吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

アパレル

ユナイテッドアローズ 日本一お客様に喜ばれる販売員の話

著者の富島公彦氏は、大手アパレルワールドから、ユナイテッドアローズに転職し、人事部副部長などを経て、独立された方です。セレクトショップの御三家である、ユナイテッドアローズの歴史については、「UAの信念」に詳しいです。一方、従業員の立場から、ファッション販売員の地位を向上させ、誇らしい仕事にしたいという思いで書かれた著書は、UA愛に満ちあふれるものでした。

ユナイテッドアローズの名前の由来である、ひとつの目標に向かって直進する矢(Arrows)を束ねた(United)もの。それは、共通の理念・志を持って突き進む従業員が集まった集合体でもあります。そこには、理念のみならず、試行錯誤しながらやってきた取組みの積み上げでした。

・サンキューノート:販売員に寄せられる感謝の言葉を、社内イントラネットに載せ、好事例として紹介
・クレームノート:同じく情報共有し、同じ失敗を繰り返さない
・UAE事件簿:実際に起こったクレームの再現ビデオを、役者を使って忠実に再現したDVDを作成
・ビギナーズハンドブック:販売員としての最低限必要な知識やスキル
・束矢グランプリ:接客ロールプレイング大会
・束矢大学:プロ販売員養成講座
・新卒者は原則として全員、販売員として採用
・販売員ひとりひとりが「商品・販売・宣伝」連携ができる洋服オタク
・創業の志:店はお客様のためにある
・カッコいい店舗で、カッコいい販売員が、腰を低く、親切丁寧に、専門知識を持って親身に接客
・3代目の理念ブック①VISION(理念)、②VOICE(全社員からの18問の国勢調査)、③VISUAL(UAらしい写真集)


<UAの信念 すべてはお客様のためには、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54669003.html
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理念ブックの②VOICEに掲載されている、全従業員への18の質問は、以下のようなものだそうです。こんな正直な質問と回答を、集約して全社員に印刷物として配布するのは、コストもかかりますが、それ以上に、会社が従業員からどのように見られているか、まるで丸裸になってしまいます。こんなところに、経営者のオープンマインドが現れていると思います。
Q1 あなたなUAに入社した理由は?
Q2 あなたが働いていて、一番成長したと思うことは?
Q3 あなたが働いているなかで、一番の喜びは?
Q4 あなたが働いている中で、一番の悩みは?
Q5 あなたが好きななUA社の社員は誰ですか?その理由は?
Q6 あなたのUAでの目標、夢は?
Q7 あなたが買ったUAの商品で一番好きなモノは?
Q8 自分だけの仕事のノウハウを教えてください
Q9 あなたにとってUAが好きな点は?
Q10 あなたにとってUAの嫌いな点は?
Q11 あなたが好きなUAらしい具体的な場所は?
Q12 あなたが最近、UAが行った試みで良かったと思うモノは?
Q13 同業他社と比べて、UAが優れている部分は?
Q14 あなたが思うUAらしさは、具体的に何?
Q15 創業以来UAに受け継がれているものがあるとすれば、それは何?
Q16 創業以来UAが変わったことがあるとすれば、それは何?
Q17 あなたにとって創業者は、どういう存在ですか?
Q18 今後、UAはどのようになっていけばいいと思いますか?

UAの信念 すべてはお客様のために

ユナイテッドアローズ編著の、同社の足跡をたどった社史とべきいうもの。編著がユナイテッドアローズそのものなので、業界の慣行や、会社の生い立ちから上場までの秘話、不祥事事件への対応等、とても詳しいです。BEAMS、SHIPSとともにセレクトショップの御三家と呼ばれますが、前2社は株式非公開であるにもかかわらず、ユナイテッドアローズは1999年に株式公開し、売上も1300億円と、3社のなかで唯一1000億円を超えています。

創業者の重松理氏は、1976年に設楽悦三氏の出資を得てBEAMSを作り、その店長・バイヤーに就任。独自の目利きで海外の一流品を買い付けてきて紹介・販売するというセレクトショップという業態を日本に創りました(今では仕入商品が50%、自社開発商品が約50%)。順調に売上げを伸ばし、1989年にワールドから出資を受けて独立、ユナイテッドアローズを立ち上げます。トレンドに敏感でハイテイストなドレスウェアを販売するも、バブル崩壊に直面し、設立以来4期連続赤字を計上。プライスゾーンを中低価格帯へ広げたことや、自社生産でコストを下げたこと、ファッション雑誌にデザイン性の優れた本店社屋が頻繁に取り上げられたこともあり、やっと黒字化。1999年に店頭公開を果たします。しかし、原宿本社のそばにユニクロの基幹店が出店し、そのあまりの低価格路線に「ユニクロショック」となり、業績が急降下。さらには産地偽装で公正取引委員会から景品表示法違反で排除命令が出されたりで、コンプライアンス対応に四苦八苦することになります。

