ふたば医療センター附属病院は、2018年4月に福島県が開設した2次救急病院です。双葉地域の二次救急医療の確保と広域的な総合医療支援が目的とされています。場所は、富岡町役場の道路向かい。富岡町の人口は約1万人(震災前)で、うち町内に帰還した方は、約800人といわれています。ちなみに半数以上の5000人あまりがいわき市に避難中です。現状、住民帰還率10%では、患者数があまりに少なく、とても民間医療機関は病院経営的にやっていけない。医療機関がなければ、住民は安心して帰還できない。そういった鶏が先か卵が先かの、不毛な議論に一石を投じるべく、福島県の英断?で、このふたば医療センター附属病院が開設されました。震災前には、双葉郡には福島県立大野病院がありましたが、現在再開の見込みは立っていません。その代わりといってはなんですが、県費を投じて作られたこの医療機関の開設費用は、なんと約24億円にものぼります。
<福島県立大野病院事件は、コチラ>
・ベッド数:30(すべて個室)
・常勤医師:2名
・日中診療体制:医師4-5名(ほとんどが県立医科大学からの派遣)
・夜間診療体制:医師2名当直
・医療スタッフ:看護士30名(うち他自治体からの応援11名)、その他、薬剤師・放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士他
・診療科目:救急科、内科
直近1年間(2018.4-2019.3)までの外来患者数は2,700人強とのことですから、ざっくりいって、一日あたり約8人。一日8人の外来患者を4名の医師が診るので、かなり手厚い診療が受けられることは間違いありません。また平均入院患者数も4人弱とのことですから、これを30名の看護士が看ることなるので、こちらもかなり手厚い看護が受けられるでしょう。
これから町内帰還者数が増えてくれば、また状況も変わってくるのでしょうが、しばらくはこの状態が続くのかも知れません。設立由来が特殊ではあるものの、いわゆる普通の保険診療機関ですので、いわき市民であっても診療・治療・通院できます。いつも混雑している市内病院を回避して、こちらを受診するという選択肢も、ありでしょう。
重量鉄骨梁ラーメン構造の建物は、積水ハウスの設計・施工だそうです。フレキシブルβシステムという構法で、わずか8か月で建てられたそうです。診療室は3室ありました。副院長先生のご厚意で、病院内部をご案内いただき、説明いただくことができました。
なんと、病室は、すべて個室!です(差額ベッド代なし)。同等クラスの個室は、いわき市医療センターでは、8,640円/泊の差額ベッド代がかかります。これは、、、うらやましい。
<いわき市医療センター 内覧会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52731853.html
なるたけ患者に(車いすでの利用も吹く看て)自力で歩いて貰うようにすることで、寝たきりを防止したいという意図を感じます。
個室にはトイレがあり、赤くてデザイン性の高い手すり(外国製?)が取り付けられていました。特徴的なのは、ドアの開口部が広いこと。これならば車いすでも入りやすいし、介助者もやりやすいはず。
リハビリ施設が充実していました。理学療法士・作業療法士さんが常駐していて、リハビリ室が広い!まだ利用者がほとんどいないそうなので、いわき市からリハビリに通院するのもあり、かもしれません。
これから在宅介護にも力をいれていきたいそうです。二次救急病院が、介護やリハビリをやっていること自体が信じられない。
機械浴の設備も最新のもので、利用者の体を機械でアップダウンさせることができるだけでなく、浴槽自体もアップダウンできるので、介助者が腰を曲げずに入浴介護できることができるという仕掛け。看護・介護人財不足の現状を少しでも改善できるかもしれません。こちらもまだまだ稼働率が低いので、どんどん来院してもらい、使って欲しいそうです。
病室で囲まれている中庭には、富岡のイメージである、桜の木が植えられていました。
病院食は、日清医療食品に委託して、院内で調理してもらっているそうです。
看護ステーションには、大型モニターが設置され、特定の病室の患者の生体情報を逐一、観察できるようになっています。ある意味、これってICU機能ともいえる?
