著者は、30年近くロシアに住み働いていた方。ロシアの外交官養成機関のモスクワ国際関係大学を日本人として初めて卒業したそうです。現在は、まぐまぐ大賞を受賞したメールマガジンRPE「ロシア政治経済ジャーナル」で意見を発信し続けています。サブタイトルは、「この世界の荒波を私たちはどう生きるか ロシア滞在28年で考えた日本復活への7つの指針」。まさに「日本の復活を願う人」への「指針」です。
実際に、著者の講演を聴講したことがあるのですが、執筆の動機と視点が興味深い。30年近く住んで、日本に帰国した著者が感じたことは、日本国民の心から「希望」が消えていることだそうです。例えば「日本の未来は明るいですか」「日本は、これから繁栄していきますか」の問いに対して、肯定的に答えられる人はほとんどいないでしょう。そうして国民の大多数が、日本の未来は暗いと思っていれば、実際にそうなる可能性が高いでしょう。
そんな流れを断ち切るためには、各個人の心の内を変えていき、ポジティブな考え、いいかえれば希望の火を持つこと。そうして国民の多くが日本の未来は明るい、自分の未来も明るいと希望を持っていれば、実際にそうなる可能性が高いでしょう。
では各個人の心に内をポジティブにするには、希望の火を持つためにはどうすればよいか。そのための行動指針として著者は七つの掟を上げています。
第1の掟 「和の世界」を創れ
調和を大事にする日本人の特質を大事に
第2の掟 知性によって日本を自立国家へと導け
エネルギー・食糧・軍事等を、可能な限り自立せよ
エネルギー・食糧・軍事等を、可能な限り自立せよ
第3の掟 「理想を目指す」現実主義者であれ
空想主義・理念主義でもなく、ただの現実主義でもなく、理想を持ったリアリストとなれ
空想主義・理念主義でもなく、ただの現実主義でもなく、理想を持ったリアリストとなれ
第4の掟 日本の「真の国益」は何かを常に考え行動せよ
第5の掟 常に「大戦略」の視点から物事を見よ
短期的な利益やメンツにとらわれず、長期的視点で行動せよ
短期的な利益やメンツにとらわれず、長期的視点で行動せよ
第6の掟 日本を愛し、他国・他民族への尊敬の念を忘れるな
愛国は良いことだし、他国も尊重する
愛国は良いことだし、他国も尊重する
第7の掟 言葉と行動によって日本の名声を高めよ
日本は道義国家であることに自信を持ち行動する
このような指針を持った上で、日本人であることに誇りを持ち、他国とおつきあいしていけば、おのずと国は豊かになるし、他国からも尊重される国であり続けられると思います。
このような指針を持った上で、日本人であることに誇りを持ち、他国とおつきあいしていけば、おのずと国は豊かになるし、他国からも尊重される国であり続けられると思います。