ここですごいなあと感じるのは、会社の理念、社是、ルール、スピリッツ等を「理念ブック」等を作成することでテキスト化・ビジュアル化し、全社員と共有を図ったこと、そしてそれを数年毎に見直して、継続していることです。その効果か、利益率は日本の伝統的アパレルから一歩、抜きんでています。そして、ユナイテッドアローズのアニュアルレポート・決算発表資料・データブックの内容は非常に充実しています。正直、これだけの規模の会社で、この高いレベルのレポートを外部に公表しているのは、非常に珍しいと思います。

現在の代表取締役の竹田光弘氏は、2009年に就任された4代目の社長ですが、初のプロパー出身者でない社長です。業界全体としては将来的なパイの縮小が見込まれているアパレル業界ですが、「進化する老舗」「店はお客様のためにある」「私たちは新しい日本の生活・文化の規範The Standards of Japanese Styleとなる価値観を創造し続ける会社です」というUAの信念を貫いて、素晴らしい商品を世に出していってほしいと思います。

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アパレルは死んだのか たかぎこういち著

著者のたかぎこういち氏は、服好きの68才。若くして服飾雑貨卸業を大阪で起業するも、うまくいきませんでした。その後、ヨーロッパ・香港等で、長らく服飾ブランドに携わって来られた方です。文化服装学院、東京モード学園という学校でも講師を務められたそうです。50年近くに及ぶ服飾ビジネスの実務経験から、今のアパレルの業界の現状と今後の課題を問うたビジネス書です。

「アマゾンvsZOZO」「ユニクロvsGAP」の章が、それぞれの特徴をつまびらかにしてわかりやすかった。まずZOZOが成功した要因として、最大なのがまず「トライ」して創造的なサービスを開始するスピードの早さ。その一方、過去に終了したサービスも数多いです。またECサイトに出品者を引きつけたのが、出品者が最も悩む、写真撮影・商品紹介ページ作成・梱包・発送を、すべてやってくれること。ほぼ丸投げ可能なので、ZOZOの手数料30%と高い水準を維持できています。そして上記作業をすべて、自社で上記を行っているため、サイト運営を含めサービス全般のクオリティが高いこと。それもアパレルには少ないIT人材に強みがあり、他のECサイトと差別化できたことです。

一方、ZOZOの凋落の例としては、前評判が高すぎたZOZOスーツ。採寸のクオリティが低く、サイズ違いが頻発し、生地や縫製のクオリティが高かったものの、すぐに生産中止に追い込まれました。また独自の値引きをするZOZO ARIGATOは、独断で進めたこと他のアパレルの信用を失い、中止に。いったん離れた出品者を呼び戻すのは難しい。またプライベートブランドを始めたがこれは、別のビジネススキルが必要でしょう。

Amazonの現状に対する考察も鋭い。AmazonがECコマースの巨人であることはもちろんだが、ファッション業界に多額の投資を始めている。日本ではアマゾンファッションウィーク東京を開催し、デザイナーをサポートしている。近い将来には、顧客の好みにぴったりのリコメンド商品を推奨するシステムができるのではないか。

GAPの凋落。GAPは中間マージンを廃したSPA業態という形で、大成功を収めた。しかしショッピングモールへの大量出店が、大量閉店を招いた。

ユニクロの躍進。東レをはじめとする素材メーカーとのコラボによる、素材からの差別化。上質な縫製工場との協力関係。グローバル旗艦店の出店による知名度向上。マーチャンダイジング(商品・時期・場所・量・価格)の適正化。SKUが少ないので、1SKUあたりの生産量を多くできる、結果、コストダウンが図れる。誰に何を売りたいかを一目でわかりやすく見せる、ビジュアルマーチャンダイジングに力を入れている。

これからのアパレルは、ますますパーソナル化していきます。突き詰めれば、すべての商品が適正な価格でオートクチュール化していくのも夢ではありません。そこでは「ホンモノ」が求められます。その条件は、
1.模倣品でなく、ブランドが生み出すオリジナル
2.クラフトマンシップを持ち、匠の技や優れた技術の美があること
3.誠実・正直であり、透明性があること
4.実質の価値を持ち、実用性があること
5.一貫性を持った価値観・哲学で事業が行われていること

日本の服飾機関のレベルは、高いそうです。しかしアパレル人材への教育・処遇が不足しているように感じます。まず、彼ら(彼女ら)を業界に引きつける待遇面を改善すること。また実店舗では販売スキルとともに、ファッション業界に通じたITスキルを持つこと。ビジネススキル、財務やお金の知識を持つことが、大事でしょう。

<ユニクロ対ZARAは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54456041.html
2020-04-27 10.59.20-1



 

