、純民間人が皇族もしくは準皇族として列せられることに、国民は納得できるのか。
・女性宮家ができたとしても、天皇皇后両陛下の公務は代替できない。天皇陛下の激務緩和と女性宮家創設とは無関係。

<提案>
著作の提案として、敗戦後にGHQの指示で臣籍降下させられた旧皇族の方々に、戻っていただくということがあげられています。旧皇族の方々はいまでも菊栄親睦会という、皇室と定期的なつながりをもっているそうです。毎年、新年の祝賀や天皇誕生日を始め、夏の時期の昼食会など、皇族と旧宮家の当主夫妻、結婚により臣籍降嫁した元内親王など37人でが集まるそうです。臣籍降下後70年もの月日が経過しているものの、ポスト悠仁親王ということであれば、数十年後のことなので、皇室ファミリーとしての準備をするには十分な時間があると思います。当事者である皇族・旧皇族の側から、このような提案はしづらいですが、国民の側から要望を働きかけていくのは有用だと思います。

当時平成17年は、平成18年の悠仁親王の誕生前で、今上陛下(と皇嗣殿下)が亡くなってしまうと、現在の皇族に列せられている次の世代の男系男子がいなくなってしまうという危機感が背景にあったと思います。それにしても、拙速に女性宮家・女性天皇という聞き慣れない言葉を引っ張り出してきたというのは強引だし、これまでの日本の国体をないがしろにする、意図的なものを感じざるを得ない。

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目を引いたのが、旧宮家家系図です。皇室制度に関する有識者ヒアリングで、百地章(日本大学教授)氏が配布した資料です。首相官邸ホームページで確認することができます。これによれば旧宮家には、未婚の男系男子が9人いらっしゃる。悠仁親王の良き相談相手として、また不測の事態にそなえて、幾名かの方にご協力いただき、皇室に入っていただく準備をしていただきたい。
無題


出典:皇室制度に関する有識者ヒアリング 配付資料(首相官邸HPより)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/koushitsu/dai3/siryou2.pdf

五〇歳からの勉強法 和田秀樹著

著者の和田秀樹氏といえば、緑鐵受験指導ゼミナールを率いる受験アドバイザーとして有名。それだけでなく、精神科医、大学院教授、評論家、小説家の顔を持っています。本書では、映画監督を生涯のワイフワークとし、またビンテージワインの収集と試飲会をやるために、働いているともコメントされています。

そんな氏が、ご自身(50歳後半)の実体験を踏まえて、人生100年時代のおいて人生を楽しくするためには50歳が準備を始めるのが成功の秘訣だという。その記憶法は、①関心を持つ、②反復継続し使って練習、③覚えるより意味を理解の3点。そしてなんといっても「アウトプット」。そもそも、勉強はア結果を出す(アウトプットする)ためにするもの。そしてアウトプットを続けることが記憶の定着につながるし、さらなる情報収集の機会を増やす。それらが積み重なってはじめて新たな創造ができる(かもしれない)。そう、「飯を食う字引」になってはいけない(by福沢諭吉)。

これからのAIが本格普及すると、単純作業等は、AIにとってかわられるといわれています。そこで人間の果たす役割は「課題を見つけ、解決する力」「新たなものを作る創造性」です。そのためには、単なる物知りは通用しないし、無知なのはもっと通用しない。

<磐城緑蔭中学校・高等学校 和田秀樹氏講演会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/34888623.html
2019-12-16 08.39.53-1

 

ダンベル何キロ持てる? サンドロビッチ・ヤバ子 、 MAAM著

「筋トレ」+「美少女」の組み合わせのマンガ。登場人物らは、巨乳・貧乳等さまざまなキャラが、いずれも際どい姿で筋トレ。筋トレの内容は極めて真面目なのだけれど、エロとギャグと筋肉がごちゃまぜになった、なんともコンセプト不明。それほど絵が上手というわけではないけれど、それでも人気があるらしく、単行本は8巻、TVアニメ化にもなりました。

筋トレだけ、エッチだけのコンセプトでは受けない。けれども、組み合わせ次第でブレイクする。これは、「ハレ婚」という、ハーレム+エッチなマンガでも共通のような。

<ハレ婚 スパリゾートハワイアンズ登場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53459684.html
2019-09-27 09.49.44-1

 

国運の分岐点 デービッド アトキンソン著

著者の前著では、経済低迷が続く日本への提言として、以下10の施策を提案していました。
1. 地方創生のための観光戦略
2. 商品の輸出促進
3. 強い中堅・大企業の増加促進
4. 経営者教育
5. 技術の普及による生産性向上
6. デザイン性向上
7. 女性活躍
8. 社員教育
9. 最低賃金の継続的な5%引き上げ
10. 全国一律最低賃金への移行

この10の中でも特筆すべき提案は、政府主導で最低賃金の持続的上昇させることにより、企業の生産性の向上を強力に促し、それが、経済へ大きく寄与するとの主張です。しかし何故かうまくいっていません。

<日本人の勝算 デービッド アトキンソン著さは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53001483.html
2019-11-22 14.41.02-1

前著の提言は、残念ながらいまのところ、実現に至っていません。今回の本は採用に至らないその原因、ネックとなるものを「中小企業の社長」と断言。日本再生のための最終結論は、中小企業改革だというのです。これまで日本経済を牽引してきたのが、中小企業という常識からは考えられない結論です。

実は、最低賃金の上昇は、中傷企業経営者の動機付けになっていないんです。すなわち人件費の上昇(日本経済全体・労働者のためには良い)は、個々の企業の利益に反する。経営者は、同条件で企業間競争しており、それで経営できないというのは甘えであり、無能ということを示してしまうので、嫌がるわけです。

また、日本の中小企業は、規模が小さいため、生産性向上のための大きな投資ができない。例えば便利なICTシステムを導入したほうが効率的に業務が進むにもかかわらず、導入コストが企業規模に対して重いため見送ってしまい、ヒトの長時間労働でそれをカバーしてしまう。一方、中堅・大企業ならば、躊躇なくICTシステムを導入し、効率的・効果的に業務をこなし、生産性向上し、労働時間も短くできます。結果、日本経済全体・労働者の幸せに寄与します。

ここからいえることは、中小企業が合併し、強い中堅企業となることで、人件費の上昇を受け入れ、人財育成投資や、効率化投資を負担することで、生産性向上が達成しやすくなるということ。

最悪のシナリオは、手をこまねいているうちに、南海トラフや首都圏直下型地震等の大災害が発生し、甚大な経済的損失を受けたときに、その復興資金が枯渇したときです。アメリカが助けてくれれば良いけれど、アメリカファーストの考えで手を引かれたら、もう頼れそうな資金を持っている大国は、中国くらいでしょう。中国にとっても、援助という美しい大義名分の下で、日本の資産を安く買える大チャンスであり、復興資金のために背に腹は代えられない日本がそれを受け入れざるをえない。現実にも今、アフリカ諸国が経済的援助の下で、中国から資金を受け入れ、経済的に支配されつつあります。

ある試算によると、南海トラフで1400兆円・首都圏直下型地震で800兆円の経済的損失が見込まれているそうです。日本のGDPは約600兆円ですから、国難的災害になったら、とても賄いきれない。過去には160年前に、安政の東海地震の津波・南海地震の津波・安政の江戸地震の建物倒壊・さらには安政の江戸暴風雨が、たった数年の間に立て続けに発生したという歴史的事実があります。それを考えれば、南海トラフや首都圏直下型地震等の大災害が複合災害となる可能性だって排除できない。

いつそうした災害が起きるかわからないし、国債が1000兆円を超え、1秒ごとに100万円増えていくともいわれています。とにもかくにも一刻も早く、中小企業をまとめ強い中堅企業とし、労働人口を集約させ、生産性向上を追求しなければならない、という主張ですが、政府はそれを理解し、腹を決めて遂行できるかが問われています。

 

「居場所」のない男、「時間」がない女 水無田気流著

男性には居場所がなく、女性にはとにかく時間がないことを、膨大なデータとともに実例も交えながら示した一冊。
・居場所のない男:仕事以外の人生の選択肢に乏しく(サービス残業)、世界一孤独とされる日本人男性(住む地域社会に何のつながりも持っていない)。
・時間のない女:婚活(30歳まで)・妊活(35歳まで)・保活(出産後すぐ)といつもリミットに追われ続け、家庭でも自分の時間を確保できない(男性は基本的に家事をしない)日本人女性。

