いわき市錦町にある、ご宝殿熊野神社の「稚児田楽・風流(ふりゅう)」は、国の重要無形民俗文化財。「稚児田楽」と「風流」だけが、文化財指定の対象ではなく、祭り全体としての文化財です。もちろん、この鉾立神事(ほこたてしんじ)も対象で、実は五穀豊穣を占うという意味では、この神事が祭りのメインイベントかもしれない。

言葉の通り、鉾を立てて豊作を占うという神事なのですが、ただ立てるのではなく、一連の流れがあります。まず宮司宅で集合し、鉾分(ほこわけ)の旗手が先頭、次に獅子の面が続き、お囃子をしながら隊列を作って、参道に移動。

<御宝殿熊野神社は、コチラ>
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笹を持ったこどもたちは、露払いの役なのだそうです。鉾立神事が行われる前には、鉾分の旗手と孟宗竹の笹の枝を持った子どもたちで参道を掃き清め。

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粛々と参道を歩き、端っこまでいったところがスタート地点。ウサギの白組と3本足の烏の紅組とで、100数十メートル先のゴール地点である社殿前まで、徒競走。鉾分の旗手の旗振りが、スタートの合図です。

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根本から掘り出した、根付きの15メートルはあろうかという孟宗竹を、青年会のみなさんの2チームで競争。参道の山側を走るのが、ウサギの印の鉾を持つ白組で農業の代表。海側を走るのが、三本足の八咫烏の鉾を持つ紅組で漁業の代表です。山側のウサギが勝てば豊作、海側のカラスが勝てば浜大漁を占います。

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かつて江戸時代に、ホンモノの農業関係者と漁業関係者とでガチンコで競われていてヒートアップしすぎてケガ人が続出したため、以後、現在の形になったとか。

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けっこう、みなさん本気です。デッドヒートでした。

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本殿の前に、白と赤の鉾を早く立てたほうの勝利。かつては錦町も漁業があったのでしょうが、いまは漁業で生計を立てている家庭は少ないでしょうね。ウサギ=白組が勝ちましたので、今年は豊作ということになりました。

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竹の根っこを見る機会って、あまりない。どんな強風でも倒れない竹の根っこは、かなり密集して生えているんですねえ。

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