いわき市内では、建築・建設業界の人手不足が尋常でありません。震災直後のような市内経済全体での人手不足ではありませんが、現在においても、特定の業種は募集が追いついていません。その原因は、市内における強い新築需要です。震災直前の平成21年度・平成22年度の市内の建築申請件数は、それぞれ1074件、1078件でしたが、復興需要ピークの平成25年には2330件、平成27年でも1981件と、震災前の2倍近い水準で推移していることからも、強い建設需要が裏付けられます。

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出典:建築行政と統計(いわき市)

データを見ると、震災前は、平成の時代ずっと、前年割れを続けてきたことがわかります。震災前には公共事業の減などの影響もあり、市内建築業者がバタバタと倒産していたことを思い出します。いわき市でのピークだった昭和50年は3953件で、バブル期の平成元年は2289件でした。それに比べると、いまの建設需要は(震災前に比べて強いとはいえ)、高度成長期や1980年台バブルの水準には、まだまだ達していないということがわかりました。いかに高度成長期が凄かったか、あんな時代はもう来ないし、当時創った仕組みや考え方からはパラダイムシフトし、まっさらに考え直さなくてはならないことを、こんなデータが教えてくれます。