アパレル興亡 黒木亮著

著者の黒木亮氏は、「トップレフト」「巨大投資銀行」等の小説家です。自らの三和銀行・三菱商事での勤務経験を元にした小説は、現実の金融・投資業界のリアルを描いています。小説というスタイルを取ることで、ほぼ実会社・実名で書ける。そんな著者が、日本のアパレル業界の歴史を、あるアパレル会社の起業から消滅まで(正確には買収され、経営陣が総退陣するまで)を書いています。金融の世界だけでなく、アパレルにも詳しいんですね。私も、ラルフローレンの企画・製造をしていたアパレル会社の会計監査を数年やっていたので、業界には詳しいつもりでしたが、新たな視点をいただきました。

中心となるのは、日本の伝統的なアパレルメーカー、東京スタイルです。1977年に東京証券取引所1部上場となった、無借金経営で有名な会社でした。2002年から村上ファンドが株式を買い集め、株主提案で、内部留保を使って自社株買いを行うことを提案し、プロキシーファイトとなった「東京スタイル事件」の経緯も、もちろん詳細に記載されていました。村上世彰氏が、仲裁に入ったイトーヨーカドーの伊藤雅俊氏を激怒させてしまったんですね。

・昭和の時代の百貨店は、夢のようにモノがあふれ、消費者吸引力は強大だった
・百貨店の職員食堂は、幼稚園のお遊戯会のように他職種のコスプレであふれている
・繊維業界は、糸を作る「川上」、生地を作る「川中」、縫製・アパレル・小売りなどの「川下」
・百貨店が消費者に売る価格が「上代」、アパレルが百貨店に卸す価格が「下代」の下代÷上代が掛け値。その率は百貨店とアパレルの力関係や商品によって異なるが、一般的に60-70%。
・従来のアパレルメーカーの原価率は、20-30%。
・中国への生地や縫製の生産移管が、国内業者(特に川中)の激減につながった
・百貨店とアパレルメーカーの「消化仕入」という特殊な取引形態が、長期的に両者のパワーを弱める遠因となってしまった

当時の東京スタイルは、日本全国の生地生産地や親機を知り尽くし、その時点でベストな先に発注、売れ筋を見ながらすぐに追加発注し、売れ筋を逃しませんでした。そして丁寧な縫製と仕上げから、安定した顧客基盤を作りました。支払条件等の金払いが良かったので、受託先とWIN-WINの関係性も作れた。
一方、現代のSPAの代表であるユニクロも、詳細が違えど、かなり似ていると思います。全世界で最適な生産地を探し(結果として中国メインですが)、売れ筋を見ながら追加発注し、大量の在庫を抱え込まないようにしました。ベーシックな定番商品を基本とし、機能性と品質の向上を追求しています。低価格にもかかわらず、大量発注するので、受託先とWIN-WINの関係性も作れています。
時代が違うので、日本国内/国外生産、企画製造アパレル/SPA、規模の大小という違いはあるものの、商売のスタイルはかなり似ているのではないか。東京スタイルは、創業者社長の死去、2代目社長の専横、3代目社長の迷走で、事実上、消滅してしまいました。さて、ユニクロはどうなっていくのか。事業承継が最大のキーポイントであることは、間違い有りません。

<ユニクロ ニューヨーク 5番街店は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/25612167.html
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「イノベーター」で読む アパレル全史 中野香織著

著者の中野香織氏は、服飾史家。東京大学文学部卒、英国ケンブリッジ大学客員研究員などを経て、ライターとなり、アパレル関連の著作多数です。その氏が、1858年以降のアパレル業界に革新をもたらしたイノベーター達の足跡を紹介するという、斬新なものです。50人もの方を紹介しているのですが、特に印象に残ったのは、以下の14人です。

・モードのサイクルを作った、クリスチャン・ディオール
・女性の社会進出を後押しした高級既製服の始祖、イヴ・サンローラン
・時代にふさわしい男性像、女性像を作ったジョルジオ・アルマーニ
・アメリカの上流階級という幻想を創出した、ラルフ・ローレン
・遊び心と親近感ある英国紳士像を体現する、ポール・スミス
・デザイナーズ・アンダーウェアを発明した、カルバンクライン
・ミニマリストの女王、ジル・サンダー
・アジア人初のパリ・オートクチュール組合会員、森英恵
・実用エレガンスの巨匠、芦田淳
・テクノロジーを駆使したファッションデザイン、三宅一生
・モードの哲学者、山本耀司
・コムデギャルソン、川久保玲
・ファストファッションを生み出した、アマンシオ・オルテガ
・コモディティファッションの価値を変えた、柳井正

多くのブランド名が、創始者・イノベーターたちの名前ということが改めてわかりました。すでに鬼籍に入られた方も多く、ブランドのテイストを受け継ぎながら、後継者がブランドを維持していくことに成功しているところもあれば、後継者がいなかったり、会社自体が倒産してしまっているところもあります。本の中で著者は、「人の見え方を変えることは、あり方を変えること」、「ファッション史を学ぶことは、時代と人のあり方の関わりを学ぶことにつながる」といっていますが、先人たちの足跡の先に、今のアパレル業界があることを改めて、体感しました。

