アキュラホームは、木造軸組工法の中堅住宅メーカーです。その創業社長の宮沢俊哉氏は、中学卒業と同時に大工修行をした元、大工。なので、現場職人や下請けを大事にする会社ということを売りにしています。創業の理由は、日本の住宅コストが高すぎること、その理由のひとつが見積もりのやり方がドンブリ勘定だったことを改善したいという思い。社名のアキュラは、Accurate(正確な)とQuality(品質)の造語だそうです。

実際、大工の工数は広範囲・多数に及ぶので、すべてを事前に見積もることは困難だからこそ、これまでは、大工の労務費を建築面積ベースでの「坪請け方式」し、内装工事等は、材料費と工賃を一緒にした「材工一式方式」が使われてきました。しかしこれだと、どこにどういうムダがあるのか、コスパの悪い材料があるのか、分析することができません。それを宮沢氏は、独自に作業項目と作業量を2万点にも及ぶ項目だしをして、エクセルで入力していったそうです。これが家一軒あたりの工賃を大きく下げることに役立ったのと、材料単価を市場価格への反映がタイムリーにできることにつながりました。いまでは、これが進化し「アキュラシステム」として、他の工務店へシステムそのものを販売しているそうです。

もうひとつの特徴が、全国の工務店と一緒に建築資材や住宅部品を一括購入する「JAHBnet」ジャーブネットという共同仕入です。これにより仕入価格スケールメリットがあります。

1959年生まれの宮沢氏は、40年以上も会社を引っ張り、今でも社長として入社式では、カンナがけを披露するそうです。その思いや姿勢は、従業員にも伝わるでしょうし、顧客にも伝わると思います。

2020-07-11 17.08.07-1