(仮称)磐城平城・城跡公園について
黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁私は市議になることで、高校卒業以来、20数年ぶりにいわきに帰ってきたわけですが、戻ってきて驚いたことのひとつが、市民のいわき市に対する郷土愛の薄さでした。これまで上京以来10以上の地域・自治体に住んでみた経験から思うのは、少なくともかつてのいわき市誕生前の5市9町村に対する市民の郷土愛に比べると、いわき市全体に対するものはとても薄いと感じました。いわき市人口ビジョン・いわき創生総合戦略でも述べられていますが、20才前半の若者がいわき市から流出する割合は4000人と、郡山市・福島市の約2倍の水準であります。
これにはさまざまな要因があるのでしょうが、その一つがいわき市に対する郷土愛、いわきの先人に対する感謝、いわき市への帰属意識の低さではないかと推察しています。そこで私が目をつけたのが、そこで市民の心の支柱としての、いわき市のターミナル駅であり玄関口でもあるいわき駅前にあり、築城時には、現在のいわき市全域とほぼ同じ範囲を版図としていた磐城平城本丸跡地であります。
<いわき市の若者が転出する理由は、コチラ>
これにはさまざまな要因があるのでしょうが、その一つがいわき市に対する郷土愛、いわきの先人に対する感謝、いわき市への帰属意識の低さではないかと推察しています。そこで私が目をつけたのが、そこで市民の心の支柱としての、いわき市のターミナル駅であり玄関口でもあるいわき駅前にあり、築城時には、現在のいわき市全域とほぼ同じ範囲を版図としていた磐城平城本丸跡地であります。
私が 2013 年12月議会で磐城平城の城跡公園構想の提案をし、2014 年2月に所有者の案内で、封鎖されていた本丸跡地を現地調査しました。それまで長期にわたって封鎖されていた本丸跡地でしたが、雪が降りしきる中、かつて三階櫓があったあたりから、平の市街地を見下ろしたとき、かつての城主、安藤信正公も同じ場所からまちなかを見ていたかと思うと、心が震えました。
<2013 年12月議会 磐城平城城趾公園の提案は、コチラ>
<三階櫓は、コチラ>
実際に寒かったということもありますが、とんでもないお宝を掘り当てたという心境でした。<2013 年12月議会 磐城平城城趾公園の提案は、コチラ>
ここはかつて昭和 40 年代に同地にお城再建の機運があり、結果的に失敗に終わっていたことから、関係者の同意を得るのは容易ではありませんでした。しかしその観光面での活用に目をつけた JR ディスティネーションキャンペーンに賛同していただきました。その理由は、実際にお城の攻防戦があり、先人が本当に義のために血を流したその地ということ、そしてその場所がJR駅北口に隣接しているという立地が、全国的に見ても希有なことだったからです。その後、同じく所有者の案内で、JR いわき駅長・市土木部長・都市建設部長らを現地案内し、その立地の希少性・有用性を知っていただきました。その後地権者との交渉が進み、2018 年からは市の公有地となり、今年度には都市公園整備事業として実施設計をしていただいています。近い将来、城跡公園として一般公開予定です。そして実現のための財源についても、有効なものを確保していただいたと伺っております。これまで関係者の同意や調整を図るのには、大変な努力があったものと推察します。市の都市建設部を中心に、これまで尽力いただいた関係各位に衷心から感謝申し上げます。
<磐城平城 物見が岡 稲荷神社は、コチラ>
<磐城平城 白蛇堀(はくじゃぼり)は、コチラ>
(1) これまでの経緯について
ア 体験学習施設の常設展示について
せっかく来訪された方の期待に沿えるような、ここでだけ学べるコンテンツを用意しておかなければなりません。ネットや教科書に載っているような薄っぺらな情報だけでは、わざわざ来訪する意味がありませんし、すぐに飽きられてしまいます。先人たちの生き様が感じられるような、そしていわきの立場・歴史観に立った解説が必要だと思います。ここでしか手に入らない貴重な情報を得られること、それが訪問者の心に刺さります。肝は常設展示の充実であります。市では体験学習施設を新築し、展示ができるよう整備すると伺っておりますが、その体験学習施設の常設展示について伺います。
(都市建設部長)
常設展示につきましては、多目的な利用を図る休憩所など、限られたスペースでの展示となりますが、その展示内容につきましては、磐城平城に関する既存資料をはじめ、現在、「磐城平城文献等調査会議」で進めております調査・研究の成果の活用などについて、今後検討して参りたいと考えております。
イ 総事業費について
市では、公園整備にあわせて、体験学習施設の新築・いわき駅北口からのアプローチ階段の新設・風格を感じられるような門、そして緑あふれる植栽等を予定しています。その総事業費を伺います。
(都市建設部長)
本公園整備の総事業費につきましては、測量・設計費が約1億2千万円、用地・補償費が約5億7千万円、体験学習施設に関する工事費が約1億5千万円、公園整備に関する工事費が約6億6千万円となっており、総事業費は合計約15億円を予定しております。
この城跡公園もハード整備するだけでは市民に利用されません。ソフト面の充実が大事であります。市民にどうやって利用してもらうかの視点で整備を進めていただければと思います。2017年のいわき市長選挙では、磐城平城が○か×かが争点のひとつになりました。それはそれで思い出深い出来事のひとつでありますが、城郭そのものでなく、先人の志や生き様が感じられ、市民から愛される城趾公園になることを祈念して、次の質問に移ります。
<磐城平城の長橋門は、コチラ>
<磐城平城の掻槌門は、コチラ>
(2) 今後の進め方について
ア 今後の予定について
