吉田みきと ほぼ毎日ブログ

「死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。」 吉田松陰・高杉晋作語録   「金もいらぬ、名誉もいらぬ、命もいらぬ人は始末に困るが、そのような人でなければ天下の偉業は成し遂げられない。」 西郷隆盛・山岡鉄舟語録

医療

医者の本音 中川祐次郎著

著者の中川祐次郎氏は、外科医でありながら、複数の一般書籍の著作を持ち、日経ビジネスオンラインやYahooニュースに、積極的に記事を投稿している方です。2011年の福島第一原子力発電所の事故で、福島県双葉郡広野町の高野病院で、院長不在のピンチヒッターとして、数ヶ月間院長を引き受けたこともある現役の40才若手医師。いわゆる保守本流ではなく、独自のキャリアを歩まれています。

サブタイトルは、医師が「患者の前で何を考えているか」です。
・「風邪ですね」なぜあしらうように言うのか?
→風邪(ウィルス)は薬で治らない。対症療法か、抗生物質(菌に対する)の組み合わせ。
・医者の「大丈夫です! 」はどこまであてになるか?
→あてにならないが、患者に安心感を与えることもある。
・なぜ医者の態度はいつも冷たいのか
→圧倒的に時間が足りない。先の予定が詰まっている。
・「様子を見ましょう」の裏で医者は何を考えているか
→病名を断言するのは難しい。
・患者の「薬を減らしたい」を医者はどう思うか?
→それぞれの診療科の医師が別々に処方するので、削減は難しい。
・がんを「告知」されたときにすべき3つの質問
→①担当医ががん治療になれているか、②どういう予定で検査や治療するか、③本人・家族ができることは何か
・「余命3ヶ月から奇跡の生還」を医者はどう見るか?
→全くの偶然のチャンピオンケースか、そもそもの誤診
・病院はなぜこんなに待たされるのか
→検査結果が出るまで時間がかかるのと、病院側が待ち時間を減らす努力をしていない
・受診は「平日の昼」をおすすめする意外な理由
→夜は医師数も少ないし、時間外なので、疲れている。検査スタッフがいないので、十分な検査ができない。さらには、時間外・休日加算料金がかかる。

その他、医師の年収や恋愛、医局の実話、製薬会社と医師との癒着実態等が、ご自分の経験や友人・知人からの伝聞も含めての、所感が綴られています。決して、統計・論文・第三者チェックが入ったような類いの文章ではないけれど、だからこそ書ける内容だと思います。

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無料スマホアプリ「Q助」がスゴイ

【拡散希望】無料スマホアプリ「Q助」。救急車を呼ぶかどうか悩む前に、病状の緊急度を素早く判定してくれます。東京消防庁の提供アプリですが、対象は日本全国。全国各地域の休日夜間診療所や、休日当番医の名前・電話番号へのリンクもあって、そのままスマホをポチっとするだけで開いている地元のクリニックに、そのまま電話確認できるのは、とても便利。ぜひダウンロードをおススメします。特に小さなお子さんをお持ちの家庭に。

<全国版救急受診アプリ Q助のCMは、コチラ>
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画面の指示に従って該当する症状を画面上で選択していくと、緊急度に応じた必要な対応が表示されます。このプロセスは、緊急度判定プロトコルver.2(家庭自己判断)というオーソライズされた基準に沿っているそうなので、一定の信頼度はあります。少なくとも、一般市民の知識レベルでの判断よりも、良い選択となるでしょう。日中であれば119をかけることにあまり抵抗はありませんが、休日・夜間は別。というのも、夜は当日の当直医師が専門医であることのほうが少ない。さらには医師数も少ないし、時間外なので、疲れている。そして検査スタッフがいないので、十分な検査ができないのです。
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それぞれページの質問に「症状に該当なし」を続けていくと、「引き続き、注意して様子を見てください」の画面となります。いわき市の救急出動回数は、年間14000回。一日に約40回も出動している計算になります。30-40分に一回出動している。実際、いわき市で一番大きい、平消防署には高規格救急車が2台ありますが、両方とも出動していて出払っていることは珍しくありません。もちろんそのときに119番通報があり、救急出動要請があったときは、近隣の中央台分遣所等から応援が来るので対応できるわけですが、到着までさらに時間がかかってしまうことは否めない。

さらには、受け入れ側の医療機関の疲弊も心配です。市内の2次救急病院では、救急車の受け入れ要請が相次ぎ、救急車が3台も病院脇に駐車したこともあったそうです。これでは、当直の医師(通常1名)の疲弊は、明らか。医師の疲弊→医師の立ち去り→地域医療崩壊の流れだけは、なんとか避けたい。
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このサイトの優秀なところは、医療機関の検索ができるよう、厚生労働省の医療情報ネットにリンクが張られていて、画面を進めていき、医療機関の電話番号をぽちっとするだけで、スマホだけで、当日やっている地元の診療機関に電話できること。本日2/23及び明日2/24に休日当番医療機関の情報が、アップデートされていました。

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いわきの医師を応援するお姉さんの会でも、医療機関を疲弊させないよう、救急車の適正利用を呼び掛けています。いわき市では「かきくけこ運動」を進めていて、お姉さんの会でも普及活動をしています。

<第21回 いわきの医師を応援するお姉さんの会は、コチラ>
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さらば厚労省 それでもあなたは役人に生命を預けますか? 村重 直子著

著者の村重直子氏は、東京大学医学部卒の内科医。卒後、7年の日米での臨床現場を経て、2005年~2010年の5年間を厚労省で医系技官として勤務された方です。そして退官直後に出版したのがこの本。一見すると厚生労働省の暴露本のようにも見えますが、現在の医療制度に対するしっかりとした問題点の指摘、それに対する改善の提案がされていて、よくぞ批判をおそれず、書いたなあという印象です。

いろいろな現場での生の実体験が紹介されていますが、特筆すべきは、新型インフルエンザ(SARS)の対応で、行政の中で見聞したこと。そこで感じたことは、医系技官(技術官僚)は、国民の健康よりも自分たちの都合を優先しがちこと。それは悪気なく、単に医療現場を知らない、医系技官の独断で進められている。

新型インフルエンザ(SARS)の対応では、過去の事例や通達を参考に、厚労省から医療現場へ通達を乱発し、医療現場を混乱させ、手足を縛ってしまう。本来、未知のものに対し、できるだけ情報を集め、柔軟に対応しなくてはならないのに、逆をやってしまった。水際対策は初期のもので、市中に蔓延が認められれば、すぐに対策を変更しなければならないのに、後手にまわった結果、医療現場を疲弊させてしまった等。これは、まさに2019年末からの新型コロナウイルスの対応と、まったく同じ。約10年前の教訓がまったく活かされていないことに、愕然としました。

筆者の改革案は、まずは厚労省内の組織から始めるべきだというもの。一方、これは人事が絡むだけでに、最もハードルが高いでしょう。しかし「それでもあなたは役人に生命を預けますか?」という問いに対し、やるしかないという答えしか浮かばない。

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本質的な原因は、医系技官とはいっても医師免許を持っているだけで、実際に臨床を経験したことがない、「ペーパードクター」だから。実際に彼らは、医師免許を持っているというだけで、国家1種試験も受験免除(無試験)で厚労省に入省している。その厚労省は、民間のドクターに対する許可権者であり、行政通達を自由に出せる立場(免許取り上げもできるし、医療費のレセプトの支払いも止められる)。そして省内での医療行政を取り仕切っているのが、医系技官。

立ち止まって考えてみると、これは厚労省に限った話ではなく、例えば、原子力行政を担当する原子力規制委員会や原子力安全・保安院の技官は、原子力に関係ない行政官が規制を行う事務方をやっている。農水省でも、農作業をやったことのない行政官が、国際会議で日本の主張を行っている。文科省だって、教育現場に出たことがない行政官が、教育政策を立案し、全国に指導している。さらにいえば、これらの行政官は人事ローテーションで、数年でまったく違う部署に転属になってしまい、いちから勉強している。これらを考えると、日本の行政組織、特に霞が関に置いては、実務に就かず、数年の経験しかないペーパードライバー(しかし、先例や文献の調査能力に優れ、穴のない文書作成能力に秀でた、勤勉に長時間勤務に耐えるエリート)が、全国に通達を出しまくっているという実態の、氷山の一角が見えてきた。
 

第21回いわきの医師を応援するお姉さんの会

定期的に隔月の木曜日に開催している「いわきの医師を応援するお姉さんの会」。2020年2月13日に、いわき駅前の夜明け市場タタキアゲジャパンコワーキングスペースで開催しました。今回は市医師会会長、いわき市からは副市長と保険福祉部長参加いただきました。清水市長には何度か参加いただいていますが、執行部で役職の方の参加は初です。2016年4月から始めた企画の第21回目で、今回も大盛況で終えることができました。

<前回第20回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53927494.html
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お姉さんの会 代表の宮野由美子さんから、あらためて医師を応援して感謝の意を伝えたいとの思いの挨拶がありました。前回第20回は、台風19号の直後で断水で、仮設トイレを利用しての開催でした。甚大な水害があった平窪地区のひらくぼ内科クリニックのドクターに、お話を聞けました。今回はコロナウイルスが流行していますので、その現状や対策等を話し合うことができました。

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新妻副市長からは、宮泉という貴重な日本酒の差し入れをいただき、丁寧なご挨拶を頂戴しました。

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飯尾保険福祉部長からも、一歩己うすにごりという差し入れをいただき、会の交流に参加いただきました。

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医療創生大学の田口信教副学長は、1972年ミュンヘンオリンピック金メダリスト。鹿屋体育大学名誉教授の職の関連もあるのでしょうか。九州の焼酎を差し入れいただきました。今回、お姉さん方が差し入れてくださった料理は以下の通り。

ヤリイカと里芋の煮物、おでん、春菊の胡麻和え、シラスごはん、エビチリ、チャーハン、レバニラ、ギョーザ(以上、宮野さん提供)、まるごとトマトキムチ、しその実ごはんおにぎり(以上、山崎さん提供)、唐揚(田子さん提供)、じゃがいも味噌いため、やさいあげ浸し、キノコのマリネ、ゆず大根(以上、吉田さん提供)、そのほかみなさんが差し入れてくださった、ソフトドリンク、ビール、ワイン、そしてたくさんの日本酒です。今回もたくさんのメニューが並び、心行くまで堪能しました。

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医療創生大学2年の野木さんは、初参加。フレッシュな視点で会に加わってもらいました。

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いわき市医療センターの入江先生は、タイからの学会出席から帰国し、そのまま直行でお姉さんの会に参加。学会のことを話してくださいました。また市医療センター心臓血管外科のドクターのほとんどが、単身赴任の男性医師です。いわきの地域医療に貢献したいという志のある方々を、(精神面・金銭面とも)どう処遇するかは大切な課題です。

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常磐病院の小内先生は、東京の自宅といわきの職場との二重生活を続けています。二重生活の現実、時間のやりくり、仕事への情熱等をお話しいただきました。

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かしま病院の石井先生は、総合診療科ドクター。感染症は専門ではないものの、流行しているコロナウイルスについて、現在判明していること、判明していないこと、対処法、一市民としてできること等を講義いただきました。まだまだわかっていないことが多い新型ウイルスですが、詳しくない一般人にもわかるようにざっくりと解説いただきました。

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・新型コロナウイルスに対するワクチンや治療法は、現在ない(開発中)
・医療機関でできることは、対症療法(解熱剤や栄養剤投与)のみ
・感染者が、診療所を受診しにいくと、他の外来患者にうつしてしまうリスクあり
・感染者が、病院を受診しにいくと、免疫力が落ちている入院患者にうつしてしまうリスクあり
・新型コロナウイルスの検査は、市中の医療機関では実施できない
・新型コロナウイルスの感染力は、SARSや炭疽菌と比べると、高い
・新型コロナウイルスの致死率は、SARSや炭疽菌と比べると、低い
・感染したかな?と感じたら、まず休養・栄養・睡眠をとる
・医療従事者への感染が頻発すると、医療資源が枯渇し、医療崩壊のおそれもある
・感染者の完全な隔離には、菌を外に出さない陰圧室を持つ病院が望ましい(いわき市医療センターには数ベッドのみ)

<いわき市医療センターは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52731853.html
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国は、入国時に感染の疑いがある人を検疫法に基づいて強制的に入院させる「隔離」の措置、すなわち水際対策に力を入れているようです。しかし、すでに市中感染、国内に蔓延していることも考慮して、その次の対策が求められています。

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医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方

著者は消化器の専門医で内視鏡の使い手。消化器内視鏡を専門とする著者が、がんの種類別(肺がん、胃がん、前立腺がん、肝臓がん、食道がん、大腸がん、小腸がん、膵がん、子宮頸がん)に、がんの解説とその検診法について漫画で解説。現役医師として医療情報に詳しいのはもちろん、自ら筆をとってマンガの作画までするとは、素晴らしいの一言。そして、がん検診のリスク・ベネフィットを正直に書いていて、腹落ちします。例えば、診断は画像で見える範囲しかわからない・がん検診の有効性を統計的に検証することは容易ではない・健診を受ける人はより健康に、そうでない人とは、大きく差が開いてしまう・PETの放射線被ばくはオススメできない等は、そんな気がしていたけれど、やっぱりそうだったんですね。まさにタイトルとおりの、まっとうな「健康問題の入門書」でした。

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1章 肺がん:がんの中でも死亡数は第1位!  喫煙者は要注意
2章 胃がん:罹患数は減少傾向。だがピロリ菌の除菌は"万能"ではない
3章 前立腺がん:男性なら誰もが気になるがん、前立腺肥大やEDとの関係は?
4章 肝臓がん:お酒好きは要注意。肝臓だけではない、アルコールの破壊力
5章 食道がん:急増中の逆流性食道炎と食道がんの悩ましい関係性
6章 大腸がん:死亡数はがんの中で2位! 大腸カメラは辛い? 辛くない?
7章 小腸がん:消化管の「暗黒大陸」、カプセル内視鏡が検査で活躍
8章 膵がん:進行が速く、悪性度も高い!  とにかく「避ける」しかない
9章 乳がん:若い女性は要注意、検査で見逃さないために
10章 子宮頸がん:「HPVワクチン」問題、結局受けるべきなのか
11章 PET検査、血液がん検診:最先端のがん検査技術、果たしてどう使えばいい?
12章 がん検診懐疑派への反論:制度は満点ではないけれど、受ける価値はある
 

第20回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月の木曜日に開催している「いわきの医師を応援するお姉さんの会」。今回は2019年10月17日に、いわき駅前の夜明け市場タタキアゲジャパンコワーキングスペースで開催しました。2016年4月から始めた企画の第19回目で、今回も大盛況で終えることができました。

<第19回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53764507.html 
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実は、先日の台風による水害で、開催が危ぶまれていました。一昨日まで上水道が止まっていて、給水が開始されたのは、昨日のこと。今現在も、水圧が上がらないので、2階のトイレは使用不可です。そんな現状および被災している方々がいるにもかかわらず、あえて開催する理由は、①このタイミングだからこそ被災した方々を元気づけたい、②被災の現状や有用な情報の情報交換・共有の場としたいからです。それぞれが大変な状況な中、たくさんの方に参加いただけました。

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ドクターFの自宅およびご実家のクリニックが平窪地区にあり、いずれも先日の台風による浸水を受けた地区です。当日深夜~明朝にかけての様子を、自らが撮影された写真・動画を見せて頂きながら、ご説明いただきました。背丈ほども浸水したことや、水流でフェンスが流されたこと、翌朝水が引くと泥が1階室内一面に。クリニックのカルテ・診療機器がほとんど冠水してしまったため。営業再開にはかなりの時間がかかってしまうようです。

それでもボランティア活動の方々が多数入って、ガレキの撤去・泥の吐き出し・室内の拭き取り等で、大変助かっているそうです。
・自動車が冠水し使えないので、廃棄物の運搬や、生活用水の運搬に支障。さらに通勤・通学もできない。
・泥が乾燥し、大量の砂埃が舞っている
・上水道が出ないため、清掃がなかなか進まない
等等、切実な状況に、絶句する場面も。

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ドクターFのお母様おふたり(実母・義母)ともご一緒に参加。被災中にもかかわらず、明るくふるまわれ、なんとも仲の良い家族だなあと感じました。

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今回、お姉さんの会の方々に提供していただいたメニューは、宮野由美子さん提供の煮豚と煮たまご、根菜の煮物、ホウレン草のごま和え、から揚げ、ほっきごはん、生ハムのサラダ、中村寛子さん提供の和風きのこの麻婆豆腐、小泉綾子さん提供のもつ炒め、山崎和子さん提供の和歌の料理、渡辺和美さん提供のドーナツ、Toshieさん提供のきんぴら、レンコン、みかん、内山久仁子さん提供の栗カボチャの鶏ひき肉の餡かけ、みなさんから集められた、ソフトドリンク、ビール、ワイン、そしてたくさんの日本酒です。今回もたくさんのメニューがあり、心行くまで堪能しました。

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いわき市医師会長の木村守和先生は、JMAT会議が終わり次第、参加していただけました。いわき市医師会として、今後、現地に情報を集約し対応できるようなサブセンター機能を置くこと、具体的には、平久保地区にある平四小に、医療・保健関連の対応できる機能を医師会としてやっていくとのことでした。

ちなみに、JMATとは、Japan Medical Association Teamの略で、日本医師会災害医療チームのこと。DMATと混同されがちですが、JMATは日本医師会が組織し、DMATは厚生労働省または各都道府県が作る組織です。DMATは大規模災害に短期間だけ活動するのに対し、JMATはDMATの後を引き継ぐ形で、避難所や救護所における医療活動を中心に行い、その期間も現地の医療体制が回復するまで比較的長く活動するものだそうです。

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飯田さんからは、ならはの名産ゆず酒「ゆず里愛」という珍しいものを差し入れ頂きました。楢葉産の「ゆず」を純米酒で仕込んだお酒なのだそうです。好評でした。

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ドクターKからは、非常時に備えて、家族全員のお薬手帳をスマホで写真に撮り、お気に入りフォルダにいれておくとよいということを教えてもらいました。確かに、書類等は災害で手元から離れてしまう可能性は高いですが、携帯電話だけは肌身離さず持参するはずなので、これは納得。

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今回ちびっこ3人は、年齢が近いということもあり、まるで自宅のいるかのようにくつろいで、一緒に遊んでいました。お姉さんの会の参加層も広くなったものです(笑)。

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会の〆には、いわきのシンガーToshieさんに熱唱していただきました。美しい歌声に、みなさん圧倒されました。

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こういう時期の開催ということもあり、もともと途中参加・途中退出OKの会ですが、入れ代わり立ち代わりで、かえっていろいろな方と交流できたような気がします。

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旧東京医学校本館 東大医学部のはじまり

小石川植物園にある旧東京医学校本館は、現存する最古の東京大学の建物で、国重要文化財です。もっとも植物園の最奥に位置しているので、存在自体が知られていない。

1876年 工部省営繕局が東京医学校の本郷キャンパスに建設(東大病院外来棟付近)
1911年 大学病院再編に伴い、赤門脇へ移築
1965年 建物解体。小石川植物園(当時は、東大理学部附属植物園)内へ移築
2001年 東京大学総合研究博物館 小石川分館として一般公開

東京医学校と東京開成学校が合併して、東京大学ができたんですね。その東大医学部の源流は、幕府直轄の医学所→医学校→大学東校→東京医学校→東大医学部、なんですね。

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数度の改築・移築を経ていますが、建築当時からの洋風・唐風・和風の三要素が入り交じっています。現在は、東京大学総合研究博物館 小石川分館として主に、建築関係の資料が展示されていました。

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かつて医学部だった歴史もあり、標本(写真は鉱物標本)の展示もあります。窓からは、小石川植物園が眺められます。

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小石川植物園の最奥は、入口から徒歩で10分ちかくかかることもあり、ほとんど人が訪れません。閑静な場所にひっそりと立っています。

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驚きだったのが、昔の図書目録、カード目録です。今でこそ、コンピュータ検索が一瞬でできてしまうので、このような目録は不要ですが、それ以前は、どこに関連図書が蔵書されているか、この図書目録を使って探しだし、研究したのでしょう。先人たちが、実際にその手で調べていた息吹き、活動を直に感じます。

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図書カードを実際に触らせて頂くことができます。いったい何人の研究者が、司書らの手を借りながら、この研究書を探しあてたのでしょうか。

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腐女医の医者道! さーたり著

著者のさーたりさんは、外科医・漫画家・オタク・2児の母という、スーパードクターです。小説家兼ドクターという方は、複数いらっしゃいますが、マンガ家兼ドクターというのは、この方だけでしょう。腐女子という言葉はありますが、腐女医という造語は、この方にだけあてはまる言葉でしょう。「史上初?の現役外科医でオタクな2児の母が描くコミックエッセイ」の触書は、本当でした。いわゆる、医師のあるある本なのですが、なにせその属性からにじみ出る仕事・生活は、かなりぶっとんでいて、面白い。というか、あまりに多忙過ぎるのに、笑って働き続ける精神力(と体力)が、スゴいなあと感じました。あと、絵がやさしくて、シンプルなのが好感。

天皇陛下の執刀医 天野篤氏が院長を務める、お茶の水の順天堂医院の肝胆膵外科にご勤務とのことですが、こんなに激務&魅力ある職場なんですね。あらためて、順天堂のすごさを知ることができました。

<順天堂醫院のICUに感動は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46166422.html
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医師国家試験という過酷なお勉強をしながら、作画の練習をするのは、さぞや大変なのだろうと思っていたのですが、さにあらず。趣味でオタクなマンガを書いていたのは高校までで、一人前のドクターになるまではマンガはまったく描いてなかったそうです(あまりに忙しかったのでしょう)。それが31才のときに命にかかわる大怪我をして、そこでいったん再考。一度きりの人生だから、かつて漫画家になりたいという夢を実現しようと行動開始。ブログ等で、医師あるあるを発信していたこともあり、それをコミックエッセイ化すべく、まず4コマ漫画に仕立てたそうです。それを再構成し、コミックにしたのがこの本。著者のパワフルさには驚かされますが、実は著者のメッセージは、外科はあまりに多忙だけれどやりがいが大きいので、ぜひ若いドクターには外科を目指して欲しい、ということのようです。でもやっぱり、こんな時間に追われる外科ドクターの現実を知ったら、多くの若い研修医は敬遠するんだろうな・・・という印象。



第19回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月の木曜日に開催している「いわきの医師を応援するお姉さんの会」。今回は2019年8月29日に、いわき駅前の夜明け市場タタキアゲジャパンコワーキングスペースで開催しました。2016年4月から始めた企画の第19回目で、今回も大盛況で終えることができました。

<前回第18回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@ゆしまやは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53414685.html
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初参加の坂本竜太郎福島県議会議員をはじめ、多くの参加者が集まりました。今回は出席できない方が多いと見込まれていましたが、最終的には20人以上集まり大賑わいでした。この写真はお姉さんの会終了後の写真なので写っていない方もいらっしゃいますが、このように途中参加、途中退出も受け付けておりますので、お気軽にご参加ください。それでは、第19回「いわきの医師を応援するお姉さんの会」の全容をダイジェスト形式でお届けしていきます。

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今回、お姉さんの会の方々に提供していただいたメニューは、宮野由美子さん提供のチーズケーキ、サンドイッチ、山崎さん提供のいか人参、丸又かまぼこ、吉田さん提供のキッシュ、ハンバーグ、さんまのマリネ、白岩さん提供のポテトサラダ、宮野あゆみさん提供のにんにくの丸揚げ、ユーリンチー、漬物、徳永さん提供の無限ピーマン、石井さん提供のクッキー、坂本さん提供のばなな、みなさんから集められた、ソフトドリンク、ビール、ワイン、そしてたくさんの日本酒です。今回もたくさんのメニューがあり、心行くまで堪能しました。

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口当たりなめらかなものから、スッと透き通るものなど様々な味を楽しむことができ、どれも至高の一品でした。また、様々なお酒に出会えることを心待ちにしています。

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無限に食べられるということで「無限ピーマン」。クックパット上位ランキングされ、本にも記載されている「無限ピーマン」。そのレシピの考案者の徳永淳子さんの心のこもった味に感服しました。ピーマンの味を殺さず、素材を生かして絶妙なバランスを持った最高の一品でした。ピーマンが苦手なお子さんがいる家庭でも、これなら喜んで食べてくれるはずです。ガスいらず作れるのでレシピをみながら作ってみてはいかがでしょうか。

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宮野あゆみさんが持ってきてくださった、にんにくの丸揚げです。味噌ダレとセットで食べるとにんにく独特の味と甘辛い味噌ダレがマッチして、日本酒やワインとよく合う一品でした。明日の勤務に支障がないか心配するほどたくさん食べてしまいました。とてもおいしかったので後日、自宅でも挑戦してみたいと思います。

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こちらは中村 寛子さん。写真にたくさん写ってくれてとてもお茶目な方でした。栄養士の方で体に優しいお料理を持ってきてくださりました。ヘルシーで酸味もあり、お酒のおつまみに合ったテイストでした。今回はライスがなかったので、次回は一緒に食べてみたいです。

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毎度おなじみ変○Dr.石井敦さんが、お母さま手作りのクッキーと、福島の地酒を持参いただきました。バターがほのかに香るクッキーは、サクサクした食感と甘さが絶妙でとても熟練された味でした。デザートとしてとても美味でした。お酒のチョイスもよく、今回の料理とかみ合う味でした。

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小内友紀子さんと、吉田みきとさん。二人ともいい笑顔で写っています。小内さんは缶ビール片手に話すと激務の仕事からの緊張感は全く感じられず、とてもリラックスしていただけたと思います。東京への移動の合間に、40分間一本勝負での参加。明日には海外での学会参加というハードスケジュールの真最中でした。吉田さんは、市議会議員のお仕事で毎日忙しいはずですが、ONとOFFがはっきりしているのではないかと思います。

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日本酒を持って記念撮影。この写真は一発でピントが合い、光の反射も適度で若者でいうところの「盛る」ことができたように思います。まだお酒で酔う前の写真ですのでどこかピシッとした感じが見受けられます。
 
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熱弁している様子の一枚。学校の教授顔負けのトークスキルで議題を一つ提供していた宮野由美子さんです。このお姉さんの会も、宮野さんが代表を務めているから継続できているという点も、衆目の一致するところです。お酒が入りながらもお仕事熱心で、笑顔の絶えない素敵な方でした。インターンシップ生にも人一倍優しく接してくれた印象が強いです。
 
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研修医さんがピンボケしていますがこちらもいい写真です。写っていませんが、机にある料理を取り分けている様子です。みなさん料理に一点集中しています。真剣な議論の前の腹ごしらえも重要ですね。
 
2019-08-29 20.24.02

お酒も入り盛り上がってきたようです。医師たちとお姉さんの会の方たちの熱弁を聞くことができ、みなさんの信念や流儀、仕事への熱い思いが伝わってきました。普段、そういった話をできないこともあってか、真剣に話していました。その様子を見て、仕事での活躍ぶりが垣間見えました。また、日常で知っておいて損のない話もしていただきました。ぜひ、参考にしていきたいです。
 
2019-08-29 20.38.24

今回の議論の内容をまとめてくれたのは山崎さんです。様々な意見が飛び交う中、内容を整理し書き出していく姿はさながら現世の聖徳太子のようでした。このメモも議論するうえでの重要な鍵となったのは言うまでもありません。
 
2019-08-29 19.30.18

この方は高梨由美さん。企画した映画「それぞれのヒーローたち」の上映開催者を募集しています。見ることで得られるものが多いと思います。30人規模で開くことが可能なので気になった方は調べてみてください。どこにでも駆けつけますとのことです。
 
2019-08-29 20.56.47

いわきの将来を担うかもしれない研修医さんも参加しました。今まで都会で生活していた彼は、1ヶ月のいわきの研修で大きく成長できたようです。いわきでの就職、お待ちしています!今度いわきに来た時はあちらの良さも教えてください!
 
