FACTFULNESS(ファクトフルネス)という本が、世界中のベストセラーになっているそうです。著者のハンス・ロスリング氏は、医師で公衆衛生を公データを用い、所得と健康に強い相関があることを発表された方です。その発表が、TEDトークという動画で拡散され、スポーツ実況者張りのシャウトとユーモアあふれたプレゼンテーションは、絶賛モノです。統計データをバブルチャートと呼ばれる図表で直感的に理解させ、時間とともにチャートが変化していくさまを、動画で再生させ、その間に解説をドラマチックに解説するというのは、とても新鮮でした。大意としてはモノゴトを判断するのに、先入観は間違う可能性が高いので、データに基づくべき、そのデータも複眼的に使い、常に検証していこうというもの。

<ハンスさんのTEDトークは、コチラ>
http://ur0.biz/Fxov
2019-04-24 09.09.49

<思い込みがちな10の視点>
1. 分断本能:世界は分断されている
2. ネガティブ本能:世界がどんどん悪くなっている
3. 直線本能:世界の人口はひたすら増える
4. 恐怖本能:危険でないことを恐ろしいと考えてしまう
5. 過大視本能:目の前の数字がいちばん重要
6. パターン化本能:ひとつの例にすべてがあてはまる
7. 宿命本能:すべてはあらかじめ決まっている
8. 単純化本能:世界はひとつの切り口で理解できる
9. 犯人捜し本能:だれかを責めれば物事は解決する
10. 焦り本能:いますぐ手を打たないと大変なことになる

著者はこの10の誤った視点に対し、ファクトフルネスを実践し、データや事実にもとづき、世界を読み解き、これら10の思い込みから解放されれば世界を正しく見るスキルが身につくとして、10それぞれの解決策も提案しています。

 著作の末尾にファクトフルネスの10のルールが記されているので紹介しよう。
1. 世界は分断されている
→大半の人がどこにいるのかを探そう
2. ネガティブ本能:世界がどんどん悪くなっている
→悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
3. 世界の人口はひたすら増える
→直線はいつかは曲がることを知ろう
4. 危険でないことを恐ろしいと考えてしまう
→リスクを計算しよう
5. 目の前の数字がいちばん重要
→数字を比較しよう
6. ひとつの例にすべてがあてはまる
→分類を疑おう
7. すべてはあらかじめ決まっている
→ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
8. 世界はひとつの切り口で理解できる
→ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
9. だれかを責めれば物事は解決する
→誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
10. いますぐ手を打たないと大変なことになる
→小さな一歩を重ねよう

こんな内容の濃い本が、母国語の日本語で読めることに感謝したいと思います。