著者の肩書は、ITビジネスアナリスト。外資系投資銀行勤務後に、コンピュータ設計等を手掛ける会社の経営をしているが、そのビジネスの過程で、ファーウェイ(華為技術)等中国企業により知的財産の盗用を見聞きし、まさにタイトル通り「日本のIT産業が中国に盗まれている」ことを、8年前から雑誌WILL等で発信してきました。自身の会社もファーウェイの諜報活動により倒産に追い込まれ、この8年間、ファーウェイの政治力の巨大さを痛感させられてきたという実体験に基づています。しかし、これまでマスコミや論壇に注目されることはほとんどなかった。

その潮目が変わったのは、2018年12月に、ファーウェイの副会長兼最高財務責任者の孟晩舟容疑者(46)が逮捕されたこと。ファーウェイは、ネット機器に特殊チップを埋め込み、大量の情報を中国共産党に渡していていた、スパイ企業という強い疑惑です。ファーウェイにしてもZTEにしても、もとは中国共産党の肩入れで設立した会社という経緯もあります。

いわく、「私たち日本はすでに戦場にいる」ということ。それは中国人民解放軍がしかける「超限戦」すなわち、ルールのない戦争です。超限戦は、通常戦、貿易戦、外交戦、テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦など、超国家的・非接触攻撃を含む25種類の戦略によるグローバル時代の新しい戦争のやり方です。

この定義によれば、まさに中国は戦争を仕掛けており、その相手国は戦場にいるということになります。
・貿易戦:中国の安価な製品が世界を席巻し、日本の製造業を追い詰めている
・経済戦:貿易戦で行き詰った製造業は、中国マネーに買収される
・情報戦:マスコミにでっちあげ情報を流し、幹部を罷免させる
・金融戦:ターゲット企業の醜聞をでっちあげ、株価を暴落させ、安値で買収する
・通信戦:外国の通信ネットワークを支配して、圧倒的優位に立つ
・諜報戦:通信を通じて、相手国のあらゆる通信傍受をする

まさにこの通信戦・諜報戦の役割を担っているのが、華為技術(ファーウェイ)であり、ZTEというわけ。

「戦争反対」「子供を戦場へ行かさない」といった平和デモ活動も、情報戦のひとつといえるでしょう。多くのデモの参加者は、自らの意思で参加しているわけですが、それとて大局的に見れば、相手国の意図に踊らされていて、相手国の国益を利することになっています。

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