「愉楽にて」は、日経新聞最終面に毎日掲載されていた、恋愛?小説です。一時期、「失楽園(渡辺 淳一)」が、同新聞に掲載され、経済新聞に似合わない、官能的な表現が多い連載小説でした。これを毎朝読むことを楽しみにしていた紳士淑女も多かったはず。失楽園ほどではないにしろ、大人の恋愛?を真正面から取り上げた、この「愉楽にて」。掲載は1年未満で終わってしまい、あっけなかったし、いったい結論、というか著者の思いはどこにあったのかわからなかったので、単行本を読んでみました。
表紙から読めるあらすじ
・美と恋に生きる男達の情事
・書物を愛でるように女と情を交わし、自由になるために、女から愛を求める
・東京・京都・シンガポールを舞台に家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが甘美な情事を重ねていくその果てに
要は、オカネも教養もある50代の男たちが、妙齢の女性たちと情事を繰り広げるという話。クライマックスは、ファリンという妙齢の上海人女性との不倫ストーリー。ファリンは、中国共産党の大物を祖先にもち、アメリカ留学経験があり、マンダリン・上海語・英語を話せ、中国漢詩に明るいという教養人。もちろん40才後半にもかかわらず、美貌と美肌の持ち主。そんな女性のご主人は、ビジネスで財をなし、世界を飛び回っていて、奥様とすれ違いばかり。そんなスーパーすぎる女性と、50才過ぎた日本人がお互いに惹かれ合うという話し。
日経新聞のメインの読者層である、50才代の男性の「夢想」を強く意識した小説だったんですね。どうせいなら失楽園くらい、めくるめく官能の世界を表現してほしかったと思います。最後のメッセージが、家族と健康が最も大切という、普遍的なところに落ち着いてしまっているのが、あまりに普通過ぎて、ちょっと残念でした。
表紙から読めるあらすじ
・美と恋に生きる男達の情事
・書物を愛でるように女と情を交わし、自由になるために、女から愛を求める
・東京・京都・シンガポールを舞台に家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが甘美な情事を重ねていくその果てに
要は、オカネも教養もある50代の男たちが、妙齢の女性たちと情事を繰り広げるという話。クライマックスは、ファリンという妙齢の上海人女性との不倫ストーリー。ファリンは、中国共産党の大物を祖先にもち、アメリカ留学経験があり、マンダリン・上海語・英語を話せ、中国漢詩に明るいという教養人。もちろん40才後半にもかかわらず、美貌と美肌の持ち主。そんな女性のご主人は、ビジネスで財をなし、世界を飛び回っていて、奥様とすれ違いばかり。そんなスーパーすぎる女性と、50才過ぎた日本人がお互いに惹かれ合うという話し。
日経新聞のメインの読者層である、50才代の男性の「夢想」を強く意識した小説だったんですね。どうせいなら失楽園くらい、めくるめく官能の世界を表現してほしかったと思います。最後のメッセージが、家族と健康が最も大切という、普遍的なところに落ち着いてしまっているのが、あまりに普通過ぎて、ちょっと残念でした。