日本の女の子サトコがアメリカに留学し、サウジアラビア出身の女の子ナダとルームシェアし、成長していくというストーリー。サトコ現地でルームシェアをすることに決め、さっそく家に行ってみるとそこには、ニカブ(目以外をすべて黒い布で隠した衣服)で登場したイスラム教徒の女子が登場し、あっけに取られ、この娘と本当に同じ部屋で一緒に暮らしていけるのか???ところから物語がはじまります。

2人の掛け合いが、留学生のあるある話が満載で面白い。それ以上に、イスラムの女の子が何を考え、行動しているのかが深くわかったような気がします。イスラム教徒の女の子は、国内法で強制的に押さえつけられていていて(運転免許取得できない・外出時は黒い衣服で肌を隠さねばならない)、物静かで控えめなイメージだったんですが、パーソナリティとしては実はそんなことはない。イスラム教徒の女の子の中にも、元気な子もいれば、おしゃべりな子、おしゃれな子もいて、他の国と変わらない。

宗教上の習慣の違いや、国内法の違いはあるけれど、それにしたってどちらが良い悪いではない。例えば、一日5回のお祈りの義務だって、我々からすれば煩雑が習慣に見えるけれど、イスラム教徒にとっては神と対話できる至福の時間。女性が運転免許を取得できないのは、危険だから男性がやるべき(守るべき)もの。女性が海外留学するときには、必ず守るための親族の男性が近くにいること、ニカブで肌を隠すのは、安全のため外出先で他の男性の気を引かない等、日本人にとっては理不尽かと感じるルールも、彼らの中で歴史的に作られてきたものだからです。

ニカブのエピソードが特徴的でした。イスラマ(イスラム教の女性)は、外出先では、肌を隠さねばならないルールです。特にニカブ(体全体をすっぽり黒い布で覆い、目の部分だけ開けてある)は、暑そうだし、面倒くさそうにも見えます。しかし、実は、その中で隠れた部分で楽しむという発想があって、すごくおしゃれなワンピースを着ていたり、派手は下着を着けていたりするそうです。また、隠れているから、下はパジャマでもノーメイクでも良いので、楽チンという捉え方もあるそう。

2019-05-12 18.52.35

著者のユペチカさん自身が留学したときに、イスラム教徒の女の子たちに出会って、自分が持っていたイスラム教徒の方のイメージとまったく違うなと、気づいた体験がもとなんだそうです。それを4コマ漫画にしてツイッターに投稿したところ反響が高く、単行本化されたとのこと。とんでもなく絵が上手いわけではないけれど、留学あるある、宗教の違いあるあるが、とても納得感あります。

物語の最後は、サトコの留学期間の終了とともに、ナダと別れるシーンは泣けます。宗教も習慣も違っていて、「すべてはわかりあえないけれど、いっしょにいられる」。