2019-08-29 22.34.36

今回は、医療創生大学のインターンシップ生も参加しました。普段の学生では体験することができない貴重な機会を得ることができたみたいです。終わりまで出席していてとても楽しんでくれたようでした。様々な方と名刺を交換したり、普段では聞くことのできない話をたくさんしたりしていて終始笑顔でした。
 
2019-08-29 22.53.35

きちんと片付けも行いました。できる人間は礼儀正しく物も散らかしません。お酒の席の、後片付けは少し寂しい感じもしますが皆さんいい笑顔で終えることができました。来た時より部屋も心もきれいになったと思います。
 
2019-09-03 08.51.07

今回から思いやりの募金を始めました。お姉さんの会終了後に、医師の方以外の参加者から会場費などのお金をいただくことができました。いくら入れるか、順番はどうするか、など、こちらもかなり盛り上がっていました。ご協力ありがとうございました!次回もぜひよろしくお願いします。
 
2019-08-29 20.26.52

コアメンバーのひとり、宮野あゆみさん。大変笑顔が魅力的な方です。平子善一さん。こちらは体がっちりとしていて頼りがいのある人です。なんと、このお二人、入籍いたしました!おめでとうございます!これから始まるお二人での生活のお話について、次回まで楽しみにしておきます。新婚旅行はどこにいたのかなどお応えしていただければ場も盛り上がること間違いないと思います。これからもお姉さんの会をよろしくお願いします。
 
2019-08-29 18.53.11

次回は記念すべき第20回目のお姉さんの会です。できれば市長さんを招いて盛大に開催したいと考えています。表彰も行う予定です。10月下旬を目処に日程や場所を調整中です。今後ともどうぞよろしくお願いします。 

注)このブログの文章は、吉田事務所に夏休み期間中のインターンシップで来ている、医療創生大学3年生のコンビが作成してくれました。感謝。

後期高齢者医療制度への税金投入8兆円!

市町村国保への税金投入額は、4兆円!と巨額ですが、後期高齢者医療制度への税金投入は、その倍の8兆円(国5兆円、地方3兆円)!です。政府の一般会計税収が60兆円前後ということを考慮すれば、市町村国保+後期高齢者医療への税金投入12兆円は、あまりに巨額といわざるをえません。

後期高齢者の医療費は、若年層に比べて高い!といわれていますが、本当でしょうか。一般的なサラリーマン(協会けんぽ、組合健保、共済組合等)と、と比べてみました。なんと後期高齢者にかかるコストは約100万円と、サラリーマンの20万円弱の約5倍かかっています。自営業+退職者の市町村国保で約35万円と約3倍ですから、ここから60-74才の医療費に比べて、75才を超えると急激に医療費がかかることがわかります。

<市町村国民健康保険への税金投入4.3兆円!は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53531327.html
三者比較_医療費
出典:厚生労働省保険局 平成30年4月19日「医療保険制度をめぐる状況」
注)サラリーマンは、協会けんぽ、組合健保、共済組合の平均

では、加入者が支払う保険料水準を見ていきます。やはり現役世代である「サラリーマン」が一番負担しており、一人あたり約12万円です。次に自営業者+退職者の8万円。75才を超える後期高齢者は、(ほとんど働いていないと推定されるので)所得が低いことから、約7万円です。年間7万円の保険料+1割負担の医療費負担だけで、年間100万円近い医療サービスを受けられるのは、ちょっと見合わない。

後期高齢者は、これまで日本経済に貢献してきた先人たちという位置づけはわかりますが、その先人たちを優遇するあまり、現役世代に過重な負担を負わせることは適切ではないでしょう。ましてや、若者世代は、数的に少ないのですから。

三者比較_平均保険料

こうして発生する、後期高齢者医療制度の巨大な赤字は、公費で補てんされることになります。その額、なんと8兆円!サラリーマン等が加入する医療保険制度が、原則、独立会計で、公費補てんがないないのに対し、後期高齢者医療制度のひずみがここに現れています。なお、市町村国保も、原則、独立会計ですが、自治体によっては赤字があり、公費補てんされているんですね。なお、いわき市では、毎年、決算をバランスさせていて、公費補てんはされていません。

三者比較_公費負担額

<出典:医療保険制度をめぐる状況 平成30年4月19日 厚生労働省保険局>
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000204021.pdf


市町村国民健康保険への税金投入4.3兆円!

厚生労働省保険局が、平成30年4月19日に「医療保険制度をめぐる状況」というタイトルで、健康保険制度に関する資料を開示しています。各種データから帰納的に政策提言をしているのですが、ひとつひとつみていくと、非常に興味深いのことがわかったので、紹介します。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000204021.pdf
 
<加入者数>
医療保険組合には、共済組合(主に公務員)、組合健保(主に大企業)、協会けんぽ(主に中小企業)、市町村国保(自営業者と退職者)、後期高齢者医療制度(主に75才以上)の5種類があり、それぞれ、加入者数が、877万人、2914万人、3716万人、3182万人、1624万人です(合計で1.2億人になり、ほぼ日本の人口に一致)。これを円グラフにすると、どんな家庭が日本に多いかの割合が、ざっくりとわかってしまう。

日本全体のうち、公務員が約1割弱、大企業が2割強、中小企業が3割強、自営業等が3割。サラリーマン家庭が約7割を占めているというのは、感覚と合いますね(後期高齢者を除く)。違う見方をすれば、安定した公務員・大企業が3割で、残り7割が中小零細・自営業者・退職者らという見方もできます。
保険者比較_加入者数

<平均所得>
加入者一人あたりの平均所得も、組合属性ごとに特徴があります。一番高いのは共済組合(≒公務員)、次が組合健保(≒大企業サラリーマン)。やはり低いのは市町村国保(≒自営業&退職者)。かたや年間240万円に対し、100万円にも満たず、健康保険のプールとなる原資に不安が残ります。それもあって、いわき市では7人に一人が、国民健康保険税を支払っていないという事実があります。

<いわきの国保税収納率 全国最下位は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/49580139.html
保険者比較_平均所得

<医療費>
上記にもかかわらず、一番医療費がかかっているのは、市町村国保です。共済組合や組合健保の2倍以上!その原因は明らかで、①退職者は高齢のため病気にかかるリスクが比較的高いこと、②自営業者はサラリーマンに比べて毎年の健康診断等に行く割合が少ないため、結果、医療費がかかっていることです。
保険者比較_医療費

<公費負担額>
その結果、どうなるかというと、市町村国保単体では採算がとれなくなるのです。すなわち市町村国保加入者が納める保険料<国保のお財布から支払われる医療費支出です。その差額は、国の税金で穴埋めすることになります。協会けんぽでも、少額ですが公費が投入されています。本来、公平の原則からいえば、共済組合員や組合健保員からすれば、ズルイ!不満!だということになるのでしょうが、収入が低い高齢者等に今まで以上に保険料負担させるわけにもいかず、オカネがないものはしょうがない。それにしても、4.3兆円を超える国費が、国保の穴埋めに投入されているというのは、(国の税収が60兆円程度ということを考慮すると)やはりやりすぎではないでしょうか。国民皆保険制度の果たす役割は大きいですが、持続可能性の観点から、いますぐにでも制度設計を見直す時期にきています。
保険者比較_公費負担額


いわきの急性心筋梗塞は全国の2倍超!驚愕!

いわきの死因別死亡リスクに驚愕! 急性心筋梗塞は、全国平均の、なんと2倍超!結論からいうと、がん・心臓病・生活習慣病等、いずれの項目でも死亡リスクが、全国より高い。中でも、なんと!心疾患・急性心筋梗塞のリスクは、全国に比べて2倍以上ということが、統計的にわかっています。下のグラフは、男性のものですが、女性もだいたい同じ傾向です。

無題

出典:GD Freak!・厚生労働省 人口動態保健所・市町村別統計

ここから何が、導き出されるでしょうか。まず、健康寿命が短くなるということ。また病気に起因して医療費がよりかかるかもしれません。よろしくないことばかりですが、逆に、改善の余地が大きいといういいかたもできるかもしれません。すなわち、健康志向・行動により、現在より健康寿命を延ばせる、医療費も削減できる可能性が高いということ。

それを達成するには、複数のやり方があるでしょうけれど、一般にいわれているのは行動を変えること。①禁煙・②食べ過ぎない・③塩分を控える・④運動(筋トレ)です。

筋トレというと、かなりハードなものを思い浮かべますが、いまはフィットネスにもいろいろなものがあり、女性専用のカーブスなどは、会費も安く通いやすいので中高年の女性に人気だそうです。まず第一歩を踏み出したいですね。

<女性専用フィットネス カーブスは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53363664.html

令和元年6月アロハ議会 一般質問④(医師に選ばれるまち)

医師に選ばれるまちについて

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁

<動画は、コチラ>
https://youtu.be/rPv1nIRSW1Q
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(1) いわきで働く魅力について
市外の医師から選ばれるまちになるための要件についての市の所見
医師から勤務先として選ばれるためには、一義的には各医療機関が、処遇や勤務条件等を含めて、その経営判断の中で適切に対応すべきではあります。一方、医師が住む場所として選ばれるためには、医療施設以外が対応すべきこともあると思います。そこで、市外の医師から選ばれるまちになるためには、医療施設以外が対応すべきことをどのように市がとらえているか、ご所見を伺います。

(市長)
本市が市外の医師から選ばれるまちとなるたまには、市外からの交通アクセスの向上や、教育環境、住居環境、文化的環境の充実などのほか、一昨年制定いたしました「地域医療を守り育てる基本条例」の基本理念である、「医師、市民、行政がそれぞれの役割を果たしながら、地域をあげて医療を大切にする」といった機運を醸成することなど、多様な要素があると考えております。

いわきの医師を応援するお姉さんの会について
いわき市の共創のまちづくりの一環として、いわきの医師を応援するお姉さんの会が紹介されています。この会は、宮野由美子さんが代表を務められている会で、医師への感謝をキーワードに、一般市民の方、特に女性メンバーを中心に活動しています。自分たちが持ち寄った手料理でドクターをもてなし感謝の意を伝えること、そして一緒に飲食する傍ら、地域医療について勉強することで、自分たちの思考や行動をより良くしていこうとするものです。具体的な行動の一例としては、いわき市がすすめている「かきくけこ活動」の普及活動等があります。このようなお姉さんの会に対して、いわき市はどのように評価しているのか、ご所見を伺います。

<第18回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@ゆしまやは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53414685.html

(市長)
いわきの医師を応援するお姉さんの会には私も機会を捉えて幾度も参加させて頂いておりますが、会員の皆様が真摯な姿勢で、本市の医療環境について自ら学び理解を深めようとされていることや、手料理で医師をねぎらい、感謝の気持ちを伝えることで、医師の皆様が喜ぶ姿を拝見しております。
このような市民主導の活動は、「地域医療を守り育てる基本条例」の基本理念である地域をあげて医療を大切にする機運醸成を先導する心強い取組であるとともに、勤務医への本市への定着に大きな力になるものと考えており、このような取組みが更に広がっていくことを大いに期待しているところであります。

医師になるためには資力・学力・志3つの要件が必要と申し上げましたが、一番大事なのは「志」です。ぜひ、いわき市は、医師を育てるのに積極的であるという錦旗、すなわち「Show the flag」、旗幟を鮮明にしていただき、市民から医師から、それぞれ選ばれるまちになるよう祈念して、私の一般質問を終わります。

注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。  

令和元年6月アロハ議会 一般質問③(医師を育てる志)

市内から医師を育てる志について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁

<動画は、コチラ>
https://youtu.be/xlm2d4dmk8k

先ほどご紹介した茨城県の医学コース新設ですが、学力向上のみではありません。いしすなわち、「医の志」の醸成も大きな目的のひとつです。医学部進学希望者が同じ空間で共に学びあうことで、高い目的意識を持って行動することが期待されます。いわき市においても、医を志す学生向けにさまざまな取り組みを行っているので、以下、伺います。
地域医療セミナーについて
地域医療セミナーは、主に福島県立医科大学の学生を中心とした医学生を対象に、いわき市の医療施設の見学や医療従事者との懇談を通し、地域医療への理解を深めるとともに、将来のいわき市での勤務につなげることを目的としたものです。では、その開催実績を伺います。

(保健福祉部長)
「地域医療セミナー」の過去5年間の参加者数につきましては、平成26年度は参加者がおりませんでしたが、平成27年度は、福島県立医科大学との連携により、同大学において授業の一環をして実施している「地域医療実習」に位置づけられたこともあり、参加者数が10人となっております。
以降、平成28年度が52人、平成29年度が48人、平成30年度が54人となっております。

福島県立医科大学は、県内からの進学者が半分に見たない、とても珍しい国公立大学です。福島県立医大の学生は、県外出身者が多く、必ずしもいわきのことを知っているとは限らない、ドクターの卵です。ぜひこれからも積極的にやってほしいと思います。

<福島県立医科大学 県内進学率が惨い、はコチラ>
http://www.mikito.biz/archives/38224414.html

地域医療ガイダンスについて
地域医療ガイダンスは、医学部合格発表直後の医学部進学予定者を対象として開催され、修学資金貸与制度等を紹介し、いわき市との将来的な関係構築を築こうとするものです。では、これまでの参加人数を伺います。

(保健福祉部長)
「地域医療ガイダンス」につきましては、平成27年度から実施しており、その参加者数は
平成27年度が学生5人、保護者6人
平成28年度が学生2人、保護者1人
平成29年度が学生15人、保護者11人
平成30年度が学生12人、保護者9人となっております。

参加者は、これまで行政とほとんど関わりを持ってこなかった18歳の高校生です。いわきに対する郷土愛や、地域医療の現状の理解にも、各個人で大きな差があると思います。いわき市にとっては、地元輩出の医師の卵とのファーストコンタクトですので、きわめて重要な機会です。が、この事業の予算額は、なんと年間約2万円と、非常に少額ものとなっています。ぜひ財政部には予算の増額を要望して、次の質問に移ります。

いわき医療ふるさと便について
いわき医療ふるさと便は、さきほどの地域医療セミナー及び医療ガイダンスの参加学生や、いわき市との関わりのある現役医師等に対し、いわき市の医療関係のトピックス等の情報提供を行い、いわき市への理解・関心を深め、将来的な市内病院への勤務につなげようとするものです。この事業の実績を伺います。

(保健福祉部長)
「いわき医療ふるさと便」の過去5年間の実績につきましては、
平成26年度が2回、延べ205人に、
平成27年度が1回、112人に、
平成28年度が2回、延べ274人に、
平成29年度が1回、211人に、
平成30年度が1回、231人に発送しております。

いわき市出身者でもいったん進学、もしくは市外病院へ勤務が始まると、いわき市との関係性が、物理的にも精神的にもいったん途切れてしまいます。そういった方々と、つながっていくためには、こちらが伝えたい情報を一方的に送るだけでは、資料はそのままごみ箱行きになってしまいます。送付内容を継続的に見直し、彼らにとって興味を示す有用な情報を提供していっていただくことを要望します。

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注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。  

令和元年6月アロハ議会 一般質問②(医師を育てる学力)

市内から医師を育てる学力について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁

<動画は、コチラ>
https://youtu.be/yX_viOIVSOs

医学部進学予備校のプロメディカスによれば、医学部へ合格するための予想偏差値は、軒並み70近くであり、最低ラインでも学力偏差値60を超えています。学力偏差値60とは、平均値から標準偏差の位置を示すもので、上位から見ると15.87%にあたります。要は、大学受験する学生のうち、成績上位15%に入らなければ、いかに意欲があろうとも、医学部には合格しない、入学できない、医師にはなれないという厳然とした現実があります。

市内高校生の医学部合格者数について
いわき市内には、医大生を輩出している学校がいくつかありますが、市全体トータルとして、いわき市内の高校生が、毎年何人、医学部に入学し、医師となっているのでしょうか。先ほどの磐城高校を含め、市内高校生全体の医学部合格者数を伺います。

(保健福祉部長)
過去5年間の医学部合格者数につきましては、
平成26年度が15人
平成27年度が20人
平成28年度が15人
平成29年度が21人
平成30年度が15人となっております。

これまで収集されてこなかったデータについて、今回集計し、ご答弁いただいたことに感謝します。毎年15人から21人の合格者を出しているということですね。平均が17名程度でしょうか。ただし、こちらも国公立大学と私立大学の複数合格者が、ダブルカウントされていることの留意が必要です。ざっくりいって、いわき市内から、毎年10人台前半の医学部進学者を輩出しているということです。

難関医大の合格数について
医学部進学予備校のプロメディカスによれば、難関医大として挙げられているのが、国公立大学では東京大学理科3類・京都大学医学部・大阪大学医学部です。私立大学では、慶応大学医学部・東京慈恵会医科大学医学部・日本医科大学医学部です。いわき市内からこれら6校への直近5年間の合格実績を伺います。

(保健福祉部長)
議員が提示された東京大学をはじめとした6校の過去5年間の合格者数につきましては、平成30年度に日本医科大学の合格者が1人となっております。

いわき市から、難関医大には、ほとんど進学していないということがわかりました。

福島県立医大以外の国公立医学部への合格数について
国公立大学への合格者は、福島県立医大が大半ですが、それ以外、福島県立医大以外の国公立医学部への合格数を伺います。

(保健福祉部長)
過去5年間における福島県立医大以外の国公立医学部への合格者数につきましては、
平成27年度が1人
平成29年度が1人
平成30年度が3人となっております。

全国には40を超える国公立の医大があるにもかかわらず、県立医大以外にほとんど進学できていないというのは、ちょっと驚きです。ここで、直近の高校別全国国立大学医学部医学科合格数を調べた、東北大学医学部の村山安寿氏の調査を紹介します。この調査によれば、福島県は国公立大医学部合格者数において全国44位で、福島県より下位なのは栃木県、埼玉県、岩手県だけです。この3県には医学部を擁する国公立大学が存在しません。つまり福島県は国公立大医学部を擁する都道府県の中で医大合格率が、最下位なんです。

過去の医大合格者数に対する市の所見について
医大合格者の絶対数が少ないと思いますが、合格者数について、市の所見を伺います。

(保健福祉部長)
医師を目指す方々が勉学に励まれ、それぞれが希望する大学に合格したものであり、今後も、医師を目指す方が一人でも多く合格されることを期待しております。

いわき市の医師の平均年齢は、55.5才で、中核市43市の中でも最も高齢化が進んでいます。高齢医師のリタイヤに伴い、これから現役医師が減っていきますが、その新陳代謝として市から生み出される医師が、毎年10名前半というのは、感覚的に少ないのではないでしょうか。

大学の地方自治体地域枠について
大学によっては、地方自治体と協定を結んで、地域枠を設けているところがあります。これは簡単にいうと、卒業後その自治体で勤務する等の一定の条件の下、その地方自治体の学生を確実に、何人という形で入学させるというものです。例えば、東京都では東京都地域枠として、順天堂大学に10人、杏林大学10人、慈恵会医科大学に5人の枠を持っています。基礎自治体でも例があります。神奈川県の相模原市では、北里大学と連携し、相模原市だけの地域枠を設けています。先方の大学の事情もあるので、しっかりとした話し合いは必要とは思いますが、こういった医大内のいわき市だけの地域枠を持つことについての、市の所見を伺います。

(保健福祉部長)
特定の大学医学部に対し、いわき市独自の地域枠を設けることにつきましては、大学が市町村のための地域枠を設けている事例が、確認できた範囲では、北里大学における相模原市枠の1例のみであること、地域枠は本来、医療計画に関する権限と責任を持つ都道府県が設けるべきもので、仮に本市が行う場合は、福島県医療計画との整合を図る必要があること、地域枠設置による費用負担のあり方や大学卒業後の受け入れ体制の整備など、実現に向けた課題は大きいと考えております。

ぜひ福島県と連携をとって、検討していただければと思います。

医学進学コースについて
お手元資料をご覧ください。茨城県では「医師不足緊急対策行動宣言」を公表し、今年から県立高校に医学コースを新設しました。これは県立高校と中高一貫の中等教育学校の5校内に、医学コースを設けるというものです。各学校では高校2年次から医学部への進学希望者で学級1クラス編成し、課外授業として、外部の予備校等と連携し、追加負担なしで面接や小論文対策などの進学指導をし、また習熟度別指導等をし、より高いレベルの学力を育成するそうです。また高校1年次から3年間、実際の医療現場での体験実習や医療従事者による講演などの機会も提供し、病院や大学と連携し、職業理解を深めてもらうそうです。茨城県の人口10万人あたりの医師数は2016年末時点、180人で全国ワースト2位です。ちなみにいわき市は約170人なのでさらに低い水準ではあります。その茨城県の医師不足の危機意識は強く、この施策で、深刻な医師不足の緩和につなげていきたいとのことです。茨城県知事コメントによると、予算を使って医大進学者を特別扱いしてでも医師増加に取り組みたいとのこと。5校計で100人の医学部進学者の輩出を目指すとのことです。これは県レベルの取り組みですが、いわき市でもやれることはたくさんあると思います。まずはこのような取り組みを福島県に働きかけていただきたいと思います。そしていわき市においても早期の段階で学習意欲を高め、医大に進学できる子を増やしていくべきですが、ご所見を伺います。
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(教育長)
医大進学が可能となる学力の向上を図ることは、児童生徒が自分の夢に向かって、将来の進路を実現するために大変重要であると考えております。
各学校におきましては、確かな学力の育成に向け、児童生徒に知識・技能の確実な定着を図るとともに、それらを活用して課題を解決していく学習活動を重視した授業の展開に努めているところです。
市教育委員会におきましては、児童生徒の学力向上を図るためには、学校訪問での指導主事による直接指導を通して、授業の改善に向けたきめ細かな指導・支援を行うとともに、市総合教育センターでの、教科指導にかかわる専門研修の内容の充実を図ること等により、教員の指導力の向上に取り組んでいるところであります。
併せて、「いわき生徒会長サミット」「いわき志塾」「いわき・わくわく『しごと塾』」等の事業において、様々な分野で活躍する方々に出会う機会を通して、児童生徒の進路選択の幅が広がるよう、キャリア教育の充実に努めているところであります。

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注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。  

令和元年6月アロハ議会 一般質問①(医師を育てる資力)

市内から医師を育てる資力について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁

<動画は、コチラ>
https://youtu.be/AgahiROoUX8

これまでの議会においても、たびたび市内の医師不足について議論されてきました。医療は地域のインフラです。そのため市内医師増加を目指して、さまざまな施策が行われてきました。一方、これまでの施策はどのように医師を外部から市内に呼び込むかという視点が主眼と感じております。もちろん市外からの招へいもありですが、ここでは市内から医師を育てるという視点で質問してまいります。その理由は、医師が勤務先として医療機関を選ぶ際に、地元へUターンするケースが多いということです。これは初期研修・後期研修・専門医取得・開業いずれのタイミングにもいえることです。また医局制度のもと、期間限定で医療機関をローテーションする場合においても、最終的な地元定着率が高いといわれています。これは両親や友人等のつながりが、出身地にあるからだということは想像に難くありません。このように市内から医師を育てることが、医師数増加を目指すには大事ということは論を待たないことですし、そのためには、当たり前といえば当たり前ですが、いわき市内高校生が日本の医科大学に進学する必要があります。しかし、それは容易なことではありません。現実的には、医大進学のためには、第1に資力、いわゆるオカネ、第2に学力、いわゆる手持ちの偏差値、第3に志、いわゆるモチベーションが、すべてそろっていることが必要なのです。現状これが足りていないから、支援が必要でしょうということでそれぞれ、伺ってまいります。

(1) 資力ついて
福島県立磐城高校の医学部進学実績について
医大進学のためには、資力と医大合格者数には、密接に関連しておりますので、まず進学実績や医大の入学定員数について伺って参ります。さて、市内から医大合格者を輩出している学校は複数ありますが、代表的な学校として福島県立磐城高等学校があります。磐城高校の直近5年間の医学部現役合格者数を伺います。