一例として、サラリーマンとその妻との生活は、日中の場所も違うし、時間の進み方も違う。いうなれば、多くの夫と妻はたとえ生涯を共にしても、生活を共にしてはいないということ。それってどう考えても幸せとはいえません。この双方が幸福になるために、一体いま、何が必要なのか?を考えさせる本です。

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 あらすじとしては、
・非正規雇用(低年収)ほど結婚できていない日本人男性
・生涯未婚率、孤独死リスクは圧倒的に男性が高い
・男が、女を通してしか社会と接点を持てていない。
・働くことでしか、生きがいを見いだせない男。「覇権的男性性」が男性をも苦しめる
・7人に一人は家事をまったくしない男
・共稼ぎ家庭でも圧倒的に妻の家事時間が長い
と、データを示しながら論を進めるが、ここまでは一般的な話。ここからが著者の真骨頂。

専業主婦はヒマ、なんて幻想。さらにいえば、日本のワーキングマザーは、事実上、世界一働き者。現代日本でいったん母親になれば、共働きであろうとなかろうと、ほとんどの育児と家事労働を引き受けている(夫は会社から帰ってこないから)。家事とひとことでいっても、炊事・洗濯・掃除・育児・買い物にとどまらず、家計の計画と維持、ご近所や親戚や学校繋がりの人間関係の維持、子供の精神的ケア、妻としての美しさの維持等、限られた時間で同時並行で一人でこなすことが暗に求められている。こんな社会の下で子供を、複数産み育てていくのは、あまりにしんどい。こは、産みたくても産めない「社会的不妊」という言い方もできる。

それに加えて、今の日本の政策「女性活用、一億総活躍社会」は、絵に描いた餅。労働力不足を補うべく、共働きで稼いでくることまで期待されているけれど、これ以上活躍する時間なんて残されていない日本人女性は多い。この現状を変えずに、さらに女性活躍を加えるなら、それは「日本女性超人化計画」とも呼べるだろう。

そもそもの原因は、家事を社会が労働とみなさないから。妻の労働をタダと思っているから、結果的に睡眠時間(40代女性の睡眠時間は6時間とも)を削ってでもハードに動かされている。また正規雇用の労働者の長時間労働と低い生産性が、男性を家庭から遠ざけ、妻の母性に頼り、家事を押しつけている。これは男性・女性双方にとって、幸せではない。

本来、力をいれなくてはならないのは、教育とそれをサポートする社会環境の醸成のはず。それらは子供という未来への投資ともいえる。そのために、その子供を育てる親を強力にサポートしなければ、良い子供も育つわけがない。

<処方箋>
・異常な長時間労働の法規制
ワークシェアを進め、父親が早く家に帰り、家事育児や余暇の充実に時間をさく。地域に居場所をつくり、生きがいを複数作る。そうすれば男も女も楽になれる。ただこれには、日本全体の社会意識の改革が必要。民間の自発的行為を待つのは時間がかかりすぎるので、政府規制によるのが早い。

これは難しいようですが、すでにオランダで先例があります。1996年の差別撤廃法により、いくつかの働き方が選択できるようになりました。
1. 従来のフルタイム労働(週36-38時間、週休2日)
2. 大パートタイム労働(週30-35時間、週休3日)
3. ハーフタイム労働(週20時間)
4. フレキシブル労働(臨時労働)
特筆すべきは、少なくとも1-3は、完全に待遇が平等であること。これにより労働時間あたりの賃金格差が是正され、人々は自らの生活・就労形態を選択することができました。日本でも、「同一労働・同一賃金」が目指されていますが、実質的に、そうはなっていません。

・生産性の向上
限られた時間で結果を出す、すなわち生産性の向上が、時間的余裕を生み、また給与・国民所得の向上に役立ちます。働き方改革の根本的な原因は、時間に見合った給与が支払われておらず、現状だけでなく、将来に不安があるから。時間を浪費するような根性論でなく、しっかりと稼げる仕組み作りが必要。

なお、これら2つの処方箋は、日本人の勝算 デービッド アトキンソン著の提言と、軌を一にしています。

<日本人の勝算 デービッド アトキンソン著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53001483.html

妻のトリセツ 黒川伊保子著

著者の黒川伊保子さんは、この「妻のトリセツ」に続き、「夫のトリセツ」「定年夫婦のトリセツ」とトリセツシリーズを立て続けに出版された方。肩書きは、脳科学・AI研究者とのことですが、内容はほとんど肩書きに関係なくて、夫婦円満に過ごすためのノウハウ本。そういう意味での「トリセツ=取扱説明書」というタイトルは、名は体を表しています。ざっくりいって、「女性脳には特徴あるので、男性がそれを理解し、行動しましょう」ということ。

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◆妻の不機嫌や怒りの理由を、むやみに解明しない
→まずは第一に共感、第二に共感、そして次も共感してあげること。

◆妻は夫に問題解決を求めていない
→感情を共有して欲しいことがほとんど。夫に、問題解決の糸口など求めてはいない。

◆妻は夫に共感してもらいたいだけ
→内容の重要性や結論の妥当性など、妻の好感度UPに、全く関係はない。

◆地雷を避ける、会話の“黄金ルール”
→妻が精神的につらいときには、言葉を選ぶこと。

◆「おうむ返し」で共感のフリをしよう
→自分が会話にめんどくさかったり、内容がくだらないと感じたときは、とりあえず同じ言葉を繰り返して返しておこう。

◆事実の否定は、心を肯定してから
→心が肯定されれば、結果は二の次。心さえ満たしておけば、結論が真逆でも受け入れてくれる。

◆夫には見えていない家事がある
→「名もなき家事」が、多数存在していることを忘れるな。妻の家事に対して、常に感謝・ねぎらいの気持ちを持つこと。妻は今後も、意気に応じて、それに応えてくれる。

◆メールせよ!「今、小田原通過。満席」
→細かい報告が、妻をとっても気にしていて、構われていると勘違いしてくれるはず。つまんない報告で、全然OK。

◆記念日を軽んじてはいけない
→年に一度の結婚記念日は、ポイント獲得1000倍デーと心得よ。この日こそ、くさい感謝の言葉を言おう。普段の日の1000倍効果があるので、外さない手はない。

◆されど記念日のサプライズは逆効果
→妻は一ヶ月前から記念日を期待し、その準備のプロセスを楽しんでいる。突拍子もないサプライズは効果なし、というより逆効果。


めくるめく春画の世界

日本オリジナルの画法として。「浮世絵」は有名で、代表的作家は葛飾北斎・喜多川歌麿ら。実は、葛飾北斎・喜多川歌麿らは、「春画」、すなわち男女や同性のセックスを描いて人気を博した浮世絵画家でもあります。このムックは、その代表的な作品175点をオールカラーで紹介。版画と肉筆画、江戸と関西の違い等の歴史的背景や、技法・画法などテクニック等、小難しい分野の解説を、とてもわかりやすく書いてくれています。

<日本初の本格的な春画展 細川家の永青文庫で開催中は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45778094.html
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法政大学初の女性総長、田中優子教授は、江戸研究、なかでも春画の研究の第一人者です。著者の分析によれば、春画の描写は必ずしも写実的でなく、性器がデフォルメされ大きく描かれることが多い。春画では、女性の裸体だけが描かれることはなく、ほぼ男女(男男・女女の場合あり)の絡みが描かれます。単なる男性の鑑賞ための女性ヌードではなく、男女が共にそそられ、時に笑いながら楽しむものだったと考えられるそうです。

<春画のからくり 田中優子著 「隠す・見せる」「覗き」江戸のエロティシズムは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/41499655.html
2019-11-13 15.45.12-1

春画は江戸時代のものですが、日本人はエロスに関して、平安時代から万葉集等で、とても重要な活動であったことが記録も残っています。浮世絵も万葉集でもそうですが、性交場面を際立たせるために、直接的・写実的な表現でなくデフォルメしたり、顔と性器以外は衣装で隠されることが多いし、文章における性器表現は別の言葉で置き換えられることも多い。日本のエロティシズムの極意は、「隠す・見せる」のバランス。これは他の国では見られない風俗といえます。海外で春画に関する企画展が少なからず開催されているのも、日本のエロスの原点が海外と異なっており、さらに独自の進化をしているという一つの証左かもしれません。

