著者のナザレンコ・アンドリー氏は、ウクライナ生まれ、ウクライナ育ちの、若干24才のウクライナ人。現地で日本語学校に通い、ロシア語・英語・日本語に堪能。その筆者が、ウクライナが、現在進行形で、侵略されていることを、日本語で著したデビュー作です。

2014年にロシアは、ウクライナの一部であるクリミア半島に、軍を進駐させ、占拠し、ロシアに併合しました。これはウクライナの悲劇、まさに「戦争」そのものでしょう。

(このロシアの拡大主義・独裁帝国主義は、現代社会・国際的に許されることではありませんが)ウクライナが、それまで犯した軍事的な政策ミスは、
①すでに配備してあった核兵器を放棄した
②100万人の軍隊を1/5の20万人に削減した
③NATOのような多国籍軍事同盟に加盟しなかった
により、ロシアの侵略を許してしまった。戦争を防ぐことができなかった。

ウクライナにも非戦主義(Pacifism)を唱える層があって、
・軍隊をなくして隣国にとって脅威にならなければ、攻められない
・どんな争いでも、平和を訴え、話し合いさえすれば、解決できる
・集団的自衛権を認めたら、他国の争いに巻き込まれるから危険だ
という考えの下で、軍縮を進めてきた結果、ロシアに戦争をしかけれられ、クリミア半島を占領されることになってしまいました。

著者いわく、これは日本の現状にも、そのままあてはまるのではないか。日本はウクライナを他山の石として、ウクライナのような戦争を防ぐために、国の防衛体制を敷かなくてはならないのではないか。すなわち、
①については、現在のアメリカの核の傘は、(自国で持たない以上)絶対に必要
②一定数の軍隊という実力組織は、抑止力として必要
③日米安全保障条約は、絶対に必要。さらに価値観を同じくする国等(例えばイギリスやオーストラリア)と連携・同盟していくべき と私は理解しました。

著者、曰く「いまだに護憲などと騒いでいる日本人をウクライナに連れて行って、何が平和にとって必要かを勉強させる必要がある」「どうして安全な日本国内で戦争と平和主義を叫ぶ人たちは、実際の戦地で平和の精神とやらを伝えに来ないのか」。

2019-09-03 08.28.51

日本で、いつまでも憲法改正について議論が進まないことについても、氏の見立てが鋭い。
曰く、「日本人って、武力をもって攻撃・占領したら、いつまでも押しつけられたルールにおとなしく従うんだ。日本の領土を奪っても、国民を拉致しても、国際条約を破っても、何度も領海侵犯しても、まったく動こうとしないんだ。日本の国会には決断力がなくて、どんな危機に面しても行動をとらず、中身のない薄い議論を続けるばかりなんだ」と他国は受け止めるであろうと。