(保健福祉部長)
磐城高校の医学部現役合格者数につきましては、磐城高校の学校要覧によりますと、
平成26年度が国立大学1人、公立大学5人の計6人
平成27年度が公立大学3人
平成28年度が公立大学3人、私立大学3人の計6人
平成29年度が公立大学6人、私立大学1人の計7人
平成30年度が公立大学4人、私立大学1人の計5人となっております。
(5年間の合計27人 内訳:国立大学1人、公立大学21人、私立大学5人)

磐城高校からの医大合格者は、毎年3人から7人の間で推移していることを答弁いただきました。年平均5人というところでしょうか。答弁いただいた数は、ひとりの学生が国公立と私立の複数大学合格者もダブルカウントとして含まれており、医学部への実進学数はさらに少なくなります。絶対数としてとても少ないという印象を持ちますが、これについては後ほど取り上げたいと思います。
磐高と全国の医学部合格者比較-1

全国の医学部の入学定員について
次に、全国にあまたある医科大学・医学部の入学者の定員の合計を伺います。

(保健福祉部長)
平成31年度における全国の医学部入学定員につきましては、文部科学省のホームページに掲載されております「大学別医学部入学定員一覧」によりますと、
国立大学が5,767人、私立大学が3,653人、計9,420人となっております。

ここで配布の資料をご覧ください。上のグラフがご答弁いただいた磐城高校の国公立対私立の医大合格者の割合を示したものです。それに対して、下のグラフが同じく答弁いただいた国公立対私立の医大の入学定員の割合を示したものです。どうでしょうか。明らかに差があります。ざっくり言って磐城高校の国公立対私立の割合は8:2、実は、国公立と私立のダブル合格で国公立に進学した場合も私立にカウントして、これですから、磐城高校の医大進学実態は、事実上ほとんどが国公立といえます。それに対して医大の入学定員は6:4となっています。これはなぜでしょうか。この割合が大きく違うのはなぜでしょうか。磐城高校生は、これだけ多くの私立大学の定員があるにもかかわらず、なぜ国公立ばかり目指すのでしょうか。

その大きな要因が、医学部の高額な学費にあります。医学部卒業には6年間を要するということもあり、私立医大では大学ごとに差はありますが、学費だけで平均で3000万円以上かかるのです。もちろん生活費や、高額な医学書は別にかかります。

私の知人のご子息で、医師への志を持った磐城高校生がいました。一般のサラリーマン家庭ということもあり、高額な学費を考えると、当然に国公立志望とし、実際に現役のときに国公立のみ受験し、手持ちの学力が偏差値60にちょっと足りないこともあって、残念ながら全落ちでした。翌年も全落ちでした。幸いなことに2浪の後、山形大学医学部になんとか滑り込むことができ、現在、医師への道を目指してがんばっています。この例は、最終的に医師への道が開けたので良いほうかもしれませんが、彼の貴重な2年間という時間、および予備校のオカネは本当に必要だったのでしょうか。またこのグラフにカウントされない学生、すなわち、高額な私立医学部の学費を回避して、他学部への受験に切り替え、医師への道をあきらめた学生も潜在的にこの差にあらわれていると思います。それが、このグラフの磐城高校の国公立対私立の割合と医大の入学定員の割合の違いの大きな要因のひとつだと思うのです。
では、私立大学の学費がかからなかったらどうでしょう。国公立並みの負担ですむのなら、この潜在的に医師を志望する学生を救い上げることができるのではないでしょうか。これによりいわきから医大に進む学生数の絶対数を上げることができるのではないでしょうか。

いわき市医療センター医師修学資金貸与事業について
現在、いわき市がやっている医学部生への金銭的な支援としては、いわき市医療センター医師修学資金貸与事業があります。これは、医学部生を対象に、学校名を問わず月額23万5千円の奨学金を貸し出す制度です。これは、学費に充てようと、生活費に充てようと、飲食に使おうと全く自由、使途自由の資金です。医大に入学してから卒業まで、まるまる6年間借りると、総額1600万円を超える金額です。
しかも、この総額1600万円は、卒業後医師となり、現在のいわき市医療センターに一定期間勤務すれば、なんと全額!返済免除されるという、誠にありがたい制度ですので、昨今の経済不況・賃金水準の停滞等を考えると、医大に進学する方には、ぜひ利用して欲しいと思います。

<オトクな医師修学資金貸与1600万円全額免除は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53130479.html

(ア) 貸付者実績数
そこで制度が始まって以来、過去10年間の新規貸付者数の推移を伺います。

(医療センター事務局長)
過去10年間における医師修学資金の新規貸付者数について、年度別に申し上げますと、
平成21年度が3人、平成22年度が4人、平成23年度が3人、
平成24年度が3人、平成25年度が1人、平成26年度が2人、
平成27年度が4人、平成28年度が6人、平成29年度が5人、
平成30年度が10人となっております。

着実に利用者数が増えていて喜ばしいことです。ドクターの卵である彼らがいつか、いわきに戻ってきて、地域医療の任に就いてくれることを願っております。
(イ) 返還が生じた場合の利息
一方、何らかの事情で、いわき市医療センターに勤務しない、できない状況になった場合は、貸付元本に加えて、利息と合わせて一括返還が要求されることとなっています。その利率を伺います。

(医療センター事務局長)
当該事業は、当センターに勤務する医師の確保を目的としていることから、医師免許取得後、12年以内に貸与年数と同じ期間、勤務していただくことなどにより、修学資金の返還を全額免除するこことしており、この変換免除要件に該当しない場合には、年10%の割合で計算した利息を貸与金額に加算し、返還していただくこととなっております。

(ウ) 利率の見直し
いわき市医療センターに勤務しなかった場合や卒業後2年以内に医師になれなかった場合、どんなペナルティがあるか確認しておきたいと思います。まず、その時点で受けた奨学金全額を一括して返済しなければならないこと。さらに当初貸付日からの追加利息の納入を求められます。その利率なんと年間10%なんです。定期金利が0.01%もない今の時代で、これはなんとも高利貸しではないでしょうか。仮に卒業時に医師となることをなんらかの理由で断念した場合、元本に加えて、貸付のタイミングで多少の差異はありますが、5百万円を超える利息の一括支払いが求められます。現在の金利水準や、学生への支援という観点から、貸付利率の見直しをしてほしいとおもうのですが、市の所見を伺います。

(医療センター事務局長)
医師免許取得後、定められた期間内に当センターへ勤務せず、修学資金を返還する場合の利息については、利息制限法に定められた利息の制限や先行事例である福島県をはじめとした他の自治体における同様の制度等の利率を参考に設定したものであります。
これまでに、当該制度を活用し、医師免許を取得した22名のうち、19名の方が、既に当センターへ勤務している実績を踏まえますと、一定の利息を付することが、当センターへの勤務につながっていると考えられるため、当面、現行の利率を維持して参りたいと考えております。

学費ゼロ奨学金について
地方自治体によっては、地元から医師を養成していくために、私立医大の学費全額を学生に出してあげるという、学費ゼロ奨学金制度を持っているところが複数あります。こういった基金・ファンドを、市だけでなく、市内企業らの賛同もいただきながら創設することはできないでしょうか。市のご所見を伺います。

(保健福祉部長)
私立大学医学部への進学にかかる学費等は本人及び保護者にとって、大きな負担であると認識しておりますが、日本学生支援機構や各大学、県の奨学金などの利用により一定程度負担が軽減されるものと考えております。
加えて、本市におきましては、市内病院が医学生に対し修学に必要な資金を貸与した場合に、この費用の2分の1を、病院に対し補助する「病院医師修学資金貸与事業費補助金」を創設したことにより、市内病院における修学資金貸与制度の設立が促進され、将来本市での勤務を希望する医学部生が奨学金を利用する機会が拡大されたものと考えております。
本市独自の新たな奨学金の設立につきましては、ニーズや効果などを十分に見極める必要があることから、今後の研究課題として参りたいと考えております。

金利ゼロ奨学金について
学費ゼロ奨学金については、金額も大きくなり財政的な課題はあります。では金利だけでも、市で負担する金利ゼロの奨学金はいかがでしょうか。例えば茨城県では、より多くの県内高校生の医学部進学を支援するため、金融機関と提携して「実質金利ゼロ」の教育ローンを創設しています。市単独で、また地域金融機関と協力して、医学部進学生へ金利ゼロ奨学金を創設することはできないでしょうか。市のご所見を伺います。

(保健福祉部長)
先ほど御答弁申し上げました通り、既存の奨学金の利用により一定程度負担が軽減されるものと考えており、金利ゼロの奨学金につきましては、市内病院が実施している修学資金貸与事業と比較すると、将来における医師確保の面で効果が小さくなることが懸念されます。
つきましては、他の奨学金と比較しながらニーズや効果などを十分に見極める必要があることから、今後の研究課題として参りたいと考えております。

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注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。  

第18回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@ゆしまや

いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援するお姉さんの会」。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画です。定期的に隔月で開催し、これまで17回開催してきました。今回第18回は2019年5月30日に、ときわ会(常磐病院)のゆしまやさんをお借りして開催しました。

<第17回 いわきの医師を応援するお姉さんの会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53110392.html 
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今回は、いつもの交流会の前に、夕方から常磐病院さんの病院施設見学会をさせていただきました。普段、見ることのできない、病院のバックヤード見学会です。医療機器の説明だけでなく、ドクター向けの福利厚生施設の現実を見せていただき、医師招聘方法についての知見を深めることができました。

お姉さんの会 代表の宮野由美子さんも、ご自身の経験を踏まえて、医師に感謝し、医師に気持ち良く働いてもらえるまちにしたいと活動されています。

<ロボット手術 ダヴィンチ見学@常磐病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53414701.html
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今回、お姉さん方に提供いただいたメニューは、うにごはん  蒸し鶏と茗荷のサラダ・大根と手羽先の煮物・彩野菜のピクルス・ メロン・ほうれん草のごま和え(宮野さん)、エビと青菜の炒め物・じゃがいもの味噌炒め・白菜のもみ漬け・サンマの南蛮漬け(立原さん)、麻婆豆腐、レバニラ炒め(内山さん、髙梨さん)、地元鳥静のから揚げ(中村さん)、おまんじゅう(飯田さん)、クラッカーアとボカドディップ・チーズ(竹下さん)、ハタチ酒・ミニトマト(山崎さん)、自家製のキュウリの漬物(藤田さん)他。参加するお姉さんの数だけ、メニューが増えるという嬉しい悲鳴。多すぎるか?と思いきや、全て完食です。

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提供メニューが多いので、写真に収めきれません。一部のみの写真となることをご容赦ください。

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盛り付けも、お姉さん方が協力してやります。今回は、常磐病院さんのスタッフ方にも協力いただいたので、とても手早く準備ができました。

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今回も(いつもですが)、ワイン・日本酒・ビール飲み放題。男性参加者の多くは、とても珍しいお酒等も含めて差し入れていただいています。どんなレアモノが出てくるかは、実際に参加してみてのお楽しみです。

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常磐病院の小内先生は、ご家族を東京に残したまま、単身赴任で常磐病院に勤務されています。もちろん家族と一緒に過ごせないのはマイナスではありますが、それ以上に、やりがいがあり、かつ楽しい職場だとのこと。実際に勤務し体感しているドクターの言葉だけに、説得力があります。

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スリーエスいわき店から2名の方が参加。SSSさんはいわき泉にある、ストレッチ専門店。体を柔らかくすることで可動域が広がります。単に健康になるというだけでなく、筋力増大等の好影響もあるそうです。せっかくきていただいたので、お試しストレッチ施術?のパフォーマンスをしていただきました。軽くやっているようですが、かなり痛い!ようでした。でも終わってみると、不思議と体が軽くなるし、柔らかくなっています。

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南相馬南相馬市立総合病院から常磐病院に移籍されてきた尾崎章彦医師も参加されました。「新世代を代表する医師」との評も(週刊現代 ガン治療「人間として」信頼できる医師100人より)。東京大学の医学部コース・理科Ⅲ類卒で、若くてイケメンです(笑)。こんな方スゴイが、いわきにいらっしゃるという現実。

<南相馬南相馬市立総合病院では、後期研修医を指導するリーダーは、コチラ>
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清水市長には、何度もこの会に参加していただき、情報共有させていただいています。今回、交流の中で出されたアイデアのひとつが、勤務ドクターの数を増やすには、他地域からいわきに応援で診療に来ているドクターが、いわきで伴侶・パートナーに出会い、いわきに定着したくなるというもの。そのための、市主催ドクター向け婚活パーティ開催してはどうかというアイデアです。今ある、民間の婚活パーティには、業務に多忙な医師は参加しにくい現状があります。しかも医師限定なんてちょっと怪しいし。市主催であれば(少なくとも市医療センターのドクターは、市の職員なので)、本人も参加しやすいし、上司も当日の早帰りを承認しやすいでしょう。ぜひ実現したいですね。

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ロボット手術 ダヴィンチ見学@常磐病院

いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援するお姉さんの会」。今回第18回は、交流会の前に研修として、常磐病院の新村院長のご案内で医療施設見学会を開催しました。一般人が、医療施設の裏側を見ることができるのは非常に貴重な機会です。医療の現実を知ることができ、非常に有用な経験となりました。常磐病院さんには、第7回でもお姉さんの会に会場提供・運営協力いただき、誠に感謝です。

<第7回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@ゆしまや保育園> 
http://www.mikito.biz/archives/49864566.html
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常磐病院は、いわき泌尿器科を母体とするときわ会グループの中核施設です。赤字続きだった、かつての「いわき市立」常磐病院を引き受けて、現在は、特徴ある経営をされていて、震災前よりも医師の数を増やしています。その施策のひとつが、ロボット手術「ダヴィンチ」の導入です。開腹しないで外科手術ができる腹腔鏡手術の進化バージョンで、3本のアームを持つ遠隔操作の内視鏡ロボットです。その使い方について現物を見ながら説明をいただきました。患者でないかぎり、無影灯のある手術室に入る機会などない一般人には、非常に刺激的でした。

<ときわ会 常磐病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/31597075.html
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ダヴィンチ手術に、自ら携わっている新村院長から、ダヴィンチの操作方法のレクチャーを受けました。ちなみに新村先生は、今日も(当然のように)アロハシャツ姿。新村院長はこのアロハ姿で、SNS投稿をすることを日常化していて、常磐病院のプレゼンスや風通しのよい社風を、体外的に発信し続けています。

<人として信頼できるガンの名医 新村院長は、コチラ>
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新村院長の監督のもと、参加したお姉さん方も、ダヴィンチ操作体験をしました!今回は、術野内のリングを掴んで、移動して、別の場所に置くというものでしたが、繊細な動きが正確にできることに、皆さん驚愕の声を上げられていました。ちなみにダヴィンチの投資額は、総額で3億円にものぼる高価な医療機器で、常磐病院では2012年から運用開始しており、ほぼ毎日、ロボット手術が行われています。ロボット手術で執刀できる経験を求めて、首都圏からもたくさんの非常勤医師が、この常磐病院に来ていらっしゃるそうです。

<常磐病院 トレーニング用の手術ロボット ダヴィンチ操作体験は、コチラ>
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今回、体験させていただいたロボットのアームで、でこぼこの場所におかれたリングを、掴んで、移動して、別の場所に移動するということを体験させていただきました。

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上記は、実際に目で見たものですが、実際の手術では開腹しないので、医師は自分の目でこのような術野を見ることはできません。なので、ロボットの先端についている小型カメラ&モニターで、術野を確認することになります。その拡大モニターがこちら。執刀している医師だけでなく、手術室内のスタッフも、同時に状況を確認することができますし、後で振り返るための映像記録に残すことも容易です。

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常磐病院の特徴のひとつが、職員用の温泉施設です。いわき湯本温泉の源泉から、配湯されているホンモノの温泉です。清掃タイムを除いて、24時間いつでも入浴できます。こんな福利厚生施設は、全国でも珍しい。首都圏からきた非常勤医師は、ほぼ全員、驚くそうです。診察終了後・当直明け等に、ドクターを含むスタッフが利用して、疲れた体をほぐすのだそう。ここでゆったり入ってから帰宅すれば、疲れもとれるでしょう。

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病院5階に設置されたお風呂からの眺めは、良いですね。

<いわき湯本温泉は、コチラ>
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職員食堂は、職員から非常に評判が良い。というのも利用はバイキング形式なので、食べ放題なんです。スタッフがいる営業時間は11:00-15:00のランチタイムだけですが、バイキング形式でオープンしているのは、24時間。すなわち、温かいご飯、味噌汁、おかずが、いつでも提供されているので、ランチだけでなく、出勤前の朝食、当直のときの夜食等、どんな時間でも、すぐ温かい食事ができるのは、ドクターに大好評。いわき市医療センターにも職員食堂はありますが、営業時間は平日9:00-15:00、休日11:00-15:00だけです。

<一般食堂@いわき市立医療センターは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53210981.html
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メニューは、常に5種類を用意(定食3種、麺類2種)。24時間常時、5種類もの選択肢を用意しているのは、珍しい。実際に利用しているドクターによると、美味しいので、食事が常磐病院で働く楽しみのひとつだとおっしゃっていました。衣食住の言葉のとおり、人間が生きていき、人生を楽しむには食はとっても大事だと思います。食の充実は、ドクターにとっての職場(病院)の魅力度につながるということは、千葉県の国保旭中央病院で実感したものです。ちなみに、タンパク質・塩分・炭水化物のグラム表示までされているのは、流石、病院ですね。

<国保旭中央病院 ランチ事情は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47267704.html
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食べ物関連には手厳しい?調理を日常としているお姉さん方も、ここの職員食堂の運営には、感心されていました。

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治療や健康診断で使用されるCTスキャンの機器を見学させていただきました。少ない放射線被ばく線量(胸部レントゲン検査と同じくらい)で、高精細なCT検査を実現できる機器です。事務長さんに説明いただきました。

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シーメンス社製 SOMATOM Forceという機器で、これまた一台数千万円!だそうです。毎日稼働中。

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CTと似て非なる、PET-CT。新村院長に、実際の画像を見ながら、がんを発見するやり方の説明を受けました。ざっくりいって、CTは、放射線を使って、切らずに体の輪切り写真を何十枚も撮影できる機械です。これに加えて、放射線を含む液剤を服用することで、それががんに吸着した姿を可視化するわけです。実際にがんの部位が、くっきり素人目にもわかり、機器の有用性が、体感できました。

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放射線を含む液剤は、1回分で数万円もするものだそうです。使用期限は当日のみ。健康診断を予約したら、必ず受診しないと薬がムダ(お金もムダ)になってしまいます。ドタキャンはダメということも体感できました。常磐病院さんでは、CT・MRI・PETを使った健康診断を積極的に提供しているそうです。市内の健康診断でこれだけの機械がそろっているところは、そうないと思います(ちなみにいわき市医療センターにも素晴らしい機器がありますが、原則として治療目的なので、健康診断は2次的)。

いわき市民の健康数値は全国平均と比して、かなり悪いという事実があります。特に肥満を要因とした生活習慣病は、問題。エビデンスとして確立されているわけではないですが、数年に一度は、人間ドックlや、CT/MRI等最新の機器を使って、体の状態をチェックしてみるのもありだと思います。

<いわき市の児童・生徒には肥満児が多いは、コチラ>
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ふたば医療センター附属病院 ドクターヘリから在宅介護まで

ふたば医療センター附属病院は、2018年4月に福島県が開設した2次救急病院です。双葉地域の二次救急医療の確保と広域的な総合医療支援が目的とされています。場所は、富岡町役場の道路向かい。富岡町の人口は約1万人(震災前)で、うち町内に帰還した方は、約800人といわれています。ちなみに半数以上の5000人あまりがいわき市に避難中です。現状、住民帰還率10%では、患者数があまりに少なく、とても民間医療機関は病院経営的にやっていけない。医療機関がなければ、住民は安心して帰還できない。そういった鶏が先か卵が先かの、不毛な議論に一石を投じるべく、福島県の英断?で、このふたば医療センター附属病院が開設されました。震災前には、双葉郡には福島県立大野病院がありましたが、現在再開の見込みは立っていません。その代わりといってはなんですが、県費を投じて作られたこの医療機関の開設費用は、なんと約24億円にものぼります。

<福島県立大野病院事件は、コチラ>
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・ベッド数:30(すべて個室)
・常勤医師:2名
・日中診療体制:医師4-5名(ほとんどが県立医科大学からの派遣)
・夜間診療体制:医師2名当直
・医療スタッフ:看護士30名(うち他自治体からの応援11名)、その他、薬剤師・放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士他
・診療科目:救急科、内科

直近1年間(2018.4-2019.3)までの外来患者数は2,700人強とのことですから、ざっくりいって、一日あたり約8人。一日8人の外来患者を4名の医師が診るので、かなり手厚い診療が受けられることは間違いありません。また平均入院患者数も4人弱とのことですから、これを30名の看護士が看ることなるので、こちらもかなり手厚い看護が受けられるでしょう。

これから町内帰還者数が増えてくれば、また状況も変わってくるのでしょうが、しばらくはこの状態が続くのかも知れません。設立由来が特殊ではあるものの、いわゆる普通の保険診療機関ですので、いわき市民であっても診療・治療・通院できます。いつも混雑している市内病院を回避して、こちらを受診するという選択肢も、ありでしょう。

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重量鉄骨梁ラーメン構造の建物は、積水ハウスの設計・施工だそうです。フレキシブルβシステムという構法で、わずか8か月で建てられたそうです。診療室は3室ありました。副院長先生のご厚意で、病院内部をご案内いただき、説明いただくことができました。

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なんと、病室は、すべて個室!です(差額ベッド代なし)。同等クラスの個室は、いわき市医療センターでは、8,640円/泊の差額ベッド代がかかります。これは、、、うらやましい。

<いわき市医療センター 内覧会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52731853.html
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なるたけ患者に(車いすでの利用も吹く看て)自力で歩いて貰うようにすることで、寝たきりを防止したいという意図を感じます。

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個室にはトイレがあり、赤くてデザイン性の高い手すり(外国製?)が取り付けられていました。特徴的なのは、ドアの開口部が広いこと。これならば車いすでも入りやすいし、介助者もやりやすいはず。

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リハビリ施設が充実していました。理学療法士・作業療法士さんが常駐していて、リハビリ室が広い!まだ利用者がほとんどいないそうなので、いわき市からリハビリに通院するのもあり、かもしれません。

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これから在宅介護にも力をいれていきたいそうです。二次救急病院が、介護やリハビリをやっていること自体が信じられない。

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機械浴の設備も最新のもので、利用者の体を機械でアップダウンさせることができるだけでなく、浴槽自体もアップダウンできるので、介助者が腰を曲げずに入浴介護できることができるという仕掛け。看護・介護人財不足の現状を少しでも改善できるかもしれません。こちらもまだまだ稼働率が低いので、どんどん来院してもらい、使って欲しいそうです。

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病室で囲まれている中庭には、富岡のイメージである、桜の木が植えられていました。

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病院食は、日清医療食品に委託して、院内で調理してもらっているそうです。

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看護ステーションには、大型モニターが設置され、特定の病室の患者の生体情報を逐一、観察できるようになっています。ある意味、これってICU機能ともいえる?

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24時間365日対応の二次救急医療は、簡易手術もできるそうです。直近一年間(2018.4-2019.3)の双葉地域の搬送件数は約900名、うち地域内の管内搬送が約500名、うち約450名を、ふたば医療センター附属病院で受け入れているそうです。住民はもちろん、原発関連作業員や、高速道路でのけが人等、いろいろな属性の方々が運ばれてくるとのこと。まさに、地域の二次救急に貢献していますね。

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へリコプターを使えば福島県立医大まで約20分、いわき市医療センターまではたったの12分で、患者を搬送できるそうです。ただ、ドクターヘリは有視界飛行ですので、天候不良時や夜間については飛行できない。

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放射線事故を想定した、除染室。基本は洗い流しと拭き取りをするわけですが、流し落ちた水はきちんと回収する仕組みになっていました。

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ふたば医療センター付属病院では、なんと!専属のヘリコプターを保有しています。運用は県立医大に委託し、既存のドクターヘリと連携して運航しているそうです。名前は多目的医療用ヘリとのことですが、実際の運用には医師が同乗することが多いらしく、事実上のドクターヘリといって過言ではない。2018.10から運用を開始し、2019.3までに35回ヘリ出動・搬送したそうです。ここから他病院へ患者搬送することもあれば、(ふたば医療センター付属病院とは関係なく)いわき医療センターから中通りの病院へヘリ搬送することもあるそうです。

通常、ドクターヘリの運用には、年間2億円がかかるといわれており、通常の病院では負担しきれない。これを病床数たった30床の公立病院が保有しているなんて、全国でも例のない取組みです。

<福島県ドクターヘリは、コチラ>
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ヘリポートから、ER室までは直線で数十メートル。ストレッチャーで上下階の移動なく、搬送できる。

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注)上記写真は、許可を得て撮影しています。

畠山靖夫先生 思い出の品

いわき市立総合磐城共立病院は、2018年12月に建替えが完成し、いわき市医療センターと名称変更して再出発しました。磐城共立病院の前身は昭和25年に、初代院長として畠山靖夫先生が作られた病院です。当初は50床でスタートし、最盛期には1000床のベッドを持つ東北有数の病院にまで、一代で育て上げた伝説の経営者です。辣腕経営+24時間265日診療のモーレツさ+金払いの良さ等の詳細は、小説「畠山天皇」に詳しい。

そんな畠山靖夫先生のメモリアル物が、市医療センター2階の一角にひっそりと展示されています。写真は、先生が愛用したといわれる聴診器(現物)です。年代物ですが、今でも使えるように完全保管されています。

<畠山天皇 いわき市名誉市民第1号は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/41499471.html
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実は、取壊し前の共立病院には、畠山記念室がありました。確かに古びた部屋でディスプレイにオカネはかけられていませんでしたが、記念品展示専用の部屋でした。あの部屋には、今展示されているもの以外にも、たくさんの思い出の品があったはず。開業当初?の「磐城共立病院の看板」や、今の医療センターが建っている旧第3駐車場に置かれていた「患者さんあっての病院の石碑」は、どこへいってしまったのでしょうか?

