ハイロミライバー vol.1「どうなの?トリチウム」が、もりたかやさんで開催されました。メインゲストは、経済産業省資源エネルギー庁のキャリアのお二人です。いわきで開催されている未来会議に何度か参加いただいたご縁で、「廃炉」についてお話いただく機会です。

以下、ハイロミライバーさんのFBイベントページからの引用です。
原発事故処理を進めるにあたって今後増えていく放射性廃棄物の行き先や、東京電力福島第一原子力発電所構内の保管場所に限界が迫りつつある処理済み汚染水。これらは東京電力や政府、関連業界(漁業関係者等)、近隣市町村の住民等、限定的な方々にだけ考えてもらうべき問題なのでしょうか? そもそも”自分”は、それらの問題について、本当に当事者ではないのでしょうか?
仮想のスナック「スナックイチエフ」に、現時点で社会的な認知がなされている”関係者”の皆さんをゲ ストとしてお招きし、各回のテーマに沿って対話を主軸としたシリーズものの公開飲み会「ハイロミラ イバー」を開催します。
自分達が今、どのようなリスクを抱えていて、そのリスクを回避するとどんなリスクがあり得るのか、それ以外の選択肢はないのか、何が許容出来て何が許せないのか、どのようなプロセスを経れば、社会的に多くの納得感が得られる結論に達する事が出来るのか、最終的に誰かに泣いてもらうしかないのか、その場合泣かせた誰かにどのようなフォローをし得るのか、誰も泣かない為には自分たちはどんな苦悩を分かち合えるのか。
場末のスナックで、笑いあり涙あり、時には熱く語る。 そんな、立場をこえた無礼講の飲み会のようなトークセッションにあなたも参加してみませんか?

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今回の焦点は、「トリチウム」。三重水素と呼ばれるもので、水と同じ性質を持つため多核種除去設備でも、濃縮・分離ができないものとされています。そのトリチウムについて、報道されていないファクト・事実がありました。
・トリチウムは、自然界に存在する
・福島県内の河川水に含まれるトリチウム濃度は、震災前と変わらない
・福島県内の河川水に含まれるトリチウム濃度は、1970年代の測定値の数分の一(当時は、核実験が世界各地で実施されていた影響)
・トリチウムはβ線という放射線を発するが、人間の皮膚は貫通しない。したがって外部被ばくのおそれはない
・人間の体内には、元々100ベクレル程度のトリチウムが、含まれている(その体内被ばくは、0.00001mSV/年)
・人の体内には、元々4000ベクレル程度のカリウムが、含まれている(その体内被ばくは、0.2mSV/年)
・トリチウムは、基本的に体内に蓄積されない(水と一緒に体外へ排出される)
・諸外国及び国内の原子力発電所において発生するトリチウムは、国際基準に則って決められた濃度以下にして、海洋放出されている

自然界からの年間被曝線量 2.1 mSvとされていることを考慮すると、ことさらに、ごく少量の放射性物質を出すトリチウムは問題となりません。問題は、福島第一原発の事故後、たまりにたまった、トリチウム汚染水の量です。現在は、増え続けるトリチウム水を、地上のタンクに保管しています。毎日発生するトリチウム水を、タンクを増設しつづけて溜めています。この方式が持続的でないのは、誰の目にも明らかです。

そのトリチウム水の量は、現在、なんと、1000兆ベクレル相当だそうです。日本のすべての原発が毎年、海洋放出していたトリチウム水が、年間380兆ベクレル相当だそうですから、その3年分に相当します。

国際基準に従い、一定の濃度以下にして海洋放出していれば、イギリス等では、住民や漁業者への告知等も行っていないと、廃炉国際フォーラムで話されていました。しかしそれは通常運転時の話。通常運転時の数十倍の量のトリチウム水を放出したとき、濃度は決められた基準値以下だからといって、どんな影響がでるかわかりません。まずは、現在保管中のトリチウム水を、国際基準の濃度以下に薄めて、そこで、魚を一定期間育てて、どのように影響がでるかを検証すべきでしょう。

<廃炉国際フォーラムは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/47307225.html
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今回、話された内容を、同時通訳のごとく、まとめて、図解してくれたのが、キャシーさん。議事録をとるように、わかりやすい絵で記録してくれるのは、とてもありがたいです。

<キャシーのファシリティグラフィックは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/51152549.html
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参加者からの質問事項は、大きな付せんに買い手もらって提出。模造紙に貼りだしてもらいました。紹介できなかった質問等は、次回以降、フォローしていただけるとのことでした。

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今回は、経済産業省の立場での話でしたが、参加者の中には、東京電力関係者・いわきの漁業者・首都圏からの参加者等のお顔も見えました。相手を打ち負かす「議論」でなく、「対話」の場を持つことが、非常に効果的であることを実感した次第です。