いわきサンマリーナ(正式名は、小名浜港剣浜緑地)は、かつて小名浜港南東側にあったプレジャーボート専用のマリーナでした。平成6年にオープンしましたが、平成23年の東日本大震災での大津波で大きく被災し、桟橋や係留してあった碇泊中の約150艇が流失、クラブハウスが全壊。一部施設が復旧されていますが、いまだ元の姿にはほど遠く、マリーナとしての機能は失われたままです。
寒流と暖流の交わるいわき沖はカジキ釣りに適しており、このいわきサンマリーナは、カジキトローリングのメッカで、東北最大級のビルフィッシュトーナメントが開催されていました。また平成7年の第50回国民体育大会(ふくしま国体)では、ヨット競技会場にも選ばれました。
当時の管理・運営は、県や市、民間機関・団体で構成する第三セクター「小名浜マリーナ(株)」でしたが、東日本大震災の影響により平成23年に解散しています。マリーナの総面積は15.1ha(陸域3.1ha、水域12ha)で、陸上保管を含めてクルーザーやモーターボートなど351隻が係留・保管できる東北屈指の誇れるマリーナでした。
大震災後には、徐々に県によって旧マリーナの防波堤や桟橋などの復旧工事が行われ、平成28年に緑地や海上遊歩道、釣り桟橋など施設の一部が一般開放されました。さらに平成30年に入り、メイン桟橋 ・一時係留浮桟橋・ディンギー桟橋・ディンギーヤード等が供用開始され、のんびりと休日を過ごすことができます。しかし、桟橋利用は制限中であり、かつての誇れるマリーナの姿はありません。
漁業権の設定もなく、防波堤で守られたこの水面を、活用しない手はありません。当面は、磯遊び等の利用になるでしょうが、マリンスポーツの拠点としたい。例えば、BBQやキャンプ、トライアスロンのスタート・ゴール会場、ちいさなボートやたらい漕ぎ競争等、いろいろできるはず。そうでなければ巨大な海水魚の釣り堀にできないか。課題は、港湾管理者である福島県港湾管理事務所がそれらの活動を積極的に支援するかどうかです。ぜひ福島県は管理を民間事業者に委託してもらいたい。当該民間事業者が、民間ならでは自由な発想をし、利用促進につなげる施策を次々を行うことで、実質的な利用が進むはずです。プレジャーボートの利用が増えてくれば、将来的には、かつておこなわれていたビルフィッシュトーナメントの開催です。
崖の上に立つ小名浜オーシャンホテル。この地は、天然記念物ウミウの繁殖地である照島からも近く、かつての「照島ランド」という遊園地があった地でもあります。
原則、立ち入り禁止区域とされている、消波ブロックの剣浜突堤。
突堤の先端には、何人かの釣り人の姿がありました。釣果は???のようでしたが、運が良ければクロダイが釣れることもあるそうです。マリーナ内にも釣り桟橋はあるのですが、いかんせん水深が浅すぎで、本格的な釣り人にとっては物足りないようです。