環境経済・政策学会2019@福島大学に参加しました。福島大学は福島市内にあるけれど、まちなかからはかなり遠く、金谷川という2つ離れた駅にあります。今回は、Climate change (English session)を聴講させていただきました。

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参加したきっかけは、トリバー三世・クレアランス・ヘンリーさんというアメリカ人の既知の友人の発表があったから。トリバーさんは、2014年にいわきの平第三小学校で、ALTという英語の助手をされていました。当時から環境問題に興味を持っていて、当方からいわきの洋上風力の現状等の情報提供をさせていただいて、日本語・英語ミックスで議論したことがあります。それがきっかけ?で環境問題に深く考えるようになり、ALT期間終了後に、東北大学(当時)の環境部門の権威である馬奈木教授に師事し、同大学大学院に進学。現在は九州大学の博士課程で研究を続けているそうです。

<ALT 平第三小学校は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/36792875.html
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トレバーさんの今回の学会発表のタイトルは、「Drivers of Green Bond Market Development」。パリ協定で定められた国ごとの目標値等が、どれほどグリーンボンド、環境債券の発行額に影響を与えているかという、さまざまな統計データとの相関分析の結果とその内容でした。しっかり丁寧に調査研究されていて、社会に役に立つ研究であろうと感じました。20分間の発表の後、広島大学のMoinul Islam氏から総括と発表者に対する質問があり、的確に回答されていました。なお、発表&質疑応答等、すべて英語です。トレバーさんは、米国人なのでもちろん英語はネイティブですが、日本語もALT等での経験を経て漢字が読める・書けるほどの達人です。英語での論文はすでに3つが査読付で掲載されていて、日本語での論文も査読を依頼中だそうです。2014年のときの日本語レベルとは格段に飛躍されていて、驚きでした。

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さて会場となった福島県立大学ですが、いわきからは、距離的にも精神的にも遠い存在です。いわきの高校からの進学先は、国立だとまずは茨城大学が第一の候補に上がります。次いで、関東の大学、そして東北大学でしょうか。ちなみに東日本大震災前は、福島県立医科大学は、日本全国の中でかなり低い予算規模で運営されていて、ある意味、国から冷遇されていました。これは大学・教員・設備・学生の質にも大きく影響を与えていました。一方、震災後は、莫大な復興予算が福島県立医科大学に対して投じられ、さまざまなハード施設が建設されています。今後も、保健科学部(仮称)が設置予定です。出自が、福島県立女子医学専門学校として、いわゆる医専として予算上、冷遇?されてきた大学ですが、東日本大震災を機に、まったく変わってしまいました。

・2011年:放射線医学県民健康管理センター設立
・2012年:災害医療総合学習センター設置
・2012年:医学部学生定数増 ( 110名→125名 )
・2012年:ふくしま国際医療科学センター新設
・2013年:医学部学生定数増 ( 125名→130名 )
・2014年:医学部附属死因究明センター新設
・2016年:医療研究推進センター発足
・2021年:保健科学部(仮称)設置構想中

<福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センターによる甲状腺検査説明会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/22767870.html
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この福島県立大学だけでも、以下のような研究所・学部新設・増設が続いています。震災の「焼け太り」との声も聞かれるなか、実績を出していかなければなりませんね。

・2013年:環境放射能研究所を設置
・2019年:農学群 食農学類(定員100名)開設
・2019年:大学院共生システム理工学研究科環境放射能学専攻増設

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ちょうど農学群 食農学類の建物が新築中でした。福島県の農業は風評被害が継続中ですので、サイエンスの力で、これを克服できたら素晴らしいと思いますし、そういったパッションを持った人財が集まることを期待しています。

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郊外にある大学だけに敷地に余裕があります。大学キャンパス内に、総合グラウンド・テニスコート・学生寮等が点在しています。逆に敷地に余裕がありすぎて、学生の密集度が低く感じます。個人的にはまちなかキャンパスこそが、人と人のふれあいが濃くなり、知識・情報の交換の密度が高くなり、そのスピードが他よりも速くなると、知識やノウハウの相互作用からパイルアップが始まり、新しいアイデア・実行が出やすくなるのではないか。

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トレバーさんの発表は、堂々としていて、安定感のあるものでした。これからも研究を続け、それが社会の役に立つことを祈念しています!

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