著者のさーたりさんは、外科医・漫画家・オタク・2児の母という、スーパードクターです。小説家兼ドクターという方は、複数いらっしゃいますが、マンガ家兼ドクターというのは、この方だけでしょう。腐女子という言葉はありますが、腐女医という造語は、この方にだけあてはまる言葉でしょう。「史上初?の現役外科医でオタクな2児の母が描くコミックエッセイ」の触書は、本当でした。いわゆる、医師のあるある本なのですが、なにせその属性からにじみ出る仕事・生活は、かなりぶっとんでいて、面白い。というか、あまりに多忙過ぎるのに、笑って働き続ける精神力(と体力)が、スゴいなあと感じました。あと、絵がやさしくて、シンプルなのが好感。

天皇陛下の執刀医 天野篤氏が院長を務める、お茶の水の順天堂医院の肝胆膵外科にご勤務とのことですが、こんなに激務&魅力ある職場なんですね。あらためて、順天堂のすごさを知ることができました。

<順天堂醫院のICUに感動は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46166422.html
2019-09-19 07.50.51

医師国家試験という過酷なお勉強をしながら、作画の練習をするのは、さぞや大変なのだろうと思っていたのですが、さにあらず。趣味でオタクなマンガを書いていたのは高校までで、一人前のドクターになるまではマンガはまったく描いてなかったそうです(あまりに忙しかったのでしょう)。それが31才のときに命にかかわる大怪我をして、そこでいったん再考。一度きりの人生だから、かつて漫画家になりたいという夢を実現しようと行動開始。ブログ等で、医師あるあるを発信していたこともあり、それをコミックエッセイ化すべく、まず4コマ漫画に仕立てたそうです。それを再構成し、コミックにしたのがこの本。著者のパワフルさには驚かされますが、実は著者のメッセージは、外科はあまりに多忙だけれどやりがいが大きいので、ぜひ若いドクターには外科を目指して欲しい、ということのようです。でもやっぱり、こんな時間に追われる外科ドクターの現実を知ったら、多くの若い研修医は敬遠するんだろうな・・・という印象。