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2030年のアパレルの未来 福田稔著

著者の福田稔氏は、経営戦略コンサルティング会社の共同経営者のひとり。アパレルをはじめとする小売業のアドバイザーとして活躍されている方です。業界慣行やビジネスモデルを熟知しながらも、取引のしがらみがないので、極めてオープンに業界分析と将来を予測しています。

グローバル全体ではアパレル業界は成長しています。ただ市場の構造変化で勝ち組と負け組の格差が広がっている。海外進出ができていない国内には負け組が多い。今後、国内では服の単価も数量も減少していく。その中で生き残っていくためには、①インバウンド需要の取り込み、②越境ECの取組み、③海外出店。

アパレル業界にデジタル化の波は、いろいろな変化を起こしています。

・2割の「能動的な消費者」はインフルエンサー化、プロシューマー化する
ファッションに関心が高い消費者は、影響力の大きい人物、生産活動を行う消費者となり、かつて流行を作っていった編集者やスタイリスト、販売員の役割を担う。その例が、リアルなファッション情報がある、インスタグラム。

・8割の「受動的な消費者」にはレコメンデーション機能の影響力が増す
どうやって服を選んでいいかわからない層は、EC上でのサポートやサブスクによる似合う服のレコメンデーション機能により、パーソナライズされた提示で、合理的に選ぶことができる。その例が、衣服のレンタルサービス、エアークローゼット。

・お気に入りのブランドを「直販サイト」で購入する「DtoC」ビジネスモデルが増える
コアなファンを作り、自社ECサイトから直接買ってもらう、Derect to Consumer。その例が、インスタグラムで口コミを誘発したり、リアルのイベントでブランド価値観を消費者に伝える。例として、誰でも参加できるファッションコーディネイトサイト、WEARアプリ。人気のユーザーをフォローしたり、同じ服をzozo経由で購入可能。

・「売り手と買い手の情報格差」がなくなり、業界人の地位と仕事が奪われる
インスタグラムやWEARアプリが、かつての流行の仕掛け人であった業界人から、優れた個人へ変化し、双方向化しつつある。インスタグラムは、ファッションに特化したものではないが、人のライフスタイル全体の価値観や流行の最先端が、スマホの中にある。

・「無駄な在庫」を抱えるリスクがなくなる
ECとAIの組み合わせで、需要予測の難しさが一定レベルまで解決される。具体的には、ヒット率の向上と生産量決定の精度向上が見込める。その前提として、ブランドとしての独自性がさらに重要となる。例として、ファッションビッグデータを提供する、英エディテッド社がある。

・服づくりのデザインプロセスもデジタル化する
これまでの2次元スケッチをデザイナーが行い、パタンナーが3次元化して立体化するというプロセスが、3DCAD導入により、リードタイムを短縮可能、これが競争力の源泉になっていく。すでにCLOVirtual Fashion社が3Dバーチャルソフトを提供始めている。

・「マス・カスタマイゼーション」で、「受注生産」と「大量生産」の両立が可能になる
パーソナライズされた受注生産と、低コストの大量生産が両立できるようになる。すでにZOZOスーツの登場により、自動計測されたオーダーシャツを安価に提供できる仕組みはできている。

国内アパレル業界に関する書籍は、2017年に出版された「誰がアパレルを殺すのか」等、数多くあれど、これだけの海外アパレル社に精通し、また10年先、20年先を見通す眼力は、さすが経営コンサルティング会社のパートナー。本当に、書かれていることの多くが現実化されると思いました。

<誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一・染原睦美著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54456164.html
<アパレル・サバイバル 齊藤孝浩著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54455358.html
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成功に奇策はいらない 平山真也著

著者の平山真也氏は、海外育ちで、アメリカの戦略コンサルタント会社を皮切りに、リクルートの営業職、米アパレルDickiesの中国法人の副社長、同日本法人の社長として新規法人立ち上げを経験されてきた方です。業界の経営をしていく中で、著者は「当たり前の徹底」が圧倒的な成果を生むことを、体感したそうです。

・アート&サイエンスのバランスが成功の鍵
アパレルは感性(アート)と計数(サイエンス)のビジネスといわれるが、それぞれ専門性を持つスタッフが、お互いをリスペクトし、理解しようとする企業文化が作れるかどうか。

・事業のすべてを有機的に結合し、シンプルな戦略を
戦略は、誰もが理解し、明快でシンプルなものでなければならない。そしてそれが商品企画・製造・物流・価格設定・店舗設計・ディスプレイ・接客・広告・人事・財務・情報システムなど、すべてにかみあっていなければならない。

・「らしさ」を考え抜き、それに根差して戦略を立てる
自らのブランドのらしさを、深く考え直す。それは歴史からひもとき、その企業の核を中心に、適した成長や変革の道筋が見えてくる。

