著者の神田誠司氏は、朝日新聞の記者。これまで「今、地方に何が起こっているのか」等の著作があり、地方再生やまちづくりに造詣が深い方です。インタビュー主体の記事構成は、神山町で活動する方々の思いや背景が描かれていて、その取材力に驚かされました。

さて、神山町とは、今、地方再生で注目されている山村です。かつては、消滅可能性都市で20位にランクされたさびれた町。1950年代には2万人を超えた自治体ですが、現在5千人あまりにまで減少。それが、いま、都会から若者が流入し、サテライトオフィス等の新設が相次いでいるという現象。2011年以降、町に本社を置く会社が16社増えました。移住者も相次いでいます。その秘密を知ろうといま、全国から視察が相次いでいます。その秘密が書かれています。

結論からいうと、秘策はなく、20年前から取り組んでいる地道が、外からの人財との交流活動が、ここ数年で実を結んでいるということ。もうちょっといえば、そういった交流活動を通じて、住民や自治体職員の意識が、まちに関わる問題を、自分事として考えるようになったということです。

これまで町がやってきた事業は、以下のとおり。突飛なものもありますが、多くは他の自治体でも手がけられています。これらを継続して、自分事として面白がってワクワクしながらやってきたことが実を結んでいるのだということがわかりました。

・神山塾:6ヶ月間の滞在型職業訓練
・NPOグリーンバレー:ヨソモノ受け入れ
・アート・イン・レジデンス:芸術家に滞在してもらって制作
・イン神山:豊かなコンテンツが表現されるウェブサイト
・奇跡のショット:川の水に浸かりながらウェブ会議に参加
・ヒトノミクス:手に職を持つ人を誘致
・地方創生まちづくり:自分事として参加
・神山つなぐ公社:まちづくりの実働部隊
・フード・ハブ・プロジェクト:地産地食、産食率アップ
・孫の手プロジェクト:地元高校生の地域参加
・つなプロ発表会:まちづくりの進捗発表

2020-03-18 12.38.53-1