<えろまん エロスでよみとく万葉集 大塚ひかり著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53793079.html
 

神道の神秘 山蔭基央著

著者の山蔭基央氏は、山蔭神道「山蔭家第79世」。これまでに神道関連だけでなく「ユダヤの世界支配戦略」等の本も書かれている古神道家です。山蔭神道は、言い伝えによれば、明治期に、いくつかあった古神道は新しい国家神道へ統合されたので、ほとんどの古神道はなくなりましたが、山陰神道は、古伝の神道を継承するために独自の道を歩み、太古神道を伝承しています。愛知県幸田町にある宗教法人山蔭神道貴嶺宮(きれいぐう)をベースに活動をしているそうです。

大前提として、神道は、日本人の奥底にある生命であり、日本文化の基盤であること。神道は、日本古来の民俗宗教であることは間違いないが、他国発祥の宗教でなく、日本で生まれた自然宗教。しかし神道は、西洋的な宗教の概念にあてはまらないことがある。
・無教祖(キリスト教のキリスト、イスラム教のマホメットに相当する者がいない。あえていえば教祖は自然、大自然崇拝教)
・無教義(キリスト教の聖書、イスラム教のコーランに相当する教義・経典がない。言葉をいくら連ねても、大自然や神霊は収まりきらない)
・無戒律(キリスト教にもイスラム教にも戒律がある。神道は罪や救済を問わない)
・無偶像(キリスト教の十字架に相当するものがない。)
・無組織(明治期に国家神道という組織は神社本庁として残っているが、それに入っていない神社も多い)

個人的には、神道は日本の国体と密着しているので、いわゆる日本国憲法第20条の「宗教」の定義にあたらないと思います。というか、現憲法の制定前、2000年以上前から国・国民に定着している神道という高次の日本の精神を、にわか仕立ての法律が定める宗教などという低次のレベルとものと同格に論じるべきではない、と思います。そもそも宗教というからには、上記のような教祖・教義・偶像・組織があるはずでしょう。一方、日本人の古来の行動規範となっている神道にはそういったものは存在しない。堂々と神道ベースの国家儀式をやってよいと思います。

<御代替り やはり神道は宗教ではないことを確信は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53407695.html
2019-11-05 11.30.59-1

「祈り」は「意宣り」です。神様に対する畏敬の念を示し、既に叶ったと深い感謝の気持ちを伝えるために行く場所です。「意宣り」が深ければ深いほど、感謝を伝えられずにはいられない、行動せずにはいられない、そのひとつとして神社へ通うのです。神社は、願い事を叶えてもらうために行くのではありません。



GACKTの勝ち方 GACKT著

歌手のGACKTさんって、正直よく知りません。芸能人格付けチェックというクイズ番組で50連勝、というとんでもない、芸術や味覚の「見立ての達人」というイメージでした。その達人たる理由は、贅沢を超えるような生活スタイルを貫いているから。著書にもあるのですが、GACKTという役を日常で演じ続けるために、年間2億円を投じているそうです。では、なぜGACKTはそんなにお金があるのか?を解き明かしたのが、この本。ひとことでいうなら、「人生すべてをマネタイズするGACKT流、人生の勝ち方」です。

(知らなかったのですが)そもそもミュージシャンとして、CDシングル48枚とアルバム19枚をリリースし、男性ソロアーティストの『オリコンシングルランキングTOP10獲得作品数』において日本で首位の記録を持っています。自らを「表現者」と称し、ミュージシャンという枠にとらわれない多才ぶりを発揮する個性派アーティストさん。実際、YouTube等の動画を見ましたが、独特の世界観を持つステージと衣装は、コアなファン獲得に有効なはず。単価を上げていくために、あえて小さいハコでコンサートをするそうです。3000円のチケットで幅広く1000人集めるより、3万円のチケットでコアなファン100人に集まったもらったほうが、会場費等を考慮すれば、絶対的な利益は多い。しかもコアなファンは、いっつも参加してくれるという安定さ。しかもいわゆる「一般に売れる」曲は作らず、「コアなファンが喜ぶ」曲作りに専念するという、ファンサービスの徹底さ。これがオカネにつながる。

さらに、サイドビジネス(というかこっちが本業?)デビューする前は、水商売をやっていて、極貧の状態になったことから、まずは稼がなければならないことを実体験し、中古携帯の海外輸出や不動産等、複数のビジネスを平行して実践しているそうです。こういったビジネスが積み重なって、現在は、クアラルンプールの大豪邸に住んでいる。

一方、GACKTというキャラクターを演じるために、徹底したストイックな生活を続けています。毎日筋トレ5時間、食事は一日一食の食事管理により、腹筋が割れるような肉体美をキープ。なんとも色気のある体からは、今年で46歳とはとても見えない。

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「GACKT は二歩先を歩くボク自身のメンターでもある」。「慎重に、繊細に、口説きたい女性を大切にするように、自分のブランディングも同じく大事にしないといけない」。

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50歳からのゼロ・リセット  本田直之著

人生100年時代といわれています。著者の本田直之氏は、レバレッジシリーズをはじめ、ビジネスホン関連で累計250万部を超えるベストセラー作家。一方、一年の半分をハワイ、3ヶ月を東京、残りの3ヶ月を旅にあてるデュアルライフを実現している方。ハワイでは、サーフィンを楽しみ、アイアンマンレースに挑戦するように、常に体を鍛え、健康に留意されている方。

そんか方がご自分の経験をもとに、50歳は変化を受け入れられる最大の転機であり、最後のチャンスといっています。ざっくりいえば、これを節目にして、これまでの生き方をリセットし、新鮮な気持ちで人生を再スタートしようということ。人間50年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり(織田信長)は過去の話。今や、100年時代の人生戦略(リンダ・グラットン)です。ざっくりいって年齢進行が1/2のペースになったわけで、今の50歳は、当時の25歳換算ということです。
<ライフシフト 100年時代の人生戦略は、コチラ>
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いかに時代の変化、自分の肉体の変化を受け入れ、その中でうまく生きていくか。これは、50歳に限らず、どの世代にとっても、この永遠のテーマでしょう。「人生は壮大な実験。大切なのは、変化を受け入れること。そして、試してみること」。

子どもたちの光るこえ 香葉村真由美著

著者の香葉村真由美(かばむらまゆみ)氏は、15年間福岡の公立小学校で教壇に立っていた元教諭です。現職のときにある講演をきっかけに、全国から講演依頼をうけるようになり、退職。現在は 「国は人がつくる。人は教魂がつくる」という信念のもと、 「大切なことはすべてこどもたちに教わった」「子どもたちの命が教えてくれたこと」等をテーマに、全国を講演されています。

その著者が、自らの教師時代に、クラス担任生徒と経験したエピソードを綴った本が、これです。学校一の問題児と言われた男の子の涙、声を出せなくなった孫娘をかばったおばあちゃん、卒業後みずからいのちを絶った女の子が遺したメッセージ、家族から暴力を振るわれた男の子のついたウソ、交通事故でお父さんを亡くした男の子の願い。

特に「キラキラ朝礼」は、必聴です。自己肯定感の低かったクラス生徒に対し、毎朝朝礼で、「おはようございます」「ありがとうございます」「今日もがんばるぞ!」等の言葉を、先生の言葉を復唱するように、生徒全員で大声で前後左右のお友達に、あいさつするというもの。動画も見せて頂きましたが、間違いなくテンションがあがっている!毎日これを続ける気力に、びっくりしました。

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いわき市倫理法人会が、この「まゆみ先生」を講師にお呼びして、倫理経営講演会を開催しました。会場には200人を超える方々が参加。まゆみ先生の講演は、涙なくして聴けないものでした。

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モテ考 30歳独身漫画家がマイナスから始める恋愛修業

日本では、女性の初婚平均年齢は29.4歳だそうです(厚生労働省 人口動態統計による)。これは、ちなみに1995年時点での女性の初婚平均年齢は26.3歳でした。年々上昇してきていて、ここ直近3年は、29歳代に落ち着いています。

「ひとりが気楽」と考える女性が増えているのだと思います。30歳女性漫画家である作者のそのひとり。恋愛偏差値ゼロ、もはやマイナスで、「モテない」ことを自称していて、「モテない」行動を実践してきた方。それが、マンガの企画として、彼氏を作るために動き出そう!というスリーリー。

