住友不動産の「新築そっくりさん」は、老朽化した住宅を1棟丸ごとリフォームし新築のように再生する商品。新築・建替えに比べて費用を大きく抑えられるという点がセールスポイントですが、真のポイントは、再建築不可の土地でも(実質的な)建替えか可能ということです。

住友不動産が新築そっくりさんを売り出したのは平成8年。それから20年あまりの間に受注に受注を重ねて、累計で12万棟を超えているそうです。これだけの実績があれば、技術的な面だけでなく、法令をクリアするノウハウの蓄積は大きいでしょう。

写真は、木造2階建て延床15坪、築50年という狭小住宅の、新築そっくりさん施工例。施主さんから、住友不動産がモデルルームとして借受けているということで、内覧・ご案内いただきました。

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見えるところは、すべて!新築と同じ。内装・建具・断熱・キッチン・バス・トイレ、すべて新品です。なんと、建築基準法の耐震基準もクリアしています。間取りも大きく変更。ではどこが前の建物を使っているかというと、基礎や主要柱です。ただ基礎はヒビ割れしているところに、コンクリ樹脂注入して補強したり、柱も曲がり等を補正の上、補強柱を追加等、手がかかっています。ある意味、注文住宅以上に、手間暇がかかっているといっても良いかも知れません。

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以前の家は、すきま風があり、相当寒かったそうです。新築そっくりさんは、基本的に機密性住宅、すなわち、壁の断熱材と2重ガラスサッシで、熱が逃げない構造なので、室内は暖かい。

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キッチンや風呂の水回りが気になるところですが、キッチン・バスともユニットごと交換しているので、まったく新品です。

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気になる価格ですが、延床15坪のそっくりさんで、約1,100万円だそうです。施工坪単価73万円強ということになります。確かに現在の新築単価よりは安いのかもしれませんが、肌感覚からすると高いと感じていました。しかし、この内覧会の説明を聞き、以前の建物の状態をしっかり調査し、その修復・補強を行った上で、新築と同じ部材を使ってほぼ作り直すというプロセスとコストを積み上げれば、なるほどの価格だと実感しました。

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