別府は、おんせんけん大分にあります。温泉の湧出量は、全国合計の1割に達するそうです。その別府温泉の中でも、一番の湧出量を誇るのが、鉄輪(かんなわ)温泉です。いたるところの地面から蒸気が噴出し、まち全体が湯気で覆われている街は、まさに「湯煙りの街」と呼ぶにふさわしい。

その鉄輪温泉の名物が、「むし湯」です。温泉で熱せられた床の上には石菖(せきしょう)という薬草が敷きつめられていて、 その上に人が横たわります。石菖はすばらしい香りで、「豊後鉄輪、むし湯の帰り、肌に石菖の香が残る」と 詩人の野口雨情が詠っているほどです。

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約8畳ほど、高さ1mもない石室、密閉空間の中に、小さな木戸をくぐって中に入ります。数人入ったらいっぱいになってしまう狭さ。温泉で熱せられた床の上には石菖(せきしょう)という薬草が敷きつめられていて、 その上に人が横たわります。

入場料金510円の8分間一本勝負。草が付くので、レンタル浴衣210円も借ります。数分経つと蒸気の熱さでたまらない。信じられない程の汗がでます。熱さにがまんにがまんを重ねて、8分経過するとおばちゃんが声をかけてくれます。心底、助かった・・・という気持ち。

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これが石菖という薬草です。清流にしか生育しないそうです。日本版ハーブですね。

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むし湯から上がった後には、湯につかります。もちろん、こちらも本物の温泉。源泉(別府では泉源、せんげんと呼びます)が無数にある、鉄輪ならでは。

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昨今は、外国人の利用も多く、英語での入浴の仕方マニュアルが用意されていました。でも最終的には、無ぶり手ぶりで説明するそうです。

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地獄蒸しプリンをいただきました。硫黄臭はなく、まあ、普通に美味しくいただきました。

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鉄輪温泉街。まちなかのいたるところから、湯煙が立ち上がっているのがわかります。定額料金(数千円/月)で、温泉を引いている家庭も多いとか。この圧倒的な湧出量は、全国どこもかなわない、オンリーワンの町ですね。これだけ湯煙があったら、さぞかし建物(鉄・コンクリート)や車両(鉄部)が傷むのが、早いでしょうね。良い面と困った面があります。

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