えちぜん鉄道株式会社といえば、かつては京福電気鉄道と呼ばれ、2001年に半年間に2度も電車同士の列車衝突事故を起こした鉄道です。全線で列車運行を停止し、運行廃止していました。しかし、住民の足はやはり必要だという声があがり、2003年からは第3セクター方式で、えちぜん鉄道という名称で、2路線が走っています。

その、たった一両編成のローカル線なのですが、なんと、車内にはキレイな女性アテンダントさんが乗車しているんです。お話を伺ってみると、経費圧縮のため無人駅がほとんどで、かつ券売機も全廃してしまったため、切符は車内のアテンダント(もしくは有人駅の窓口)から購入するのだそうです。

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服装や雰囲気は、飛行機のキャビンアテンダントとほとんど同じ。アテンダントさんの仕事は、主に3つだそうです。
1)高齢者の乗降を助ける
2)車内で切符を販売する
3)観光客に情報を提供する

地元客がほとんどの場合は観光情報のアナウンスはせず、乗り換え案内を中心にしたり、眠っている客が多いときは、あえて車内でのマイクアナウンスを控えるようにしているそうです。お客から話しかけられたときは、腰をおろしてお客の目線で語りかけるという姿勢が素晴らしいと思いました。それにしても同じ路線を60分間立ちっぱなしでの乗車勤務を3往復で、一日6時間乗車しっぱなしというのは、昼休み時間40分があったとしても、大変な労働ですね。えちぜん鉄道には12.3人のアテンダントが所属しているそうです。会社自体が赤字経営なので待遇面もそれほどよいとは思えませんが、社会的責務を持ってやってらっしゃいます。

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この女性アテンダント成立の秘話が、第一号アテンダント嶋田郁美さんがノンフィクション本『ローカル線ガールズ』を書いています。なんとそれをベースに、2018年11月には「えちてつ物語」として映画化が決定!

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車内は、自転車持ち込み可です。通勤通学に利用するかたもいるらしい。サドル部分をゴムひもでひっかけることで安定して固定させることができる。とても簡単なツールですが、よく考えられている。

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一両編成のローカル線は、ひたすら田んぼの中の一直線を走ります。のどかだ。

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