東京おもちゃ美術館は、旧新宿区立四谷第四小学校校舎の中にあります。小学校が10年前に廃校になった際、地元に誘致されて、移転してきたそうです。小学校の11教室を使用し、土地・建物を所有する新宿区に対して、賃料を支払って入居しているそうです。これまでも、他地域で廃校利用の現状を見てきましたが、正直、成功している事例は数えるほどしかありません。その中で、こちらの施設は、トリップアドバイザーで上位に入るほどの人気施設となっています。その秘訣は何か、見てきました。

<島田市の廃校利活用は、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/44727633.html
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黄色と赤色を基調の内装で、明るくリニューアルされていますが、あくまで教室・廊下の間取りです。

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基本的に木のおもちゃが、手に触れられるように置かれています(貴重なおもちゃは、こどもの手が届かない高さに展示してあって、上手だなあと思いました)。平日に訪問したので利用者は少なかったですが、土日祝日は入場制限が必要なほど混雑するそうです。

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無休のボランティアスタッフで運営されています。皆さん、有料で2日間の専門研修を受けて、さらに有料で赤い統一エプロンを購入して、ボランティアするとのこと。おもちゃに対して、熱い思い入れがある方ばかりでした。

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ひらがなしりとりのおもちゃに挑戦しました。今日のお題は、「駅の名前しりとり」です。四谷三丁目・明治神宮前・江古田・田町・調布・府中・上野・乃木坂・神奈川・和歌山・町田・代官山で降参。このおもちゃも、ある作家さんが発案・工作したオリジナルだそうです。

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ペットボトルに水を入れ、砂時計のようにして、水の渦の音を、聴診器で聞くという実験。水の渦に音があるなんて、新鮮でした。

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展示だけでなく、毎日、いろいろなイベントが、ボランティアスタッフさんによって行われています。

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親子でボールプールで遊べます。このボールプールのボールはすべて木製。暖かみがあって、不思議な感覚です。

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人数限定で、乳幼児のためのお部屋もありました。木に囲まれた生活は、心地良いですね。

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本日のてづくりおもちゃ体験教室の参加しました。材料費代が実費のものもありますが、今回は無料のもの。

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ボランティアスタッフさん・外国人親子と一緒に作りました。スタッフさんは、英単語を交えながら、工作のやりかたを教えてくれます。

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扇子と、それで、チョウチョをあおぐと、ひらひら舞うというおもちゃを作りました。簡単なものですが、子どもにとっては、ひとつのおもちゃが完成したという達成感は、自信につながるのではないか。

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元小学校校庭は、そのままでした。東京おもちゃ美術館は別組織が、一般に貸出をしているそうです。

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小学校校舎は広く、全体としては「四谷ひろば」と呼ばれています。地域住民中心のボランティアなどにより自主管理自主運営される「地域ひろば」と「東京おもちゃ美術館」「CCAAアートプラザ」の協働で運営される施設です。

地域ひろば・CCAAアートプラザとしては、世代間交流、地域住民による地域貢献活動、地域の文化の発信拠点として、教室そのものを会議室や工作室、展示室等として使っています。

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階段がレトロチックで、良い感じでした。

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昭和4年の鉄筋コンクリート造の校舎落成時の写真が残されていました。当時は敷地内に神社が置かれていたんですね!なお現在の校舎は、昭和55年落成ですから、築37年が経過していることになります。

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入館料金は、こども500円、おとな800円ですが、これだけでは運営は成り立ちません。常時、「一口館長」として寄付を受け付けています。一口館長は、一口1万円と10万円の2種類。いずれも寄付すると、入り口の正面に、木製の銘板に寄付者のパネルが掲示されます(寄付の額の違いでパネルの大きさが異なる)。たくさんの個人・法人の方が、館の趣旨に賛同して寄付していました。

人口減少に伴い、全国いたるところで、小中高校の廃校が検討されています。いわきでも遠野地区・三輪地区で小中学校の統廃合がなされ、廃校の跡地利用が検討されています。しかし、どう利用していくかについては、なかなかまとまらないようです。理由としては、立地等を要因として、集客施設として経営の面から運営していけないということ。この東京おもちゃ博物館・四谷ひろばから学べることは、地元主導で、利用方法を考え、実際に集会室等として利用し、また東京おもちゃ博物館を誘致活動をしてきたことでしょう。自ら考え、行動を起こし、実行する、他人任せでない姿勢が、廃校利用を成功に導いているのだと思います。
 
<田人第二小学校 閉校予定は、コチラ>
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