いわき市道 南作・青井線の開通式が、豊間小学校そばの現地でありました。豊間小学校は、東日本大震災時の大津波の被害にあった薄磯地区の高台にあり、その際には300人あまりの住民の避難場所となりました。しかし津波のがれきや堆積物により、道路が寸断され、陸の孤島となったところです。まるまる3日間、支援物資なく、300人の避難者がここで不安を持ちながら、暮らしたのです。

その要因は、道路が海岸線に沿った縦移動の道路しかなく、豊間小からの横移動の道路がなかったため、陸の孤島となってしまったのです。その教訓を活かして、平成24年度から計画がなされ、何もなかった山林を切り開き、震災から6年を経過した今、やっと開通にこぎ着けました。延長721m、道路幅員8mの、新設道路です。

復興交付金を活用した建設費総額は、11.5億円。県道小名浜四倉線線との接続が目的で、この道路の先に人家はありません。したがって、生活用道路としての通行量は、ほとんどないと予測されます。設置目的が緊急輸送用・非常時用の避難路としての位置づけとはいえ、日常的に使用されない道路の新設に、これだけの予算を投じたことに、いろいろな意見があろうかと思います。

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開通式に合わせて、豊間小学校鼓笛隊のマーチングの演奏がありました。ちょうど運動会のための練習をしてきたところということもあり、上手な演奏でした。それにしても全校生徒6学年あわせて、75名。震災前の1/3の水準だそうです。複式学級にはなっていないものの、1クラス10名あまりと、いろんな友人と切磋琢磨して、運動・学習し成長していくには、児童同士の接触が少なすぎる。

<いわき市道 南作・青井線 開通式 豊間小学校鼓笛隊のマーチング >
https://youtu.be/E6ToiAGHggA
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現在、2017年8月開校を目指して、豊間中がこの豊間小学校西側隣接地に建設中です。完成後は、小中一貫の教育が期待されています。それにしても中学校3学年の総数が60名ちょっととのこと。こちらも、いろんな友人と切磋琢磨して、運動・学習し成長していくには、児童同士の接触が少なすぎる。

津波被害に遭った豊間中は、震災以降として保存されずにすでに取壊し済み。防災緑地の敷地になっていました。2015年4月に、豊間中の内部を視察しましたが、そのときに記録し、撮影しておいて、本当に良かったと思います。

<豊間中学校が取壊し決定 震災遺構>
http://www.mikito.biz/archives/43262589.html
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