いわき素読の会(代表:山名隆史氏)による、第9回 いわき素読教室が、2018.9.9(日)に、開催されました。後援はいわき市教育委員会で、いまのところ2ヶ月に一回の開催をしています。これまでは、平一町目のティーワンビル内のいわき市生涯学習プラザ和室等で開催してきましたが、始めての中央台公民館での開催です。

今回は、広島を拠点に全国で素読教室を開催している、国語works広島の松田雄一先生を、外部講師としてお迎えして素読教室をしました。

<前回の様子は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52184591.html
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素読教室は、腰骨を立てて姿勢を良くする「立腰」(りつよう)から開始。声を出すときには、テキストを下から支えるように持ちます。複数回参加している子たちは、みんな完璧でした!

素読のひとつめは、定番の日本書紀にでてくる初代天皇である神武天皇の詔勅です。「(六合(くにのうち)を兼ねて都を開き、八紘(あめのした)をおおいて宇(いえ)とせむこと、またよからずや)」。日本という国の原点は、(諸説ありますが)まず神武天皇でしょう。

ふたつめは、孔子の言葉、論語より「子曰わく、勇を好みて貧を憎むは乱す。人にして不仁なる、これを憎むこと已に甚だしきは乱す」。

三つ目は源実朝の和歌「時により 過ぐれば民の 嘆きなり 八大竜王 雨やめたまへ」。市民が困っている干ばつに対して、当時の最高権力者が神頼みで雨乞いをするというのが、自然信仰の日本人らしい。

さらに貝原益軒の養生訓「人の身は父母を本とし天地を初とす。天地父母のめぐみをうけて生まれ、又、養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず。天地のみたまもの(御賜物)、父母の残せる身なれば、つつしんでよく養ひて、そこなひやぶらず、天年を長くたもつべし」。当時の平均寿命は40歳前後だったらしいが、貝原益軒自身は80歳まで生きたらしい。その実践を著わしたのが養生訓。単なる、健康指南本ではありません。なぜ、健康に生きなければならないのか。その答えは、自分の命は、自分のものではない。父母があった生まれ、その思いがあって育った。さらには自然の恵み・命という栄養をいただいて成長できた。だからこそそれらに感謝して、健康で生きなければならないというもの。

驚きだったのが、サッカー日本代表の柴崎岳選手の言葉が素読の素材に使われたことでした。言葉の内容自体も人生の心構えとして素晴らしいのですが、青森県野辺地町出身という紹介があり、その地理や気候風土も一緒に教えてしまうことです。全てをいっぺんに知らなくとも、なんとなく国語・地理・道徳が一体となって体に染みこむのが、素読の効果です。

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講師の松田先生は、全国を飛び回って素読教室の普及に務めています。こどもだけでなく、大人を大正とした素読教室も定期的に開催しており、大人の知識・教養としてもたいへん勉強になります。

<素読大人も素読しナイト@渋谷は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/52040626.html
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暗唱発表の時間では、前回の教室で学んだ素読教材の暗唱等が発表されました。これまで、論語や、和歌、歴代天皇名等、いろいろな素材の発表がされました。

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いわき素読教室では、参加する度に参加シールを差し上げ、一定のシールが貯まると、記念品を差し上げています。今回は、代表の山名さんから、大國魂神社に保管されていた昭和初期?の古銭が提供されました。こどもたちは、はじめて見る古銭のデザイン等に興味津々でした。

素読の素材は、論語や偉人の言葉、文部省歌、サッカー日本代表選手の言葉、花や魚の名前、福島県の市町村名等、多岐にわたります。そういう意味で、国語力の向上というだけでなく、日本の文化・風習、音楽、地理、歴史、理科、道徳等の複合学習といえます。戦前の尋常小学校の教育では、これに近い形で実践されていた部分も多く、戦後、GHQの指導・影響の下で、現在の教科体系に分離されてしまっているところがもったいない、と思います。

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