先人の活動やその思いを知ることは、その功績を単に顕彰するにとどまらず、現代に生きる自分たちのルーツを知り、感謝し、次世代につなぐ責任を感じるという意味でも、非常に大事なことだと思います。

<共立病院 秘密の畠山記念室は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/37068614.html
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名経営者であった畠山靖夫先生。平成元年にお亡くなりになっています。一度、お会いたかった。

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一般食堂@いわき市立医療センター

2018年12月に開院した、いわき市医療センター。建物だけでなく、医療機器が一新され、最新の医療が受診できるようになりました。各種アメニティも充実し、ローソン(コンビニ)、タリーズ(カフェ)のほか、2Fには、一般の方も利用できる一般食堂Bien Mall ビアンモールが入居しています。

<いわき市医療センター 内覧会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52731853.html
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このビアンモールは、横浜に本社を置く株式会社光洋フードサービスが運営していて、同様の店舗が全国各地の病院内で営業されています。市立病院としては、この会社に場所貸しをし、テナントとして入居してもらっている形です。壁を隔てた隣には病院職員用の食堂もあり(一般の方は利用できません)、一括して運営することで、厨房ひとつで運営しています。

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ランチセット650円~。グランドメニューの生姜焼き定食950円を注文しました。それなりの値段するだけあって、お肉の量もしっかりあります。ご飯は健康に留意してか、やや少なめ。全国チェーンのお店だけに、一般的なメニューは安定していますが、面白みに欠ける。それはまあ、病院レストランにオリジナル性や、特別なグルメを期待するわけでもないので、良いのかと思います。共立病院時代には、入居していた一般食堂は地元資本の経営だったので、メニュー構成にはかなり特色があった(お寿司カウンターもあった)一方、味つけは必ずしも一般的なものではありませんでした。個人的には、あのお店の親子丼が好きでしたが、これも時代の流行でしょうか。

因みに営業時間は、平日9:00-15:00、休日11:00-15:00の年中無休営業です。なので、ドクターがここで夕食や夜食を取ることはできず、院内だとローソンのコンビニ弁当、もしくはタリーズのサンドイッチ等になってしまいます。

過日に視察した千葉県の旭中央病院では、職員食堂オアシスが7:00から22:00まで営業し、日替わり定食、麺、パスタなど、温かくてヘルシーで安価な食事を提供しています。これならば、職員住宅から出勤して直接、朝食・夕食・夜食を取ることができますよね。さらには病院内に美味しいハンバーグ店も入居していますし、職員食堂の前には芝が貼られた中庭などもあり、職員のお腹と健康に配慮した設備でした。こういうのが医師招聘のツールといえるはず。

<国保旭中央病院 ランチ事情は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47267704.html
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お昼時にもかかわらず、お客さんの入りは、7割程度でしょうか。ハンデキャップの方に意識した?テーブル間が広く、車いすでも座りやすいような机でした。

そういえば、東京千駄木にある日本医科大学付属病院の職員食堂でも、朝食7:00-9:00am、昼食11:00-14:00、夕食16:00-19:00となっていて、何となれば3食とも病院内で、栄養が考えられた温かい食事をすることができます。これは、夜勤や当直の医師・看護師・職員にとって、非常にありがたいのではないでしょうか。若い医師などは、宿直等も多く時間が不規則になりがちですので、このような運用は職員の健康管理だけでなく、福利厚生に大きく貢献するのではないでしょうか。この点、現在の市医療センターの職員食堂は、お客の入り等の営業面を考慮して、実質的にランチタイムのみの営業の条件で、民間業者に営業してもらっていますが、営業時間の拡大について(病院側が一定のコストを受容して)再検討したほうがよいのではないでしょうか。

<日本医科大学付属病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/42789966.html
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1F入口横には、タリーズも入居。おしゃれな感じで気後れしてしまそうですが、タリーズで購入しなくても休憩スペースは利用できますので、遠慮なく座らせていただきましょう。こちらの営業時間は平日7:00-19:00、休日9:00-17:00と比較的長くオープンしています。

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オトクな医師修学資金貸与1600万円全額免除

いわき市では、医学部生を対象に、学校名を問わず月額23万5千円の奨学金を出す制度があります。これは、学費に充てようと、生活費に充てようと、飲食に使おうと全く自由、使途自由の資金です。医大に入学してから卒業まで、まるまる6年間借りると、総額1600万円を超える金額です。

しかも、この総額1600万円は、卒業後医師となり、いわき市立病院(現在のいわき市医療センター)に一定期間勤務すれば、なんと全額!返済免除されます!!!私立医大の学費は、6年間で2000万円~4000万円といわれていますので、学費のかなりの割合をカバーすることができます(なお、福島県立医大の学費は、6年間で400万円くらいなので、かなりの部分を生活費に充てられます)。

そんなオトクな、この医師修学資金貸与制度ですが、平成19年度に制度が始まって以来、新規貸付者が年々増加しています。要因としてこれまであまり積極的に周知していなかったことや、昨今の経済不況・賃金水準の停滞等があります。ぜひ医大に進学する方には、ぜひ利用して欲しいと思います。さらに付け加えれば、対象者は市内在住にかぎりません。市外の方でも、将来、いわき市立病院勤務希望であれば、OK。

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 一方、留意点もあります。それは必ず将来、いわき市市医療センターに6年間勤務しなければならないこと。卒業後の臨床研修、後期研修、専門医研修、通常の勤務いずれかで、常勤医師として6年間の「お勤め」をしなければなりません。まあこれは当たり前ですね。

では、勤務しなかった場合や卒業後2年以内に医師になれなかった場合、どんなペナルティがあるか確認しておきたいと思います。まず、受けた奨学金全額を一括して返済しなければならないこと。具体的には最大23.5万円×12ヶ月×6年間=16,920,000円です(実際には、貸付手続きに要する期間があるので、若干の差異あり)。これは当然として、当初貸付日からの追加利息の納入を求められます。その利率なんと年間10%!!!定期金利が0.01%もない今の時代で、これはなんとも高利貸しではないか。仮に卒業時に医師となることをなんらかの理由で断念した場合、上記の16,920,000円に加えて、利息6,821,159円を加えた、22,821,159円の一括支払いが求められます。どこかの時点で、もっと合理的な(低い)利率に条例改正を提案したいと思います。

<いわき市市立病院 医師修学資金貸与制度募集要項 は、コチラ>
http://u0u0.net/00ZO
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順天堂大学練馬病院 救命救急

ひょんなことから、順天堂大学医学部附属練馬病院の救急・集中治療科を受診する機会がありました。東京お茶の水駅前にある、順天堂醫院の支店です。RC造(免震構造)地上8階(地下2階)の建物、ベッド数400床の中規模ですが、24時間対応の救命救急センター機能を持っています。

<順天堂醫院のICUは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46166422.html
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救命・集中治療課には、医師13名(うち救急指導医2名、救急専門医5名、内科認定医7名)が所属。救急外来では専属の看護師と、救急救命士も配置されているそうです。いわゆるウォークインでの救急診療をいただいたのですが、複数医師に丁寧に診察いただき、ありがたかった。

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東京都ではこども救急の「#8000」だけでなく、東京消防庁がやっている急な病気やけがをした際に、「救急車を呼ぶか」「いますぐ病院に行った方が良いか」など、判断に迷った場合に、相談員(オペレーター)から電話やネットでアドバイスを受けることができる救急相談サービス「#7119」を運用しています。相談員の裏側には、看護士等が控えており、相談員(オペレーター)は内部で相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)等からアドバイスもらいながら、緊急度の判断をし、緊急度が高ければ救急車の出動要請をし、低ければ近隣の医療機関の案内をし、その他の相談は相談窓口を紹介するというもの。

とてもよい仕組みだと思いますが、2009年の制度化以降、導入は東京や福岡などいくつかの都府県・政令市等に限られています。課題はその運営コストと人材確保です。ちなみに導入済みの福岡県の場合、年間の運営費は約1億円かかり、看護師27人が交代で対応しているそうです。現在、いわき市の救急車搬送数に占める軽傷者の割合は、約4割もあり、それが、救急車の現場到着から医療機関搬送までの時間を延ばしてしまっています。この共通ダイヤルを導入した東京都では、搬送者に占める軽症の割合が実施前と後で比較すると数パーセント下がったそうです。より緊急性の高い人に救急車を利用してもらうためにも、この#7119は有効です。ぜひいわき市、福島県でも導入して欲しいと思います。

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第17回 いわきの医師を応援するお姉さんの会

いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援するお姉さんの会」。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画です。定期的に隔月で開催し、これまで16回開催してきました。今回第17回は2019年3月7日に、かしま病院さんのコミュニティホールをお借りして開催しました。

<いわきの医師を応援するお姉さんの会 拡大版セミナーは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52971110.html
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かしま病院さんでの開催は、2018年7月以来の3回目となります。お姉さんの会では、多忙なドクターと交流する機会を増やすために、なるだけドクター自身が参加しやすいよう、積極的に医療現場や病院本体へおでかけしていきたいと考えています。宮野由美子代表から、会の思いと今後の活動等にお話いただいた後、前回の対話の振り返りを行いました。前回開催時には、たくさんの参加者からご意見・コメントをいただいたので、それを集約化・グルーピングした後、追加・修正等、さらに厚みを増していきます。今回は「①いわきの医療はここが問題!」について、ぎっちり1時間討議。

<第13回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@かしま病院>
http://www.mikito.biz/archives/52170001.html
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竹下真紀子さんから差し入れいただいた、ブロッコリー、かぶの塩麹漬け、きゅうりの甘酢漬け、卵ポテトサラダ、煮物らがひとつのお皿になった盛り合わせが、目を引いていました。

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今回も日本酒、ワイン等の飲み物が充実していました。いわきの20歳の若者が、いわきで1年かけて作った「ハタチ酒」も登場!震災前まで浪江町の請戸地区にあった磐城寿も。藤原先生が、地元高知から持参していただいた坂本龍馬のお酒、初めて見ました!

<いわきハタチ酒は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53103972.html
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今回から初参加の方も何名かいらっしゃり、交流を深めていました。地域医療に貢献してくださるドクターに感謝する「お姉さん」だけでなく「お兄さん」も大歓迎です。

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いわきのベテラン麻酔医師の洪先生からは、OECD各国と日本の医療の比較や、いわきでの医師当直の実態、医師の思考や行動等、現実を踏まえた分析、ご意見をいただきました。大学医局を経て、大病院、いわきの病院、独立開業医としてのご経験から出るコメント等は、大変参考になります。

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インターンシップでいわきに来ていた20歳の大学生2名(いわき市出身)も参加し、いわきの医療の現状を学習していきました。いまはふるさとを離れていますが、地元の医療現状を知り、思うところがあったようです。

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小内友紀子先生は、東京にご家族を残しながら、常磐病院に常勤医師とし勤務されていらっしゃる泌尿器科のドクターです。医師不足に苦悩するいわきの医療を支えてくださっているキープレーヤーのおひとりです。地域医療に貢献するというやりがいのため、いわき・東京の二重生活をやってくださることに感謝です。

<常磐病院ダヴィンチはコチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46287853.html
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お姉さんの会は、情報交換・飲食の交流会だけでなく、毎回ドクターから有用なレクチャーを受けることができます。今回のテーマは、かしま病院総合診療科の家庭医 石井敦先生から、「新型加熱式タバコの脅威」についてです。

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新型加熱式タバコは、煙がでないけれども、健康リスクは大きく変わらない。さらには見えないだけに受動喫煙を防ぐことがより困難になってしまうとのこと。また健康リスク、具体的には医療費の増(心臓・肺・生活習慣病等全般)は、タバコ税の税収を大きく上回る。一説によると、日本全体のタバコ産業経済メリットが約3兆円、タバコによる社会損失が約6兆円であり、約3兆円の損失があるとされています。単にオカネの面だけでなく、タバコ健康被害が減少すれば、それだけ医療機関に受診する回数も減るので、医師の過剰労働解消にも寄与します。いわきの病院勤務医師数は、全国平均の約5割で、過酷な勤務環境にあります。その緩和に寄与することができるわけです。仮に全国の自治体にさきがけて、いわき市全体で禁煙を実現できれば、それこそいわきの医療費が大幅に削減され、医師も働きやすくなるはずです。

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禁煙外来のベテラン医師、みちや内科胃腸科 齊藤道也先生にも登壇いただきました。新型加熱式タバコからの見えない煙が、喫煙所からダダ漏れしている動画は、参加者の度肝を抜いていました。またタバコが多いパチンコ店内での受動喫煙状態が、そうでない場所との比較試験の結果は、明らかに健康被害が出ていることを示していました。

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新型タバコのウリは最大の弱点
・新型タバコの副流煙、呼出煙が有害であることは明らか
・新型タバコは煙、臭いは目立たないが、呼出される有害PM2.5、エアロゾルは大量である

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お姉さんの会は、美味しい手料理を差し入れてくださっているお姉さんらとともに、運営をお手伝いいただいてスタッフの方々に支えられています。感謝です。

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いわきの医師を応援するお姉さんの会 拡大版セミナー

いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援するお姉さんの会」。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画です。これまで定期的に隔月で開催し15回開催してきました。2019年1月26日に、第16回・特別編としていわき明星大学の大学会館をお借りして、「じっくり、いわきの医療を語ろう。」と題したセミナー開催し、今回も多くの方にご参加いただきました。

<第15回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52657882.html
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実は回を重ねるごとに、いわきの医療は予想を遙かに上回る危機的状況にあることがわかってきました。私たちが生きていく必要なライフラインである医療を、私たちが共に守り育てていかなくてはなりません。この特別編では現役医師の皆さんから生の声を聴き、学び、情報を共有し、そのアイディアで医療の現場を良くしていこうという趣旨での開催です。会の思いやこれまでの経緯等を、事務局の吉田みきとがお伝えし、これまでの活動を代表の宮野由美子さんから話していただきました。
第1部では、「いわきの医療の現状を学ぼう。」と題し、4人の現役医師から10分ずつ、いわき市の医療の現状をレクチャーしていただきました。これは第2部で市民が意見出しをするための有用な情報になります。

1.「いわきの救急医療の概要」   かしま病院 総合診療科 石井敦先生 
2. 「地域の二次救急病院の役割」  呉羽総合病院 院長 緑川靖彦先生 
3. 「ドクター増の取組み・いわき市医療センター心臓血管外科の場合」 
       いわき市医療センター 心臓血管外科 主任部長 入江嘉仁先生 
4. 「専門医療機関とかかりつけ医の連携について」 いわき市医師会 会長 木村守和先生 

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主催は、いわきの医師を応援するお姉さんの会とふくしまチャレンジはじめっぺです。共催に、いわき市・いわき市医師会・いわき明星大学・いわきプレーヤーズプラットフォーム実行委員会です。清水市長も冒頭挨拶だけでなく、第一部の講演を聴かれていきました。

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会場には多数の参加者とともに、テレビを含むマスコミ各社が取材にきていました。

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第二部 みんなでいわきの医療を語ろう。 です。ワールドカフェ形式をとり、全員参加型のアイデアだしです。それぞれのテーブルに参加者が移動し、15 分×3 回のグループディスカッション・意見だしをするというものです。

今回アイデアだしをしたテーマは、3つ。
①いわきの医療、ここが不満!!
(今の医療機関への不満点は?ドクター側の不満はどんなことか?どんな病院だと安心して診てもらえると思うか。)

②どうしたらいわきにお医者さんが増える?
(ドクターをどうやっていわきに呼び、定住してもらえるか。いわきの医学部進学者や医療関係者が増えて、いわきに戻って働くためには?)

③急に病気になった時、どうする? どう備える?
(救急搬送には時間がかかる現状。自分や家族などの急病に備えてできることは? 急病の時はまずどうする?)

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テーブルの置かれた大きな模造紙の上に、大きめのフセンで、アイデアをどんどん出していきます。最後に、テーブルごとのファシリテーターからまとめ意見発表がありました。

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医師不足には多くの複合的な要因が、歴史的に複雑からみあって現在にいたることがわかっています。したがって、その処方箋は安易なものではありません。医師不足に対する積極的な招聘活動は、一義的には各病院がその経営判断で、もしくは市役所が予算配分や要望活動等で果たすべきでしょう。しかしそれだけでは大きな医師数増加の実績につながらないことが明らかになっています。要はドクターに選ばれるまち・職場にならなければならないのです。ドクターに選ばれるまちになるには、市民・個人それぞれが自ら行動・貢献できることがたくさんあります。

次回開催は、3/7@かしま病院ということになりました。次回のお姉さんの会では、今回出た意見を共有し、To Do (私たちがすぐできること、すぐにはできないけどやるべきこと、要望)などを参加者で討議したいと思います。

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いわき明星大学 山崎学長訪問

いわきの医師を応援するお姉さんの会 代表の宮野由美子さんらと、いわき明星大学の山崎洋次学長を訪問、意見交換しました。

いわき明星大学は、1987年開学。当時、田畑金光市長が大学誘致に奔走し、明星学苑へいわき市が、土地を中央台の13万坪を無償提供しました。さらに建物建設資金の補助として、当時数十億円ものオカネが明星学苑に対して供与されました。当時は、人文学部・理工学部でスタートしましたが、学生数の減少に悩み、現在は、看護学部・薬学部・教養学部の3学部体制になっています。さらに2019年4月には、 健康医療科学部を新設し、大学自体の名称も「医療創生大学」に変更予定なのです。
すでに、看護学部・薬学部があり、それぞれ看護士・薬剤師を養成していますが、今後は理学療法士と作業療法士も、ここから巣立つことになります。まさに医療系の総合大学へと舵を切ったわけですが、その背景等を、自らも医師免許を持つ山崎学長にお話を伺いました。

<第15回 いわきの医師を応援する お姉さんの会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52657882.html
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開学後から約30年が経過し、その間少子化の影響から日本の学生数が減少を続け、学校経営を取り巻く環境が一変しました。さらに東日本大震災の影響もあり、このいわき明星大学も、新入生の確保に苦慮しているのが現実です。その中で、2016年には経営母体であった明星学苑から、切り離され法人分離しました。また日本最大の医療法人グループのひとつである「葵会」からの役員受け入れもしています。そんな外部経営環境・内部経営環境が激変する中、震災前から学長として経営判断をし続けている山崎学長の、真剣な思いを感じることができました。

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呉羽総合病院 いわき市南部の医療拠点

通称、呉羽病院は、現在約20名の常勤医が勤務するいわき市南部の救命救急の拠点です。14診療科、病床数239床でいわき市南部の中核病院です。設立は戦前の昭和14年、呉羽化学工業株式会社(現・株式会社クレハ)の工場内の事業所診療所。当初は工場職員専用でしたが、その後錦町民に広く開放され、現在は一般保険診療の病院となり、昭和44年から救急病院にもなっています。

緑川靖彦院長とお会いすることができました。院長職にありながら、通常の外来だけでなく、外科手術の現場に立つ現役バリバリのドクターです。いわき市南部で大怪我をしたら、緑川先生にお助けいただく可能性が高いです。

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30,000㎡近い広さ(磐城共立は約70,000㎡)の敷地に立つ病棟は、国道6号バイパスから遠く望めます。一方、その交通アクセスは必ずしもよいとは言えず、国道からは商店街の細い道を通って病院へたどり着きます。救急車も同様のアプローチなんでしょうね。

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新病棟は真新しく見えますが、平成12年地区ということで、建設してからもう20年以上も経過しているんですね。丁寧に使っていて、設備管理の良さが感じられました。

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A棟とB棟があり、連絡通路でつながれています。

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外来待合室は、シンプルです。

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小さな売店がありました。

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いわき市医療センター 免震装置改ざん

産業製品メーカーの「KYB」による、地震などによる建物の揺れを抑える免震・制振装置の検査データの改ざん問題が報道されたのは、2018年10月です。報道によると、データ改ざんしたのは、2000年3月から18年9月までに出荷された「免震用オイルダンパー」と「制振用オイルダンパー」の2製品。

改ざんの疑いがあるものは、全国にある計1,000件近くあり、2018年12月開業予定のいわき市医療センターも含まれています。新病院棟に当該免震装置オイルダンパー28基が使用されているもよう。「製造に係る記録データがないことから、全て不適合製品として取り扱う」ものとされ、市としてはメーカーに対し、速やかな交換を求めています。

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しかし、開業まであと1ヶ月しかなく、事実上、交換作業に間に合いません。国土交通省からは「不適合製品を設置した施設であっても、震度6強から震度7程度の地震で倒壊するおそれはない」との見解が示されたそうで、とりあえず、そのまま予定どおり、12/25開院させるもよう。技術的・工期的な課題もあるのでしょうが、早期の対応を継続して求めていきたいですね。

<油圧機器メーカーKYBによる免震・制振装置の検査データ改ざん問題報道は、コチラ>
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000742.html
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上記写真は、2017年10月11日に開催された、新病院上棟式・現場見学会時のものです。地下に設置された、問題となっている「免震用オイルダンパー」と「制振用オイルダンパー」。当時は、まさかこれが大問題に発展するとは思いませんでした。

<総合磐城共立病院 新病院上棟式は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50897402.html
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しかし不思議なのは、国土交通省からは「不適合製品を設置した施設であっても、震度6強から震度7程度の地震で倒壊するおそれはない」との見解。だったら、そもそもそんな厳格なダンパーの基準は不要だった(過剰なハードル設定だった)のでは?という疑問です。

確かに法令遵守・ルール遵守・コンプライアンスは、大事なことです。しかしそもそもそのルール自体の趣旨・目的が適切かつ合理的設定されていることが前提です。意味がない、もしくは時代の変遷でルールの意味が薄れてしまったものを、考えもなく、運用し続けていることのほうが問題ではないでしょうか。

<「法令遵守」が日本を滅ぼす 郷原信郎著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/29809983.html
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いわき市医療センター完成記念式典

いわき市医療センターが竣工し、完成記念式典が関係者を招いて行われました。式典終了後には、内覧会が行われ、普段は目にすることができない手術室や屋上ヘリポート等を見学させていただきました。

<いわき市医療センター 内覧会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52731853.html
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完成式典の主催はいわき市ですので、テープカットでは、いわき市長・病院事業管理者が真ん中に立ちます。その他、国会議員・県議会議員、工事関係者等も壇上に登っていただきました。

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完成記念式典の会場は、1Fに設置された講堂です。診療機能として日常的に使用される場所ではありませんが、職員研修や市民向け公開講座等に使用される見込みです。大規模災害時においては、廊下とともに、非常用ベッドも設置できるよう、配管等が設計されています。

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講堂の名前は「きょうりつ講堂」。昭和25年に旧平市並びに石城郡下29町村の組合立病院として発足し、昭和41年に、市町村合併が行われた際に、いわき市に移管されました。この歴史的経緯から、これまでいわき市立総合磐城共立病院、通称、「共立病院」と呼ばれてきました。かつては東北では有数の診療レベルの高さと、ベッド数(今は721床ですが、かつては1000床を超えていた時期もあった)が地域一番店であることから、長く市民に信頼されてきた「共立」。今回の建て替えで、その名前が消えてなくなってしまいますが、唯一、共立の名前が残るのは、このきょうりつ講堂だけだそうです。

現在は、そんな歴史的経緯を知っている人がいますが、10年も経つと「きょうりつ講堂」のきょうりつって何だ?という人も多くなってくるのでしょうね。

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式典終了後には各社マスコミが、院長先生にぶらさがり取材をされていました。晴れの舞台で院長先生も緊張気味だったような。

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いわき市医療センター 内覧会

建物が竣工・引渡され、12/25開業に向けて準備中のいわき市医療センターの内覧会がありました。一般市民向けに2日間だけ公開されたので、いわきの医師を応援するお姉さんの会のメンバーと一緒に見学してきました。

これまで15回、2年間にわたって、医師らとの交流・情報共有活動をしてきましたが、いわき市の最大の病院、いわき市立総合磐城共立病院の建て替えがどうなるかついては、非常に関心の高いテーマでした。

<第15回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52657882.html
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共立病院の建て替えコストについては、当初226億円で検討されていましたが、最終的には450億円近くの巨費を投じて、建設されることになりました。300億円以上の借金を背負っての開業ですので、ざっくりいって今後の20年間、毎年15億円の返済をしていくことになります。これまでも病院単体だけでは採算が合わず、市のお財布(一般会計)から補てんしてきているだけに、返済原資に余裕はありません。売上200億円に満たない会社が、300億円の借金を背負っているといえばイメージできるでしょうか。

医療機器だけで40億円も投資していることもあり、ほとんどの先進医療機器は、新設・更新されます(一部、現病院からの移設あり)。写真は、救命救急センターの設置された3台の処置室です。無影灯も1台設置され、相当の処置ができそうです。なおこれとは別に救命救急センター専用の手術室も新設され、こちらにも無影灯が設置されています。

<総合磐城共立病院 驚愕の建替えコスト増 226億円→343億円→402億円→449億円は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46264217.html
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共立病院の待ち時間の長さは有名です。3-4時間は当たり前。病院にかかるには半日空けておくというのが常識でした。新病院になってもスタッフ数が激増するわけではないので、待ち時間自体の大きな短縮は望めないと思います。しかしその待ち時間を(ある程度)予想できるようなシステムが導入されます。これまではナースに呼ばれるまで、待合室にずっと待機しなければならず、トイレにもおちおち行けませんでした。今後は、新病院各所に大きなパネルが設置され、自分の番がどこまで進捗しているのか把握できるようになり、呼ばれるまでほかの場所に行って時間を過ごすことができるようになるそうです。

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入院の部屋の基本は、4室の多床室です。新築ということもあり、清潔でやさしい雰囲気の部屋でした。これまでの病室は、6室の多床式だったので、部屋自体は広かったのですが、1ベッドあたり面積は小さかった。4室の多床室になったことで、部屋自体は小さくなりましたが、よりプライバシー重視になったといえるでしょう。

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特別床(通称:とくしょうしつ)という個室も、患者の任意で選択することができます。家族が宿泊できるようなソファベッド・シャワー・トイレがあります。ただテレビドラマ・ドクターXに出てくるような特別室、スイートルームのような広さやプレミアム感は一切ありません。ちなみに、一泊21,600円です。この他、シャワーがない通常の個室8,640円/泊もあります。

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新病院の医療機器の一つの目玉でもある、ハイブリッド手術室。主に心臓カテーテル手術等で使用され、患者の体をレントゲン等で透視しながら、同時にカテーテル手術をすることができるというもの。これまでも同様に機能はありましたが、機器が大きくグレードアップし、県内では福島医大と並ぶレベルになったそうです。

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医療機器の目玉である、CTとMRI。CTは320列という国内最高レベルのもの。価格は一台数億円とか。MRIはこれまでの1.5テスラという能力から、2倍の3.0テスラという能力になり、より精密かつ短時間で計測ができるようになるそうです。今後、新病院では人間ドック等にも力を入れていくそうですが、通常の診療業務の時間の他に、どれだけ人間ドックのための設備使用時間を振り向けることができるか、また人間ドックための専門のスタッフや動線を、経営者が本気で確保することができるかが、肝となります。

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2階のホスピタルストリートは、外来のメインのフロアです。今回の新病院建て替えにともない、制服も一新した看護士さんにご案内いただきました。2階の通路はとても広く、開放的です。注目は壁各所に設置されている小さなカラフルなパネルです。これは昨年、市民とのワークショップで制作された手作りのパネルだそうです。これをカラーアクセントとして、病院の壁各所に置いているのですが、これが殺風景になりがちな病院の良いアクセントになっています。

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新病院いわき市医療センターの英語表記は、Iwaki City Medical Center。

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医療従事者のユニフォームが一新されます。職種ごとに色分けがされていて、ドクターは青、看護士はえんじ色、コメディカルは濃紺、事務スタッフはグレーのチェック柄。患者にとっても一目で職種がわかるのはとても良いことだと思います。

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6階は、緩和ケア病棟があり、医療行為を最小限に抑えた終末期医療の患者が入院されます。安らか最後を過ごせるよう、屋上庭園が設置されます。やや規模は小さいですが、屋外に出ることができ、新鮮な空気を吸うことができます。ちなみに一般の方は、専用のカードがないと病棟に入ることができませんので、当然、この屋上庭園に自由に出入りすることもできません。

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新病院の屋上には、6トンもの重さに耐えられるヘリポートが新設されます。通常は、ヘリが飛んでくる時以外は施錠され、誰も入ることができない屋上ですが、内覧会ということもあり、屋上も見せていただけました。当然ですが、周辺には13階もの高層の建物はなく、内郷の街並みが一望できます。

新川沿いに、保険福祉センター・雇用促進住宅等が見えます。その先には、内郷高坂団地が見えます。ここは産炭時代には、ズリ山・炭住だった場所で、廃坑になり住宅開発されたもので、上空から見ると産炭時代の面影があります。

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東に目を向けると、遠く太平洋が望めました!

