中国が領海侵犯を繰り返している石垣市の中山市長の本。中山市長は、現在3期目で、石垣への自衛隊配備に前向きで、実際、ミサイル防衛システムのPAC3の配備を政府と交渉、実現しています。尖閣諸島に関しても、日本の実効支配を高めるために基地整備をすべき、との主張です。一自治体の市長でありつつ、国全体の国防のことも考え、現実的な解決策を提案し、行動していく市長だと感じました。

尖閣諸島は明治時代に日本領となり、アホウドリの猟が行われ、人も住んで産業もあった。中国や台湾がその領有権を主張したのは、付近の海底資源がありそうだとの報告がなされた1970年代以降。いま、中国は、中国共産党海軍が東シナ海から太平洋へ抜けるための航路として、日本の与那国・石垣・宮古を支配したいという意図は、ありありです。

現在は、中国・台湾の漁船だけでなく、中国公船が日本の領海を侵犯する事態が、毎月2-3回、年間20-40回近く発生しています。そのため、現在、海上保安上が常時、5隻以上の船を出して、公船や漁船を領海内から出るよう警告をしています。日本の漁民もそんな場所までは、燃料と時間をかけて行きたくないので、事実上、日本の漁場が奪われてしまっています。

これを解決して行くには、現在は、桟橋もなく上陸もできない状態ですが、日本が自国領の実効支配のレベルを高めていくしかないでしょう。具体的には、船だまりや慰霊碑の整備・中国からの漂着ゴミ処理・増えすぎたヤギの駆除等の環境の回復・学校教育をすることだそうです。

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尖閣の島々はどういう経緯で日本に属しているのか、どうやって守っていけばいいのか、中国の脅威が続く中で、極左勢力が強い沖縄の現状等が、さすが現場自治体の市長としてわかりやすく、かつ熱意を持って書かれています。一方、「国家観や歴史観を持たずに選挙のテクニックだけで政治家になった方が多いように感じます」といった政治家としての、鋭い観察眼も。

・第1章「尖閣諸島は石垣島に属する」
・第2章「中国は尖閣諸島を侵略する」
・第3章「尖閣諸島の実効支配を急げ」
・第4章「尖閣諸島が握る日本の未来」

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中山市長は、とても気さくかつ、将来の日本に対して情熱をお持ちの方でした。こういう方に市の舵取りを任せている石垣市民の観察眼は鋭い。