いわき市では、市営の墓園として、南白土墓園(平地区)と東田墓園(勿来地区)に二つ持っています。南白土墓園の方が規模が大きく、総面積18.3ヘクタールあり、区画墓地だけで3,000基を超えています。墓地料が23万円(初回のみ支払)、使用料が2,590円(年間)と、民間墓地に比べて格安のため、募集のたびに抽選、現在ではすべて販売済みで、年に数回、返還された数区画の規格墳墓の募集だけをしています。

これから10年かけて、今後の団塊の世代の老齢化に伴い、多死社会が訪れます。公営墓地不足が見込まれるが、新たに大きな土地はありません。そこで考え出されたのが、大きな土地を必要としない、合葬式墓地や樹木葬です。いわき市では数年かけて、これらの先例を調査し、造営することを決めました。年末から、合葬式墓地納骨堂の募集開始、樹木葬の来年4月から募集する予定です。

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南白土墓園を、上から見下ろした構図です。3,000もの区画墳墓が整然と並んでいます。よくみると2-3割は、まだ墓が作られていません。これは死亡する前に自分の墓を買っておいたのだが、まだご自身が鬼籍に入っていない等の理由で、墓が作られないのです。利用されていないという意味ではもったいないという見方もありますが、いずれは使用するわけですから、必然ともいえるわけです。

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今回、新たに整備した納骨堂型合葬墓地の納骨堂です。この建物の中に個別に収納できる納骨堂と、その20年後に合葬される墓地が作られています。ちなみに利用料金は、納骨堂を利用する場合は、1体につき9万円、納骨堂を利用しない場合は、1体につき4万5千円です。

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毎年のお墓参りは、建物に設置された共同の献花台・焼香台で行います。基本的に納骨室は常時、施錠されており、墓参りのたびに故人の骨に対面するということは想定されていないとのこと。

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運用が始まってしまえば、納骨室に一般の方が入る機会は基本的にありません。今回は、完成見学会とういうことで、納骨室を見ることができる貴重な機会でした。いったん納骨されてしまえば、もう2度と故人の骨と対面することはないんですね。

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個別の納骨ロッカーは、銭湯の脱衣室ロッカーのイメージでしょうか。もちろん黒塗り・金縁等で、内部は金色に塗装されており、格式高く厳かな雰囲気でした。

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地下には、合葬式墓地がありました。見学会に参加された一般の方は、市の担当者の説明に聞き入り、積極的に質問されていました。市民も始めて合葬式墓地というものを見ますし、担当者もはじめてのことなので、丁寧にやりとりがなされていました。

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合葬式墓地は、コンクリートの浴槽?のようでもあり、その中には、白を含むさまざまな玉砂利が敷かれています。ここに一体ごとに袋詰めされた遺骨がずらっとならべられるそうです。袋ごとにはなっているものの、個別管理は行わないそうなので、どの袋が誰のものかは最終的にわからなくなるそう。イメージとしては土に還るというものではなく、袋詰めされた遺骨が、まとめてコンパクトに管理され永久保管ということでしょうか。

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樹木葬型合葬墓地は、見学会当日には、まだ造成中でした。こちらは広い敷地を、バーチャルに30cm四方に区切って、そこに遺骨を埋めていくというもの。骨は生分解性の骨壺に入れて埋葬するため、数年後には、本当に土に還る見込みです。表土には芝生が植えられ、シンボルツリーとして数本の桜が植樹される予定。こちらも毎年の墓参りは、骨が埋まって煎るであろう芝生に立ち入らず、共同の献花台・焼香台から、お参りすることになりそうです。ちなみに、販売価格は、1体につき12万円。合葬式墓地よりも少し高いですが、30cm四方とはいえ、一定の土地が必要なことから、コストアップになる模様。

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あまり知られていないのですが、南白土墓園には、公営の祭場という建物があり、ここで定期的な法要を行うことができます。15畳の和室が二つ、つなげれば30畳の畳敷きの大広間です。なんと利用料金は、建物全体で、1時間480円と格安。ぜひ親族の一周忌・三回忌等の法要や食事会等の利用をしてほしいと思います。

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この建物からの借景が素晴らしい。公営なだけに管理が行き届かない部分のありますが、それを差し引いても、庇から見える鯉が泳ぐ池、紅葉、杉、置き石等、風情がありますよ。昭和56年に整備されたこの南白土墓園ですが、当時、相当の力を入れて作ったことが、こんなところからも垣間見ることができます。

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