・未来がわからないからこそ、「思い」が大切
ブランディングは、約束の積み重ね。守るべきところと変化していくこと。丁寧に対話し、現場へ説明していくことで、最終的に消費者に伝わっていく。

・ビジョンに「数字」をつければ、実現への道が見えてくる
理念だけでは、観念的・抽象的。実行性あるビジョンとするには、①実現を思い描けること、②従業員がわくわくできること、③数字に落とし込めること。

・人への投資がいちばん大事
高い給与を支払うのは、人に投資しているため。企業のビジョンから戦略が生まれ、戦略から組織像が生まれる。組織像から、求められる各人材像が生まれる。その人材にとって推奨される行動特性(コンピテンシー)を具体的に示し、こまめにフィードバックを重ねることで、個々人の成長を支援していく。これが会社の業績向上につながる。

・遊びも大事、楽しさも大事。ただし、それを業績につなげること。
会社が社員にとって居心地が良く楽しい場所であることで、生産性の向上につなげる。組織のビジョン・戦略の実現につなげるためのもの。楽しく働けるから成果が上がり、業績が良いから働くのが楽しいというサイクルにしなければならない。Work Hard & Play Hard.

・すべては時間の使い方次第。時間軸を合わせ、余裕を作る
時間を無駄にせず、徹底的に行う。1日に24時間しかない。パフォーマンスを上げるには、時間の使い方を考えて、時間あたりの価値を高めるしかない。そのために各部門・各機能の時間軸を合わせ、足並みをそろえる。だらだらやらない。その場で決めることはすぐ決める。ツールを活用する。無意味な作業はしない。無駄な会議はしない。価値の生まれる場所を意識する。

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既存の日本のアパレル経営の闇は、セールの乱発、企画の丸投げ、商品の画一化、若者を低賃金で使い捨てにする経営等は、「誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一・染原睦美著」等で、明らかになっています。では、現実の経営者として、どう行動すべきか?その答えは、人・現場・ブランドにこだわること、そして、従業員を幸せにするという、極めて当たり前のこと。当たり前のことを極限まで追求する、との帯に書いてあるが、上記のような行動様式・経営哲学そのものでした。

<誰がアパレルを殺すのか、はコチラ>
http://www.mikito.biz/archives/54456164.html

ユニクロ対ZARA 齊藤孝浩著

著者はファッション流通コンサルタントの齋藤孝浩氏。日経ビジネスや日経MJ等でアパレル関連の記事を書いていて、大学等でもファッションビジネスを教えていらっしゃる方です。

昨今、既存のアパレル企業が業績を悪化させている中、SPAと呼ばれる製造小売業が躍進しています。その代表が、ユニクロ・ZARA・H&M・GAP等です。その中でも、特にユニクロとZARAは、一歩頭が抜けていて、世界一のファッションチェーンを争っています。

その2社の大きな違いは、ZARAは製造業から始まり、ユニクロは小売業から始まっていること。このスタートの違いが、同じSPAでもいろいろなところに違いがでてきています。

・ベーシックの品質を極めるユニクロと、最新トレンドの提供スピードに磨きをかけるZARA
・対象客層を広く浅く狙うユニクロと、狭く深く狙うZARA
・中国で作り日本で拡大したユニクロと、自国スペインを中心に作り世界で拡大したZARA
・時間をかけてローコストを実現するユニクロと、スピードを重視して値下げを抑えて実現するZARA
・広告宣伝に投資して集客するユニクロと、広告宣伝を一切行わず店舗に磨きをかけるZARA

日本企業なのでユニクロの分析をしている本は多いですが、スペイン企業であるZARAの分析を、店舗に訪れ、ディスプレイを分析し、スペイン本社までインタービューして調べ上げた本は、珍しい。ZARAが、スペインから全世界に商品を空輸できるのは、年間2000本ものボーイング747チャーター便を持っているとは驚き。

ただ両者に共通するのは、顧客ニーズを毎週ごとにくみ取り、デザインや製造にタイムリーに反映させていることです。ユニクロでいえば、毎週月曜日に前週のアイテム・サイズ・色別ごとに売上と予算を比較し、生産調整発注をかけていること。また年間52週すべてにチラシを制作・頒布し、値下げロスを最小限に抑える仕組み。ZARAでいえば、毎週2回、全店舗に新アイテムを投入し、顧客がいつ来ても新商品が並んでいて、立ち寄りを誘因し、いま買わなければアイテムがなくなってしまうことを印象づけ、実際に平均4週間で売り切ってしまうこと、です。

SPA企業は数多くあれども、トレンドファッションの鮮度でいえばZARA、ベーシックのコストパフォーマンスではユニクロ、というポジショニングは、しばらく不動でしょうね。

