仲の湯は、いわき駅から徒歩5分、南町にあるまちなかの銭湯。といっても、尼子湯さんがクローズしてからは、平のまちなかの銭湯はここだけ。オンリーワンの施設です。といっても築50年は経過しているであろう建物の2階にあり、老朽化は否めない。湯本温泉のみゆきの湯のように、建物が新しくなく、地主・家主・経営が別々らしいので、ビルの建替え予定はないとのこと、今あるうちに訪れておきたい場所のひとつです。

<みゆきの湯は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/53391227.html
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「強力 超音波浴泉 共立式」の能書きが、盛ってます。いや盛り過ぎというか、過大広告の域に達してます。これによると「振動数が毎秒1万サイクル〜3万サイクルの有効な不可聴音波を派生(発生か?)しております。この超音波は、サーチライトの様に一つの方向に集中する指向性や強い浸透力を持ち、人体の皮膚奥深くまで温める温熱作用と、細菌を破壊する殺菌作用と、油と水をまぜる乳化作用等数々の特性を持っております。この浸透性の温熱作用によって、身体が短時間で骨のズイまで温まり、湯冷めせず湯疲れも少なく、疲労回復、ストレス解消に有効です。また、乳化作用により毛穴の油汚れがとれ、血行を良くし、血液中のコレステロールが減ることなど、医療効果もあります。また、噴射気泡と油圧によるマッサージ効果と漸進的に肌が艶々する美容効果もあります」。
現代でこれをいったら、医療法や広告関連法等で訴えられそうな記述ですが、当時は、これくらいは効果を盛る表現が、普通だったのでしょうか。時代の彼我の差を感じますね。ある意味、勉強になりました。

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2つの浴槽があって、一つが 超音波浴泉。といっても、浴槽内部でつながっているので、お湯・温度は実施質的には同じです。個人的には熱くもなくぬるくもなく、1分間で十分全身があったまるくらいのちょうど良い温度でした。

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カランは、ベーシックなお湯と水が別々のボタン式。お湯は熱湯でなく、そのまま浴びられるくらいの温度だったので、水で薄めなくてよいので、面倒はありませんでした。

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桶は、やはり定番の「ケロリン」でした!やはり銭湯は、これでなくっちゃ。

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シャワーも付いてます。シングルレバーで水量を調整。「ぬるい」より上、「温かい」より下という微妙が温度でした(温度調整不可)。

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鏡に書かれた企業広告名は、もはや存在しない店名が。田町の「とんかつ  すが」、三田小路の「蛇の目寿司」。どなたか、ご存じの方はいらっしゃらないでしょうか。

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平和通り24時間ビル前には、中華スタンド「東邦紅」があったらしい。いまでも「東邦紅」というお店があるようですが、当時から存続しているということでしょうか。

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昔懐かしの計量はかりと、身長計がありました。意味もなく載ってしまうんですよね。

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毎週火曜が定休日(祭日無関係)。ちなみに料金は大人450円、子ども90円です。

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風呂上がりには、冷えた牛乳ですよね。いわきが誇る牛乳ブランド 木村牛乳のパスチャライズ牛乳150円でした。さりげなく本物志向。もちろん定番のフルーツ牛乳もありました。入浴料450円+牛乳150円=600円で、汗を流してさっぱり+ 超音波浴泉で健康+木村牛乳でのどごしさわやか、が実現できるなんで、なんてお手軽な楽しみ方でしょう。

<木村ミルクプラント パスチャライズ牛乳は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47362218.html
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日曜の昼過ぎに訪れましたが、先客はいませんでした。1時間近く長風呂していたら、3人ほど、60過ぎとおぼしき男性らが、別々に来店。番台さんにヒアリングすると、日中はこんな客足が普通とのことです。銭湯業界で一般的に儲かるラインは、一日の客数が120人といわれています(120人×450円=54,000円の一日売上)。それぐらいないと、ボイラー燃料代とひとりの人件費がまかなえないでしょうが、とてもそれに達しているとは思えません。おそらく毎晩、お湯に入りに来る常連さん(自宅に風呂設備なし)でなんとか支えられていると推察します。自宅に風呂設備がある家庭から、わざわざ外出してまで、銭湯に来るような奇特な人は、かなりレアでしょう。

お酒好きの人なら、風呂上がりの一杯って、最高ですよね。せっかく居酒屋がたくさんある平まちなかにある利点を活かせないか。例えば、平日の仕事を早めに切り上げて、仲の湯でひとっ風呂浴びて、さっぱりしてから、近くの田町・白銀の居酒屋で、風呂上がりの一杯をやる、なんて最高じゃあないですか。人生の楽しみがひとつ、増えたようなもんでしょう。そんな遊び方(飲み方?)が広がってくれれば、まちなか銭湯「仲の湯」さんも生き残れるのではないでしょうか。これから、平のまちなかで呑み会があるときは、「仲の湯」さんに立ち寄ってから参加するというのを実践してみたい。

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居酒屋しんげんが1階に入居しているビルを見上げてみると、銭湯の象徴である煙突がありました!こういう、まちなかのシンボル?のようなものを大切にしていきたいですね。

注)銭湯内の写真は、番台さんの許可を得て、撮影しています。