これまで公有地化終了、現在計画中で、近い将来、一般開放予定と伺っておりますが、今後の予定について伺います。
(都市建設部長)
今後の予定でありますが、本年6月には既存家屋等の解体撤去工事が終了したことから、引き続き埋蔵文化財の発掘調査に着手したところであり、今後は、体験学習施設や園路広場の工事を進めながら、令和3年度末の完成を目指して参りたいと考えております。
イ 各学校の遠足等での活用について
この磐城平城城跡公園は、小中学生の郷土愛を育み、自分たちのルーツ、先人の足跡を知り、自らの生き方を考える上で大きな参考ともなりうるものと考えております。磐城平城は、後で紹介する「いわきの先人」のひとり安藤信正公の居城でした。いわきの先人、安藤信正公の足跡を地域学習の時間で学ぶことは、後々役立つと思います。そのきっかけとして、学校遠足の行き先として活用していただくのがよいかと思います。特に、近隣の平一中、平一小だけでなく、徒歩圏でない学校への周知そして、実行にあたっての移動方法の確保が必要となります。そこで、各学校の遠足等での活用について伺います。
(教育部長)
遠足等につきましては、目的や実態に応じて、各学校が見学地を決定しているところであります。
このことから、今後、公園整備事業の進捗に応じて、体験学習施設等の供用開始時期やその内容等について、各学校に対し、適宜、必要な情報の提供に努めて参りたいと考えております。
ウ 文化との連携について
こどもたちにいわきに誇りを持ってもらうことは重要ですが、それには大人の理解が必要です。子どもは大人の背を見て育つと申します。われわれ大人が、文化や歴史を大事にする姿が、子どもたちに反映されてきます。そこで、歴史・市民の誇りのための文化との連携について伺います。
<安藤家御家流は、コチラ>
(特定政策推進監)
市といたしましては、現在(仮称)磐城平城・城跡公園の整備と並行して、磐城平城に関する歴史的な検証等を行う「磐城平城の歴史を後世に伝える事業」を実施しているところであります。
今後、当該事業における検証の成果を踏まえながら、市民の皆様が本市の歴史や文化の魅力に触れ、学ぶことができる機会を創出するため、当該公園における歴史講座やまち歩きなど、様々なソフト事業を展開し、地域の誇りや郷土愛を育んで参りたいと考えております。
エ 観光ボランティアの活用について
これまでこの磐城平城本丸跡地では、民間が主体となって開催した、美味しいビールを飲む催しである「ビア博」、地元の城山自治会が主体となって開催した、たくさんの灯籠を眺める催し「龍が城 月見の宴」、屋外でお茶を楽しむ野点等のイベントが開催されてきました。
<第10回龍が城 月見の宴@磐城平城本丸跡地は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53855455.html
それはそれでよいのですが、今後市の公園として、効果的に市民に利用していただくために民間に力を貸していただくのがよいかと思っています。個人的に大事だと思うのは、地元愛に満ちた観光ボランティアさんの存在です。いわきラブの観光ボランティアによる、愛情あふれる丁寧な解説と楽しいパフォーマンス、そして「いまだけ、ここだけ、あなただけ」のサービスこそが、自分の足でここに来て、いま、ここで聞かなければ得られない貴重な情報であり、来訪者の満足度に直結します。公園の来訪者に対し、愛情を持って「いわき」の歴史を伝えられる人財の活用が必要と考えます。そこで、観光ボランティアの活用について、どのように考えているのか、伺います。
<第10回龍が城 月見の宴@磐城平城本丸跡地は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53855455.html
それはそれでよいのですが、今後市の公園として、効果的に市民に利用していただくために民間に力を貸していただくのがよいかと思っています。個人的に大事だと思うのは、地元愛に満ちた観光ボランティアさんの存在です。いわきラブの観光ボランティアによる、愛情あふれる丁寧な解説と楽しいパフォーマンス、そして「いまだけ、ここだけ、あなただけ」のサービスこそが、自分の足でここに来て、いま、ここで聞かなければ得られない貴重な情報であり、来訪者の満足度に直結します。公園の来訪者に対し、愛情を持って「いわき」の歴史を伝えられる人財の活用が必要と考えます。そこで、観光ボランティアの活用について、どのように考えているのか、伺います。
<小田原城の観光ボランティア>
<金沢城の観光ボランティア>
<広島城の観光ボランティア>
<福岡市の観光ボランティア>
<伊勢神宮の観光案内人は、コチラ>
<長崎の観光ボランティア>
(都市建設部長)
観光ボランティアの活用につきましては、これまでに実施した関係者との意見交換においても、将来にわたり、いわきの歴史を伝承させる仕組みづくりとして、その実現を要望されたところであります。
市といたしましても、地域への理解を深め、地域の魅力向上につながるものであると認識しておりますことから、今後、庁内関係各課や要望を頂いた関係者等と連携して、検討して参りたいと考えております。
いわきで観光や少子化対策、自治体間競争等を議論するとき、いわきの良い点としてあげられるのは「いわきには海も山もある。食べ物は美味しいし、気候は穏やか。自然にあふれ、暮らしやすい」等です。しかし議員となり、いわきと東京の両方で暮らす私としては、違和感がありました。すなわちそういう地域は、日本全国にいくつもあるからです。これだけではいわきの強みとはいえません。そこで必要となるのが、地域のオリジナリティや地域のストーリーです。この城跡公園が地域オリジナリティやストーリーづくりのきっかけのひとつになればと祈念して、次の質問に移ります。
注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。