ペンシルベニア大学で、ポジティブ心理学を研究テーマにしているマーティン・セリグマン氏。ポジティブ心理学という学問は、心理学の世界ではかなりマイナーな部類なんだそうです。しかし、氏が実証したのは、悲観主義者(ペシミスト)よりも楽観主義者(オプティミスト)のほうが、さまざまな点でよい結果を出しやすいということ。

もちろん、生まれながらのものや、育ってきた環境で、すでに性格は形作られてしまっているので、悲観主義者(ペシミスト)も、楽観主義者(オプティミスト)になろう!といわれても、そう簡単には変えられません。著書は、かなりページ数があり難解な解説はあるものの、いわんとしていることをざっくりいえば、現在ペシミストであっても、後天的な学習でオプティミスト的な考え方を身につけることができるということ。ちょっとしたモノの見方を変えることで、性格は(ちょっとだけ)変えられる。

さらにいえば、必ずしもどんな場面で、オプティミストが絶対的な良い結果を出すとは限らない。よく考えればわかることですが、ペシミストはオプティミストよりも現実を把握するのが得意。したがって、安全管理や設計、契約交渉などにはペシミスト的な視点のほうが有利にコトを進めることができます。ペシミストは、その性格に加えて、意図的に楽観主義を身につければ、ペシミストならではの有利な視点をもちながら、オプティミスト的な大胆な行動を取ることができるわけです。これは多くの人にも当てはめることができると思います。

2020-06-16 16.36.20-1