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誰がアパレルを殺すのか 杉原淳一・染原睦美著

著者の杉原淳一氏と染原睦美氏は、日経ビジネスの記者。その現場取材力はすごく、アパレル業界の過去と現在の商流・サプライチェーンが詳しく書かれています。また当事者として高島屋や大丸松坂屋等の百貨店の経営者やユニクロの矢内会長にも直接インタビューする等、アパレル現役プレーヤーの率直な声も収録されていて興味深い。「誰がアパレルを殺すのか」という衝撃的なタイトルと、どピンクの表紙は、書店でもかなり目立っています。私が好きな著名ブロガーのちきりんさんの推薦の書とのこと。

現状認識として、経営的に深刻な苦境にあえぐ大手アパレル業界各社があります。その例が、ワールド・三陽商会・オンワード樫山・レナウンです。それら国内大手の売上高や純利益は激減しています。同時にアパレル業界と、一緒にビジネスを拡大してきた百貨店も業績不振店が多く、地方だけでなく都内でも閉店店舗が出てきています。

その原因は、アパレル・百貨店いずれもかつての成功体験・ビジネスモデルから抜け出せないから。そして、消費者のニーズを考えずに、服を作りすぎるからです。高度成長期以降、服は作れば作った分だけ言い値売れて、余っても在庫処分しても十分な利益が取れていた。海外ブランドの取扱い数を増やせば、その分だけ、売上げが伸びた。さらに規制緩和で全国各地に大型ショッピングセンターができたときには、そのテナントとして、アパレル企業がこぞって出店。これをさして、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、これを数打ちゃあたるの、散弾銃商法と呼んでいました。

しかし消費者の目が超えてきて、ブランド名だけでは購入しなくなるようになると、デフレの影響もあり次第に販売単価が下がってきます。そのためアパレル各社はコストカットに注力し、商品はOEMメーカーや商社に発注して中国で生産するようになりました。同じ商社やOEMメーカーがデザイン提案や生産をするので、ブランドは違うのに似たような流行のファッションとなり、ますます消費者がはなれていく。一方、アパレル社内にはデザイナーが育たず、国内の縫製工場は減っていくという悪循環。

これまでの、小売は百貨店、企画はアパレル、製造は工場という水平分業が時代にそぐわなくなってきていると思います。キーは、消費者のニーズ把握。百貨店が軒先貸ビジネスをやっているかぎり、企画のアパレル会社に、ダイレクトに消費者ニーズが届きにくい。その点、昨今ビジネスを急拡大している、SPA企業(ユニクロ、ZARA、H&M等)は、自ら店舗を持ち、企画し、製造指示し、そのサイクルが短いため、顧客のニーズを把握し、企画生産にすばやく反応することができる点が大きい。

<ちきりん 未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられるは、コチラ>
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一方、消費者のファションに対する思考・行動も変わりつつあります。もはやブランドというモノを買うことや所有することに対するこだわりは薄れ、流行もしくは好みのファッションがあればよい。古着への抵抗感もないので、エアークロゼットやメチャカリ等、ファッションのレンタルやシェアの企業も
出てきています。また中古売買も、メルカリやZOZOユーズド等が手がけています。これからは他人からの見栄で服を着るのではなく、価格やデザインに自分が納得して着る時代になってきているのでしょう。

その他にも持続可能なモノ作りを目指す、ミナペルホネンやパタゴニアの企業理念、行動が紹介されていてこれも興味深かった。

アパレル・サバイバル 齊藤孝浩著

著者は、ファッション流通コンサルタントというニッチなお仕事の方です。まずアパレルの現状と日米比較しながら、SPA、ファストファッション、オムニチャネル等の事象を説明、そして既存のアパレルプレイヤーを脅かす、メルカリ、アマゾン、ZOZOなどの登場。なぜ、それらが成功したのかを分析。最後に、10年後のファッション消費の未来を大胆に予想しています。

その予想が、とてもインパクトが強かった。そしてそのイメージを冒頭の「Her Story 10年後のファッション消費の未来」という短編小説で、具体的に見せてくれたのが衝撃。
・自分のスマホの中に、自分の持っている服・アクセサリ等すべての情報が入ったクローゼット管理アプリで一元管理
・アプリは、ウェブ上にある膨大な画像データをもとにAIが流行を分析し、持っている服でシーンに応じた違ったコーディネートを毎日提案
・第2候補、第3候補も提示し、
・複数の角度から撮影された画像データは、自分撮影だけでなく、クリーニングサービスの一貫として提供される
・毎シーズンごとに、今持っているアイテムと相性の良い新作の提案が、アプリに送られてくる
・良さそうな提案を選び、リアルタイムの店舗在庫をチェックし、試着を予約
・予約されたフィッティングルームで試着
・店舗スタッフから、リアルな提案
・値札のバーコードを読み込み、商品情報や口コミ評価をチェック
・登録クレジット情報から、スマート決済
・購入した商品は、クローゼットアプリに自動で追加され、コーディネイトされる
・しばらく着ていない服リストは、アプリからオークションサイトもしくはリユースサイトへ数タップで出品可能
・衣替えの時期には、クリーニングとトランクルーム預託をオンライン予約
・結論:上記のようにクローゼットなどのプライバシーを、ファッションストアやサイトと共有できるほどの信頼関係が築けるかどうがが、未来のファッション流通企業の生き残りのカギ=アパレル・サバイバル