具体的には、婚活、というより男性捜しの度を、ぶっつけ本番し、考えてみたコトをマンガにした感じ。
・まずは、モテ本を読破
・野球観戦で、男性捜し
・自分の趣味に近いオタクな男性を探しに、歴史民俗博物館へ
・執事喫茶ではチヤホヤされて、どういう顔・態度をしていいか困惑する
・メイク教室に通って、技術を身につけ、メイク道具を一新した
・婚活パーティーに行ってみる
・婚活パーティーでモテるプロフィールを分析
・文芸サークルに通ってみる
・断食道場でキレイになってみる

その過程でわかったことは、「自ら人を遠ざけ、世間を疎んじていかのではないか」ということ。趣味に没頭してきたけれど、その趣味がなくなったら、自分に何が残るんだろうか?という自問。

「不特定多数にモテる」というこの世の一般的なモテを諦め、「"私"がモテる」にはどうすればいいのかという実践(当たり前っちゃ当たり前ですが、ファッション雑誌などでは、「不特定多数にモテる」ことを目的にしているので・・・)。女性だけでなく、男性にも、とても役に立ちます。

<31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる 御手洗直子著>
http://www.mikito.biz/archives/53389901.html
2019-10-02 09.32.32

「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」もそうでしたが、こういうニッチな層をターゲットにしたマンガは、いきなり書籍化するのではなく、amazon kindle やpixivで世に出し、その反応を見て出版社がリアルに書籍化するのが、現在の主流のようです。そういう意味では、駆け出しの漫画家のハードルは、確実に下がっています。デジタル社会が進んでいく中で、これからもどんどんこういったコンテンツが世に出てくるでしょうね。
 
2019-10-02 09.32.11

 

性タブーのない日本 橋本治著

著者は、これまで古事記や源氏物語等の古典の現代語訳を多く手掛けてきた方。その主張は、「日本の性にタブーはないが、モラルはある」。そしてエロが日常だったというのも「そういう日本だったんだからしょうがないじゃないか」。

現代につながる禁欲的な性表現・セックスの価値観・行動規範は、明治時代以降につくられたもの。例えば、明治刑法における「猥褻の罪」や太平洋戦争後のアメリカの価値観です。それ以前は、そもそも猥褻という概念がなかった。だから現代の「エッチ」=変態性欲という概念も当然、なかった。江戸時代以前には、性表現のタブーはなかったし、性にもほぼタブーはなかった。あったのは、モラルだけ。性的タブーがなかったので不倫はそこここで行われるが、モラルとしての姦通の罪には問われる等。

<えろまん エロスでよみとく万葉集は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53793079.html
2019-09-25 18.40.54

古事記では、イザナミとイザナギが、天の沼矛で日本列島の素となるオノゴロ島を作るところシーンがあります。その新居で行われたのは、創造活動として、まず性行為をすること。これでいろいろなものを作っていきます。天孫降臨のシーンでは、ニニギノミコト(アマテラスオオミカミの孫、神武天皇の曾祖父)が高天原から地上に降りてきますが、その途中、コノハナサクヤヒメという美女をナンパして、すぐまぐわってしまう。古事記や日本書紀というオフィシャルな書物にさえ、性が普通に描かれるくらい、日本には性が、日常にあったということでしょう。だからこそ後世に、歌舞伎や浄瑠璃の洗練されたエロチック表現や、喜多川歌麿の錦絵に見られる独特な肉体観など、世界に類を見ない、性に関する日本の高度な?文化が花開いたのでしょう。

古典に関する紹介を読むと、強烈な人間生理である性が、当時の人たちの行動を決める大きな要素のひとつであったことが、リアルな実感を持って見えてきますね。学校で教わる平安文学は、リアルな性が表出している部分をかぎりなく排除していますが、もっと当時の人の感情の機微を知るためにも、リアルな性を入れたほうが、より良く感情移入できるし、実際、(いろいろな意味で)役立つのではないか。平安時代の源氏物語から始まる古典「小柴垣草子」「伴大納言絵巻」等の絵巻物、喜多川歌麿の錦絵等には、単なる恋愛にとどまらず、近親相姦、人妻との不倫、男色・ゲイ等のシーンが、実際に出てくる。こういった先人の営みを知れば、恋愛に不器用といわれる今の若者に、よい刺激になるのではないか。ただ、そのレベルは、中学・高校で段階的にやっていかないといけないでしょうが。

ロスバード入門 岩倉竜也著

リバタリアニズムは、個人的な自由、経済的な自由の双方を重視する、自由主義上の政治思想・政治哲学の立場(ウィキペディア)。自由至上主義。これを主張するのがリバタリアンと呼ばれる人達で、日本で代表的なのが、橘玲さん。その学術的根拠が、オーストリア学派の経済学です。この学派のメジャー学者が、ミーゼス「Human Action」とハイエク「隷従への道」。ミーゼスの弟子が、このマレー・N・ロスバード氏です。

現代の経済学は、マルクス経済学にはじまり、ケインズ経済学がメインとなってます(新古典派等もありますが)。大学等で実際に教えられているし、経済政策の実務においても、「乗数効果」「IS-LM曲線」「積極的財政政策」等は、すべてケインズ理論に基づいています。

その結果、何が起こったか。政府の肥大、大きな政府の登場です。ケインズ理論によれば、景気が悪いときは、積極的財政政策をとる(政府支出を大きくする)ことで、民間の代わりに投資の乗数効果を政府がやればよいとします。しかし本当に政府の判断は正しいのか?無駄な支出はないのか?将来をすべてを見通すことができない(神以外に)以上、なるだけ市場、切磋琢磨し変化を続ける民間に判断を任せたほうがよいのではないか、というのが、オーストリア学派の立場です。極論すれば、政府は小さい方がよいのです。個人の自由という観点からも、政府が税金として個人資産を取り上げ、勝手に政府支出に使ってしまうのではなく、個人の資産は自己所有権として、自由に使わせて欲しいのです。

<幸福の「資本」論 橘玲著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50430112.html
2019-09-24 08.14.52

景気循環に対する各学派の違いが、おもしろい。
・マルクス経済学:不況や恐慌をなくすために社会主義がある(実は、社会主義でも好況不況が発生することは、すでに歴史が証明済みですが)
・ケインズ経済学:景気変動を調整するためには、政府が経済を管理し、金融・財政政策を行わなければならない(現代の主流な考え方)。
・オーストリア学派:好況時の無駄な投資はマイナス精算され、不況時の有効な投資は大きくプラスに精算されるはず。すなわち投資効果の歪みを是正するのに有効に働く。その結果、市場の神の見ざる手を借りて、景気変動が自動的に調整されるはず。

オーストラリア学派が正しいと証明されたのが、1929年の世界恐慌です。1920年代の不況を打開するため、米フーバー大統領は信用拡大を行い、労働者を保護するため賃金維持を企業に求め、解雇を制限しました。これらの政策の結果、恐慌が悪化し長期化したといわれています。オーストラリア学派ならば、不況時には政府は何もしないので、民間の自発的な活動・調整(賃金水準や投資水準が、神の見えざる手で決まってくる)で、景気が回復する。

要するに、オーストラリア学派によれば、政府は何もしなくてよい、税はもちろん、教育や福祉、警察、道路等にインフラ等も、なるだけ民間に任せたほうが、ムダがない。この理論は既存の自治体から見れば、存在意義がないといわれているようなもので、大きな脅威で、実際に「国家の敵」と呼ばれているそうです。しかし、現実に自治体を民間が運営する、米国サンディ・スプリングス市が登場しています。この自治体では、市役所職員は数名のみで、消防や警察等の機能もすべて民間委託していて、住民満足度も高いとのこと。市の運営費を、半分以下に抑えることに成功し、コストカットによって生まれたお金は富裕層の要望によって、市民の安全を守るサービスに使われているそうです。一度、現地を視察してみたいですね。

<自治体を民間が運営する都市―米国サンディ・スプリングスの衝撃 は、コチラ>
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3488/1.html

なお、リバタリアンは、国家が軍隊を持つことも否定的で、戦争には反対です。それは非暴力の非戦主義ではなく、侵略してくる国家に対して個人が戦うゲリラ戦を行い、個人の生命と財産を守るという、実は激しいもの。

