JR磐越東線 川前駅の駅舎・トイレ改修されています。これって、実はスゴイこと。なぜなら、赤字が恒常化しているローカル線の無人駅に、JRが新規投資しているからです。なぜ、これが実現したか。

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こちらが、無人駅の新たな駅舎。2017年4月竣工のできたてほやほやです。木をベースにした平屋建ての建物は、シンプルですが明るくて上品ですね。この新築時の「常若」(日本人が大好きなヤツです)の状態は、あと数ヶ月だけです。これからは、よく言えばわび・さびが出てくる、味わいがでてくる、年季が入る状態に入ってくるわけですが、要は老朽化・朽廃に向かっていくということ。どう維持・修繕していくかが、問われます。

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磐越東線は単線です。この駅は来年開業100周年を迎えるそうです。100年前は、磐越高速や国道49号線がなかった時代。いわきと県中の郡山とは、同じ県でありつつも、(事実上)隔絶されていました。険しい山を切り開き、石積みの陸橋を架け、何もない山林に線路を通した先人の歩みに、ただ立ち尽くす限りです。

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駅舎の中には、ぽつんと「駅ノート」がおかれてありました(当然、周りには人気はありません)。

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それを開くと、川前駅をモチーフにした、かわいらしいイラストが描かれていました。

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他のページにも、同じようなイラストが。こういう形で、駅を応援してくださる方がいらっしゃると、励みになりますね。

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駅舎内の待合室です。

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駅前広場には、いわき市で全額負担して設置した水洗の公衆トイレが、設置されていました。以前は、
くみ取り式のいわゆる「ぼっとんトイレ」でした。それでは、不衛生がちだし、観光客に提供できるようなものではありませんでした。これなら女性も安心して利用できるのでは。現在の清掃管理等は、地元の方々にお願いしてやってもらっているそうです。

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男性用も洋式便座タイプ1個のみ。小便器はありません。さすが新築、キレイです。ただトイレットペーパーの在庫が切れていたのが残念。聞くところ、もう設置1ヶ月にして、トイレ設備に対するイタズラが発生しているとのこと。いたずら防止のために、苦労しているそうです。心ない方がいるものです。

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磐越東線の列車は、一日6本です。通勤・通学に利用するには、かなり余裕を持って出発しないと、次の電車は2時間後!ということになってしまいます。地元の方でも、日常的に列車を利用する方はほとんどいないらしい。列車の本数を増やして欲しくても、今のように乗車実績が低ければ、そんな要望も叶いません。列車が地域の重要なインフラであることは間違いないのですが、それが各個人の利用につながっていないところに、肝がありますね。

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