ハラルとは、イスラム法上で食べることが許されている食材や料理です。具体的には、豚肉やアルコール不使用。簡単なようですが、家畜が食べた餌にハラールに違反するものが入っていてはならない、さらに豚肉やアルコールが付いた食器やキッチンも×とされており、それを完全に証明できることがハラルには求められています。そんな食堂が、いわき湯本駅前にできました。なんと運営は、常磐病院系列のいちざん会。病院が、ハラル食堂を経営しているなんて不思議ですね。きっかけは常磐病院にイスラムの職員が在籍したことのだそうです。

ハラル自体はきびしいものなので、豚のエキスが入った出汁やスープもダメですし、日本酒をつかった出汁もダメです。よって一見、和食はハラルにはならないもののようですが、そうでないハラル適合日本食を提供しています。例えば、親子丼やラーメンです。出汁に日本酒や豚を使ってはいけませんが、それ以外で出汁を取ることも可能ですよね。ムスリムの方にとっては、ハラル適合で、安心して日本食を味わうことができるというニーズもありそうです。

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ちょうどムスリムの方が食事に来店されていました。基本的には来店客の9割近くが日本人とはいえ、外国人(ムスリムを含む)も1割以上いらっしゃるそうです。いわき市内にもムスリムのためのモスクが、小名浜に2005年に「いわきマスジド」という名称で開設されており、一定のムスリム教の信者もいるようです。

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インド料理サモサも、ハラルの名物料理のひとつ。ジャガイモ、タマネギ、豆、挽き肉がを各種の香辛料で味付けし、小麦粉と食塩と水で作った薄い皮で三角形に包み、食用油でさっくりと揚げたもの。まあ、おやつ的なものでしょうか。

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店内には、自由にかけて良い?香辛料がずらりと並んでいます。

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なんと店舗の2階には無料のPrayer's Room(お祈りの部屋)が設置されています。ムスリムは1日5回の礼拝の義務があります。①夜明け前の礼拝、②昼の礼拝、③午後の礼拝、④日の入りの礼拝、⑤夜の礼拝の5回。ムスリムでない人からすると、なんで毎日5回も仕事もせずにお祈りするの?という向きもありますが、ムスリムの人にとってそれが人生の基本であり、それをしないことが考えられないということ。生まれ育った場所も経験も違うのだから、それぞれの生き方・考え方を認め合っていくことが大事だと思います。

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礼拝室に敷いてある敷物は、きちんとメッカの方角に礼拝できるよう、セットされているそうです。

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Halal Certificate(ハラル認証書)という書類が店内に掲げてありました。飲料水に関する証明書のようでした。こういったものが求められる時代なんですね。

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