いわき市錦町にある、ご宝殿熊野神社の「稚児田楽・風流(ふりゅう)」は、国の重要無形民俗文化財。祭りの主役は、「勅使童児(ちょくしどうじ)」。たったひとりしかいない主役は、熊野神社の氏子の地区の持ち回りで、6-7才で、かつ長男の男の子から選ばれる伝統なのだそうです。この役はとても名誉なことで、稚児の経験は何物にも代えがたいとのこと。

その稚児は、まず須賀の海岸で身を清め、装束を着て2日間の神事の主役を務めるのですが、2日間とも一度も地面に足を付けてはいけないというルール。従って、移動はすべて「抱っこ」。なんともかわいらしいです。

<御宝殿熊野神社は、コチラ>
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稚児だけでなく、田楽を奉納する田楽童子も、地元の男子8人です。6人が古典楽器のびんざさら、2人がウサギ(白組)、3本足の烏(紅組)の露払い役をやります。

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このお祭りは、一説によると1500年も続いているとか。真偽はともかく、衣装や進行、踊り等、この50年で全く変わっていないそうです。いまの稚児や田楽童子のお父さんは、実は、かつて自分が稚児や田楽童子を務めた経験があり、代々引き継いでいる家族もあるそうです。なるほど、かつて自分が、稚児という名誉を受けた以上、こどもにもそれをさせたいし、それ以上にこの祭りを継続させよう、そのためには、青年・大人になっても、献身的に協力しよう!というインセンティブになっているんですね。そうでなければ、大人たちが、2日間まるまる会社を休んで、お祭り参加することはできないはずです。

一般的なお祭りというと、神事・祭事の都合で大人が主役になりがちです。しかしこどもは脇役になりがちです。ここ御宝殿熊野神社は、あくまで子どもが主役。だからこそ、子ども参加率が高く、だからこそ、大人も献身的に参加するんですね。良いサイクルだと感じました。

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