僕は、先日1Fで被ばくしました。資源エネルギー庁が公募していた一般人向けの福島第一原子力発電所視察・座談会です。廃炉資料館で集合して、東電のバスに乗り換えての視察です。事故後にこれまで数回、1Fを視察していますが、防護服なしでの見学は初めて。発電所正門・入退域管理棟では0.1μSv/hだったのが、2号機そばでは、最大250μSv/h(構内バス車中で)まで急上昇。今回、特筆すべきは1号機正面から数十メートルほど離れた高台で構内バスを降車して、遮蔽物なし・防護服なしの屋外で10分ほど、40μSv/hを被ばくしながら、1号機建屋を生で見つつ、廃炉作業の現状説明を受けたことです。国内最大級の750tクレーンを用いて、遠隔操作で吊上げ作業していました。その後、1F構内の全体を1時間ほどかけて構内バスで回り、私が被ばくした放射線量は、個人それぞれに手渡された累積線量計で0.2mSv(ミリシーベルト)でした。これは歯医者でCT撮影したときの約2倍に相当する被曝量だそうです。
<2019年 福島第一原発 経済同友会視察は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52981376.html
<2016年 福島第二原子力発電所 原子炉格納容器を視察は、コチラ>
<2015年 福島第一原発 1-6号機を視察は、コチラ>
<2015年 福島第一原発 重要免震棟を視察は、コチラ>
こちらが私が手渡された累計放射線量計と同じ型(Panasonic製)の実機。胸ポケットに穴が空いている方を正面に向けて使います。手渡されたときは0.0mSvでしたが、1F構内視察後の値は、0.2mSvになっていました。規定の値(例えば1.0mSvに設定しておく)を超えると、ピーピーと警報音が鳴り響き、撤退の可能性を示唆します。
今回、構内でタイベック+マスクを装備して作業している方は、1-4号機周辺で作業されている方です。新大型休憩所、新事務棟周辺は、タイベックなし、マスクなしで移動してOKとのこと。それにしても、廃炉に要する費用は、毎年約2000億円かかり、現時点で40年間で8兆円かかるといわれています。膨大な電気を投じながら屋外地下に凍土壁を作り、デブリ取り出しのための(現時点で存在しない)新技術開発に人的資源を投じるような今のままの廃炉のやり方でよいのか、他の方法はないのか模索・検討しなくてはならないと思います。
1F構内の大型休憩所で、昼食をいただきました。390円で、定食3種類、麺、丼モノも5種類から選択できます。構内での調理はできないのですが、2015年に大熊町に作られた福島復興給食センターで調理した温かい料理を、廃炉作業をする約4,000人の作業員向けに毎日運んでいるそうです。焼肉丼をいただいたのですが、かなりボリュームがありました。おそらく体力を使うような作業員向けの量を想定されているんだろうと思います。
写真は、廃炉資料館の2階にある、中央操作室を模したもの。展示は動画が中心で、実際に勤務していた方のインタビューが多くありがとうございます。、かなり臨場感がありました。
【Fukushima 50 公開初日】見てきました。原作は門田隆将著の「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日」です。吉田所長に渡辺謙、菅首相に佐野史郎という配役はハマっていました。一号機の手動ベントのために決死隊が浴びた放射線は、たった20分で90mSv、一般人の90年分です。原作を読んだときも涙が止まりませんでしたが、改めて映画でも。
<死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/22190200.html
注)上記写真は、許可を受けて東京電力廃炉資料館で撮影したものです。今回の視察では、福島第一原発内にカメラ、スマホは持ち込み禁止だったので、構内の写真はありません。