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開院前の貴重な内覧会に参加いただく機会をいただき、関係各位の努力に感謝します。また、いわきの医師を応援するお姉さんの会のメンバーとの会話を通じて、一般市民の新病院への大きな期待を感じました。これまでも医師不足で医療現場は疲弊してきました。新病院建替を契機に医療スタッフに選ばれるような病院・まちになっていきたい。医療現場で懸命に働く医療関係者へ感謝するとともに、一市民として協力していきたいと思います。

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第15回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2018年11月9日に、いわき駅前の夜明け市場タタキアゲジャパン コワーキングスペースで開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画の15回目で、今回も多くの方にご参加いただきました。今回初参加は、福嶋あずささん、田口信教さん、長谷川久三子さん、髙野冴子さん、鎌田真悠子さん、村澤朋世さんらです。

<第14回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52427135.html
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いわきで活躍する女性医師の藤原先生。Uターンし出産&子育て中。かしま病院さんで、ご夫婦で臨床現場の最前線で勤務されています。お子さん、大きくなりましたね。ご主人そっくりです。

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今回初参加の高梨さんは、フルーツアートデザインの達人。パイナップルやオレンジを素材に、カッティングと盛り付けで、美しい作品を差し入れていただきました。昭和58年の平工業高校軟式野球部の全国準優勝をテーマにした映画「それぞれのヒーローたち」が完成し、市内各地で上映会が開催されています。

<それぞれのヒーローたちは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/51329402.html
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初参加の長谷川久三子さん。本職は英会話の先生ですが、ハマコンではキャシーとして、議論を描く技術「ファシリテーショングラフィック」の担当として活躍されています。たまたまですが、背景に写っている「がっつり浜魂」の絵は、キャシーさんが描いたもの。 いわきの医師を応援するお姉さんの会の企画案は、ハマコンに登壇させていただいたのが、そもそものきっかけなんです。

<ハマコン(浜魂)登壇 いわきに若い医師を招聘したい!は、コチラ>
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今回提供いただいた料理は、、、、もち麦ごはんのおにぎり、ロールキャベツ、青菜と鶏肉の胡麻和え、豚肉の糀焼、青菜ときのこのお浸し(以上、宮野さん提供)、佃煮、株の塩麹漬け(中村さん)、カレーパン、チョコクレープ(立原さん)、揚げなし南瓜コロッケ(藤原さん)、フルーツアート(髙梨さん)、ローストビーフ(藤田さん)、いかにんじん(福嶋さん)等等、ずらっと個性的なお料理が並びました!

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福嶋あずささんに提供いただいた、いかにんじん。いわきの家庭料理として普及していますが、実はこれは福島県の郷土料理のひとつ。

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藤田美恵子さんから差し入れいただいた、肉の佐川のローストビーフ。限定販売だそうです。ほんのりと表面に振られた塩っけのおかげで、タレ不要。サシがほどよく入っていて、絶品のひとつでした。

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総合磐城共立病院の心臓血管外科部長の入江先生。共立病院の建て替え後は、いわき市医療センターと名称が変更されることが決まっています。12/24の入院患者の一斉引っ越しの準備でてんてこ舞いだそうです。建物は完成しても、医療機器をはじめとする設備、そしてそれを運用する医師やスタッフの熟度が問われます。今年当初まで、入江先生の血液血管外科チームはたった2人のドクター(入江先生を含む)でしたが、入江先生のさまざまなリクルート活動?が功を奏して、6人までドクターが増えたそうです。ぜひ他の部でも参考に活動してほしいものです。

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かしま病院の石井敦先生。毎回、このお姉さんの会に参加いただき、「変〇ドクターA」として盛り上げてくださるキーパーソンのおひとりです。今回は、喫煙の実害と、道端に落ちているタバコを拾う活動「拾活」について、プレゼンいただきました。タバコを吸うのは個人の自由という考え方もありますが、病気のリスクが高まり本人の医療費が高くなる(保険原資の一部は国民の税金)、その副流煙を他人が吸い込む健康被害リスク等を総合的に考慮すると、まずは禁煙に努力しましょうということ。

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いわき医師会の副会長を務められている、みちや内科胃腸科の齊藤道也先生も、喫煙の害について具体的な数値を示して話されました。たばこ自体が健康を害することは、統計的に証明されています。日本医師会の調査によると、日本の喫煙による死者は、毎年12~13万人とのこと。ちなみに、全国の交通事故死者は約4000人。圧倒的な差です。喫煙がなくなれば、増大する医療費も少なくなりますし、多忙な医療現場の過酷さが、軽減できるはず。

<日本医師会のHP、たばこ健康被害は、コチラ>
https://www.med.or.jp/forest/kinen/damage/
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初参加のいわき明星大学副学長の田口信教先生。1972年のミュンヘンオリンピックの平泳ぎ金メダリスト、ご本人です!体育専門の国立大学、鹿屋体育大学で勤務されていらっしゃいましたが、縁あっていわき明星大学に来ることになったそうです。

<田口信教選手 100m平泳ぎ金メダル(ミュンヘン五輪)の動画は、コチラ>
https://www.youtube.com/watch?v=vKf2iuI4_ww
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いわき麻酔と痛みのクリニック院長の洪浩彰先生。毎回参加してくださっている、いわき痛みと麻酔のクリニックの洪浩彰先生。市内の複数の病院で勤務されており、ひとつの病院にとらわれない、幅広い視点と経験をお持ちで、我々市民参加者に適切な医療情報を伝えてくださっています。

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今回、若手女性医師3名(予定を含む)に参加いただきました。髙野冴子さん(聖マリアンナ医科大研修医)、鎌田真悠子さん(慈恵医大研修医)、村澤朋世さん(福島県立医科大学医科4年)です。それぞれいわきでの研修期間は、一週間~一ヶ月と短いですが、お姉さん会の参加を通じて、いわきがドクターを温かく、楽しく迎える地域であることを、地元・大学に戻ってから同期や後輩に口コミしてほしいと思っています。

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お姉さんの会の主要メンバー、宮野さん、立原さん、片寄さん。いつもありがとうございます。

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栄養士の中村寛子先生。今回は、佃煮とカブの塩麹漬けを差し入れいただきました。

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常磐病院の小内友紀子先生は、ご家庭を東京に持ち、平日は常磐病院に勤務されている2地域居住型のドクターです。いかに女性医師が、家庭と仕事を両立させることが綱渡りであるかを書いたMRICのメールマガジンが話題になっています。特急ひたちに乗車する直前までご参加いただき、ありがとうございました!

<MRIC Vol.225 女性外科系医師の産みどき働きどきはいつか?は、コチラ>
http://medg.jp/mt/?p=8681
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次回は、山崎和子さんが事務局を務める福島復興塾との共同コラボ開催の予定です。1月中旬を目処に日程や場所を、鋭意調整中です。今後ともどうぞよろしくお願いします。

養生訓 貝原益軒著

貝原益軒は、江戸時代の福岡藩の儒学者。当時の平均寿命が40才前後といわれていたころに、84才まで生きた長寿者です。彼が83才のときに、これまでの長寿の秘訣を、その実体験を元にまとめたのが、この養生訓です。内容は、現代における健康ノウハウ本の元祖といういうべきもので、今でも通用することが多いです。長寿を全うするための身体の養生だけでなく、精神の養生も言及しているのが特徴。そして大事なのが、折角戴いた身体といのちだから、乱暴に扱わないで、大事に養生して天命を全うしなければならないということ。

人間の体は父母から生まれたものであり、天地をはじまりとしたもの。天地・父母の恵をうけて産まれ、養われた自分の体であるから、自分だけの所有物ではない。天地からいただいたもの、父母の残してくださった体であるから、慎んでよく養って、痛めないようにして、天寿を長く保つべきである。もっぱら父母・天地に孝を尽くし、人倫の道を行い、義理に従って、長生きをすることが、幸福の根本である。

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養生の視点からの、三楽。
○道を行い、善を積むことを楽しむ
○病にかかることの無い健康な生活を快く楽しむ
○長寿を楽しむ

その長寿を全うするための条件として、自らの内にある四つの欲を抑え、我慢する。
○あれこれ食べてみたいという食欲
○色欲
○むやみに眠りたがる欲
○徒らに喋りたがる欲

第14回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2018年9月7日に、いわき駅前の夜明け市場タタキアゲジャパン コワーキングスペースで開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画の14回目で、今回も多くの方にご参加いただきました。

<第13回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@かしま病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52170001.html
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この会にすでに複数回参加いただいている清水市長です。いわき市議の田頭弘毅議員も初参加。いわき市では、平成29年6月に「いわき市地域医療を守り育てる基本条例」を制定・施行しています。このような条例は東日本では初のもので、市・医療機関・市民それぞれが役割を果たしていくことによって、中長期的に医師不足解消を目指そうというものです。具体的には、市民に「か・き・く・け・こ」活動をしてもらいたい。すなわち、

「か」 かかりつけ医を持ちます‼ 感謝の気持ちを伝えます‼
「き」 救急車は適正に利用します‼
「く」 薬は正しく飲みます‼
「け」 検診を受けます‼ 健康づくりをします‼
「こ」 コンビニ受診はしません‼ です。

市内医師の負担を軽減し、より良い医療活動に専念していただくためにも、これからお姉さんの会で、この条例パンフレットを広める活動をしていきます。

国の調査によると、本市の医療施設に従事する医師数は561人で、人口10万人当たりの医師数は172.1人と全国平均を大きく下回っており、さらに、医師の高齢化も深刻となっています。なんと43市ある中核市のうち、いわき市は医師の平均年齢が最下位(最も高齢化が進んでいる)なのです。若い医師を呼び込むとともに、いまいる高齢医師の負担を軽減していかなくては、早晩、地域医療が立ちゆかなくなることは、必然です。だからこそ医師や看護師などの人的資源、病院や医療機器等の物質的資源など、「限りある医療資源」を大切に活用していくことが重要なんです。

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<いわき市地域医療を守り育てる基本条例パンフレットは、コチラ>
 http://urx.red/M3EU
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この6月から、いわき市医師会の新会長に選出された、木村守和先生にも初参加いただきました。医師不足に対して、早急に対策を打つべく、医師会内に早速プロジェクトチームを編成されたそうです。

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今回提供いただいた料理は、、、、炊込みご飯、油淋鳥、レバニラ、アロエサラダ、メヒコかにピラフ、うにピラフ、梅のウイスキー漬け、桃のモッツアレラ、葡萄等等。たくさんの料理の間の箸休めとしての手作りの漬け物が人気でした。

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福島県は日本酒鑑評会における金賞受賞銘柄数が5年連続で日本一になっていることもあり、回を重ねるごとに、グレードアップしていく日本酒。日本酒だけでなく、ワインもです。

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毎回参加してくださっている、いわき痛みと麻酔のクリニックの洪浩彰先生。市内の複数の病院で勤務されており、ひとつの病院にとらわれない、幅広い視点と経験をお持ちで、我々市民参加者に適切な医療情報を伝えてくださっています。

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酒寄ひろみさんは、手作りの梅ブランデー漬けを差し入れてくださいました。あまりに熱心に農業をしたせいか?腕が腱鞘炎になってしまったという、苦心の作です。

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容器カップは透明プラスチックですが、梅の色と、カップに白で書かれた英数字が、妙にお洒落でした。

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あぶくま鶏卵の波多野和茂さんは、本業の温泉卵の差し入れ。お姉さんの会と名称ですが、ドクターを応援したい!という思いの男性も大歓迎です。

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いわき駅前の酒店、あわのやさんの3代目女将さん、坂本由美子さんからは、おつまみを差し入れていただきました。

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前回、第13回お姉さんの会場を提供いただいた、かしま病院からは、中山先生ご夫婦で参加いただきました。生涯現役で地域医療をしていきたいとのこと。一市民として、こういった志のあるドクターを応援していきたいと思います。

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ニュータウン薬局をやっていらっしゃる竹下真紀子さんは薬剤師さんです。薬局の現場に立っている経験からいろいろな情報を提供いただきました。

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アイランド薬局の薬剤師、森泰裕さんも初参加。福島県知事賞を受賞した「雪小町大吟醸五十一号袋吊」という貴重な日本酒を差し入れ。

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回を重ねるごとに、お酒のレベルが上がっているような気がします。有り難いことです。。。

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東京慈恵会医科大学の研修医、杉浦圭さんも初参加。かしま病院で研修中のところ参加いただきました。ぜひ東京に戻られてから、いわきでこのような医師を応援するお姉さんの会があることを広めて欲しいと思います。

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共立病院の心臓血管外科 主任部長の入江嘉仁先生には、複数回参加いただいています。その度に医療現場の実情と改善案を話してくださっています。

<いわきの心臓血管外科の現状レクチャーは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52170001.html
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飲食あり、懇談あり、学習ありの和気あいあいの会でした。

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代表の宮野さんのご本業は、いわき健康センターの運営です。今年10月から、温浴施設を拡充し「温楽(オラ)」という、トレーニング施設をオープンします。そのコンセプトは、運動×お風呂×食事=健康づくりの新感覚ムーブメント。いわき初上陸!のサイクルスタジオ等が提供されます。市民の健康・福祉向上に資するという面では、いわきの医師を応援する会の方向性とも一致しています。

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新施設の「温楽(オラ)」では、栄養士の中村寛子さんの監修のもとに作られた高タンパク・低カロリーメニューが提供されるそうです。運動して汗をかき、お風呂でリラックスした後に、体を作る源となる食事を摂る。これで健康になるはずです。

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がんまんが 内田春菊著

著者の内田春菊さんは、58才になるにもかかわらず、現役の漫画家、脚本家、女優でもあり、バンドもやってしまうというスーパーマルチな才能をお持ちの方です。そんな方が、自らの大腸ガン発見と、ガン摘出手術、人工肛門設置について、実体験をマンガにしたものがこれ。

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56歳で直腸がんが見つかり、翌春に人工肛門(ストーマ)を造設するまでのストーリーなのですが、内田春菊さんの、人とはちょっと違うキャラクターによる、面白さがあります。なんせ、結婚は3度し、離婚も3度経験、子供は4人いて、いまは第2子から第4子までと暮らしているという、波瀾万丈の人生(おそらく本人はそう感じていない)。56才にして年下の恋人がいて、がんが発見されたのはその彼と別れたばかりだったそうです。

近い親戚と知人が大腸がんで、ストーマを装着することになっていて、彼/彼女が感じた/感じていることを、マンガを通じて疑似体験できます。なかなかストーマ装着がイメージできない、一般人には貴重なモノだと思います。このマンガは、がん発見からストーマ装着までのストーリーですが、ストーマを装着しての生活は続編「すとまんが」が予定されているそうです。こちらもぜひ読みたい。

闘病中も、演劇の仕事で、いわきのアリオスに来市するシーンも描かれていて、こちらの要チェック。


第13回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@かしま病院

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2018年6月28日に、かしま病院コミュニティホールで開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画の13回目で、今回も多くの方にご参加いただきました。

<第12回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52016619.html
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いわき市立総合磐城共立病院の血液血管外科部長を務める入江嘉仁先生も、前回に引き続き参加いただけました。入江先生は、米国留学後に母校の獨協大学でお務めでしたが、いわきの血液血管外科の医師不足を見かねて、この地域の医療水準を上げようと志願されて、埼玉のご自宅に奥様を残されたまま、いわきに単身赴任されている、「志」のあるドクターです。

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入江先生のチームは、年間300件以上の心臓手術を手がける、浜通りの地域医療を支えるキープレイヤーのひとりです。福島県の中通りや会津地方には、心臓血管外科を持つ病院が複数ありますが、浜通り地方・北茨城地方には、この共立病院だけなのです。この地域の心臓外科手術を、すべてひきうけているのが、入江先生のチームなのです。そして驚くべきは、手術日が事前にわかっていて準備が整っている定期手術が約1/3で、残りの2/3は、臨時手術や緊急手術で、その日当日に手術が決まるというもの。いつでも手術が可能なよう、普段から心の準備をしておくプレッシャーは、一般人には想像が難しいです。

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そんな入江先生の血液血管外科チームですが、今年当初まで、たった2人のドクター(入江先生を含む)でやっていて、てんてこ舞いの状態が続いたそうです。その後、入江先生のさまざまなリクルート活動?が功を奏して、5人までドクターが増えたそうです。

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驚くべきは、5人の血液血管外科のドクター全てが、単身赴任中の男性であること!これはとりもなおさず、これまで、いわき出身・共立出身の若いプロパードクターの養成がうまくいってこなかったことの証左でもあり、これを反省材料とし、行動プリンシプルを改善していかなければならないでしょう。ともあれ、5人の単身赴任男性医師が集まれば、夕方には「夕飯に何にするか?」の話題で盛り上がることがしばしばだそうです。まさに、自らの手料理を持ち寄り、お腹を空かせたドクターに報いたい!という、この「いわきの医師を応援するお姉さんの会」の趣旨に、バッチリですね。

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この「お姉さんの会」は、手料理を持ち寄って、共に美味しく食事をし、お酒等もいただく、大変に楽しい会ですが、それだけではありません。毎回必ず、医療業界やいわきの医療について、いろいろなドクターからレクチャーを受け、学習し、またドクターも一般人と交流することにより、一般人が持つ情報量やとらえ方等を知ることができるのです。入江先生のレクは、大変わかりやすく、いろいろな意見交換がなされました。

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入江先生は、外科医となり数十年の診療経験を持つ大ベテランですが、いわき赴任して、まだ数年の新参医師です。そんなベテラン医師が、フレッシュな外部視点で、いわきの医療及び共立病院の現状を見ると、いろいろな気づきがあるそうです。それを踏まえて、ドクターをこの地に招聘するための案として、年齢・技量水準ごとの施策には、参加者一同、頷くことばかりでした。

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お姉さんの会の代表、宮野由美子さん自身、また肉親者も共立病院にお世話になった経験や、共立病院のドクターに提供されている、いわゆる医師住宅の現状を視察しての感想等を話されました。志あるドクターの活動に、どうやって報いることができるかという視点です。

<動画は、コチラ>
https://youtu.be/0rZp1EmnwJg
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お姉さん方から提供いただいたメニューは、以下のとおり。どれも彩りよく、美味しくいただくことができました。

さけの混ぜご飯、ヨーグルトゼリー(立原さん)、豚と大根と卵の煮物、キアヌサラダ、しそジュース(赤津さん)、焼き菓子(長谷川さん)、ステーキ、しめじの炒め物(中山さん)、かまぼこ、ピクルス(山崎さん)等、その他にも紹介しきれなかった方、ゴメンナサイ!

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飲み物も、ジュースの他、日本酒・ワイン等のアルコールも充実。これだけの種類の日本酒が集まる会というのは、他にないでしょう(断言?)!リードしていただいているのは、ふくしま日本酒.nomの山崎さんと、かしま病院の石井敦先生。

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医療レクチャーの後は、くだけた懇親会です。普段なかなか交流する機会のないメンバー同士ですが、美味しい料理に顔がほころびます。

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今回、かしま病院のコミュニティホールを会場として提供くださった、中山先生ご夫妻。いつもご協力、ありがとうございます。

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かしま病院の総合家庭医の石井先生と藤原先生の師弟コンビ。息のあったやりとりは、病院内の風通しの良い雰囲気を体現していると思います。

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かしま病院のスタッフさん、研修医さんも参加いただくことができました。

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麻酔の大ベテランの洪先生にも、毎回、お世話になっています。いわきの医療の現状を、しっかりデータで把握し、その上で何をすべきかを自ら行動されているドクターの一人です。

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今回初参加のドクター。一人暮らしだそうで、余った料理を(明日の朝食とすべく)お持ち帰りされました。お姉さんの会は、こうしたドクターらのお腹を温かい手料理で満たしたく、今後もたくさんの機会で提供していきます!