橘怜氏の分類によれば、自由主義思想をざっくり三つに分類しています。私の信条は、リバタリアニズムに近いと思ってきましたが、敬神崇祖や天皇陛下と国民の大御宝のことを考えると、自由主義・民主主義・資本主義、そして「共同体主義」だと思います。

・リバタリアニズム:人は自由に生きるのが素晴らしい。
・リベラリズム:人は自由に生きるのが素晴らしい。しかし「平等」も大事。
・共同体主義:人は自由に生きるのが素晴らしい。しかし「伝統」も大事。

 

腐女医の医者道! さーたり著

著者のさーたりさんは、外科医・漫画家・オタク・2児の母という、スーパードクターです。小説家兼ドクターという方は、複数いらっしゃいますが、マンガ家兼ドクターというのは、この方だけでしょう。腐女子という言葉はありますが、腐女医という造語は、この方にだけあてはまる言葉でしょう。「史上初?の現役外科医でオタクな2児の母が描くコミックエッセイ」の触書は、本当でした。いわゆる、医師のあるある本なのですが、なにせその属性からにじみ出る仕事・生活は、かなりぶっとんでいて、面白い。というか、あまりに多忙過ぎるのに、笑って働き続ける精神力(と体力)が、スゴいなあと感じました。あと、絵がやさしくて、シンプルなのが好感。

天皇陛下の執刀医 天野篤氏が院長を務める、お茶の水の順天堂医院の肝胆膵外科にご勤務とのことですが、こんなに激務&魅力ある職場なんですね。あらためて、順天堂のすごさを知ることができました。

<順天堂醫院のICUに感動は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46166422.html
2019-09-19 07.50.51

医師国家試験という過酷なお勉強をしながら、作画の練習をするのは、さぞや大変なのだろうと思っていたのですが、さにあらず。趣味でオタクなマンガを書いていたのは高校までで、一人前のドクターになるまではマンガはまったく描いてなかったそうです(あまりに忙しかったのでしょう)。それが31才のときに命にかかわる大怪我をして、そこでいったん再考。一度きりの人生だから、かつて漫画家になりたいという夢を実現しようと行動開始。ブログ等で、医師あるあるを発信していたこともあり、それをコミックエッセイ化すべく、まず4コマ漫画に仕立てたそうです。それを再構成し、コミックにしたのがこの本。著者のパワフルさには驚かされますが、実は著者のメッセージは、外科はあまりに多忙だけれどやりがいが大きいので、ぜひ若いドクターには外科を目指して欲しい、ということのようです。でもやっぱり、こんな時間に追われる外科ドクターの現実を知ったら、多くの若い研修医は敬遠するんだろうな・・・という印象。



えろまん エロスでよみとく万葉集 大塚ひかり著

「えろまん」。何という淫靡なタイトルでしょうか!?エロスでよみとく万葉集を省略した呼び方なのでしょうが、衝撃でした。著者は、これまで「日本の古典はエロが9割」や「本当はエロかった昔の日本」「愛とまぐはひの古事記」という本を出してきた方。曰く、万葉集は漢籍の影響を受けているものの、日本の国柄・オリジナリティは、エロにある。

その第一例が、万葉集のトップ(巻第一・一)に出てくる雄略天皇の歌。「こもよ み籠こ持ち 堀串ふくしもよ み堀串ぶくし持ち この岡に 菜摘ます子 家聞かな 名告のらさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我われこそ居をれ しきなべて 我われこそ座ませ 我われこそば 告のらめ 家をも名をも」。
著者の超意訳によれば、雄略天皇が花摘みにきた娘の名前を聞いてナンパ(よくいえば求婚)している歌。雄略天皇は、気性の激しい暴君的なところもあったようですが、案外、人間くさい、かわいらしいところもある。ナンパの歌が、万葉集のトップとは、万葉集のイメージが変わりますね。

中国の古典にはこうした恋の歌は、ほとんどなく、情愛・エロは、日本の古典の特徴なのだとか。振り返ってみると、万葉集だけに限らず、源氏物語や今昔物語集、好色一代男ら日本文学の一ジャンルを見れば、好色が褒め言葉であることは、日本の特徴といっていいでしょう。

<誰も言わないねずさんの世界一誇れる国日本は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52354493.html
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そのほかにも、「あらかじめパンツを脱いで待っている女」の歌が紹介されています。「人の見る 上は結びて 人の見ぬ 下紐開けて 恋ふる日ぞ多き」。超意訳では、人が見る上着の紐はきちんと結んでおき、人が見ることの出来ない下着の紐をあけておいて、恋人に逢う(=セックスする=下着を脱ぐ)ためのおまじないに自分でわざと紐を解いておく、というもの。

そのほか、花鳥風月や比喩でエロを表現した歌の例示が、多数、紹介されていて、4500首もある万葉集の読みこみの深さには、感嘆させられます。当時の万葉集は、ひらがなに相当する表音を、全て漢字の当て字を使って記されていたということも初めて知りました。さらには「人妻」というそのままの意味と文字が登場し、原文では当て字で「比登豆麻」と記されているのだとか。1300年近く前に、われわれの先人たちが、四季折々の美しい自然と生きる根幹を性愛に見いだし、一生懸命生きていた、活動していたその息づかいをダイレクトに感じることができました。

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自由を守る戦い ナザレンコ・アンドリー著

著者のナザレンコ・アンドリー氏は、ウクライナ生まれ、ウクライナ育ちの、若干24才のウクライナ人。現地で日本語学校に通い、ロシア語・英語・日本語に堪能。その筆者が、ウクライナが、現在進行形で、侵略されていることを、日本語で著したデビュー作です。

2014年にロシアは、ウクライナの一部であるクリミア半島に、軍を進駐させ、占拠し、ロシアに併合しました。これはウクライナの悲劇、まさに「戦争」そのものでしょう。

(このロシアの拡大主義・独裁帝国主義は、現代社会・国際的に許されることではありませんが)ウクライナが、それまで犯した軍事的な政策ミスは、
①すでに配備してあった核兵器を放棄した
②100万人の軍隊を1/5の20万人に削減した
③NATOのような多国籍軍事同盟に加盟しなかった
により、ロシアの侵略を許してしまった。戦争を防ぐことができなかった。

ウクライナにも非戦主義(Pacifism)を唱える層があって、
・軍隊をなくして隣国にとって脅威にならなければ、攻められない
・どんな争いでも、平和を訴え、話し合いさえすれば、解決できる
・集団的自衛権を認めたら、他国の争いに巻き込まれるから危険だ
という考えの下で、軍縮を進めてきた結果、ロシアに戦争をしかけれられ、クリミア半島を占領されることになってしまいました。

著者いわく、これは日本の現状にも、そのままあてはまるのではないか。日本はウクライナを他山の石として、ウクライナのような戦争を防ぐために、国の防衛体制を敷かなくてはならないのではないか。すなわち、
①については、現在のアメリカの核の傘は、(自国で持たない以上)絶対に必要
②一定数の軍隊という実力組織は、抑止力として必要
③日米安全保障条約は、絶対に必要。さらに価値観を同じくする国等(例えばイギリスやオーストラリア)と連携・同盟していくべき と私は理解しました。

著者、曰く「いまだに護憲などと騒いでいる日本人をウクライナに連れて行って、何が平和にとって必要かを勉強させる必要がある」「どうして安全な日本国内で戦争と平和主義を叫ぶ人たちは、実際の戦地で平和の精神とやらを伝えに来ないのか」。

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日本で、いつまでも憲法改正について議論が進まないことについても、氏の見立てが鋭い。
曰く、「日本人って、武力をもって攻撃・占領したら、いつまでも押しつけられたルールにおとなしく従うんだ。日本の領土を奪っても、国民を拉致しても、国際条約を破っても、何度も領海侵犯しても、まったく動こうとしないんだ。日本の国会には決断力がなくて、どんな危機に面しても行動をとらず、中身のない薄い議論を続けるばかりなんだ」と他国は受け止めるであろうと。

 

尖閣諸島の不都合な真実 中山義隆著

中国が領海侵犯を繰り返している石垣市の中山市長の本。中山市長は、現在3期目で、石垣への自衛隊配備に前向きで、実際、ミサイル防衛システムのPAC3の配備を政府と交渉、実現しています。尖閣諸島に関しても、日本の実効支配を高めるために基地整備をすべき、との主張です。一自治体の市長でありつつ、国全体の国防のことも考え、現実的な解決策を提案し、行動していく市長だと感じました。