24時間365日対応の二次救急医療は、簡易手術もできるそうです。直近一年間(2018.4-2019.3)の双葉地域の搬送件数は約900名、うち地域内の管内搬送が約500名、うち約450名を、ふたば医療センター附属病院で受け入れているそうです。住民はもちろん、原発関連作業員や、高速道路でのけが人等、いろいろな属性の方々が運ばれてくるとのこと。まさに、地域の二次救急に貢献していますね。
へリコプターを使えば福島県立医大まで約20分、いわき市医療センターまではたったの12分で、患者を搬送できるそうです。ただ、ドクターヘリは有視界飛行ですので、天候不良時や夜間については飛行できない。
放射線事故を想定した、除染室。基本は洗い流しと拭き取りをするわけですが、流し落ちた水はきちんと回収する仕組みになっていました。
ふたば医療センター付属病院では、なんと!専属のヘリコプターを保有しています。運用は県立医大に委託し、既存のドクターヘリと連携して運航しているそうです。名前は多目的医療用ヘリとのことですが、実際の運用には医師が同乗することが多いらしく、事実上のドクターヘリといって過言ではない。2018.10から運用を開始し、2019.3までに35回ヘリ出動・搬送したそうです。ここから他病院へ患者搬送することもあれば、(ふたば医療センター付属病院とは関係なく)いわき医療センターから中通りの病院へヘリ搬送することもあるそうです。
通常、ドクターヘリの運用には、年間2億円がかかるといわれており、通常の病院では負担しきれない。これを病床数たった30床の公立病院が保有しているなんて、全国でも例のない取組みです。
<福島県ドクターヘリは、コチラ>
ヘリポートから、ER室までは直線で数十メートル。ストレッチャーで上下階の移動なく、搬送できる。
注)上記写真は、許可を得て撮影しています。
<福島県立大野病院事件は、コチラ>
・ベッド数:30(すべて個室)
・常勤医師:2名
・日中診療体制:医師4-5名(ほとんどが県立医科大学からの派遣)
・夜間診療体制:医師2名当直
・医療スタッフ:看護士30名(うち他自治体からの応援11名)、その他、薬剤師・放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士他
・診療科目:救急科、内科
直近1年間(2018.4-2019.3)までの外来患者数は2,700人強とのことですから、ざっくりいって、一日あたり約8人。一日8人の外来患者を4名の医師が診るので、かなり手厚い診療が受けられることは間違いありません。また平均入院患者数も4人弱とのことですから、これを30名の看護士が看ることなるので、こちらもかなり手厚い看護が受けられるでしょう。
これから町内帰還者数が増えてくれば、また状況も変わってくるのでしょうが、しばらくはこの状態が続くのかも知れません。設立由来が特殊ではあるものの、いわゆる普通の保険診療機関ですので、いわき市民であっても診療・治療・通院できます。いつも混雑している市内病院を回避して、こちらを受診するという選択肢も、ありでしょう。
重量鉄骨梁ラーメン構造の建物は、積水ハウスの設計・施工だそうです。フレキシブルβシステムという構法で、わずか8か月で建てられたそうです。診療室は3室ありました。副院長先生のご厚意で、病院内部をご案内いただき、説明いただくことができました。
なんと、病室は、すべて個室!です(差額ベッド代なし)。同等クラスの個室は、いわき市医療センターでは、8,640円/泊の差額ベッド代がかかります。これは、、、うらやましい。
<いわき市医療センター 内覧会は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52731853.html
なるたけ患者に(車いすでの利用も吹く看て)自力で歩いて貰うようにすることで、寝たきりを防止したいという意図を感じます。
個室にはトイレがあり、赤くてデザイン性の高い手すり(外国製?)が取り付けられていました。特徴的なのは、ドアの開口部が広いこと。これならば車いすでも入りやすいし、介助者もやりやすいはず。
リハビリ施設が充実していました。理学療法士・作業療法士さんが常駐していて、リハビリ室が広い!まだ利用者がほとんどいないそうなので、いわき市からリハビリに通院するのもあり、かもしれません。
これから在宅介護にも力をいれていきたいそうです。二次救急病院が、介護やリハビリをやっていること自体が信じられない。
機械浴の設備も最新のもので、利用者の体を機械でアップダウンさせることができるだけでなく、浴槽自体もアップダウンできるので、介助者が腰を曲げずに入浴介護できることができるという仕掛け。看護・介護人財不足の現状を少しでも改善できるかもしれません。こちらもまだまだ稼働率が低いので、どんどん来院してもらい、使って欲しいそうです。
病室で囲まれている中庭には、富岡のイメージである、桜の木が植えられていました。
病院食は、日清医療食品に委託して、院内で調理してもらっているそうです。
看護ステーションには、大型モニターが設置され、特定の病室の患者の生体情報を逐一、観察できるようになっています。ある意味、これってICU機能ともいえる?
24時間365日対応の二次救急医療は、簡易手術もできるそうです。直近一年間(2018.4-2019.3)の双葉地域の搬送件数は約900名、うち地域内の管内搬送が約500名、うち約450名を、ふたば医療センター附属病院で受け入れているそうです。住民はもちろん、原発関連作業員や、高速道路でのけが人等、いろいろな属性の方々が運ばれてくるとのこと。まさに、地域の二次救急に貢献していますね。
へリコプターを使えば福島県立医大まで約20分、いわき市医療センターまではたったの12分で、患者を搬送できるそうです。ただ、ドクターヘリは有視界飛行ですので、天候不良時や夜間については飛行できない。
放射線事故を想定した、除染室。基本は洗い流しと拭き取りをするわけですが、流し落ちた水はきちんと回収する仕組みになっていました。
ふたば医療センター付属病院では、なんと!専属のヘリコプターを保有しています。運用は県立医大に委託し、既存のドクターヘリと連携して運航しているそうです。名前は多目的医療用ヘリとのことですが、実際の運用には医師が同乗することが多いらしく、事実上のドクターヘリといって過言ではない。2018.10から運用を開始し、2019.3までに35回ヘリ出動・搬送したそうです。ここから他病院へ患者搬送することもあれば、(ふたば医療センター付属病院とは関係なく)いわき医療センターから中通りの病院へヘリ搬送することもあるそうです。
通常、ドクターヘリの運用には、年間2億円がかかるといわれており、通常の病院では負担しきれない。これを病床数たった30床の公立病院が保有しているなんて、全国でも例のない取組みです。
<福島県ドクターヘリは、コチラ>
ヘリポートから、ER室までは直線で数十メートル。ストレッチャーで上下階の移動なく、搬送できる。
注)上記写真は、許可を得て撮影しています。