建物が竣工・引渡され、12/25開業に向けて準備中のいわき市医療センターの内覧会がありました。一般市民向けに2日間だけ公開されたので、いわきの医師を応援するお姉さんの会のメンバーと一緒に見学してきました。

これまで15回、2年間にわたって、医師らとの交流・情報共有活動をしてきましたが、いわき市の最大の病院、いわき市立総合磐城共立病院の建て替えがどうなるかついては、非常に関心の高いテーマでした。

<第15回 いわきの医師を応援する お姉さんの会@夜明け市場は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52657882.html
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共立病院の建て替えコストについては、当初226億円で検討されていましたが、最終的には450億円近くの巨費を投じて、建設されることになりました。300億円以上の借金を背負っての開業ですので、ざっくりいって今後の20年間、毎年15億円の返済をしていくことになります。これまでも病院単体だけでは採算が合わず、市のお財布(一般会計)から補てんしてきているだけに、返済原資に余裕はありません。売上200億円に満たない会社が、300億円の借金を背負っているといえばイメージできるでしょうか。

医療機器だけで40億円も投資していることもあり、ほとんどの先進医療機器は、新設・更新されます(一部、現病院からの移設あり)。写真は、救命救急センターの設置された3台の処置室です。無影灯も1台設置され、相当の処置ができそうです。なおこれとは別に救命救急センター専用の手術室も新設され、こちらにも無影灯が設置されています。

<総合磐城共立病院 驚愕の建替えコスト増 226億円→343億円→402億円→449億円は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/46264217.html
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共立病院の待ち時間の長さは有名です。3-4時間は当たり前。病院にかかるには半日空けておくというのが常識でした。新病院になってもスタッフ数が激増するわけではないので、待ち時間自体の大きな短縮は望めないと思います。しかしその待ち時間を(ある程度)予想できるようなシステムが導入されます。これまではナースに呼ばれるまで、待合室にずっと待機しなければならず、トイレにもおちおち行けませんでした。今後は、新病院各所に大きなパネルが設置され、自分の番がどこまで進捗しているのか把握できるようになり、呼ばれるまでほかの場所に行って時間を過ごすことができるようになるそうです。

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入院の部屋の基本は、4室の多床室です。新築ということもあり、清潔でやさしい雰囲気の部屋でした。これまでの病室は、6室の多床式だったので、部屋自体は広かったのですが、1ベッドあたり面積は小さかった。4室の多床室になったことで、部屋自体は小さくなりましたが、よりプライバシー重視になったといえるでしょう。

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特別床(通称:とくしょうしつ)という個室も、患者の任意で選択することができます。家族が宿泊できるようなソファベッド・シャワー・トイレがあります。ただテレビドラマ・ドクターXに出てくるような特別室、スイートルームのような広さやプレミアム感は一切ありません。ちなみに、一泊21,600円です。この他、シャワーがない通常の個室8,640円/泊もあります。

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新病院の医療機器の一つの目玉でもある、ハイブリッド手術室。主に心臓カテーテル手術等で使用され、患者の体をレントゲン等で透視しながら、同時にカテーテル手術をすることができるというもの。これまでも同様に機能はありましたが、機器が大きくグレードアップし、県内では福島医大と並ぶレベルになったそうです。

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医療機器の目玉である、CTとMRI。CTは320列という国内最高レベルのもの。価格は一台数億円とか。MRIはこれまでの1.5テスラという能力から、2倍の3.0テスラという能力になり、より精密かつ短時間で計測ができるようになるそうです。今後、新病院では人間ドック等にも力を入れていくそうですが、通常の診療業務の時間の他に、どれだけ人間ドックのための設備使用時間を振り向けることができるか、また人間ドックための専門のスタッフや動線を、経営者が本気で確保することができるかが、肝となります。

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2階のホスピタルストリートは、外来のメインのフロアです。今回の新病院建て替えにともない、制服も一新した看護士さんにご案内いただきました。2階の通路はとても広く、開放的です。注目は壁各所に設置されている小さなカラフルなパネルです。これは昨年、市民とのワークショップで制作された手作りのパネルだそうです。これをカラーアクセントとして、病院の壁各所に置いているのですが、これが殺風景になりがちな病院の良いアクセントになっています。

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新病院いわき市医療センターの英語表記は、Iwaki City Medical Center。

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医療従事者のユニフォームが一新されます。職種ごとに色分けがされていて、ドクターは青、看護士はえんじ色、コメディカルは濃紺、事務スタッフはグレーのチェック柄。患者にとっても一目で職種がわかるのはとても良いことだと思います。

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6階は、緩和ケア病棟があり、医療行為を最小限に抑えた終末期医療の患者が入院されます。安らか最後を過ごせるよう、屋上庭園が設置されます。やや規模は小さいですが、屋外に出ることができ、新鮮な空気を吸うことができます。ちなみに一般の方は、専用のカードがないと病棟に入ることができませんので、当然、この屋上庭園に自由に出入りすることもできません。

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新病院の屋上には、6トンもの重さに耐えられるヘリポートが新設されます。通常は、ヘリが飛んでくる時以外は施錠され、誰も入ることができない屋上ですが、内覧会ということもあり、屋上も見せていただけました。当然ですが、周辺には13階もの高層の建物はなく、内郷の街並みが一望できます。

新川沿いに、保険福祉センター・雇用促進住宅等が見えます。その先には、内郷高坂団地が見えます。ここは産炭時代には、ズリ山・炭住だった場所で、廃坑になり住宅開発されたもので、上空から見ると産炭時代の面影があります。

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東に目を向けると、遠く太平洋が望めました!

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開院前の貴重な内覧会に参加いただく機会をいただき、関係各位の努力に感謝します。また、いわきの医師を応援するお姉さんの会のメンバーとの会話を通じて、一般市民の新病院への大きな期待を感じました。これまでも医師不足で医療現場は疲弊してきました。新病院建替を契機に医療スタッフに選ばれるような病院・まちになっていきたい。医療現場で懸命に働く医療関係者へ感謝するとともに、一市民として協力していきたいと思います。

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