尖閣諸島は明治時代に日本領となり、アホウドリの猟が行われ、人も住んで産業もあった。中国や台湾がその領有権を主張したのは、付近の海底資源がありそうだとの報告がなされた1970年代以降。いま、中国は、中国共産党海軍が東シナ海から太平洋へ抜けるための航路として、日本の与那国・石垣・宮古を支配したいという意図は、ありありです。

現在は、中国・台湾の漁船だけでなく、中国公船が日本の領海を侵犯する事態が、毎月2-3回、年間20-40回近く発生しています。そのため、現在、海上保安上が常時、5隻以上の船を出して、公船や漁船を領海内から出るよう警告をしています。日本の漁民もそんな場所までは、燃料と時間をかけて行きたくないので、事実上、日本の漁場が奪われてしまっています。

これを解決して行くには、現在は、桟橋もなく上陸もできない状態ですが、日本が自国領の実効支配のレベルを高めていくしかないでしょう。具体的には、船だまりや慰霊碑の整備・中国からの漂着ゴミ処理・増えすぎたヤギの駆除等の環境の回復・学校教育をすることだそうです。

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尖閣の島々はどういう経緯で日本に属しているのか、どうやって守っていけばいいのか、中国の脅威が続く中で、極左勢力が強い沖縄の現状等が、さすが現場自治体の市長としてわかりやすく、かつ熱意を持って書かれています。一方、「国家観や歴史観を持たずに選挙のテクニックだけで政治家になった方が多いように感じます」といった政治家としての、鋭い観察眼も。

・第1章「尖閣諸島は石垣島に属する」
・第2章「中国は尖閣諸島を侵略する」
・第3章「尖閣諸島の実効支配を急げ」
・第4章「尖閣諸島が握る日本の未来」

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中山市長は、とても気さくかつ、将来の日本に対して情熱をお持ちの方でした。こういう方に市の舵取りを任せている石垣市民の観察眼は鋭い。


 

中国・ロシアがアメリカを滅ぼす日

これが書かれたのは、12年前の2007年。当時の情報だけで、将来の世界情勢を予測した本です。驚いたことに、予測の多くは的中しています(まだアメリカは滅んでいませんが)。例えば、中国が取るべき戦略として、①ドル基軸体制の崩壊、②石油・天然ガスの確保、③経済軍事力を強化し続けるの3点を、執筆当時の2007年に予測されています。実際にその後10年で起こったことは、中国人民元のIMF通貨入りによるドルの相対的位置の低下、東シナ海のガス油田の開発、年二桁成長で増加し続ける軍事費と、まったく予測通りになっています。これは、マスコミの報道を鵜呑みにせず、歴史の出来事と現在の情勢をしっかりと比較し、当事者がどんな意図で、行動したか、行動するかを、自分の頭で考えれば、こうなるであろうという確信。まさに「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」を地でいっています。

著者は、モスクワ国際関係大学卒で20年以上もモスクワに住んでいる方です。2001年からずっとメールマガジンでロシア情報を発信しつづけていて、その膨大な情報をベースに執筆活動されています。

現在、アメリカと中国との間で、貿易関税での戦いが継続中ですが、アメリカ・中国双方の立場を考えれば、必然ということが、腹落ちしました。

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以下のことは、歴史上、証明されている
・世界の覇権の源泉は、「軍事力」と「経済力」。国家の徳や品格はあったほうがよいが、覇権には影響ない
・外交上の国益とは、「経済成長」と「自国の安全保障」
・国の栄枯盛衰は、長いスパンでのライフサイクルで自明である

<アメリカの立場>
・アメリカの力の源泉は、「ドル基軸体制」と「圧倒的な軍事力」
・ドル基軸体制に挑戦する国があれば、なんとしても阻止する(例:イラク)
・有限の資源である石油の、これまでの最大の消費国はアメリカで、これからもそれは続く
・アメリカは石油資源が埋蔵されている中東への支配をやめないし、実力行使も辞さない

恐ろしいことに、「大いにありうる日中戦争」として、尖閣諸島を発端とする中国の日本侵略にも言及されています。現実の国際社会では、戦争の形態である情報戦・経済戦・実戦が、世界各地で進行中です。日本も他国から情報戦(情報収集活動や政治の利他行為等)・経済戦(レアメタル規制等)を仕掛けられています。がでは日本はどう外交すべきでしょうか。著者は、いろいろ提案していますが、基本は、エネルギー確保を複数ルートで行うこと、米国とより連携すること、同時に中国・ロシアを含む他国とも連携・牽制していくことです。
 

ハレ婚 スパリゾートハワイアンズ登場

ハレ婚は、男性の夢?のハーレムを、漫画家NONさんが描く、ちょっとエッチなマンガです。少子化対策の切り札として、茨城県のある自治体(想定は、北茨城市)が、一夫多妻制度を導入したという、荒唐無稽な設定です。ハーレム結婚、略して「ハレ婚」です。

男の野望を満たすための酒池肉林のストーリーかと思いきや、不幸な過去や記憶を持つ女子の受け皿に、男性がなっています。複数の夫人を持つことによる、経済的な大変さや、夫人同士の愛情の取り合い、そして共通の一家としての団結という複雑さ。このあたりは、一夫多妻制度があるイスラム社会を描いたマンガ「サトコとナダ」に詳しい。

ともあれ、この第6巻には、スパリゾートハワイアンズが登場。いわき市民なら、あれあれ!あそこだ!とわかる特定の場所とアングルが、満載でした。
・ハワイアンズの大プール
・無料休憩所
・露天風呂 余市
・スパガーデンパレオの打たせ湯・屋外スパ
・フラダンスのメインステージの2階指定席
・モノリスタワーの和洋室

<サトコとナダは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53362097.html
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物語の設定場所は、北茨城と高萩エリア。美人で巨乳で、料理が上手で、床上手という完ぺき?な第一夫人のゆずは、会話が茨城弁まるだしというギャップが面白い(元カレがヤンキーというのも、地域的にありそうな設定)。茨城県が舞台のアニメといえば、ガールズ&パンツァー(通称:ガルパン)が、まず思いつく。大洗のまちには、ファンによる聖地巡礼がいまでもあるらしい。先日、訪れた沼津市でも、ラブライブというご当地アニメをつかったまちおこしや観光PRがされていました。じゃあ、こちらも、北茨城市やスパリゾートハワイアンズと組んで観光PRすればよいのになあ、と思っていたら、すでに2016年の夏に、主人公の小春ちゃんを使った「空いててイイね!」という、ちょっと自虐的な、磯原二ツ島海水浴場のポスターが制作されていました。知らなかった・・・それにしても、性的にかなり際どいマンガを書くNONさんと、よくぞ北茨城市観光協会がコラボしたなあ・・・本作をしっかり通読していたら、選んでないような気がするのですが。逆にそのギャップを狙ったのか?謎です。

<沼津市×ラブライブ 燦々ぬまづ大使Aqoursは、コチラ>
無題

31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる 御手洗直子著

なんども刺激的なタイトルですね。BL=ボーイズラブ、すなわちホモ漫画家さんの婚活日記・実録の婚活漫画です。著者の直子さんは、自他ともに認める腐女子、すなわちホモ・同性愛小説や漫画などをこよなく愛する女性、すなわちオタクです。そんな人が、31才当時つきあっていた男性に振られて、突然、彼なし結婚予定なしのオタクになるという現実から始まります。そこで一年奮起し、1年以内に結婚する!と宣言し、「婚活」することに。

その婚活の実態が、非常に面白いというか、興味深い。女性の婚活の実態がわかります。

・外出嫌いなので、有料サイトのネット婚活を開始
→リアルサイトよりも多数、ネット婚活サイトは存在している。

・異性にモテるプロフィールの作る必要がある。
→写真のフォトショップ修正は(ウソでない範囲で)当然。趣味は(ウソでない範囲で)男性から好まれるものを周到に準備。

・1日300通届く男性からのメール
→そんなに届けられると、返信メールはコピペにならざるをえない。というか誘う方の男性もコピペで、大量のお誘いメールを、多数の女性に送りつけている。