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平成30年6月アロハ議会 一般質問(安心の地域医療)

安心の地域医療について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
<動画は、コチラ>
http://u0u1.net/KMcb
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(1) 総合磐城共立病院の研究機関としての役割について
研究機関としての役割について
総合磐城共立病院は、700床のベッド数を持ち、いわき市一番店であるのはもちろんのこと、各科において浜通り全域そして北茨城地区の医療を支えている大医療機関であります。臨床実績を重ねていくことで、地域医療の進歩に役立てていくというまちなかのクリニックにはない社会的使命も持っていると思います。医学の研究機関として代表的なものは大学病院がありますが、いわきには大学病院がなく、大学病院に匹敵するベッド数を持つ総合磐城共立病院こそがその役割を担うべきだし、その能力もあると思います。ついては、共立病院の研究機関としての役割について、どのように認識し活動されているか伺います。

(病院事業管理者)
 当院は、高度急性期を担う地域の中核病院として、良質な医療の提供に努める一方で、喫緊の課題である医師不足の解消を図るため、寄附講座の設置や東北大学大学院との連携講座の設置により、教授クラスの医師を招聘するなど、当院の研究・教育機能を高め、医師の確保・定着を目指してきたところであります。
 このうち、東北大学大学院との連携講座においては、これまで、消化器内科や消化器外科など5つの診療科において、医師7名が、客員教授等に任命されるなど、研究機能の強化が図られてきたほか、本年3月まで消化器内科に勤務しながら当講座に在籍していた医師が、新たに学位を取得するなど、教育面においても、着実に成果を上げてきたところであります。
 今後におきましても、医療水準のさらなる向上を図る観点から、当院の研究・教育機能をより一層充実させて参ります。

(2) 総合磐城共立病院の医師支援体制について
いわき地区の医師不足についてはこれまでもたくさん議論されてきました。諸施策ありますが、やはり医師が働きたくなる職場、住みたくなる街となることこそがその本質だと思います。震災前から減少を続けてきた共立病院の常勤医師数ですが、一方、幸いなことに、いわきの医療に貢献したいと考えいわきに移住してきた志のあるドクターが増えてきたとも実感しております。そこで現在の共立病院の常勤医師数を伺います。

(共立病院事務局長)
 常勤の呼吸器科医が着任するとともに、産婦人科や整形外科など、複数の診療科で増員が図られたほか、所期臨床研修医も増加したことによりまして、本年4月1日現在の常勤医師数は、昨年度の同時期と比較して10名増の127名の体制となっております。
 これは、これまで行ってまいりました大学医局等への働きかけをはじめとするさまざまな取組みの成果であり、新病院の開院を控え、医師の確保・充実に明るいきざしが見えてきたものと考えております。

ここにきて常勤医師数が増加に転じたことは、これまでの諸施策の効果が現れてきたのだと思います。まちなかでは、以前として開業医の廃業が続いておりますが、一方、新規に市外から移住していたドクターもおり、そういった方々の志に応え、温かく受け入れ、真に彼ら彼女らが活躍できるような場づくりをしていくことこそ重要だと思います。

医者としての支援
ドクターは診療行為をすることが第一の仕事でありますが、その多忙さ、また勤務時間の長さは、全国的な課題となっています。それを本質的に解消していくには抜本的な対策が必要ですが、その医師が気持ちよく働く医療現場を提供する方法はいくつかあると思います。

(ア) 医師の希望する医療機器の購入について
ドクターの多くが、患者のため地域医療のための理想の医療を実現しようとします。その実現のために医師が必要と考える医療機器はどのように、磐城共立病院で調達していくのか伺います。

(共立病院事務局長)
 医師が診療上の必要性から特定の医療機器の購入を希望する場合、所属する診療科内の合意形成を図ったうえで、院内の医師を始めとする医療スタッフ等で構成し、副医院長を委員長とする「器械備品整備委員会」に対し、機器の必要性や導入効果などを記載した「購入計画書」を提出することとなります。
 当該委員会におきましては、この計画書の内容について、有効性や安全性、効率性のほか、経済性等の視点から審査を行うとともに、予算の執行状況等を踏まえ、機器導入について決定し、その後、原則として指名競争入札の手続きを経て、購入することとなります。

(イ) 医師の希望するコメディカルスタッフの配置
ドクターの多くが、患者のため地域医療のための理想の医療を実現しようとします。その実現のために医師が必要と考えるコメディカルスタッフはどのように、配置されるのか伺います。

(共立病院事務局長)
 コメディカルスタッフの確保につきましては、診療報酬の改定や地域医療構想など病院経営を取り巻く医療環境の変化等を見極め、中長期的な視点に立ち、新病院における全病棟への薬剤師の配置や、リハビリテーションの充実等に向け、計画的に増員を図ってきたところでございます。
 その結果、コメディカルスタッフの人数は、近年の状況で申しあげますと、各年4月1日現在で、
平成27年度155名
平成28年度166名
平成29年度175名
平成30年度186名と
着実に増員を図られてきたところであります。

委員会等で検討するという答弁ですが、異なる診療科もしくはバックオフィス部門には、専門性の相違等により当該診療科の主張する機器やスタッフの必要性が適切に伝わらないかもしれません。委員会等のメンバーにはぜひ、機器やスタッフを理解できるメンバーをそろえていただくことを要望して次の質問に移ります。同時にドクターの負担軽減のため、そうした委員会活動等を含めた間接時間、すなわち診療行為以外の時間を効果的・効率的にすすめていただくよう要望します。

(ウ) 医師事務作業補助者の配置状況
医師は、外来患者の診察だけでなく、入院患者のフォロー、カルテ作成、各種報告書作成、コンファレンス、勉強会、お泊まり当直、急患のフォロー等多忙です。医師以外でもできることは、他職種に任せるというのが、医師多忙解消の選択肢のひとつです。そこで医師個人また医局の事務作業を補助するスタッフを充実すべきと考えます。そこで医師事務作業補助に対するスタッフ体制を伺います。

(共立病院事務局長)
 当院におきましては、診断書等の医療文書の作成補助や、診療録への代行入力等に従事する医療事務作業補助者を平成20年度から臨時・嘱託職員として採用し、医師の事務負担の軽減を図っているところであります。
 これら補助者につきましては、医師の要望を踏まえ、または業務量を勘案しながら、必要な人員を確保しているところであり、近年の状況で申し上げますと、各年4月1日現在の人数は、
平成27年度24名、
平成28年度26名、
平成29年度31名、
平成30年度は33名と、年々増加しているところでございます。
 
先日、共立病院のある医局にお邪魔し、ドクターから直接利用現場のお話を伺う機会がありました。そのときなんとドクター自ら、私にお茶をいれてくださったんです。大変恐縮でしたが、そういう補助スタッフさえも配置できない状況というのをぜひ、解消していっていただきたいと思います。

(エ) 二重生活を送る単身赴任医師に対する経済的支援
常勤医師が増えている要因のひとつに、東京・仙台等に自宅を構え家族を持っているにもかかわらず、いわきの医療事情を知り、地域医療に貢献したいという志を持って単身赴任されているドクターの存在があります。この場合、東京・仙台等といわきの二重生活には二重のリビングコストが発生します。こういった単身赴任医師に対する経済的支援を伺います。

(共立病院事務局長)
 様々な事情により、やむを得ず家族と別に生活するいわゆる二重生活を送る単身赴任医師に対しましては、その経済的負担を軽減するため、いわき市病院企業職員の給与の種類及び基準を定める条例に基づき、単身赴任手当を支給しているところであります。
 なお、医師に対しましては、当院の近隣に、安価で医師住宅を提供することにより、経済的負担の軽減に努めているところでございます。

単にオカネだけの問題ではないと思います。よく聞くのは、食の問題です。在京の奥様は、まずはご主人の健康を慮っていわきへの単身赴任を引き留めるのだそうです。すなわち医師としての激務に加え、単身赴任なので食生活の乱れ、具体的にはコンビニ弁当ばかりの生活で健康を害するのではないかと慮るのだそうです。先般、千葉県旭市にある国保旭中央病院を視察してきました。かつては市立病院でしたが、2016年4月から、非公務員型独立行政法人に移行した病院です。一般外来から高度医療までをカバーし、第1次救急から3次救急まで、年間約5万人の患者を受け入れる千葉県東総地域の基幹病院です。一般病床ベッド数は763床、所属する常勤医師は250名以上です。共立病院と同規模で、かつ都心から電車で2時間以上もかかる場所にもかかわらず、常勤医師は250名、共立病院の2倍も在籍している理由は謎でした。その背景には、月曜から金曜まで旭中央病院に勤務して高度医療に携わり、週末に東京・横浜等の自宅に戻るというドクターが多数在籍しているからです。それができるのは、多数の医師マンションを病院敷地内に持ち、それが医師村を形成し、いろいろな情報が共有化されドクターの入替えサイクルに寄与しているためだと思います。直近の医師マンションは、病院敷地内に10階建て100戸を超える規模で、22億円を投じて新築されるほどの気配りです。そしてドクターの食は、病院敷地内の職員専用食堂や併設の民間レストラン等で、朝昼晩、診療の合間に立ち寄って食べることができるそうです。こういった取組みが、ドクターの奥様も納得させ、快く送り出してくれることにもつながっています。単なる単身手当というオカネだけでなく、ドクターの志に応え、またそのご家族の不安を取り除くためにも、心を砕いてくださるよう要望します。

科学者としての支援
ドクターは、診療行為を積み重ねていくことで、地域医療に貢献する知見を得、それらを論文にまとめ、さらにそれらが臨床に応用されていくという科学者としての使命もあります。すなわち診療結果ひとつひとつが医学研究につながっていき、それが再度、将来の医療水準の向上につながるというものです。
(ア) 論文作成や技術習得に向けた環境整備
ドクターの論文作成や技術習得の機会のための、図書費・研究費等をどのような形で提供しているか伺います。

(共立病院事務局長)
 当院におきましては、医師の論文作成や、専門的な知識や技術の習得に向け、外国雑誌などの学術図書の充実を図るとともに、論文や最新の医療文献などを閲覧することができる有料のインターネット検索ツールの導入等の環境整備を図ってきたほか、学術医療の向上に向けまして、優れた論文を発表した医療従事者の功績を称える「畠山靖夫奨励賞」を創設し、表彰を行ってきたところであります。
 また、東北大大学院との連携講座に入学し、当院に勤務しながら、博士号取得を目指す医師に対し、論文作成の指導等を行う上級の医師を対象に新たな手当を創設するなど、指導者のモチベーションの維持やその指導力の向上も図ってきたところであります。

ドクターの学習の機会を支援し、医療水準に向上につながる活動がしやすい場づくりを、ぜひお願いいたします。

(イ) 国内外学会への出張旅費の支給
共立病院のドクターが国内外学会に出席する際の、出張旅費に関する規定を伺います。

(共立病院事務局長)
 学会への参加につきましては、診療業務とは異なるものの、新たな知識の習得等による医師としてのスキルアップなどにつながることから、国内での開催に限り、一定の上限のもと、出張旅費を支給しているところであります。
 また、当院の医師が国内の学会に参加し、研究成果や論文の発表を行う場合は、それらの発表を通じて、当院のPRにもつながりますことから、先ほど申し上げました上限とは別枠で、出張旅費を全額支給しているとことであります。
 なお、国外の学会への参加に対しましては、予算上の制約もありますことから、出張旅費の支給は行っておりませんが、参加登録料を病院が負担するとともに、学会への参加に必要となる期間について、職務に専念する義務を免除しているところであります。

さて、答弁から海外の学会出席に対しては海外出張旅費規定がないということがわかりました。一刻も早く、海外出張旅費規程を整備し、若いドクターが海外で学会発表でき、経験が積めるような場づくりを要望いたします。
また、論文発表や手術件数に関するドクターへの積極的な評価もしていただきたい。何をいいたいかというと学会での論文発表や、実施した手術件数は、院内の待遇面での評価には直接つながらない活動ですが、実は中長期的に共立病院のブランド価値向上に資するからです。例えば、質の良い論文を継続して発表していれば、単なる臨床だけの病院ではない研修先として若い医学生は注目しますし、中堅の指導医の視点からは共立病院は支配下の若いドクターの研修先のひとつとして注目されることになるからです。また手術件数は、巷の週刊誌がしばしば特集するように、手術件数は一般の方々が医療機関を評価する際の大きな指標のひとつであり、仮に毎回、週刊ダイヤモンドやプレジデントで共立の手術件数が取り上げられれば、これほど強力なPRはないからです。ぜひ、論文発表や手術件数に関するドクターへの積極的な評価もしていただきたいと思います。

教育者としての支援
医学教育は、医療機関での実地にあるといわれており、見て覚えるいわゆる徒弟制度が今でも残っている世界であります。そこにおいて指導医の役割は大きく、今でもそのパーソナリティに負うところは大きいですが、組織としてもその教育支援をするべきだと考えます。

(ア) 医局内勉強会等の自主的な学習に対しての支援
ドクターは診療時間終了後、新しい治療法や最近の傾向等を日々勉強しています。また査読会といって最新の論文の解釈をお互いに発表する勉強会を定期的にやっています。それは、日々医療が進歩しているからです。西洋医学は、16世紀のオランダの解剖学者ヴェサリウスから始まると言われていますが、これまで数百年にわたり積み上げられてきたその医療情報の量は、実は、直近で調査・発表された医療情報の数年分の量程度にしか過ぎないと言われています。すなわち自らの医局内で主体的に勉強会を主催し医療情報のアップデートを行わなければ、後退こそしないものの、他の自治体に比べて、医療レベルが周回遅れになってしまいかねないのです。だからこそ、診療時間後であっても継続学習が必要なわけですが、どのように医局内勉強会を支援しているか伺います。

(共立病院事務局長)
 当院におきましては、医師が診療時間外においても自主的な勉強会等を実施できるよう図書室や会議室等が自由に利用できる環境を整えているところでございます。
 さらに、院外から教授クラスの指導者を招聘し、病態に応じた適切ながん医療を提供するため、様々な職種の職員が参画するキャンサーボードや、緩和ケア研修会を開催するなど学習機会の提供にも努めているところであります。

医局運営者としての支援
部長級のドクターは、自分の医療チームを率いる立場にあります。いわゆる医局と呼ばれる単位ですが、その単位の中で、最適な医療を実現するために、チーム員を鼓舞し、中長期の観点から若手を育て上げ、また将来の人員計画・リクルートも数年先まで見越して行う役割があります。

(ア) 各医局運営を担う医師の権限
このように非常に意義のある役職である部長級のドクターですが、医局運営・スタッフに関する部長の権限の現状を伺います。

(共立病院事務局長)
 当院におきましては、診療科ごとに責任者となる医師を「主任」として配置し、診療科内の円滑な運営や、所属医師のモチベーションの維持・向上に努めていただいております。
 その具体的な役割といたしましては、同じ診療科内の医師の勤怠管理をはじめ、外来の診療や入院患者の受入れ体制の構築に加え、医療機器の購入計画の立案や、医師派遣の要請を含む、大学医局等との交渉などがあげられます。

(イ) 医局運営費の提供方法
部長級のドクターに関しては、非常に重要な役割があるわけですが、必要な経費や研究費等の機動的な支出が求められるケースが多かろうと思います。これに対応するため大学病院の医局では医局運営費という独自の勘定を持って、運用されています。これがカバーするのは医師の研修費や旅費支出のみならず、他病院からの医師リクルート活動や関係性構築のための活動コストも含まれます。今や共立病院の医師リクルート招聘活動は民間病院・大学病院と同じ土俵の上でやっておりますので、競争上不利とならないよう、弾力的かつ機動的な運営を要望いたします。

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注)上記記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。 

第12回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2018年4月26日に、夜明け市場のTATAKIAGE JAPANコワーキングスペースで開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画の12回目で、今回も多くの方にご参加いただきました。

平地区で整形外科を運営されているドクター長谷川徳男さんご夫妻も参加いただけました。自ら医院を診療・経営する一方、いわき医師会会長という公職もこなされ、多忙な中、お時間を割いていただけました。長谷川整形外科さんは、個人病院ながら年間100件近くの救命救急搬送を受け入れており、いわきの地域医療を支えるキープレイヤーのひとりです。

<第11回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/51588916.html
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美味しい手料理に舌鼓をうちながら、情報交換していきます。

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今回、2回目の参加となる総合磐城共立病院のドクター、入江嘉仁 心臓血管外科部長。自らプレゼン資料を準備いただいて、いわきの医療の良い点・課題・解決手法等の私案を説明いただきました。入江先生は、獨協医科大学の教授を務められた方で、米国カリフォルニア大学で心臓移植を学ばれた方です。浜通り地区には心臓血管外科医は入江先生のチーム(ドクター3名)しかなく、(緊急手術を含めて)年間300件近い心臓手術をこなされている、いわきの地域医療を支えてくださっているキープレイヤーのひとりです。

<ここまでできる共立病院 心臓血管外科は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/32073682.html
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ユーモアも交えながら、非常に内容の濃い発表でした。改めて入江先生の活動に敬意を表するとともに、一市民としてどのように入江先生をはじめとする地域医療に携わっている方々に貢献していったらよいかを考える機会となりました。

個人的には、「心臓外科医のあるべき姿」から、現状の課題を洗い出したリストが心に刺さりました。また「心臓外科医を集める」スライドからは、専門医・指導医については、ドクター本人の東京自宅といわき単身赴任という二重生活が発生することへの心理面やコスト面でのフォローや、いわきに来るそもそものインセンティブ等、本質的な課題が浮き彫りとなり、小手先の対策ではなく、本気で取り組まなければ好転しないということも、改めて認識しました。

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手料理を持ち込んでくださったお姉さん方からは、手料理の説明をいただきました。みなさん、得意分野がそれぞれ違うので、いつもバラエティに富んだメニューになっています。

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今回提供していただいたのは、ぬか漬け、イチゴとリンゴのパンケーキ、イカニンジン、山菜の天ぷら、オードブル、お饅頭等です。個人的には、酒粕ディップラディッシュ添えが、素材の味+ソースがワインと見事なマリアージュでした。

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かしま病院の名物ドクター、○態ドクターAとドクターFの総合家庭医の師弟コンビによるプレゼン。いつも、するどいご指摘や新しい情報に感謝します。かしま病院さんも、最も多くの救急救命搬送を受け入れている私立病院のひとつです。ある深夜には、救急車が同時にかしま病院に3台並んだこともあるそうです。

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いつも、硬軟あわせた話題満載ですが、それぞれが新しい気づきや、自らの行動に移せるような情報を持ち帰りました。

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ドクターは市民と溶け込んで情報提供し、市民は医師のプロフェッショナルな仕事に敬意を示し、感謝していく姿勢を持つことが、地域医療崩壊を食い止めるまず第一歩です。それがドクターにとって地域医療に最善を尽くすインセンティブを引き起こし、中長期的に医師定着につながってくると信じています。心のこもった美味しい手料理とアルコールが、市民とドクターの垣根を取り払ってくれました。

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第11回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2018年2月23日に、夜明け市場のTATAKIAGE JAPANコワーキングスペースで開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画の11回目で、今回も多くの方にご参加いただきました。

<第10回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@かしま病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/51158387.html
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この「お姉さんの会」の代表を務めてくださっている宮野由美子会長からご挨拶。いわきの救命救急センターにお世話になった自身の経験からも、地域医療を守り育てることに、自分たちのできることを精一杯やっていきたいとのことでした。今回も、仲の良い美人姉妹?で参加いただき、いつものとおり大人気でした。

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福島労災病院 泌尿器科の小内先生は、第7回のゆしまや保育園開催に続き、今回2回目の参加。東京から単身赴任してきた経緯や、常磐病院から労災病院へ移動した経緯、そしていわきの医療に対して感じていること等、ざっくばらんにお話いただきました。

<第7回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@ゆしまや保育園は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/49864566.html
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同じく福島労災病院 リウマチ膠原病内科の佐々島先生も初参加。リウマチ膠原病は、メジャーではないかもしれませんが(共立病院にも常勤医師なし)、内科疾患の中でも診断が難しいといわれていて、いわき出身の佐々島先生は、貴重な人財です。

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今回、各お姉さんからご提供いただいたお料理は、愛情こもった、栄養バランスに優れたメニューでした。20品近くのごちそうは色とりどり、目移りする献立!スゴイ!

根菜の煮物、鶏肉のトマト煮、浅漬け、油淋鶏、アンコウ共酢(宮野さん)、煮込みハンバーグ(北瀬さん)、いぶりがっこ入りポテトサラダ、発芽玄米、混ぜご飯(竹下さん)、ねったぼ(中村さん)、日本酒、丸又かまぼこ(山崎さん)、日本酒、ワイン(白岩さん)、ポテトサラダ、レバーペースト、卵焼き(赤津さん)、奥の松しぼりたて(石井さん)、自家製無農薬大根のひきな炒り、日本酒(藤原さん)、ビール(田子さん)、いわき夢ワイン(橘さん)、各種飲み物(洪さん)、ドイツワイン(長谷川さん)、ケークサレ(立原さん)、完熟イチゴ(小松さん)その他飲み物等多数差し入れいただきました。

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これが、栄養士の中村さんが作ってくれた「ねったぼ」。鹿児島地方の郷土料理のさつまいももち、練ったぼたもちの意味らしい。はじめて食べましたが、面白い食感でした。

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長谷川先生(自称:のりチャン)は、平五色町で整形外科のクリニックをやっていらっしゃいます。今回2回目の参加です。市長にも参加いただいた前回とは打って変わり、五色町で生まれ育ったことや、医師になった経緯等、場の笑いを取りながらも、真剣に話してくださいました。地域医療を真剣に考えて、それを実行してくださっているドクターです。

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宮野さん差し入れの鶏肉のトマト煮。間違いない美味しさ。日本酒でもビールでもワインでも、コップ・グラス・杯が進みそうです。そして、良質なタンパク質と抗酸化力のリコピンで、健康になるはず。

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小料理店のオーナーママ、赤津さんが差し入れてくれた、レバーペースト+オリーブのカナッペは、赤ワインに合う。いわゆるマリアージュ。さすが、です。

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フリーランスMC、立原さんの自家製ケークサレ、フランス生まれのおかずケーキです。お姉さんの会でワインに合わせるために、お砂糖を控えて、作ってくださったそうです。

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いわきの名産、丸又蒲鉾。津波被災をダイレクトに受けたいわき薄磯地区で、丸又蒲鉾製造有限会社が製造・販売中。いわき駅前のラトブや、鮮場のおのざき水産で購入できます。こういったいわき産のものを、いわきで消費し、育てていくことで、地元のお金が地元で回ることになります。いわゆる地産地消。これがあってはじめて、地元でのご贔屓になり、他へも薦められることで、他地域へのお土産となりうる。白身魚のすり身ちなみに調味料を加えて練り、それを揚げることで素材の存在感と甘さが、なんとも安心感のある味に仕上がっています。ちなみにツールドいわきでも、ファンライド参加者へご提供いただいています。

<ツールドいわきは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/41087435.html
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橘さんからは、いわきで育てた葡萄で、いわきで醸造し、いわきで販売している「いわき夢ワイン」。まだこの取組みがはじまって3年目です。西洋のワインとは歴史の長さが違いますので、地元の温かい目線と温かい手で、ぜひこの取組みを「育てて」行きたいですね。

<いわき夢ワインは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45706883.html
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北瀬さんからは、自家製煮込みハンバーグ。味がしみてていて、とっても美味しかったです。いわきで鉄工所の現場運営されている彼女、作業着から私服に着替える時間を惜しんでのご参加ご協力、誠にありがとうございました!

<鈴機工業 町の鉄工場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47678678.html
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山崎さんからは、福島県産のにごり酒の提供です。実は、彼女は福島県の日本酒利き酒大会で優勝した実力者です。日本酒の目利きが選ぶ日本酒は、間違いがないはず。

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共立病院からは、心臓血管外科の入江先生が初参加。昨年の12/31まで外科手術をするほど、手術件数があり、昨年はなんと!364件の手術をこなされたそうです。浜通り地区には、入江先生のような心臓血管外科のドクターは3名だけで、この地域をなんとかこなしているのだそうです。そんな入江先生は、市民向けの心臓血管手術のセミナーの講師も務められています。われわれの地域医療は、こういった献身的な(超人的な?)医療従事者で支えられていることを改めて実感しました。感謝。

<入江先生の市民向けセミナーは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/32073682.html
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かしま病院の影嶋先生も初参加です。石井先生の下で、総合家庭医として研鑽を積んでいるところだそうです。かしま病院の明るい社風が感じられるお話でした。かしま病院さんは、救急車の受け入れ件数でも上位ですし、何でも診れる総合家庭医の育成に、力を注いでいますね。

<実践家庭医塾@かしま病院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/41024441.html
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ドクターFの奥様は、いわき出身の医師ですが、今回は子育てのため、参加見送り。その代わり、奥様手作りの自家製無農薬大根のひきな炒り(いわき風に訛ると「ひきなえり」ともいう)を、ドクターFが代理として持参。ひき菜とは、大根を千切りしたもので、それを炒めた食感が良かったです。

<ドクターF命名の経緯は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50337763.html
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今回もいわきの地域医療をよくするために、さまざまなアイデア、奇抜なアイデア、斬新なアイデア等が、ぞくぞく出されました。今回の新たな視点。東京等からいわきに赴任してくれる志を持った男性ドクターの場合、ほぼ全ての奥様がいわき赴任に反対するとのこと。この事実をわれわれは知らなければいけないし、事実として目をそらさず受け止めなくてはなりません。彼ら彼女らの思い・感情・行動を良く理解しなければ、いわきへの医師招へいは独善的な、もしくは自己満足的な活動になりかねない。それを乗り越えていわきに赴任しているドクターの熱い志に、本当に、われわれは真正面から応えられているのか。そこで大事なのが、志を持ったドクターの「奥様へのフォロー」という発想。これは、いわきの医師を応援するお姉さんの会の、新たな使命?になりそうです。

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ちょうど赤津さんのお誕生日。宮野代表から、いつもこの会に参加し、美味しい料理を差し入れてくれる赤津さんに、サプライズで花束が贈呈されました。バースデーケーキとバースデーソングもプレゼント。嬉しかった。

<動画はコチラ>
https://youtu.be/1QziZjiB1FQ
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いつも参加してくださっているかしま病院の変○ドクターAこと、石井先生と宮野代表とのツーショットもありました。うらやましい。こういうふうに、ドクターと市民との距離感がなくなっていくことで、それぞれが信頼感を持ち合い(情報格差による不信感等がなくなっていく)、それが結果として、安心安全な地域社会につながると思うのです。
次回第12回目は、4月開催を予定しています。ぜひご参加いただければ幸いです。

性源寺 奥羽出張病院 関寛斎

性源寺(せいげんじ)は、いわき市長橋町にある禅宗・曹洞宗の寺です。幕末には、官軍に本堂が接収され、日本初の西洋式の野戦病院が開設されました。市民にも西洋式の医療が施されたという点では、日本の地域医療の先駆けとなった場所です。なお、当時の建物はもらい火で全焼してしまい、現在の本堂は昭和になってから建て替えられたものです。

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戊辰戦争で政府軍の野戦病院として開設されたのが「奥羽出張病院」です。はじめ平潟(茨城県北茨城市)に開設されましたが、戦線の移動に伴い、平長橋町の性源寺に移りました。おおまかな経過としては、以下のとおり。

・慶應4(明治元)年6月8日
 関寛斎が、奥羽出張病院頭取に任命される。
・同年6月17日
 平潟の地福院海得寺に奥羽出張病院開設。
・同年7月13日
 磐城平城落城
・同年7月22日~
 小名浜へ移転し、立花見龍宅他十軒余の旅宿に分宿。
・同年7月27日
 平長橋町の性源寺に奥羽出張病院開設。
・同年9月4日
 大村益次郎から「平大病院」と呼称するよう命令。
・同年10月25日
 病院の引揚げ開始。
・同年11月8日
 東京到着。野戦病院としての役割は終了。

この地に奥羽出張病院が開設されたことの顕彰碑が、昨年末に完成・設置されました。

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当時の院長、関寛斎院長一行15名が写っている記念写真です。複写を遺族関又一氏が、性源寺に寄贈したものとのこと。後段中央で堂々としているのが、関寛斎氏。関寛斎については、生家のある千葉県東金市や、開拓に尽力した北海道陸別町では偉人として、大きく顕彰されています。

<東金市での顕彰は、コチラ>
http://www.city.togane.chiba.jp/0000001284.html
<陸別町での顕彰は、コチラ>
https://www.rikubetsu.jp/kanko/sekikansai/

その左隣が斉藤龍安(竜安)。斉藤竜安は戊辰戦争の際、西軍の軍医として軍医頭の関寛斎らとともに平の長橋町性源寺に設けられた臨時病院(奥羽出張病院)に勤務しました。その後、明治5(1872)年6月も創設された、磐前県病院(平町一町目)に加わり、中心の医師として地域医療に尽力されてました(この磐前県病院は、明治12(1879)年に、福島県平病院となり、地域医療の中核となります)。その後、平町に永住することを決め、古鍛冶に「齋藤医院」 を 開業しました。明治26年には、発足した磐城衛生会の会長や、明治39年には石城郡医師会の発起人となりました。いわきの西洋医療の事始めをした方というべき偉人のひとりです。

写真に写っているこの医療チームは、いわき外から来た西洋医学のプロフェッショナル集団ですが、右端のちょんまげ・和服姿の2名だけは、いわき人。小野亀吉さんと関内半兵衞さんという当時の平の豪商で、この関寛斎チームを地元からサポートしたおふたりです。
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関寛斎の書いた「奥羽出張病院日記」について、そのご子孫である関内幸介氏が、昨年に解説本を出版されました。題字は、関寛斎の手記にある筆跡そのままだそうです。

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性源寺には、戊辰戦争で戦死した官軍の藩士22名が埋葬されたそうです。藝州藩10名、因州藩6名、長州藩2名、伊勢藩2名、岩国藩1名、下総藩1名。これらは性源寺の過去帳(埋葬時の戒名を付けるときに必ず記載し、記録もの)で確認されたもの。官軍が接収した寺だけに、官軍兵士しか葬られていないところも、興味深いですね。

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この性源寺に、日本で初の西洋式野戦病院が設置されたことは、地域の誇りです。その当時の病院旗が、東京お茶の水の医学教育歴史館に保存されています。

<奥羽出張病院旗は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46121310.html
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(仮称)磐前県を復活できないか!?

