著者のおおたとしまさ氏は、教育関連の書籍を多数、書かれている教育・育児ジャーナリストさんです。著者のいくつかの本を読んで感じたことは、実際に取材している、塾の現状等のレポートは、教育学者にはない視点があるということ。今回の本は、男子校(麻布、栄光、海城、開成、芝、修道、巣鴨、東大寺、桐朋、灘、武蔵)のベテラン先生たちのいっていることを、聞いてきてまとめたもの。客観的なエビデンスやデータに欠けるということはありますが、それもそういうスタイルなのだからしょうがないと思います。

21世紀の~とのタイトルはあるものの、これからの教育に求められることは、これまでの教育とそう変わらない。必要とされるのは「そこそこの知力と体力」「やり抜く力」「他人とチームになるコミュニケーション能力」です。日本においては、中学受験のプロセスが非認知能力を高める上で、役立つこともあるとのこと。これは、幼児教育の経済学でも明らかにされています。

面白かったのが、思春期にできることに集中しろ!ということ。これは部活動であったり、恋愛だったりします。恋愛でいえば、これまで両親から全身の愛を受ける側だったのが、愛を他人(女性)に向ける側に立つということ。さらにいえば一人の女性を愛するということを通じて、全世界の人がその営みをしていて、誰かを愛し愛されていることに気づけば、他人を誹謗したり傷つけるような思考や行動にならなくなるだろうと。

<幼児教育の経済学は、コチラ>
2020-04-12 11.02.54-1

 「あの人はちゃんと見てくれている、わかってくれてる。そう思える大人がいれば、子供は決してねじ曲がらない」。だまって子どもを抱きしめてあげたくなりました。