磐城平城・城跡公園について②

黒字:吉田の発言・質問、青字:執行部からの答弁
<前回までは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53829662.html

(2) 文化交流ゾーンの体験学習施設について
意匠4
文化交流ゾーンにある既存家屋については、耐震上の課題等から、撤去し、あらたに体験学習施設を新築する予定と伺っております。その体験学習施設について、どのような建物意匠となるのか伺います。

(都市建設部長)
体験学習施設につきましては、本公園が創出する良好な景観との調和が図られ、磐城平城本丸跡地の歴史的な価値を向上させるに相応しい品格ある「和」を基調とした意匠とすることとしております。
具体的には、建物の構造を木造平屋建てとし、屋根の形状につきましては、寄棟(よせむね)を基本に腰(こし)屋根や入母屋(いりもや)の要素を加え、さらに、和室側の屋根を二段にするなど、本公園に相応しい意匠性を有する和風建築物を整備する予定としております。

磐城平城本丸跡地の歴史的な価値を向上させるにふさわしい品格ある「和」を基調とした建築意匠とのことでした。一歩、踏みとどまって考えてみてください。現代の新建材やサッシでぴかぴかに新築された建物に、本丸跡を感じられるでしょうか。市長室にも飾ってある有賀家所蔵の磐城平城絵図によれば本丸は、平屋建てで赤瓦だったことが見て取れます。本丸の間取りがわかる図面も現存しています。本丸そのもの再現には至らなくても、意匠等でイメージを踏襲することは可能であります。ぜひこれからの詳細設計等で意を用いていただきたいと思います。

整備内容5
整備内容について、どのように考えているのか伺います。

(都市建設部長)
本施設につきましては、園内にある庭園を望むことができる施設南側に、日本伝統文化の活動などが行える和室を、施設東側には、磐城平城の歴史・文化に触れ合うことができる資料等を展示する休憩所を、施設北側には、給湯室やトイレ、公園管理者の管理事務所を配置することとしております。

施設機能は、御答弁のとおり4つの機能を達成するためでした。

常設展示6
本市の歴史を学び、伝えるための地域の歴史伝承のための場として、実質的に使える場所は、さきほど答弁いただいた「休憩所」兼展示スペースになろうかと思います。地域の歴史を伝承する場、本市の歴史を学び、伝える場として、しっかりと展示・学習する場にしなくてはなりません。
実は、その展示内容・コンテンツについては、すでに豊富に存在しています。具体的には、2018年9月にラトブの産業創造館で開催された、「磐城戊辰戦争150年記念展示会」です。

<磐城戊辰戦争150年記念展示会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52451828.html
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そこで新規に作成・展示されたパネルや現物の活用です。戊辰戦争の背景、西軍の思惑、奥羽越列藩同盟の義、平潟の戦からはじまる、いわきの戊辰戦争は、、具体的には、勿来・関田の戦いに始まり、小名浜二つ橋の戦、小名浜港内での西軍軍艦「富士山」への砲撃・命中、湯長谷藩、泉藩の戦、そして2回にわたる磐城平城の攻防戦は、先人はすぐそこで戦っているような息づかいを感じさせるものでした。個人的には、祖国を守るためには、普段からの備えが大事であり、価値観を同じくする強い同盟国を持つことが要だということを、ここから学びました。また、戦局にとらわれず、大局観を持って行動することや、大藩であっても役に立たないことや、小藩であっても大きな援軍となることも学びました。
また、現在の既存建物内に展示されている磐城平城模型についても、縦横3m四方近い立体ジオラマであり、視覚的にわかりやすいことから、城というものを理解するのに非常に有用なものと思います。
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また、文化センターで開催されていた「いわきの偉人紹介パネル」等も有用です。いわきオリジナルの和という点では、「いわき絵のぼり」なども展示もしてほしいと思います。
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かつての城主であった、鳥居家・内藤家・安藤家の方々のご協力を得て、残された掛け軸や茶器等を見せていただく機会があってもよいと思います。

<安藤家の法要祭は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/50308510.html
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いずれにせよ、来場者が不意にいつ来ても見ることができる常設展示は、来場者の期待に応えるために必須のものと考えます。逆にせっかくきたのに貧弱な展示があるだけだったら、著しく満足度を下げ、がっかり感だけを持って帰ることになりかねません。このような常設展示についてどのように考えているか、伺います。

(都市建設部長)
常設展示につきましては、多目的な利用を図る休憩所など、限られたスペースでの展示となりますが、その展示内容につきましては、磐城平城に関する既存資料をはじめ、現在、調査・研究が進められております。磐城平城文献等調査における成果の活用などについて、今後検討して参りたいと考えております。

いわきの文化に触れられる機会の創出7
既存家屋では、これまで、茶道、生け花、琴の演奏、折り紙教室など、日本の伝統文化の活動の場として使用されてきました。
いわきにはオリジナルな民族舞踊があります。市内各地でお盆に披露される「じゃんがら」や「三匹獅子」はもちろん、市内で唯一、重要無形文化財に指定されている錦の熊野神社の「稚児田楽・風流」、平・大國魂神社の「大和舞」、泉の「滝尻棒ささら」、湯本の「やっぺおどり」、湯本温泉芸能保存会の「常磐炭坑節」、沼ノ内の「水かけ祭り」等、たくさんあります。私も実際に見せていただいて、単純におもしろい、美しい、楽しいというだけでなく、いわきのオリジナル、強みとなる可能性を感じました。一方、これらの舞踊や芸能は、その地区限定で受け継がれてきたという性格もあり、必ずしも市内の他地区の人にとっては、見たことがない、知らないという傾向があります。その結果、舞踊によっては、人口減少等を理由に地域で支えきれず、縮小してきている傾向があります。こういった方々の、舞踊や芸能の披露の場として、そしていわき市全体で地区の活動を支援するために、この体験学習施設が利用できると思いますが、いわきオリジナル舞踊に触れられる機会の創出について、どのように考えているか伺います。

<御宝殿熊野神社 稚児田楽は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53596498.html
http://www.mikito.biz/archives/53596508.html
http://www.mikito.biz/archives/53596511.html
http://www.mikito.biz/archives/53596530.html
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(都市建設部長)
本公園は、魅力ある歴史公園として、多くの方々に来訪していただくために、公園施設等のハード整備のみならず、ソフト面の充実が重要であると認識しております。
このようなことから、今後、本公園の運営体制を構築していくにあたり、茶道や華道といった、これまでの日本伝統文化の活動に加え、いわきの伝統文化に触れる機会の創出について、検討して参りたいと考えております。

<式正の湯 安藤家御家流(おいえりゅう)のお茶は、コチラ>
単に建物・和室というハードを整備しただけでは、利用はなされません。いま申し上げた各団体から和室整備についても整備前にご意見をいただき、使いやすい施設にしていだきたく要望し、次の質問に移ります。

<次につづく>
http://www.mikito.biz/archives/53829670.html

注)記載内容は、当方の手許メモを元に作成したものですので、正確にはいわき市議会公式記録をご確認下さるようお願いいたします。