小豆島のオリーブ公園・オリーブナビ小豆島を視察させていただきました。日本のオリーブといえば小豆島。実際、純国産のオリーブオイルのシェアは、なんと9割!圧倒的にナンバーワンだそうです。いわきでもオリーブ栽培を始めるグループがいくつかできていますが、その栽培技術の元祖は、小豆島なんだそうです。

オリーブ公園は、瀬戸内海を見下ろす小高い丘に約2,000本のオリーブ畑に囲まれた道の駅です。こちらの郵便ポストは現役で使用されているそうですが、「オリーブ色」に染め上げられていました!

<オリーブプロジェクト 2015収穫祭は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/45601719.html
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オリーブの栽培が本格化したのは1900年少し後。海産物のオリーブオイル漬けにするために、当時の農商務省が香川・三重・鹿児島の3県で試験栽培をはじめたところ、香川県の小豆島のみが栽培成功したそうです。どうも日照があり穏やかな瀬戸内海の気候が地中海沿岸と似ていたからかもしれません。そうはいっても、日本には地中海にはない、強い台風や日本固有の害虫もいて、本格生産にいたるまでには先人たちの相当な努力があったようです。

そもそも、精油の機械からして、日本のメーカーは存在しておらず、海外からの輸入です。機械の導入・維持コストも高いですが、島は起伏もあり機械導入が難しいため、人力で摘み取る人件費も高い。海外産の安価(といってもそれなりの価格ですが)なオイルと、市場で競争していくには、どうしても、高価格帯のエクストラバージンオイルに特化していくことになります。あえて「ピュアオイル」や「ポマースオイル」は、生産していないとのこと。一方で、1kg相当で5000円~の小豆島産オリーブオイルは、普段使いの食用というよりも、特別な食事の香り付けや、化粧品等への使われ方がメインです。

<エキストラバージンの嘘と真実は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/22866222.html
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ここオリーブ公園は、映画「魔女の宅急便」のロケ地になった場所です。それにあやかって、「魔法のほうき」の無料レンタルがあります。たくさんの「女子(海外の方も多い)」が、このほうきにまたがって、インスタ映えするフォトジェニックな写真を撮っていました。この写真を撮るためだけに、ここを訪れる層もいるようです。

このコンテンツはイイですね。「写真 × 島旅 = 小豆島オリーブ公園」というキャッチフレーズは、素直に納得です。この体験をしたいがために、他所からわざわざこの地を訪れるこの仕組みは、いわきの観光を考える上で、大きなヒントになりそうです。

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20本以上の貸出用の在庫があるですが、半分以上、貸し出し中。

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こんなイメージで撮れると、イイですね。今のカメラは連写機能が付いていますから、何度か試せばキキが飛んでいる写真が撮れるはず。

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なぜかアテナ像。ギリシャをイメージしているのでしょうか。行政のハコモノ投資の匂いを感じた、ちょっと「痛い」置物でした。

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オリーブナビ小豆島は、オリーブ公園の海側に位置する学習施設。小豆島の観光情報を入手できるし、館内にはオリーブとともに歩む小豆島の歴史の展示があります。魔女の宅急便のキキのインスタ写真目的の女子らには、興味ないだろうなあ、と思いつつ。展示内容は充実しており、大変に勉強にはなったですが、正直言って外部目線で作り込まれていない。見せたいモノと、見たいモノは違う。これも行政が作ったという匂いがプンプンする施設でした。

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先人たちが、100年以上かけて苦労してオリーブを小豆島のメイン産業のひとつ(もう一つは醤油醸造)にまで押し上げた歴史は、感動的ですらあります。

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オリーブで作った冠。スポーツの勝者には月桂冠が与えられますが、本来は月桂冠ではなくオリーブでなんだそうです。なぜなら古代ギリシャの英雄ヘラクレスがオリンピアの庭に植えたオリーブの枝を、オリンピックの勝者に与えたことが由来とのこと。2004年のアテネオリンピックでも、優勝者には金メダルとともにオリーブ冠が与えられたそうです。

さて、2020年の東京五輪・パラリンピックで、オリーブの枝で編んだ冠をメダリストへの贈呈品にしてもらおうと、香川県が要請活動を始めているそう。ぜひ福島いわきのオリーブの枝で編んだ冠も使っていただけないでしょうか。

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