著者の中川祐次郎氏は、外科医でありながら、複数の一般書籍の著作を持ち、日経ビジネスオンラインやYahooニュースに、積極的に記事を投稿している方です。2011年の福島第一原子力発電所の事故で、福島県双葉郡広野町の高野病院で、院長不在のピンチヒッターとして、数ヶ月間院長を引き受けたこともある現役の40才若手医師。いわゆる保守本流ではなく、独自のキャリアを歩まれています。

サブタイトルは、医師が「患者の前で何を考えているか」です。
・「風邪ですね」なぜあしらうように言うのか?
→風邪(ウィルス)は薬で治らない。対症療法か、抗生物質(菌に対する)の組み合わせ。
・医者の「大丈夫です! 」はどこまであてになるか?
→あてにならないが、患者に安心感を与えることもある。
・なぜ医者の態度はいつも冷たいのか
→圧倒的に時間が足りない。先の予定が詰まっている。
・「様子を見ましょう」の裏で医者は何を考えているか
→病名を断言するのは難しい。
・患者の「薬を減らしたい」を医者はどう思うか?
→それぞれの診療科の医師が別々に処方するので、削減は難しい。
・がんを「告知」されたときにすべき3つの質問
→①担当医ががん治療になれているか、②どういう予定で検査や治療するか、③本人・家族ができることは何か
・「余命3ヶ月から奇跡の生還」を医者はどう見るか?
→全くの偶然のチャンピオンケースか、そもそもの誤診
・病院はなぜこんなに待たされるのか
→検査結果が出るまで時間がかかるのと、病院側が待ち時間を減らす努力をしていない
・受診は「平日の昼」をおすすめする意外な理由
→夜は医師数も少ないし、時間外なので、疲れている。検査スタッフがいないので、十分な検査ができない。さらには、時間外・休日加算料金がかかる。

その他、医師の年収や恋愛、医局の実話、製薬会社と医師との癒着実態等が、ご自分の経験や友人・知人からの伝聞も含めての、所感が綴られています。決して、統計・論文・第三者チェックが入ったような類いの文章ではないけれど、だからこそ書ける内容だと思います。

2020-02-23 08.01.19-1