・年収1000万超えの男子が登録されている
→奪い合いかと思いきや、年収が良くて顔も良いのに売れ残っているには必ずそれ相応の理由がある。

・年収1000万円以上という条件を外したほうが、結果としてまともな男性との出会いがあり
→これは意外だった

当時は売れない漫画家さんで、連載や単行本はなく、pixivというサイトにネット投稿していたのが、編集者の目にとまり、単行本化になったそうです。今時ですねえ。

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魂の燃焼へ 執行草舟著

執行草舟(しぎょう そうしゅう)氏の講演を拝聴する機会がありました。氏の思考・行動のすべては、「葉隠」「武士道」です。それに反することは一切受け付けない。「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」をベースに行動している人が、現代の金融資本主義経済の下で、生き残っているなんて、まさに生きた化石!ではないか。一方、事業としては一代で、健康サプリ関連会社を興し、事業的に成功している方でもあります。

タイトル通り、氏の成功や幸せは、生命を燃焼させること。すなわち、自分の生命が完全に燃え尽きるような生き方をすることだそうです。それは武士道にいう、①命がけ(死に狂い)、②我慢(忍ぶ恋)、③無名(未完)。すなわち、いつでも全力で生きているので、今日死んでもいいと思って生きる。雑駁にいえば、到達し得ない目標を持ち、それに向かって体当たりでチャレンジし続けることが、あるべき人生。

<武士道 The soul of Japanは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/51289814.html
2019-06-23 14.53.55

なお、氏は、戦前の狂気の軍国主義を、武士道の精神(美学)がないものとして、嫌っています。また、戦後の限度を知らない放縦(エゴイスティックな幸福追求、小さな幸せを求めて何が悪い?)についても、そんなものは動物の蟻でもやっている、とバッサリ。人であるからには、国家社会(国際社会でも可)に何らか貢献するために、生きるべき、と。

戦前の日本人は、他民族支配がなく、1000年以上も武士道の精神が受け継がれてきました。それらは脈々と先人たちの過去から学んできました。過去の魂を、自己の中に溶融してきました(読書からでも先人の魂を受け継ぐことはできる)。日本の世界的哲学は「禅と無常観」。日本の世界的美学は「武士道」。しかし、現代の日本人は、戦後、GHQ指令・プレスコード・マスコミ等の影響で、これら禅・無常観・武士道精神を持ち得なくなってしまっています。しかしその復活は可能だと、氏はいいます。そのためには、それぞれが読書をすること、そして自ら魂を奮い立たせて決意することです。

<GHQ検閲指針・プレスコードの呪縛は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44861400.html
2019-06-25 16.57.58

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 明鏡止水で脳みその能力を最大限に活かす

GTDとは、、、Getting Things Doneの頭文字。意訳すれば、「すべてやっちゃおう!」ということでしょうか。ライフハック関連では、名著とされているらしく、GTDを自分の習慣として身につけることができれば、日々ふりかかってくる仕事にストレスを感じることなく、着実に自分のやりたいことを片付けていくことができるようになる、という釣書です。

GDTの要点は、以下の3点(あまりにシンプル!)。

① 頭の中の「気になること」を、「すべて」頭の外に追い出そう。
② それらすべての「気になること」について、求めるべき結果と次にとるべき行動を決めよう。
③ そうして決めた、とるべき行動を信頼できるシステムで管理し、定期的に見直そう。

①のステップは紙に、最低3時間(場合によっては2日間)かけて、頭の中をすべて吐き出すことがポイント。その上で、②の具体的な行動をそれぞれ決めてしまう。③後は、急ぎ/そうでもない、重要/そうでもないの基準で実行あるのみ(2分でできるものは、考える前にその場で完工してしまう)。タスクをひとつひとつ潰していく。③定期的に、振り返って、作り直す、です。

個人的には、①②③のステップは物理的な媒体としての紙に書き出し、目と手で確認するほうが性に合っていますが、GTD用のソフトにはタスクの管理が便利になるという利点もあり、人それぞれでよいかと思います。

2019-05-29 08.04.17

アメリカの整理術の名著であることとともに、日本語への訳者がライフハックの大家、百式管理人の田口元氏であることが大きいです。訳者が自分で実行している(であろう)内容だけに、真実味があり、書かれている内容が腹落ちしました。

実際に自分でやってみて、頭の中でいろいろもやもやと同時並行的に思考していたことがすべて頭の外に出したことで、いったん脳みそのメモリが開放された気分になります。そして、自分が取り組むべきことに集中でき、純粋化できました。この感覚は、明鏡止水、心に波風が立たない静かな湖面の様にしておくことで、自分の持っている脳みその能力を最大限に活かせる状態にすることでしょう。ぜひ実践を継続したい。

お金の流れで読む日本と世界の未来 ジム・ロジャーズ著

ジム・ロジャーズさんといえば、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並ぶ世界三大投資家。当時、ソロスと設立したクォンタム・ファンドは、国際情勢、マクロ経済、金融政策、社会のトレンドなどによる需給の変化を徹底的に調査して、そこから価格の大きな上昇または下落を予想してポジションをとったことで、10年で20倍超え(市場平均は20%のリターンにもかかわらず)という驚異のリターンを叩き出したのは、伝説。

彼の結論は、「お金の流れを掴むには、歴史の流れを知り、先を読むこと」。なぜなら「歴史は韻をふむ」、すなわち歴史は少しずつ形を変えながら反復し継続しているから。いわく、「私の投資の背骨には歴史がある」。これを日頃から考えておくことで、リーマンショック、中国の台頭、トランプ当選、北朝鮮開国等の予言を的中させてきたとは、本人の弁。

さらに、いろんな気づきの名言がちりばめられています。
・他人と異なる考え方を持つことで、他人には見えないものが見えてくる。人と同じ事をして成功をした人は、いままでいない。
・頭を使って正しく投資すれば、お金が自動的にお金を産む、それが投資のおもしろさ
・学歴と成功は無関係、なぜなら世界は相手の学歴などどうでもよいから。ただいえるのは、良い成績を残せば、自分がやりたいことを選択することができるようになる
・投資家にとって、待つことができるというのは重要な才能のひとつ
・世界で起こるできごとのすべては、あなたの仕事がなんであれ、最終的にあなたの人生に影響する

実は、約40年前の1980年にはアナリスト・ファンドマネージャーとしての現役は引退済み。その後、バイクで世界一周を走り、さらにベンツで二度目の世界一周をして、各国の現地にどっぷりと入り込んだ上で投資の見聞を広めたそうです。現在は、2人の娘の教育のためという理由で、シンガポールに住み、自己勘定で全世界の株式・コモディティ・不動産に投資しているそうです。

生涯投資家の村上世彰も、この書籍を絶賛しています。このお二人がいずれも、シンガポール在住というのは、偶然なのでしょうか、必然なのでしょうか。

<生涯投資家 村上世彰著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50371636.html
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新聞という病 門田隆将著

著者の門田隆将氏は、「死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」を書く過程で、丁寧に福島第一原子力発電所事故後の状況を現地で取材された方です。それまでは週刊新潮の記者としてジャーナリズムの世界に身を置かれていました。独立後は、ジャーナリスト・ノンフィクション作家として活動されています。

本来、広く社会を分析し文章にすることで、読者に情報を提供するプロであるはずの記者たち。しかし、実際、今の朝日新聞・読売新聞を代表する新聞は、実はひとりよがりで、狭い観念論の世界に閉じこもり、自分の思いや主義主張によって、情報自体を歪めていると、著者はいいます。この背景には、新聞は現体制を批判すべきもの、という思い込みがある。こういった人たちの集団が特定の新聞社に集まってしまった結果、一部の新聞社は、日本そのものをおとしめたい団体、主義主張を発信し続ける団体になってしまった。

例えば、安保法制等で、自国民を海外から救出することを縛っているのは日本だけ。できるような法改正改正されては困る(困る国や団体から支援を受けている)人たちから、「戦争法案」のレッテルを貼られ、新聞がそれをあおることで、葬り去られてしまうから。明らかにこの不作為は愚かなことですが、こんなことをのんびりとやっていて、大きな犠牲が生まれるまで、その愚かさに気づかないのでしょう。