幕末から明治維新にかけて、かつて、「磐前県(磐前懸 いわさきけん)」が存在していました。いまの福島県浜通り地方です。1872年1月に設置、その後福島県へ統合されてしまい、1876年8月に廃止になり、4年あまりしか存在しなかった県です。磐前県の県庁所在地は平(たいら)でした。そんな磐前県を復活できないものか。

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考えてみると、福島県は浜通り・中通り・会津地方それぞれに気候も歴史・文化・食習慣も別で、地勢的・距離的にも一体感に薄いです。浜通りはむしろ茨城県の沿岸と、気候・文化・食習慣等の親和性が高い。これは、現代のいわき人が、映画を見るのにひたちなかへ行き、デパートの買い物は東京銀座に行き、行動範囲にそもそも郡山や福島は選択肢に入っていないことからも伺えます。再度、歴史を振り返り、浜通り地方(いわき市及び双葉8町村ほか)は、団結して福島県から独立し、再度、「磐前県を復活」すべきではないか。

未来会議 vol.17「浜通り合衆国〜富岡D.C.首都宣言。大体中央で集まってみる。」なんて冗談とも本気ともとれる催しが、開催されたようです。
http://bit.ly/2CQgIJQ

東日本大震災での福島第一原子力発電所の災害をきっかけに、福島県の農林水産物の買い控えを含む、風評被害が伝えられています。会津地方は距離的にも文化的にも全く関係が薄く、原発事故を起こした浜通りのアクシデントを原因とする風評被害に苦しむのは、会津地方の方々に全くもって申し訳ないと思います。ここで仮に、原発立地地域である浜通りの磐前県が、現在の福島県から切り離されれば、会津地方(及び中通り)は風評被害から離脱できるのではないか。また福島第一原発及び、その周辺の帰還困難地域、放射線量が極めて高い地域等のほとんどが磐前県にあり、政府としても原発事故対応するためのくくりとしてのメインの県という位置づけがしやすいのではないか。浜通りとしても、政府からの復興予算配分を受ける際に、福島県をいったん経由して浜通りの市町村へ再配分を受けるよりも、政府から直接磐前県へ予算配分を受けた方が、スピード感を持って事業が執行できるのではないか。

いま、浜通り(いわきや南相馬を含む)では医療人材の不足が深刻です。仮定の話ですが、磐前県が県として独立すれば、一県一医大構想が意味を持ってきます。すなわち1973年に閣議決定された構想で、当時医学部のなかった県に医科大学(医学部)を設置する構想で、それに基づき、無医大県が解消されました。当然、それに従えば、磐前県も医科大学(医学部)を保有する必然性があります。そうです、いわき(浜通り及び茨城県北部地域)に医学部が新設され、地元出身の医師を毎年100名近く生み出すことができるはずです。

<いわきへ医学部誘致活動は、コチラ>

歴史を振り返ってみれば、日本で初めて西洋式の野戦病院であり、その後も市民の救護に当たった日本初の病院が、いわき平長橋町の性源寺に設置された「奥羽出張病院」です。そんな歴史のある地域にもかかわらず、現在の現代地域医療が崖っぷちにたたされています。どういう因果でしょうか。もう一度、先人たちの歩みを振りかえって、われわれの立ち位置を確認すべきだろうと思うのです。

<奥羽出張病院は、コチラ>
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奥羽出張病院旗@医学教育歴史館

医学教育歴史館は、東京お茶の水にある順天堂医院センチュリータワー17Fにある、日本の医学教育の歴史を資料等を展示するスペースです。解体新書などの約120点におよぶ貴重な資料が保存・展示されています。順天堂の創立175周年記念事業の一環として設置されたそうで、開館式典には、天皇皇后両陛下も訪れたそうです。日本の医学の歴史の最初は、順天堂の創始者である、初代堂主佐藤泰然は、幕末から明治にかけて、佐倉に医学塾順天堂を開設。江戸、京、大坂を始め全国諸藩より塾生が入門し、「日新の医学、佐倉の林中より生ず」と謳われ、明治初頭、我が国への西洋医学導入に貢献する多くの門人を育てました。弟子の佐藤尚中は、東京順天堂の第二代堂主であり大学東校(現・東京大学医学部)」の初代校長を務めました。こういった、日本の西洋医学の萌芽期に多大な貢献をした順天堂だからこそ、日本の医学教育の歴史を資料等を展示するスペースを持つ資格と責任があるでしょう。

<順天堂医院は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46166422.html
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入館料無料ですが、開館日は毎週火・木曜日だけ。さらに見学するには、電話による1週間以上前の事前予約が必要で、入館には後日送付されてくる確認はがきが必要です。開館時間も①午後1時からの部 の1時間のみか、②午後2時からの部1時間の2回のみとかなり限定的ですが、訪れる価値ありです。

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解体新書や、当時の外科治療代金表等、貴重でかつ興味の尽きない資料ばかりですが、特筆すべきは、「順天堂病院旗」と「奥羽出張病院旗」です!!!順天堂 病院旗は、第3代堂主佐藤進が戊辰戦争で新政府による奥羽追討陸軍病院の頭取に任命された際、野戦病院に掲げられたものです。このときはじめて「病院」という言葉が使われたそうです。奥羽出張病院旗は、いわき平の長橋町の性源寺が奥羽出張病院として接収され、ここに掲げられたものです。また順天堂の初代堂主の直弟子の関寛斎は、戊辰戦争時には官軍の奥羽出張病院長(後の平大病院)として、日本初の西洋式野戦病院を設立運営し、敵味方の区別なく、さらには一般市民までに医療を施しました。160人にも及ぶ町民や農民の名も記録に残っているそうです。この場所で、關寛斎やその弟子の斉藤龍安らの医師たちが、地元の医師らの協力を得て、西洋医学に基づいて敵味方の区別なく傷病兵や磐城一円の一般人の治療にあたったわけです。病院閉鎖までの被治療者は(敵味方含め)12,752人だったとのこと。平潟に7/27に開設以来、閉鎖される10/29までの3ヶ月あまりの間に、総費用8,329両(現在の価値にして約4億円)もの巨費が官軍から投じられました。まさにこのいわきでの医療の実践は、日本の地域医療の基礎に貢献したわけです。

<いわき近代医学の事始め展は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/40263976.html
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現場からの医療改革推進協議会 第12回シンポジウム

現場からの医療改革推進協議会シンポジウムの第12回シンポジウムが、東京大学本郷キャンパス福武ホールで開催されました。毎回ですが、医療関係のみならず、政策、メディア、教育等の異なる分野の発表者による有機的な連携が魅力の会で、今回も非常に大きな気づきやアイデアをいただいて参りました。

<昨年の現場からの医療改革推進協議会シンポジウム2016は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/48962992.html
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会の実質的な運営を担ってくださっている一般社団医療ガバナンス学会の上昌弘先生。東京大学医科学研究所時代から、灘高・東京大学剣道部の人的ネットワークを駆使して、独自の情報網を構築し、鋭い現状分析と問題提起してきました。このシンポジウムも医療現場における問題事例を取り上げ、医療現場の主人公である患者とそれを直接支える医療スタッフたちが、現場の視点から具体的な問題提起を行い、その適切な解決策を議論する機会と場となっています。

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その道のベテランの方の発表ばかりでなく、卒業後数年の超若手の発表等もあり、ジョーク混じりで進行するのは、知的な頭の体操やエンターテインメントといえるかもしれません。

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相馬市の立谷秀清市長も、新研修医制度に対するご意見を述べられました。2017.12.17に投票される市長選に5選を目指して活動されていますが、それでもこういった場所に来てくださるのは、このシンポジウムの重要性をはっきりと認識されているからだと思います。相馬市の井戸端長屋は、災害公営住宅としてデザインが秀逸なだけでなく、高齢者の介護の理想型のひとつだと思いますが、これらはすべて立谷市長のリーダーシップで実現したものです。

<相馬井戸端長屋 デザインとコンセプトが秀逸!は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46738545.html
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南相馬市立病院の院長に就任された及川友好先生。脳神経外科専門で脳卒中センターの病棟を新築されたところです。実は、及川先生は磐城高校の先輩です。そんな関係もあり、公立病院のあるべき姿等、いろいろ情報交換させていただきました。

<南相馬市立総合病院 初期研修医100%フルマッチは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46671311.html
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震災後に、南相馬市に単身送り込まれた坪倉正治氏。当時は、東京大学医学部の先輩・同級生から「気でも狂ったか」「おまえのキャリアは、もうない」と批判されたそうです。その後、坪倉医師は、地域に溶け込み、地域医療の現場に身を預ける傍ら、じっくりと現場でしか集められない医療データを収集・分析し、いくつかの貴重な論文を発表し続けました。そして今では、当時批判していた方々から、うらやましがられているそうです。やはり、当時、人生のキャリアのリスクをとって被災地に飛び込んだ勇気、そしてめげずにやり続けた継続力が、実を付けたということでしょう。

それから作家・医師の久坂部羊氏にお会いできたことも大きな収穫でした。

<坪倉正治先生のよくわかる放射線教室は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/41864684.html
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折しも東京大学本郷キャンパスは、銀杏で美しかった。

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第10回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@かしま病院

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2017年11月11日に、かしま病院コミュニティホールで開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という2016年4月からはじめた企画の10回目で、今回も多くの方にご参加いただきました。

<前回第9回いわきの若手医師を応援するお姉さんの会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50807579.html
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今回は「おでかけお姉さんの会」と題して、かしま病院さんの勤務医さんが参加できるよう、病院敷地内にあるコミュニティホールで行われました。懇親会の前には、かしま病院養生会特別講演会として、スペシャルゲストの講演がありました。厚生労働省医政局 地域医療計画課 地域医療構想策定支援専門官 伴正海氏です。氏は、横浜市立大学出身で、高知医療センターで地域医療の現場を経験した医師です。その後高知市での公務員勤務を経て、中央官僚として今の医療技官というポジションにいます。

「これだけは知っておきたい『これから医療はこう変わる』」というタイトルで、このままでは日本の地域医療は、崩壊しかねないというトピックを、圧倒的な情報量・知識量で、ユーモアを取り入れながら、やさしく解説していただきました。これからは少産多死社会・少子高齢化により、支えられる高齢者1人に対し、それを支える現役が1.2人になると予想される中、政府の財政難を考えると、公助(税金)、共助(保険)、互助、自助のうち、前二者は限界に来ています。

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氏の提言でいくつか気づいたこと。
・医療政策は国でなく、県が担当、一部が市町村
・地域完結型を目指すには、病院+診療所+日常生活の連携が必要
・地域包括ケアシステムは、すべての上位概念
・高度医療よりも地域医療の方が、改善できる点が多いのでブルーオーシャン
・専門職の仕事は、AIやICTの発達で、かなりの部分が代替される
・地域医療改善に、魔法の杖はない

かしま病院の中山大院長からは、謝辞が述べられました。
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いわきの医師を応援するお姉さんの会 代表の宮野由美子さんからは、会の趣旨、成り立ちから、第10回を数えるまでのエピソード等をお話いただきました。実は、宮野さんの活動が、いわき医師会主催の市民公開講座『いわき市の地域医療を守り育てるために』で紹介されました。http://atsushii.blogspot.jp/2017/10/blog-post.html
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清水敏夫市長、市医師会の長谷川徳男会長らも参加いただくことができました。かしま病院と関係性が深い、聖マリアンナ医科大学の三宅副学長と、清水市長とで歓談いただきました。

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かしま病院事務部スタッフによる禁煙の成功体験の講話もあり、余興では、かしま病院スタッフによる、フラダンスが披露されました。相当練習されているようで、中山先生の優しい立ち姿、決まっていました!スーパードクターAによる、激しいタヒチアンダンスも披露され、会場ではあっけにとられました(笑)!

<動画は、コチラ>
https://youtu.be/kBoDZjQ8xAM
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フラのお手本を拝見した後には、参加者みんなで一緒にフラしました!

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お姉さん方からの差し入れ品の数々。お寿司・おでん・キーマカレー・オードブル・卵カツサンド・根菜の煮物・煮玉子・磯辺焼き・グリルチキン・いなりずし・自家製ピクルス・アップルパイ、あんこパイ等のお菓子等等、リストアップ仕切れないほどでした。

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その場で温めるおでんは、好評のようでした。

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今回のアルコールは、日本酒のみならず、いわきワイン・シャンパン・焼酎と、ずらっと並びました。
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スーパードクターAと山崎さんは、こちらが良かったみたいです。

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今回は会場準備から提供料理の手配等、かしま病院のスタッフさんに多大な支援をいただき、感謝です。またいつも参加してくださっているお姉さん方も、ありがとうございました。次回開催日は、決まっていませんが、医師に感謝の意を伝えたい!手料理でもてなしたい!参加したいという方は、ぜひご連絡いただければ幸いです。

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タウンメディア(2017.11.30)に、いわきの医師を応援するお姉さんの会の活動の様子が紹介されました。代表を務める宮野由美子さんのコメントが掲載されました。「回を重ねるごとに参加者が増えてきた。当初は医師をもてなすことが目的だったが、きちんとしたルールやマナーの下に医療現場を大切にしないと大変なことになることに気づいた。回り回って私たちのためにもなる」。

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Townsville Hospital

タウンズビル病院Townsville Hospitalは、クイーンランド州政府が運営する公立病院です。ベッド数732、約30の診療科に6,000名を超えるスタッフが勤務しています。この病院は、タウンズビル市(人口18万人)のみならず、クイーンランド全体(70万人の地域住民)の救急救命センターの役割も持っていることから、救急車が複数台常設され、ヘリポートも設置されています(一日数回は、患者搬送のためヘリが飛来)。

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午前9:00前にもかかわらず、駐車場の8割くらいがうまっていました。患者が病気になった際には、基本的には、まずGP(General Practitioner、かかりつけ医)に診てもらい、紹介して予約しなければ、病院では診察してくれません(救命救急を除く)。そういった、いわゆるウォークインの患者がいなくても、それなりに混雑していました。

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病院の診療受付とは別に、ボランティアが常駐する窓口があり、黄色いおそろいのポロシャツを着たボランティアスタッフが、道案内や相談等に乗っていました。

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エントランスのホール。非常にシンプルです。

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病院全体の敷地図。当初は、広大な敷地内に余裕を持って病院が建てられ、十分な駐車場もあったそうです。しかし、度重なる医療需要の伸びとそれに対する診療科の増設、そのための建物新築を繰り返した結果、敷地は広大にもかかわらず、多数の診療建物が建ち並び、駐車場スペースを圧迫し始めています。

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診療科のトップである、Dr. Andrew Johnson氏に、タウンズビルの医療事情について伺うことができました。
・17年前は250人だったドクターが、現在は750人に加え、5,000 人の常勤スタッフ
・年間65,000人の入院患者(平均入院日数は、3.7日)、75,000件の救命救急、2,600人の新生児の出産
・大病院には、Referral Hospital(Major Hospital)とGeneral Hospitalがあり、それぞれ棲み分けしている。
・患者はまず、GPへ診察に行くので、小さな病気でダイレクトにReferral Hospitalにやってくることはない
・Referral Hospitalは、Specialistをたくさんかかえていて、運営コスト高い
・General Hospitalは、どのような症状でも診ることができるドクターが主
・ひとつの診療科には、3交代勤務を考えると少なくとも、3人のドクターが必要
・医師・看護師等の医療職の待遇を減らすことは、医療スタッフの士気を維持するため困難
・地域医療のHospital PlanとClinic Planを作っている
・勤務医師の50%がタウンズビル出身もしくはJCU出身のドクター、それ以外でも全豪で募集している
。またER部門は独自に採用活動している
・リクルートする際のポイントは、①病院自体の評判、②AttractiveでIconicな指導医、③Key Leader
・医師が定着する一番の方法は、地元の女性と結婚すること、女性はあまり他の地域に移住することを好まないので、これに尽きる
・病院の予算は、毎年、クイーンズランド州のHealth Department of Stateとの交渉
・Health Department of Stateは、病院から一定の質・量の医療サービスをPurchaseするイメージ
・毎年、達成すべき目標数値(VolumeとTarget患者数だけでなく、医療レベルも)を設定し、達成/未達成を報告し、これが翌年の予算交渉の実績資料となる
・病院のCEOの平均在任期間は約2年。政権交代等で、ボードメンバーが替われば、CEOも変わる場合が多い
・8名のボードメンバーの任期は、5年。ボードメンバーがCEOの選任・退任を決める
・ほとんどの手術患者は、日帰り手術、もしくは1泊のみ。最大でも4日(入院平均3.7日)。なぜなら、病院の入院コストは、とても高いため、長く入院させることは患者のお財布のためにならない。
・妊婦の出産でも、原則8時間以内で退院
・ドクターは原則として3交代、48時間/週、4日間×12時間の勤務形態
・超過勤務させないのは、医師個人のフレッシュさを維持するとともに、適度な休暇をとってもらい、長く勤務して欲しいため

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Emergency Room(救命救急)部門に、案内していただきました。救急車を呼ぶ(警察・消防車と共通番号「000」)と、どこの救急車Ambulance carが近いのか判断し、近くの救急車がかけつけ、救急隊が収容が必要かどうかを判断し、必要であれば、原則としてタウンズビル病院に搬送してきます。

まず驚きなのが、救急隊が搬送必要なしと判断すると、搬送しないことです。単なる酔っ払いや、いたずら、タクシー代わりに使うなど悪質の場合は、逆に警察をその場に呼ぶこともあるそう。

次に驚きなのが、救命救急に運ばれてきたものは全てER対応のドクターが診るという体制。それもそのはず、ER対応のドクターは、約100人(3割がベテランのスペシャリスト、3割が研修医、4割がその他医師)。Ambulanceでやって来る患者数は、3000件/年(さらにヘリパッドには、数回/日の患者の飛来がある)、病院に入院する患者の約3割を占めるそうで、運営コスト・運営収入とも非常に単価が高いことから、病院経営にとって、とても重要な部門です。

見学させていただく間にも、数人のけが人、患者が単価で搬送されてきました。焦ることもなく、淡々とテキパキと仕事をしていくのに、プロフェッショナルさを感じます。

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ER対応だけで34のベッドがあり、ER専用のX-ray、CT-SCAN装置を持っているそうです。このような研修の機会を持つことは、この病院は、クイーンズ州の首都であり、若い医師には人気がある一方、どうしもも若い医師はいろいろな課の研修をしなければならないので、結果的に勤務期間は短くなるそうです。

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小児科ER用に、年齢や体重別に、よく使う薬や、検査キットが棚ごとに色分けされ、誰が見ても使いやすいように工夫されていました。属人的な経験や知識を、組織全体に共有、使えるようにしておくというのは、一般の職場でも同じこと。

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ERといっても、緊急手術だけでなく、一般の検査機器も普通に充実していました。

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ER部門が、ER専用のCTスキャンそして読影スタッフを専属で抱えていました。もちろん内科部門等は、独自のCTスキャンを持っているそうです。

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常時、輸血用の新鮮な血液を、一定量ストックしておくそうです。

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ER診察の練習台も、複数設置されていました。

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負の圧力室。パンデミックや大感染病に備えて、空気の圧力がマイナスのベッドも持っています。菌が外部から入ることはあっても、この部屋から出ることはないという仕掛け。一端、原因不明の菌の大発生に備えて、このような(使う機会がないほうが良い)施設も。

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Townsville Birth Center。日本で言うところの、周産期医療センター。前述しましたが、こちらでのお産は、日帰りもしくは1泊だそうです。

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病院の敷地内に、ホスピス的な役割を持つ高齢者用入居施設もありました。

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病院自体が抱える救急車が、(少なくても)4台。週末の夜に繰り広げられる町中の乱痴気騒ぎでは、酔っ払いだけでなく、けが人も多数発生し、これらがかり出されることも多い。

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救急車から搬送される患者は、この入り口から入ることになります。ちなみにオーストラリアでは、救急車の搬送に、患者負担が発生する州が多いとのこと。ビクトリア州を始め、出動基本料金が数百ドル、それに加え走行距離に応じて料金が加算されるという仕組みです。日本円にして10万円~(民間保険に加入していれば、一定の保険金が下りますが)になるそう。ただし、クイーンズランド州だけは、登録住民については、無料で救急車出動するそうです。すなわち患者個人負担ではないけれど、皆さんから徴収する税金で運営していると言うこと。ここは、日本と同じですね。

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総合磐城共立病院 新病院上棟式

いわき市立総合磐城共立病院新病院の上棟式が、2017年10月11日に行われました。そして神事・式典の終了後に、工事見学会が行われました。これから内装工事・医療機器設置を行い、2018年末を目処に開院予定です。

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近頃の建物には、建物の中心となるような太い梁が用いられなくなっていることもあり、上棟式(じょうとうしき・むねあげしき)という式典が行われなくなっています。今回は建物が鉄骨造・鉄筋コンクリート造ということですが、いわき市の希望で、最上階の最後の鉄骨の吊上げ・設置をもって、上棟とみなし、式典を行いました。

その鉄骨は、一面に白いペンキが塗られ、そこには、院内の医療関係者を中心に、寄せ書きや新病院に対する熱い思い等が、たくさん記されていました。

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これらの思いは、最上階の鉄骨の一部として建物に組み込まれ、もう人の目に触れることはないでしょうが、建物が存在する限り、永遠に残ります。

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病院事業管理者のコメントは「慈心妙手」、これは共立病院の実質的な創始者である畠山靖夫先生の恩師の言葉の引用。

<慈心妙手については、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/37068614.html

市長のコメントは「親切第一」、これはいわきの偉人星一の言葉の引用ですね。先人の足跡に思いを寄せることは、彼らの延長線上に我々が生きていることを考えれば、とても大事なことだと思います。できれば、畠山先生が目指した「患者あっての病院」と「ぢいちゃん、婆ちゃんを大事に」も入れて欲しかった。

<畠山靖夫先生の偉業については、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/41499471.html
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本当に、鉄骨に玉掛け(ロープで固定すること)をして、屋上のクレーンで鉄骨を吊上げ、屋上に設置していました。

<吊上げの動画は、コチラ>
https://youtu.be/OvThUkhVbIg
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現場見学会には、市長・病院関係者・議員らが参加し、内装施工前・医療機器設置前の現状を把握しました。

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完工後には入る機会がないであろう、地下ピットを見せていただきました。写真が「免震装置」です。この免震装置を介して、建物とコンクリートベタ基礎が接しています。積層ゴム支承90カ所、弾性すべり支承10カ所だけで、総重量7100トンもの建物を支えています。このひとつの免震装置に最大1700トンが過重かかるらしい。

大地震が発生した際には、このゴムの上を建物が横スライドし、28カ所のオイルダンパーが横揺れを熱エネルギーに変換させて揺れの大きさを小さくします。震度7では最大470mm横移動するそうですが、最大600mmまで移動することが前提で作られているので、数百年に一度の地震レベルでも耐えるとのこと。因みにゴムの耐用年数は60年超、かつジャッキアップで取り替えも可能だそうです。

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仮設の工事用エレベータで9階まで移動。このエレベータ、2トンもの重量物を運び上げることができます。

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このフロアは、一般病床(4人一部屋、43㎡)、特別病床(一人部屋、26㎡)、ナースステーション等が設置されます。北側は内郷市外が一望できるので眺めが良い。

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躯体はほぼ完成ですが、内部造作はこれから。進捗率としては現在、約50%だそうです。

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第9回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2017年9月21日に開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という企画の9回目で、今回も多くの方にご参加いただきました。

<前回第8回いわきの若手医師を応援するお姉さんの会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50337763.html
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これまでアウトリーチとして、かしま病院さん・ゆしまや保育園に出張して開催していましたが、今回は、平白銀の夜明け市場コワーキングスペースの会場を提供していただきました。お姉さんたちが手料理で若い医師をおもてなししつつ、勉強会。ホワイトボードを使ってのレクチャーを皮切りに、いろいろな論点の情報交換をしました。

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今回、各お姉さんからご提供いただいたお料理は、愛情こもった、栄養バランスに優れたメニューでした。20品以上色とりどり、目移りする献立!スゴイ!

