岐阜県の庄川にある、御母衣ダム(みぼろダム)を見てきました。ここは、電源開発(J-POWER)が建設した水力発電専用ダムで、高さ131メートルと日本屈指の規模のロックフィルダムです。1960年の完成当時はその規模から「東洋一のロックフィルダム」、「20世紀のピラミッド」とも称されたそうです。地表からは、そのダム湖しか見ることができませんが、発電しているのは、その地下。

写真が、水力発電のタービンの上部。重さが60トンもあるそうです。これを水の高低差を利用してタービンをまわし、毎分130回転させるんだそうです。発電出力は21万5,000キロワットと、水力発電としては日本有数の規模です。原発の出力が1基で100万キロワットですから、その約1/5規模。

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発電タービンに至るまでは、暗くて長い地下道をずーっとたどっていく必要があります。これは、テクノロジーが進化した今も、全く変わっていません。

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発電所のコントロール室。ここも当然、地下数十メートル。当時は、この部屋に数名が常駐し、発電管理していたそうです。現在は、本部からリモートコントロールで遠隔管理。

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1960年建設当時からずっと使用されている、専用電話。いまでは全く使われなくなったダイヤル式電話ですが、ここでは現役です。

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タービンの心棒である軸。これが高低差を利用した水力を全て受け止め、発電につないでいます。

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建設当時は、建設機材を運搬した高低差120mの専用軌道は、今でも、管理用の移動手段としてケーブルカーが運行されています。

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ケーブルカーに乗車させていただきましたが、非常に快適。徒歩で高低差120mを移動するとなると、かなり疲弊するそうです。

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送電線の起点となる変電所。発電した電力をそのまま送ると、電線の持つ抵抗で熱となってロスとしてしまうため、なるだけそれを避けるため、高圧にして送電します(ロスがなくなるわけではないが、かなり減少できる)。高圧にするための変電設備は、ものすごい轟音を発しますので、近隣に人家があるところでの設置は難しい。だからこそ山奥に設備を置く必要があります。この近隣に人家はまったくなく、管理のために地表に置かれた管理設備に、30名程度が3交代制で常駐するだけだそうです。送電線は、これまで「線」として、どこかからどこかをつないでいくものと思っていました。ここはその「起点」です。

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