ファッション=百貨店で購入するハイファッションだけだった時代はすでに過ぎていて、今日ではファストファッションを中心として安くて、オシャレ、しかし質の悪くないアイテムが日本全国どこでも手に入ります。それを支えるのが、SPAであり、IT技術です。そのファストファストブームでさえも、さらなる進化しつつあります。その例のひとつが、買わずに借りる「サブスクビジネス」や、売ることを前提に買うもの選ぶ「メルカリ」です。ファッションの主体がメーカー主導から、消費者個人の意思や行動に変わりつつあります。星の数ほどある無限なコーデネート画像データからAIが最適な選択をし、個人ごとの好みにパーソナライゼーションされた提案をしてくるといった、著者の大胆な予測が、実現するときは、すぐそこまで来いる確信しました。

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ユニクロ柳井正氏講演

カジュアル衣料の製造販売「ユニクロ」の柳井正氏の講演会に参加しました。公認会計士制度70周年記念式典の一部で、演題は「会計士が世界を変える」です。協会式典のプログラムなので、業界に対して「ヨイショ」がありがちですが、そこは辛口の柳井氏、丁寧ながらも辛辣な批評・提案がありました。

「服を変え、常識を変え、世界を変える」が、最近のお気に入りの創作言葉だそうです。著者の主張は、一貫しています。山口県宇部市という片田舎の個人商店にもかかわらず、世界を代表するSPAアパレルに成長できたのだから、どんな個人・企業にもチャンスはある。Now's the Time. 今こそが動き出すタイミング。失敗を恐れず、チャンスをつかみとろう、というシンプルなもの。

その原体験は、フリースとヒートテックの爆発売上、高品質&ベーシックデザインのマーケット浸透、商業中心地への旗艦店出店戦略という成功体験とともに、ロンドンからの撤退・縮小、中国へのブランド戦略の過ち、シンガポールへの進出形態のミスという大失敗の経験。それらを乗り越えて、今や海外売上げと国内売上げが拮抗するくらいのグローバル企業になっています。
<著書 現物を見よは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/19404170.html
2018-07-23 15.31.41

公認会計士の業務への理解は深く、株式公開時に一緒に汗をかいてくれた会計士には深い感謝とともに業務に対する重要性も認識。一方、監査という制度に乗っかっただけの「お墨付き」業務や「はんこ押し」に対する、冷ややかな批判は強い。会計士はその制度の枠を超え、「超公認会計士」となるべきという、オリジナルな提案をされました。すなわち財務に関する知識を、クライアント会社の業務、とくに経営計画の策定等、社長の業務に深くコミットすべきというものです。

また政治に対しても、数字で政策が判断されていない現状を憂いていて、政治家が全員、会計士だったらよいのに、という特徴的な考えを披露されました。会社にしても行政にしても、財務・数字がわかる会計士が一緒に計画を作るような世の中にしたいという思いは賛同できるものでした。

最後にケネディの言葉を引用されたのが印象的でした。「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい」。明治期の日本の急成長の裏側にも、「国のためにすることは名誉なことだ」という暗黙の認識が、市民の中にあったからだといわれています。これらは、国や地域を問わず、自立した個人・会社を実現するためにも、国に頼らず、逆に個人が国を支えるというような心づもりが必要だということだと思います。


 

私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。

私はユニクロの商品のファンです。フリースから始まり、UT、ドライシャツ、ジーンズを愛用しています(もちろん、他のもありますが)。ユニクロ商品に共通しているのは、定番たり得る一定レベルの縫製品質と、顧客が選べるセンスだと思っています。カテゴリとしてはファストファッションですが、いわゆるベーシックな定番商品だということです。

一方、ユニクロの労働環境を告発した「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/3月9日号)の記事『ユニクロ疲弊する職場』など、経営の負の点も話題になっています。筆者は一橋大学から、将来の幹部候補生として新卒でユニクロに入社した一風変わったです。いったいどうなっているのか複眼的に見る必要があると思っていました。そこで、著者が新卒でのユニクロ就職経験者ということで読んでみました。
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書きぶりは経営分析や告発というより、就職当時から退職までに出会った仕事仲間達との思い出話・回顧録です。「商調」(店に出て顧客が広げた商品を畳み直すこと、「店出し」(倉庫から送られてきた段ボール箱を開けて、商品を店頭に出すこと)等、アパレル用語が頻出して面白い)。
「町田店(154番店、ユニクロは出店順にナンバリングして店舗管理している)は、色々あったけど、楽しかったね」というフレーズが何回も出てきます。当時のユニクロ町田店は、筆者及び職場の仲間にとって、とても居心地の良い職場であったらしい。職場というものは、体力的に厳しくても、また給料が高くなくても、人間関係が良好だと仕事から充実感が得られる良い例です。