牛すじと根菜の煮物・青菜と油揚げのお浸し・お漬け物・鶏肉のグリル・雲丹ご飯(宮野さん)、ピザ(白岩さん)、竹輪のチーズ巻・水ようかん梅ゼリー・ヨーグルトロール・炭酸水(竹下さん)、ツナサンド・肉じゃが(栗林さん)、栗ご飯(小野さん)、唐揚げ3種(赤津さん)、茄子のミートソース焼・カボチャのミートチーズ焼(北瀬さん)、鳥・茄子・ナムル・ご飯・梨・おでん(大友さん)、チョコ・チーズ・生ハム・お菓子(五十嵐さん)、ピザ・泡盛(酒寄さん)、豚しゃぶ(鈴木さん)、スイーツ(野木さん)、その他飲み物等多数差し入れいただきました。

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次回は、祈念すべき第10回開催。以下のとおり、かしま病院さんの講演会とコラボレーションします。ぜひご参加いただければ幸いです。
日時:平成29年11月11日(土)
13:30-15:00 かしま病院講演会(医政局 伴正海先生)
15:30~ いわきの医師を応援するお姉さんの会(交流会)
場所:かしま病院コミュニティホール
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Nursing Home 

オーストラリア タウンズビル市のNursing Home老人ホームをいくつか見学しました。日本と同様、公立と私立があり、私立には、教会が慈善事業の一環として経営しているホームと、完全に民間がビジネスとして経営しているものがあります。私立のホームは、入居にあたり一時金が必要になり、この一時金の多寡、使われ方の不明朗さが問題になったりすることは、日本と同様ですね。

写真は、あるイングランド教会(英国聖公会、アングリカン・チャーチ)が設立、運営しているものです。市立の植物園とRoss Riverの隣に位置し、緑が多いのとともに、敷地内にもトロピカルな植物が、所狭しとたくさん植栽されていました。ちなみにこれがホームのメインエントランス。とても老人ホームには見えない。

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入居施設棟。原則としてひとり一部屋が割り当てられ、8-10部屋で一棟。この独立建物が、ナースが常駐する管理棟の周辺に配置され、中庭・中廊下で繋がっています。

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教会自体には大きなオカネがあるわけではありません。建設にあたっては、多くの個人寄附を募って建設されます。寄付者には、名誉Honorが与えられ、建物に寄付者の名前が付けられたり、写真がロビーに掲額される等、永久に感謝されます。

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入居者のほとんどは、車いすか補助が必要な方ばかり。広い廊下が必要です。

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面白いと思ったのが、ロビーでの絵画の展示。地元のいろいろなアーティストが期間限定で展示しているのですが、その作品自体、ここで販売しています。数百ドル程度のものが多いですが、このうち一定額が、寄附されるという仕組み。絵を楽しむとともに、マネタイズしていくという、一挙両得の発想に納得。

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共用の娯楽室。リタイヤし、老人ホームに入居した人が、毎日やることがない、というのは全世界共通。ぼけ防止のために、このような娯楽室で、歌やダンス等を定期的に開催するそうです。

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独立棟と独立棟の間の中庭には、日中は強い日差しが差し込み、まぶしいくらい。入居者は自分の部屋の中で、読書しても良いし、中庭に出てお茶しても良い。

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オーストラリアの介護現場

オーストラリアの介護現場を知るべく、Parklands Residential aged care Facilityを視察させていただきました。ここは、クイーンズランド州が運営しているNursing Home(介護施設)です。タウンズビル市の中心部からは数km離れていますが、ダン・グリーソン・メモリアル・ガーデンズの隣に位置していて、住宅街の一角にあります。

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ベッド数は70と、オーストラリアの平均からはやや少なめ。それに対して介護職員(ほとんどがNurse)が70名弱だそうです。入居者のほとんどが、車いすが必要な要介護者。日中は共用のスペースや屋外で自由に過ごすのだそうです。

まず気づいたのが、「臭わないこと」です。日本の介護施設は排泄物の処理の関係から、どうしても尿の香りが漂いがちです。しかしながらこちらでは、若干の消毒臭は感じたモノの、直接的な尿の匂いは感じませんでした。かなり気をつかって清掃していると思われます。スタッフに伺ってみると、必ずしも匂いに関してはパーフェクトではないとのこと。時と場合によっては、感じることもあるそうですが、とにかく清潔には気を付けているそうです。

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基本的にひとりの入居者に対して一つの部屋があたえられていて、10部屋×7ユニットの独立の平屋建物構成され、その間のスペースは中庭になっていて、さまざまな植物が植えられていました。

施設内にドクターは常駐しておらず、必要に応じて通院もしくは往診に来てもらうそうです。この医療コストは、個人が掛けている民間の保険のカバー範囲です(契約内容による)。

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ある入居者のお部屋。ベッドは備え付けのものですが、椅子やテレビ等持ち込み可能。かなり自分の部屋としてアレンジできます。自宅さながらに中庭を見ながら、自分のティーセットで、アフタヌーンティーなんてのもやっている方をお見かけしました。

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また別の入居者のお部屋は、いたってシンプル。何も私物を持ち込まないというもの、それはそれで一つの選択。日本の介護施設では、死期を迎える前に、(何らかの病気として)病院に送られ、病院で亡くなるケースがほとんどです。しかし、オーストラリアでは、病院で亡くなることはほとんどなく、自宅もしくは介護施設で亡くなるそうです。それを入居者自らが選択するからです。

では、なぜ日本では病院で亡くなるのか。医師しか死亡診断書が作成できないとか、変死の疑いを避けるためとか、いくつか要因はあると思われますが、個人的に以下、2点が大きいのではないかと思っています。ひとつは、病院の入院コストが高いこと。もうひとつは、個人が自らの生活を選択するという個人主義です。

病院の入院コストが高いことですが、医師の給与が年間50万ドル近いといわれるくらいで、軽度の病気で入院したら、病院からの請求額(数百ドル/日)に耐えられない。したがって、そもそも社会的入院なんてのがない。病院側としても運営コストをカバーできるような患者(すなわち重病の患者)でないと、運営が成り立たなくなってしまうので、受け入れないという背景があります。翻って日本の医療保険の現状を考えると、入金患者にとってお財布が傷まない。高度先進医療や差額ベッド等を除いて、入院に関して最大でも10万円強/月という入患者の負担額は、豪州からするとあまりに低く感じます。果たして、どちらが良いのか。

また豪州では、自分の人生は自分で決めるという個人主義があります。自宅で最後まで生きたいと思うのは、人の常、それを実行しているまでです。このNrding Homeでは、当然のごとく亡くなるまで面倒を見るとのこと(いわゆる、看取り)。正確には、亡くなって部屋をきれいにして、次の入居者に入居してもらうところまでですが。翻って日本では、どうか。親には少しでも長生きしてもらいたいとの子どもの要望から、病院に入院させ、呼吸マスク・胃瘻・栄養チューブ・点滴等、あらゆる延命行為が、医師によって行われます。一度、それらが行われると、犯罪行為のおそれがあるため、それらを意図的に外すのは難しくなり、患者は入院後、ベッドから出ることもなく、長生きして(数ヶ月?数年?)、最後はチューブが刺さった状態で、息を引き取る。果たして、どちらが良いのか。

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2つの部屋に一つのトイレ兼シャワーユニットが設置されています。バスタブがないので、介助者が入居者をシャワーさせてあげるのも、かなりラクです。車いすのままシャワーさせることもできるし、簡易椅子に移っていただいて、シャワーさせてあげることもできます。これは良い!!!日本では、浴槽に入れることが、入居者の楽しみであるという固定観念がありますが、そのための介護者の毎日の肉体的疲弊は大きい。このシャワーユニットは、毎日の肉体的労苦から解放することができるのではないか。

付け加えておくと、この施設でも横たわりながら、バスタブのごとく入浴できる設備も有しています。ただ、入居者のリフトアップに、重機を要することから、日常的なシャワーは、このトイレ兼シャワーユニットで済ませることが、主だそうです。

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共用施設には、屋外に出れるバルコニーや中庭があります。当日は、入居している紳士と、毎日面会に来るご婦人とが、一緒にバルコニーでランチを食べていました。オーストラリアは移民の国、また西洋社会ということもあり、子どももしくは親類が、親の面倒を見るという習慣に乏しいそうです(イタリア人の介護者が、そう言っていた)。したがって州政府が、その代わりに老人の面倒を見るというのは、ある意味仕方のないことのようです。

課題は運営コストをどう賄うかです。オーストラリアの年金制度は、SuperAnnuationといって、毎月の給与×9%程度を、会社が資産運用会社に積み立てていきます。この個人勘定はドル、セント単位で管理され、複利で運用されます。65才になるまでは引き出せないので、人によりますが、10万ドルを超える額になることが多いようです。65才(67才に延長になるらしい)に到達すれば、この勘定を引き出せるので、ここからNursing Homeの運営費を支払うわけです。

問題は、SuperAnnuationの総額が小さくしか貯まっていない、もしくはまったく貯めていないという層です。こういう層には、Pensionという、日本の生活保護に似た制度があり、まったくこれまで年金を積み立ててこなかった人でも一定額が政府から支払われることになっています。日本の生活保護同様に、銀行等への資産調査はあるものの、子どもや親類への扶養義務調査・問合せはなく、また自宅(豪邸であっても)は除外されているので、比較的受給要件は緩いようです。

Pensionの金額は個人ベースでことなりますが、基本的にNursing Homeが受給額の85%を受け取り、残りの15%が、(お小遣いとして?)受給者に渡ることになっているそうです。上手な制度設計ですね。

ちなみにどんなお金持ちであろうと、どんな貧乏人であろうと、施設内では部屋の大きさや食事等、全く同じ待遇です。

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基本的に敷地内であれば、入居者は自由に(車いすで)中庭等を出入りします。平屋建ての低層だからこそ、できることですね。日本の介護施設だと、(入居者の部屋が高層階にあっりして)徘徊防止・安全確保の観点から、入居者の移動を制限し、内部から(暗証番号等で)ドアが開かないようにしている施設が多い。それに比べると、かなり個人の自由度が高い。

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中庭にお友達として、鶏が数羽飼育されていました。毎日卵を産むので、それを入居者自らが確保するのだそうです。単に動物を愛玩として飼育するのではなく、その果実(卵)は、施設内調理場で、食材として利用されます。

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中庭では、鶏がケージの中でなく、自由に散歩していました。

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敷地内には、バナナの木や、バス停(イミテーション)が置かれています。これには理由があります。入居者の多くは、豪州の開拓者として、農業や鉱業に携わった方が多い。農作業や通勤等、その現役時代と同じような体験を毎日してももらおうという配慮なのです。

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施設内の調理施設も見せていただきました。全世界共通で、患者ごとに食べられる食事はことなるので、すりつぶしや加工等は、それぞれに合わせた形で行われます。基本的には、西洋料理だそうですが、リクエストすれば(たまには)中華等もでるそうです。

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冷蔵・保温トレー。ひとつのトレーで左側が冷温、右側が保温できるという優れもの。日本にもありそうですね。

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介護者(ナース)の勤務形態は、市中の病院の勤務形態とほぼ変わらないそうです。すなわち3交代制、日中シフトなら8:00-15:00の7時間勤務等。日本のような超過勤務、重労働ではないようで、スタッフの方々が、生き生きと話しているのが印象的でした。

第8回 いわきの医師を応援するお姉さんの会@夜明け市場

定期的に隔月で開催している、いわきの医師不足解消のためにお医者さん達と交流する「いわきの医師を応援する お姉さんの会」が、2017年6月29日に開催されました。いわきで活躍する医師を応援するために、いわき市民のお姉さん方が暖かい手料理でもてなそう!という企画の8回目で、30名を超える方々にご参加いただきました。

<いわきに若い医師を招聘したい!浜魂は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46969050.html
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前回前前回はアウトリーチとして、かしま病院さん・ゆしまや保育園に出張して開催していましたが、今回は、第1回開催の地、平白銀の夜明け市場コワーキングスペースの会場を提供していただきました。今回は、若手医師にも多数参加いただき、有用な情報交換しました。

<前回第7回いわきの若手医師を応援するお姉さんの会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/49864566.html
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お姉さんたちが手料理で若い医師をおもてなしするこの会ですが、そのなかで行われる勉強会がとにかくスゴいです。ホワイトボードを使ってレクチャー&情報共有、さらなる意見の積み重ね。若手医師(市外・県外出身者が多い)の見立て。今回は共立病院、かしま病院らの先生方にお話を頂戴しました。

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共立病院救急救命センターのドクターから現場の生の声を伺いました。救命救急1次・2次・3次の役割と、現実的に医療資源が限られる中、どうした形が持続的に医療サービスを提供しつづけられるか、知恵と努力を出していきます。具体的な課題は、2次救急を担当する病院が少なく、同時に受入数に偏りがあること、またそれに起因して3次救急の共立病院が2次救急までやることになってしまい、同センターの疲弊が著しいことです。

その対策としては、まず2次救急を厚くして、それと同時に共立は3次救急の治療に集中していくこと。救急車でまず共立に搬送されても、救命ドクターの重篤性に乏しいという判断で、再度2次救急病院で搬送されて加療するというもの一つの方策です。当事者の患者にとってワンストップで加療がされないことは不満かもしれないけれど、それが積み重なっていわきの医療資源の浪費・疲弊を招き、本来、治療すべき3次救急体制が崩壊しては、いわき全体のためになりません。

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若手医師から、なぜいわきに赴任してきたのか、いつまでなのか、いま活動していることのやりがいはなにか、何が困っているか等、いろいろ話もらいます。自らの意思でいわきを希望した医師もいれば、医局のローテーションで期限付きで派遣されてくる方もいらっしゃる。

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第1回 いわきの医師を応援するお姉さんの会から、参加くださっているいわきの誇る、変○ドクターAと、ドクターF。この家庭医コンビは、いわき最強かも知れない。

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地元2次救急病院の院長先生も、意見集約&まとめに登場。ありがとうございました!!!

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今回、各お姉さんからご提供いただいたお料理は、愛情こもった、栄養バランスに優れたメニューでした。20品以上色とりどり、目移りする献立!スゴイ!

あさりの炊込みご飯・あんかけ焼きそば・五目チャーハン・シーザーサラダ・卵焼き・豚のニンニク味噌炒め・メロン盛合せ・豚肉の冷菜(以上、宮野さん)、スパニッシュオムレツ(中村さん)、蒸し鶏とキヌアのサラダ・スティックサラダ(赤津さん)、おにぎらず・きゅうりとなすの三五八漬(立原さん)、鰹の揚げ漬け(北瀬さん)、いわき黒米にぎり(植木さん)、鶏唐揚げ(寺主さん)、日の丸亭唐揚げ(田子さん)、メヒカリのお寿司(山崎さん)、いぶりがっこ(関さん)、ポテトサラダ(小川さん)、いなり寿司・ポテトサラダ(竹下さん)、プリン・白玉ぜんざい(白岩さん)、お肉屋さんの蒸し鶏(中山さん)、その他いわき夢ワインマスカットベリー樽熟成(今野さん)等、飲み物多数差し入れいただきました。
 
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今回、宮野代表がのどの調子が悪く、ほとんど声が出ない中での開催となり、本当にお疲れ様でした。宮野代表と、若い勤務医のツーショット。市民のお姉さんと勤務医ドクターとの思いが一致し、我が「街」が良くなるよう、互いに同じ方向を向いて活動していければと思います。

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平成29年6月議会 一般質問1(いわき市地域医療を守り育てる基本条例)

いわき市地域医療を守り育てる基本条例について

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
<動画はコチラ>https://youtu.be/N1jT0yhiI-Q
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いわき市議会清政会の吉田実貴人であります。あの東日本大震災から6年あまりが経過しました。復興集中期間が終わり、復興創生期に入りました。震災関連予算が減少していく中で、このふるさといわきがどうやって持続可能な成長ができるかが問われています。次世代が活躍できる社会の実現を目指して、以下、通告順にしたがって一般質問を行います。

1. いわき市地域医療を守り育てる基本条例について

いうまでもなく医療は地域に必須の機能であり、医療は、電気ガス水道、道路公園と並ぶまちのインフラです。市民の健康・安心のためには必須のものであります。これがなければ高齢者はもちろん、出産を控える若い世帯が住み続けることはできません。また、医は仁術なりのとおり、市内の医療従事者の充実は喫緊の課題の一つであり、これまでも、初当選以来、議会で地域医療関連で6回一般質問させて頂いております。今回7回目の質問となりますが、丁寧な答弁をよろしくお願いいたします。
さて、震災前から、既存医師のいわき市外への流出が続く一方、外部医師がいわき市に定着していないという事象が発生していました。それが震災後、医師の絶対数の不足として一気に表面化したと私は考えています。ざっぱくにいえば、医師不足の根本の原因は、医師個人にとってまちの総合的な魅力が相対的に足りていないと受け止められているということです。勤務先として、勤務するまちとして、いわき市が「選ばれていない」という事実があったわけです。
これを変えていくには、働く・暮らす・育てるそれぞれの観点で若い医師から、いわきが選ばれるようならねばなりません。いわきの医師数の減少を、原発事故の風評被害や、医局制度の変更等のせいだと主張される向きもあります。しかしそれを何度もお経のように唱えても、何ら改善は見込めません。それは所与の条件であり、風評被害や新研修医制度のせいに強弁することは、さらなる市外医師の忌避を招くことしかないからです。
若い医師を呼び込むには、いわき全体の文化、モラル、住民の行動様式を含めた総合的な魅力を増やす必要があります。相馬市・南相馬市では、アクセスやまちの規模、エンタメの少なさ、原発からの距離等で、医師招聘に絶対的な不利にもかかわらず、震災後に医師数が増加しています。なぜ、いわきが相馬市・南相馬市と比較して、選ばれていないのか。相馬市・南相馬市では、外部から来た医師と市民の間の敷居が低く、セミナーや非公式の勉強会等、頻繁に交流が行われています。赴任してきた医師も、オープンに外部から来た人を受入れるマインドをはじめとするまちの魅力に心地よさを感じ、それを次の赴任者に伝えることで、さらに外部の医師の吸引力を増しています。住民が医師に対してプロフェッショナルとして尊敬し、また医師も住民に対して敷居を低くし地域に溶け込む姿勢を取ったこと、そして危機感を持ってなりふりかまわず取り組んだことが、市外の若い医師を呼び込む要因であったと私は分析しています。

(1) 地域医療の現状について
では、質問の1点目、いわき市の地域医療の現状を、対策を含めて伺います。

(市長)
本市の地域医療の現状といたしましては、平成16年度の新臨床研修医制度の施行以降、東日本大震災の影響などもあり、医師をはじめとする医療従事者の不足が続いております。もちろん議員お質しのこともあり、救急医療の中心的な役割を担っている病院の勤務医が不足するとともに、高齢化が進んでいる状況にあります。
特に、救急医療につきましては、「時間外の適正受診」を呼びかけた平成20年度に、救急搬送が、一端減少したものの、震災後は、再び増加し、その後は、高水準で推移しているところであり、また、搬送者の約4割が軽症と診断されている状況にあります。
本市の地域医療が、このような厳しい状況にあることを踏まえ、現役医師の確保・招へい策として、寄附講座の開設による医師の招へいや、本市出身の医師等に対する「いわき医療ふるさと便」の発送、医学雑誌への医師募集広告の掲載などを実施して参りました。
また、数年後を見据えた医師の確保・招へい策としては、医学生等を対象とした「いわき地域医療セミナー」や「いわき市医療ガイダンス」を開催してきたほか、平成28年12月には、「市病院医師修学資金貸与事業費補助金」の制度を創設したところであり、本市の地域医療の課題解決に向けて、様々な施策を積極的に展開しているところであります。

(2) 制定の目的について
住民が医師に対してプロフェッショナルとして尊敬し、また医師も住民に対して敷居を低くし地域に溶け込む姿勢を明らかにするためのいわき市条例を制定すべきと考えます。そこで2点目、今回、条例制定を目指している、いわき市地域医療を守り育てる条例の目的について、伺います。

(保健福祉部長)
本条例の目的としましては、地域医療が市民の健康及び生命を守るかけがえのないものであり、市民が安心して暮らすために欠かすことができないものでありますことから、救急医療をはじめとした本市の地域医療が置かれている厳しい状況について、市や医療機関だけでなく、市民の皆様も含めた市全体で認識し、それぞれの立場で課題解決に取り組みため、市、市民及び医療機関が果たすべき役割を明らかにし、相互に連携・協力して、地域医療を守り育てるための様々な活動を行うことにより、将来にわたり、市民が安心して良質な医療を受けることができる体制を確保することであります。

(3) 検討の経過について
3点目、条例制定検討の経過について、伺います。

(保健福祉部長)
本条例の制定の検討経過については、平成28年12月に、医療関係者で構成される「市地域医療協議会」において、また、本年3月、医療保健、福祉関係者で構成される「市保健医療審議会」において、市からそれぞれの委員の皆様へ、条例案を提示し、ご意見をいただいたところであります。
会議における主な意見としましては、「医療従事者と患者との間の信頼関係の重要性について、条例に盛り込むべき」との意見や、「病状に応じた救急車の適正利用について、条例に盛り込むべき」など、様々な意見が出されましたが、委員の方々からは、本条例に関し、概ね賛同をいただいたところであります。
さらに、本年3月29日から4月12日までの期間でパブリックコメントを実施したところですが、資料請求の問合せが1件あったのみで、市民の皆様から寄せられた意見は、特にございませんでした。

今回の市民意見募集、いわゆるパブリックコメントにおいては、問い合わせが1件のみであったと伺っております。まだまだ市民の条例に対する興味や認知が高くないと考えられますので、複数の媒体を用いた広報に努めていただきますよう要望します。

(4) 基本的内容について
4点目、基本的内容について、伺います。

(保健福祉部長)
本条例の基本的内容としましては、地域医療が市民の健康や生命を守るかけがえのないものであり、将来にわたり持続的に確保されなければならないこと、市、市民及び医療機関が一体となり、相互の連携と協力の下に守り育てなければならないことを基本理念として、将来にわたり、市民が安心して良質な医療を受ける体制を確保するため、市、市民及び医療機関の役割を明らかにするものであります。
まず、市の役割としましては、救急医療体制の維持及び強化、医師の確保、保健や福祉との連携などの基本的施策を策定し、実施することとしております。
次に、市民の皆様の役割としましては、かかりつけ医を持つこと、受診に当たっては、医師などの医療の担い手に信頼と感謝の気持ちを持ち、その指導と助言を尊重すること、夜間又は休日の安易な受診をしないことなどに努めていただくこことしております。
次に、医療機関の役割としましては、患者の病状に応じた機能分担と連携により地域医療を充実させること、感謝の立場を尊重し、患者との信頼関係を築くこと、保健や福祉との連携を図り、在宅医療に取り組むことなどに努めることとしております。

今回の条例制定で注目すべきは、市・医療機関・市民それぞれが果たすべき役割を明確に明文化したことにあります。特に市民の責務として条例第5条第3項 受診等に当たっては、医師等の医療の担い手に信頼と感謝の気持ちを持ち、その指導、助言等を尊重し、健康を回復すること、第4項 救急車について、病状に応じて適正に利用すること、第5項 夜間又は休日における安易な受診をしないこと等を、定めたことは、われわれも一市民としてそれぞれ認識し、行動しなくてはなりません。なお、このような条例は、東北で初の制定であると聞いております。

(5) 施策の実行について
この条例は、いわゆる理念条例であり、罰則規定がありません。現段階では実行計画も明確にはされておらず、条例を作ったが、ほったらかしになるおそれもあります。ぜひしっかりとした予算を確保した上で、実効性のある施策を進めていただきたい。そこで5点目、どのようにこの条例の効果を出していくのか、施策の実行について伺います。

(市長)
本条例の効果を出していくためには、本条例を拠り所として、市、市民及び医療機関など、地域医療に関わるすべての関係者が、本市の地域医療の現状等を認識し、地域全体の課題として捉え、それぞれの立場で課題解決に取り組むことが、何よりも重要であると考えております。
そのため、市といたしましては、これまでも実施してきております「寄附講座の開設による医師招へい」、医学生等を対象とした「いわき地域医療セミナー」や「いわき市医療ガイダンス」の開催、「市病院医師修学資金貸与事業費補助金」などの取り組みに加え、新たな施策といたしまして、「市民の民間病院における医師の確保に繋がる寄附講座の仕組み」の導入に向けた検討など、これまで以上に、地域医療施策の充実に取り組むとともに、市民の皆様に対し、本市医療の厳しい現状や、医療機関の役割と連携の仕組み、適正な医療機関の選択方法などに関する情報を、講演会や広報等、様々な機会を通じて提供することにより、本条例に浸透を図り、実効性を確保して参りたいと考えております。

本気で施策を実行するためには、予算の確保が何よりであります。財政部長、ぜひよろしくお願いします。財政部長、答弁は結構です。

<過去の定例会の医療問題の一般質問は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/49011007.html
http://www.mikito.biz/archives/47001886.html
http://www.mikito.biz/archives/46253677.html
http://www.mikito.biz/archives/44459905.html
http://www.mikito.biz/archives/43053570.html
http://www.mikito.biz/archives/40105817.html
http://www.mikito.biz/archives/34605520.html
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注)上記記載内容は、当方のメモをもとに作成したものです。正式な議事録は、いわき市議会HPの議事録検索システムから入手下さい。
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吉田みきと プロフィール

ふるさとの福島県いわき市で、市議会議員として活動しています。いわき市は、震災後、複層的な問題が山積しています。公認会計士・一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 認定 アンガーマネジメントファリシテーターとしてのキャリアを生かし、フレッシュな視点で問題点を洗い出し、解決策を提案していきます。

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