いわき市美術館では、デイヴィッド・ホックニー版画展が開催中です。明るく、わかりやすい作品は、素人の私でも、良いものだと直感できます。さて、その版画展に合わせて、美術館主催の一般市民向けリトグラフ制作体験教室がありました。(当然)リトグラフどころか、版画制作自体も、初体験です。
講師は、版画家で武蔵野美術大学通信教育課程非常勤講師を務める、小森琢己氏。年齢場若く見えますが、芸術で生きている、ホンモノのプロ芸術家です。気さくに、制作に対する心構えや、プロの制作手順等を教えていただきました。また美大の講義や美大生の制作活動等、なかなか聞けない話もたくさん織り交ぜていただき、とても楽しく学ぶことができました。
まずは、一通り、リトグラフの制作を実演していただきました。版画には、大きく分けて、木版(凸版)・銅版(凹版)・リトグラフ(平版)・シルクスクリーン(孔版)があることを、実演しながら教えていただく。
流れるような制作手順に、参加者一同、見とれてしまいました。
会場のとなった、いわき市立美術館 実技講習室は、美術館3階にあります。3階は、実技講習室のほか、美術専門の図書館もあり、一般市民もどちらも無料で利用することができることは、あまり知られていません。(一部有料にはなりますが)市立美術館建設時に、膨大な画材や制作器具が購入・備置されています。例えば、個人ではとても保有しきれない、プレス機。退蔵せずに、ぜひ活用したいですね。
<いわき市立美術館 図書室は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/26677303.html
私の制作の下絵、ラフスケッチです。描画→製版→印刷の工程の第一歩。まず、鉛筆で描いたものを、石版(実際にはアルミ板)に写すために、赤ボールペンになぞって転写します。ちなみにこれは、いわき市役所のイメージです。
カーボンコピー紙(実際には、ベンガラ紙)で、デザインがアルミ板に転写できたところ。
では、このアルミ板に、リトクレヨンや、油性マジック等で、本番を描いていきます。アクセントとして、溶かした墨を用いてぼかしをしたり、真っ白の部分を作るためにマスキングをしたりします。
上記のアルミ板を、アラビアゴム・テレピン油・タルク・ラズン等にいくつかの薬品を用いて化学反応工程を経て、原盤が完成。この原盤にインクを乗せ、紙を乗せて、プレス機をかけることで、作品が完成です。
プレス機で3枚、本番用の紙に印刷しました。考えてみると、原盤さえあれば、無限に作品を作ることができそうではありませんか。実際、江戸時代には人気の浮世絵は、原盤である木版がすり切れるまで、増刷したそうです。この点、講師にうかがったところ、まさにそれは現代でもあてはまっており、増刷による作品の価値下落を防ぐため、当初から刷る枚数を決めて(例えば300枚)刷るのだそうです。私の刷ったのは3枚ですから、作品の下部分に、「サイン」・「制作年月」とともに、「1/3(3枚刷ったうちの一枚目)」もしくは、「Artist Proof」と、鉛筆で記すのが、業界標準だそうです。この鉛筆で記すという慣習も、偽造を防止する目的で始まったのだとか。
完成した作品は、いわき市立美術館に一定期間、掲示されるそうです。こっぱずかしい限りですが、ある意味、自分の作品が素晴らしい美術館の一角を占めるなんて、ありがたい限りです。
講師は、版画家で武蔵野美術大学通信教育課程非常勤講師を務める、小森琢己氏。年齢場若く見えますが、芸術で生きている、ホンモノのプロ芸術家です。気さくに、制作に対する心構えや、プロの制作手順等を教えていただきました。また美大の講義や美大生の制作活動等、なかなか聞けない話もたくさん織り交ぜていただき、とても楽しく学ぶことができました。
まずは、一通り、リトグラフの制作を実演していただきました。版画には、大きく分けて、木版(凸版)・銅版(凹版)・リトグラフ(平版)・シルクスクリーン(孔版)があることを、実演しながら教えていただく。
流れるような制作手順に、参加者一同、見とれてしまいました。
会場のとなった、いわき市立美術館 実技講習室は、美術館3階にあります。3階は、実技講習室のほか、美術専門の図書館もあり、一般市民もどちらも無料で利用することができることは、あまり知られていません。(一部有料にはなりますが)市立美術館建設時に、膨大な画材や制作器具が購入・備置されています。例えば、個人ではとても保有しきれない、プレス機。退蔵せずに、ぜひ活用したいですね。
<いわき市立美術館 図書室は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/26677303.html
私の制作の下絵、ラフスケッチです。描画→製版→印刷の工程の第一歩。まず、鉛筆で描いたものを、石版(実際にはアルミ板)に写すために、赤ボールペンになぞって転写します。ちなみにこれは、いわき市役所のイメージです。
カーボンコピー紙(実際には、ベンガラ紙)で、デザインがアルミ板に転写できたところ。
では、このアルミ板に、リトクレヨンや、油性マジック等で、本番を描いていきます。アクセントとして、溶かした墨を用いてぼかしをしたり、真っ白の部分を作るためにマスキングをしたりします。
上記のアルミ板を、アラビアゴム・テレピン油・タルク・ラズン等にいくつかの薬品を用いて化学反応工程を経て、原盤が完成。この原盤にインクを乗せ、紙を乗せて、プレス機をかけることで、作品が完成です。
プレス機で3枚、本番用の紙に印刷しました。考えてみると、原盤さえあれば、無限に作品を作ることができそうではありませんか。実際、江戸時代には人気の浮世絵は、原盤である木版がすり切れるまで、増刷したそうです。この点、講師にうかがったところ、まさにそれは現代でもあてはまっており、増刷による作品の価値下落を防ぐため、当初から刷る枚数を決めて(例えば300枚)刷るのだそうです。私の刷ったのは3枚ですから、作品の下部分に、「サイン」・「制作年月」とともに、「1/3(3枚刷ったうちの一枚目)」もしくは、「Artist Proof」と、鉛筆で記すのが、業界標準だそうです。この鉛筆で記すという慣習も、偽造を防止する目的で始まったのだとか。
完成した作品は、いわき市立美術館に一定期間、掲示されるそうです。こっぱずかしい限りですが、ある意味、自分の作品が素晴らしい美術館の一角を占めるなんて、ありがたい限りです。