著者が、(主に)朝日新聞・毎日新聞を批判する主な要点は、以下のとおり。

◎地道な取材より会見の失言狙い
→記者会見では、答弁者の失言を誘導するような質問をし、答えの前後の一部を切り取り、情報をゆがめた上で、批判する。

◎いまだ左右対立視点しか持てず
→昭和55年体制の自民党対社会党の2局視点で、ものごとを論評している。北朝鮮が、日本向けにミサイルを発射しているときにも、森友学園・加計学園の国会論争の内容に大きく紙面を割く。しかし現実社会はそんな単純なものではないし、2局視点は(観念論だけで)何の具体的な解決策を生み出さない。新聞は、日本の現実の重要問題のレベルを理解した上で、国益・国民の利益となるような情報を提供すべきであろう。

◎戦争をするのは日本という不安商法
→日本が独立した国家となることは、軍国主義復活への道であり、それは戦争への道だと説き、国民の不安をあおりまくる。新聞は、空想平和主義者。しかし、現実社会はリアリズムに満ちており、逆に空想平和主義では日本は守れない。

◎日中友好絶対主義
→新聞は、中国からのどんな理不尽な要求に対しても、声を荒げずに受け入れることで、友好を維持すべきだ、とする。しかし、それは見せかけの友好であり、かえって無条件に受け入れて来たという事実が、先方の意識をミスリードし、国益を損なっている。

◎命より憲法という本末転倒
→新聞は、憲法>国民の命を主張する護憲(憲法改正反対)一色である。緊急時の在外邦人救出のために、自衛隊が出動したり、そのための根拠となる法律改正することなど全く眼中にない。しかし、国民の命を守るのが国家、そのための憲法のはず。

◎タブーを週刊誌に丸投げ
→これまでの常識・習慣を覆すような記事は、週刊誌ばかりである。しかし本来、そのような機能を新聞の経験豊かなプロ記者が担うべきではなかったか。

◎ご注進ジャーナリズム
→中国・韓国にとって有利な日本国内の情報を、意図的に(事実を改変してまでも)報道する。日本の国益をおとしめる行動は、中国・韓国のためのご注進ジャーナリズムとしかいえない。しかし、本来、日本の新聞は、日本の国益を考慮して、行動しなければならないはず。

◎ヘイトと差別を使い分け
→新聞に都合が悪い主張は「ヘイト」と呼んで貶めるのに対し、新聞に都合が良い主張に対しては「差別は良くない」と肩入れする。しかしこれはまさに、新聞が自分たちの主義主張をするためのビラに過ぎないことを表わしている。

2019-06-04 08.02.23

著者は、新聞にはまだ期待しているし、本書は、新聞対する応援・励ましの書だと書いています。しかし、読めば読むほど、朝日新聞をはじめとする新聞のスタンスとその報道行動は、一朝一夕には変わらないだろうということもわかります。

徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと ちきりん著

著者のちきりんさんは、自らのキャリアをベースとして、これまでたくさんの人生指南本・自己啓発を書かれてきた方です。私は、その考え方に非常に賛同していて、いくつか拝読されてもらっているファンの一人です。そんな方が、自宅のマンションのリノベーション(ざっぱくにいって、いわゆる内装工事)をした経験を、本にしたというもの。

単なる工事物語に終わらず、リノベーションのプロセスを、徹底的に考えて文字化し、読者の役に立てるという視点は、まさに暗黙知を形式知に変え、読者に再現性のあるものにしたという点で、さすが、ちきりんさんです。これを読めば、中古マンションをリノベーションしたくなるか、逆に自分がやらねばならない工数が膨大であることに尻込みするかかわかる。

それにしても、女性作家・ブロガーさんが、自宅マンションの間取りや内部デザインや家具を写真付きで公開するという試みは、拍手です。一方、ベストセラー作家でも、質素とまではいかなくても、大豪邸に住んでいるわけではないんですね。ちきりんさんの趣味・趣向の一部が垣間見れて、ちょっとだけベストセラー作家さんを身近に感じることができました。

<未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられるは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/30178425.html
2019-05-20 12.13.00

 

松本大氏の真っ正直さ 振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない

オンライン証券大手のマネックス証券を創業された、松本大(まつもとおおき)氏は、真っ正直な方でした。ある学校内での講演会を拝聴したのですが、氏の人生観を、淡々と、かつ変に格好付けず、学生に向けて話してくれたのが非常に好印象。

氏は、東京大学文科一類卒業後、ソロモンブラザーズ入社、7年後にゴールドマン・サックスに転職、4年後にパートナー(共同経営者)へ昇格、4年後に辞任し、マネックス証券を創業。直近では仮想通貨交換業者コインチェック(NEM仮想通貨流出事件で有名)を買収し、会長職をされています。そのほか多数の会社の社外取締役、理事等を引き受けておられます。

スゴイ経歴とシルバーグレーの出で立ちから50代中盤の年齢を感じさせるかと思いきや、肌つやもよく、動作も機敏で若々しい。2014年にワールドビジネスサテライトの美人キャスター大江麻理子さんと15才差結婚したのも、納得。

「他人」という目標を持ったことはないそうです。よく尊敬する人は・・・という問いがあるけれど、仮に偉人を挙げたところで、偉人そのものにはなれないし、生まれもスペックも環境も違うので、尊敬はするが目標ではない、ということ。それよりも「自分」をどれだけ進められるかに関心があるそうです。靴に例えると、大きい靴を履けば遠くまで歩けるわけではない。自分の足のサイズにあった靴で、なるべく遠くまで歩こうとしていく。ものごとに興味を持ち、怠けず、継続することが大事。

Look to the future. 振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない(寺山修司)。を、学生に対するアドバイスとして挙げられています。とてもわかりやすい言葉で、学生に対する質問にも、自分の言葉で、真摯に答えるお姿は、非常に好感でした。

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「お金という人生の呪縛について」という本を書かれています。講演の中でもふれておられましたが、大学2年のときに、生涯の友となる友人ができ、その友人の母親に海外旅行のお金をだしてもらったことが、人生を変えたきっかけだそうです。それまでは、他人という存在は、あくまでの自分とは別。しかし、他人でも真に信じられる、ということはある。その思いが、ビジネスを含めた社会活動の全てのやり方を決定づけたそうです。

あるきっかけで、もしくはどんな気づきがあるかで、生き方・人生に対する考え方が、がらっと変わる。自分に振り返って、またこのことを他の方にも伝えていきたい。

2019-05-26 18.04.11

 

泣くな研修医 中山祐次郎著 

著者は、1980年生まれの消化器外科医。39歳ですから医療現場で現役バリバリの方ですが、2015年に「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと―若き外科医が見つめたいのちの現場三百六十五日」という本を出版したり、複数のウェブメディアで取り上げられている方。福島県にも縁があり、2017年春に2か月だけ双葉郡の高野病院の院長(当時37歳!)を引き受け、高野病院日記というブログを綴られていました。いまは総合南東北病院に所属しながら、執筆活動やSNS等を積極的にされていらっしゃるようです。

2浪して、鹿児島大学医学部を卒業し、消化器外科、そして都内の病院で初期研修というキャリアは、本の中の主人公にほぼ重なります。ご自身の医大生、そして初期研修の実体験がそのまま書かれているのだと思います。

ストーリーや医療現場の様子が、克明にかかれており、一般人にはぞっとする場面も多い。正義感が強い主人公の研修医が成長していく過程が描かれている。基本的に新米医師には、スキルも経験もなく、結局現場では何もできず何もわからず、先輩医師らからただ怒られるのみ。毎日のように医局に泊まり込んで努力しているにもかかわらず、乗り越えられない壁にあたり葛藤し、泣きながら日々を過ごす・・・これがタイトルの「泣くな研修医」につながっているわけです。著者による、これから医療の道に進んでくる医学生・研修医に対する、大きなエールとなる本でした。

それにしても、生活保護で認知症の老人、同い年で末期がんの青年、そして交通事故で瀕死の重傷を負った5歳の少年・・・初期研修のときに、さまざまな患者、症例を見ることで、育っていくんですね。

2019-05-02 10.01.56

 主人公の先輩医師が、ある患者の病状を家族に説明する場面で、とても印象深い一節がありました。
「人間の体は全てが繋がっている。心臓と肺は連係して体じゅうに酸素を運んでいるし、肝臓が体内に取り込まれた毒を解毒すると、腎臓はそれを捨てている。そして心臓・肺と肝臓・腎臓もいろいろなホルモンでお互いに影響しあっている。人間を一つのシステムとして見る能力は、医学部の試験勉強だけでは身につかない。これを学ぶための研修医生活でもあった」。人間の体は、いまだに解明できていない。
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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。



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