ミュージアムパーク茨城県自然博物館は、茨城県坂東市にある県立自然博物館です。テーマは、「茨城の風土に根ざした自然に関する総合的な社会教育機関」。1994年開館で、今年で13年目になります。茨城県は関東の中にあり、自然を強調するには???な点もありますが、在来の自然という意味なのでしょう。もともと流れていた川をせき止めた、菅生沼(すがおぬま)の東岸に建っていて、館内から湿地帯の野鳥観察もできます。本館の建物意匠も凝っていて、「公共建築百選」選定施設リストに載っているらしい。

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館内展示は、 隕石、鉱石、化石、剥製、自然の模型等です。実際に隕石を持ち上げる展示は、見た目と全く異なる重量感を実感できたし、地球外の物質のイメージができた。

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個人的には宇宙系の展示は、こどもの科学好奇心には必須だと思います。福島県内の郡山市には、こどもの科学的好奇心を著しくくすぐる、郡山市ふれあい科学館があります。こういう施設こそ、民間ではなしえないので、公共が用意していくべきではないか。

<郡山市ふれあい科学館は、こちら>
http://www.mikito.biz/archives/49003561.html
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地元茨城の、自然・地形・水生等の展示が充実しています。いわきのアクアマリンふくしまにも、地元の川の上流・中流・下流の展示がありますが、コンセプトは似ていますね。

<アクアマリンふくしまは、コチラ>
http://www.mikito.biz/archives/26547572.html
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茨城県の自然の森の展示もよかった。森を模した展示の中に自然の生き物を点在させて、それを「あえて」固定された単眼鏡をのぞかせることで、確認させるという仕掛け。漫然とした展示でないところに工夫をかんじました。

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展示だけでなく、体験型の行事がたくさん組まれていました。サイエンスの体験教室や、屋外に指導員と一緒に出て教えてもらう教室は、貴重です。

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野外施設は15ha以上あり、池や森を模した自然観察設備や、芝生広場、花畑などがあります。設置された双眼鏡で隣接する菅生沼にいる野鳥、昆虫を観察できます。

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このミュージアムパーク 茨城県自然博物館が、素晴らしい展示・体験型施設であることに間違いはありません。一方、その運営コストは無視できない。茨城県が支出する単年度の運営コストは10億円を超えるといわれています。正直、東京から20km圏内ではあるものの、主要駅から徒歩圏でなく、高速のICからも近いわけではなく、大規模な集客は見込めない。茨城県の中でも端っこに位置していて、総茨城県民のための施設というわけでもない。展示もじっくり見れば味わいがあり、ためになるものですが、派手な話題性があるわけでもない。文化教育施設はどうあるべきか、そしてそれをどういう目的で設置&運営するべきか、非常に考えさせられました。