【映画Fukushima 50 公開初日】見てきました。吉田昌郎所長に渡辺謙、菅直人首相に佐野史郎という配役はハマっていました。一号機の手動ベントのために決死隊が浴びた放射線は、たった20分で90mSv、一般人の90年分です。原作を読んだときも涙が止まりませんでしたが、改めて映画でも。映画の原作は、死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日 門田隆将著です。2013年に読んだのですが、改めて読み返して、心が熱くなりました。

さて、映画のシナリオをおさらいをしたいと思い、小説Fukushima50を読みました。こちらは、映画のあらすじと、セリフがそのままの小説版。ただ気になったのは、小説には登場しない、米軍のトモダチ作戦が、映画では登場していることです。映画監督の何かの思いがあるのでしょうか・・・米軍のトモダチ作戦は、日本政府の要請により、3/11東日本大震災からたった2日で空母レーガンらが、宮城県沖に急行し、被災者救出や支援物資運搬をしたもので、とても良い話なんですが、、、、一方、3/13早朝に福島県沖に到着した空母レーガンらは、1号機の水素爆発や放射線拡散の情報が与えられないまま、活動をしてしまった。その結果、レーガンはちょうど放射線プルームのまっただ中に停泊し、活動してしまい、知らぬ間に兵士らは莫大な放射線を浴びてしまいました。航海終了直後から、放射線障害と思われる症状がでて、いまでも放射線による影響に苦しんでいる兵士も多いそうです。

原子力が持つ巨大な力は、人間の手でコントロールできないといわれています。一方、逆の見方に立てば、そんな巨大な力が暴走したとき、Fukushima50らの尊い活動によってねじ伏せることができたともいえます。小説の終わりのほうで、主人公らが会話しています。
「俺たちは自然の力を舐めていた」
「確かな根拠もなく、自然を支配していたつもりになっていた。つまり慢心していたんだ」
「俺たちは確かに、原子炉をねじふせた。執念で抑え込んだといってもいい」
「でも、格納容器がなぜ爆発しなかったのか、その理由は今になってもわからない」
「だからこそ、大事なことは1Fで何があったのかを教訓として語り継ぐことだ」

原発推進派、反対派いずれの側からも、この映画は教訓となると思います。

<死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日 門田隆将著は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/22190200.html
2020-03-07 08.11.50-1