実際、大きな店舗のレイアウト全体を任されたり、店舗内スタッフ(社員、契約社員、シニアパート、パート等)の、時間帯別の業務量を勘案したシフト作成等は、やりがいがあるかもしれません。 だからこそ商品自体の魅力に加えて店舗運営がうまくいったことが日本全国の顧客に支持され、急速な店舗展開が可能になったのでしょう。

ただユニクロは、SPA(「製造小売業」。ファッション商品の企画から生産、販売までの機能を垂直統合したビジネスモデル)形態であり、商品企画は日本等で行なうものの、縫製工賃の低廉な国で生産し、それを全世界の消費地で販売するグローバル企業です。である以上、単純作業に対する人件費の考え方は競争力の高い(すなわち労務費が安い)ところに収斂していくことになります。その意味で日本の労働者は、単価が高い以上、それに見合う高い生産性が期待されてしまい、労働環境的にはきびしくなります。もしユニクロモデルが成功・確立するならば、販売価格≒全世界共通の生産コスト+販売国での販売コスト、になるでしょう。家具のニトリに似ているかもしれません。

ユニクロのユニークな考え方の一つに、「時間単位当たり人工」があります。すなわちある細かな作業工程の見積りを、何人が何時間かかるかの標準を徹底的に決めていくことにあります。経営学的にいえば、労務費のみの標準原価管理を行なって都度原価差額を把握し、標準原価に近づくよう現場で努力することになります。作業効率の向上は一企業ベースでは妥当性があっても、経済全体では賃金引き下げ、所得減少、消費支出減少をもたらすため必ずしも受入れられるものではないかもしれません。

先日、有名アートディレクターが監修し、ユニクロブランドを体現した旗艦店「ユニクロ ニューヨーク 5番街店」に行ってきました。3階建て、売り場面積約4,600㎡の店舗周辺には、ZARA、FOREVER21、H&M、GAP、アバクロンビー&フィッチも出店しています。
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店舗の賃借料は15年契約で総額3億ドル(230億円)、OPEN初日開店前には雨模様のなか約2千人が並んだそうです。確かにNYテイスト、かつリーズナブルな価格であれば人気になるのも当然かもしれません。
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3層の吹き抜けになっていて、1F2FはTシャツ等の軽衣料、3Fはフリース・ジーンズを含む総合になっていました。内装はコストがかかっているものではありませんでしたが、シンプルな内装デザインセンスは流石でした。
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ただ買い物客総数自体は多いものの、店舗内は4,600㎡もあるだけあって商品の陳列密度が薄いです。旗艦店としてイメージ発信が基本で、面積当たりの売上効率、また賃料に見合う売上は重視されていないようです。
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マネキンはお世辞にも、かっこいいとは思えません。こんな服装のニューヨーカーはないでしょ!と思いませんか。いくらなんでも、このマネキンを参考に商品を選ぶとは考えにくいです。ユニクロブランドに対して、とがったイメージを持ってもらう仕掛けとして、このような風変わりなセンスを出しているのだと思います。
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商品構成が「薄い」と感じた例がパンツ(トランクス)売り場です。同じ品番の同じカラーの商品がフェイスに並んでいます。日本だったら販売機会を逸するので、ありえないと思います。これは店舗が広すぎる故に、商品揃えが追いつかず、売り場を埋めるための窮余の策に見えます。結果的に同じ商品が複数の売り場に陳列されることになり、店舗内ウィンドウショッピングのワクワク感が減衰してしまっています。
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すぐ近くにGAPの店舗がありました。NYのユニクロは、縫製の良さよりもファストファッションとしての価格とカラーリングで、同業他社に勝負しています。一方、GAPのほうは、価格はユニクロに比べて比較的高いですが、デザイン性、アドバタイズのセンスに関して、上手だと思います。確かに顧客は来店していましたが、五番街という好立地を考慮すれば、まったく満足できる来店数ではないと思います。一ユニクロファンとしては、ユニクロの特徴である縫製の良さと、定番商品のベーシックなデザインが、NY市民に全くアピール、浸透できていない点が残念でした。
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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。

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  • 令和2年7月議会 一般質問⑤(医師不足解消)
  • 令和2年7月議会 一般質問④(骨髄バンクドナー)
  • 令和2年7月議会 一般質問③(いわきの先人たちの顕彰)
  • 令和2年7月議会 一般質問②(仮称)磐城平城・城跡公園
  • 令和2年7月議会 一般質問①(いわき七浜海道)
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